~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

読解力を培うとは

 

子供は絶対に、ただ本を部屋にぽとんと置いておけば自分から読むようになるわけではありません。

 

嫌がるものを無理やり読ませることはかえって本嫌いになってしまうのではないかしら?と考えるお母さん方は多いと思います。


ですが世の中にはそういった心配を杞憂にしてしまうような最高級の本というものが確かに存在します。

 

好き嫌いはあるかもしれません。

もちろん識字障害のお子さんに無理に読ませるのがいいとも思いません。

 

ですがそれはやはり一部の例外と言うべきであるでしょう。
ここでは一般論をお話しします。

 

親はどうしても自分のものさしでものを考えてしまいがちです。
自分で選んでみていいと思ったものが子供にとってまだ子供である成長過程の子供の心にとってやはり良いと感じるかどうかはわかりません。

 

それは得てして違ったりするものです。

 

例えば先にご紹介した「いないいないばあ 」を一見して、

ものすごくいい、素晴らしい~😍💘

と大人がすぐに感じるかどうかは、微妙だと思います。

 

なぜならば中にある文章は「いないいない…ばぁ!」と繰り返されるフレーズのみだからです。

柔らかくやさしい絵ではありますが、アンパンマン ノンタン ディズニー絵本 と並べて置いてあれば、間違いなく子供は先にそちらを手に取るでしょう。

 

だからこそ、親がひと手間かけて、読ませる努力をする。

そして結果は、読まされた子供の反応がすべてです。

 

私は何十回もこの本をめくりボロボロになるまで読み慣れ親しむ子供たちの姿を数多く見てきました。

 

子供は絵面のよいものをふっと手に取ります。

ディズニー絵本 も、アンパンマン も良い本ではあります。

やなせたかしの悪口は言えません。このかたの普及の名作は「やさしいライオン 」でしょう)

 

手に取るものを邪魔する必要はないのです。

 

ただ、親が親の意思で与えることでしか手に取らない世界一つの努力を必要として入る本の世界があるのもまた、確かです。

 

もし嫌がる子、抵抗する子供にそれでもあえて読ませようと言うならば、その対象は嫌がってでも読ませるだけの価値のある最高の名作であるべきです。

 

読んだ時に後悔しないものであるべきです。

 

しぶしぶ読まされたとしても、読み終わったときに、「読んだだけのことはあった」と思う本であるべきです。

 

そして後悔するかしないかは、物心ついてからでなければわかりません。

 

 

その親が子供に対して行う「一つの努力」こそが、読解力への入口となります。


親が子供に与える、子供に読ませる、それこそが読解力の訓練です。

 

塾や学校でのテストにある「物語文」「論説文」を無理矢理に読むことだけが、読解力を育てるのでしょうか?

 

 

一週間に一日だけ、本当の良作を読む時間を作るように努力してあげて下さい。

読み聞かせしてあげるのも良いし、

勉強の一環としてこの時間は「親の選んだ本を読む時間」というのを作ってみても良いでしょう。

 

他の6日間は、漫画を読み、エッセイを読み、YouTubeを見ていて良いのです。

 

たった一日の努力。

それは、わが子のためのみに存在するのではありません。

本当の良作というものは、わたしたち、本を与える親世代にも語り掛ける力を持っています。

 

 

 

 

軽く、明るくをモットーにと思ったのに

思わず熱が入ってしまいました。(反省) 

 

 

 

 

 メアリー・ポピンズ を訳された林容吉さんが、あとがきで書いている文をご紹介して、結びといたします。

 

子供たちの読む本、そういう本を書く人たちが、子供のころの自分のために書いているなどと言っているわけではありません。決して、そんな懐古趣味なものではありませんし、それほど自己満足な、それほど間接的なものではないのです。(中略)自分も、かつては子供であったということを知ること──いまの自分というものは、過去に子どもであったその延長なのです。そこなわれ、傷つけられ、汚されてはいても、やはりそのときの子どもに他ならないのです。──この事実を知り、この事実に触れていることが、わたくしどもの長い一生を、ばらばらにもせずに、完全なまま、そっくり自分のものにすることができるのです。(中略)だいいち、いつから子どもでなくなって、いつおとなになりだすかというようなことは、ほんとうに、だれにもわかりはしないのです。すべてが、区切りのない一つのものなのです。

 

 

 

 

 

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おめでたこぶた いやいやえん 読書ノート(羽海野 チカ イラスト)
ウエズレーの国 そらいろのたね おおきなおおきな おいも
おしいれのぼうけん 空がレースにみえるとき マチルダは小さな大天才

 

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「大きい一年生と小さな二年生」元祖ツンデレのギャップ萌え

 もう、200版に届くほど売られている、名作中の名作

「おしいれのぼうけん」の古田足日さんの作品です。

 大きい1年生と 小さな2年生

大きい1年生と 小さな2年生 (創作どうわ傑作選( 1))
作者: 古田足日,中山正美
出版社/メーカー: 偕成社
発売日: 1970/03/01
メディア: 単行本

 これはまだ、ツンデレなどという言葉が存在しなかった時代の物語。

 小さくても気の強い女の子、あきよちゃん。

なりは大きいけれど、気が小さくて泣き虫なまさやのお世話をすることになります。

 このなんのかんのと、お世話するまでの導入部分が、非常に自然で違和感がないです。

 「ちこく、ちっこく~!」

学校に遅刻してパンをくわえてえて走っていると街角でぶつかった!

 というご都合主義は排除されてます。

 ご都合主義もそれなりに楽しく、わかっていながら楽しむという面はあるのですが、(アニメは時間制限もありますしね!)そこはやはり、名作たるゆえん 。

物語は、あきよが背丈を測る所からはじまります。

 弱虫のまさやは、一年生になったのに、学校に行けません。

そんなまさやが、頼りがいのある背の低い二年女子、あきよに

卵からでたひよこが、はじめて見た者を親と認識して慕うという
刷り込み(インプリンティングされてしまい

すっかりなついて

あきよちゃんがいなければ学校に行けない

という状態に陥ります。

 

周りのキャラも強烈です。

みどりは女の子ですが、ときどき、まさやのおなかをげんこつでなぐったりして、まさやをなかすのです

みどりちゃんはちょっと忘れられません。

あきよちゃんにレイをもらってドキドキするまさやです。

 

 

あまりのヘタレっぷりをお母さんにとがめられたまさやは、
そうだ!あきよちゃんみたいになればいいんだ!
と大いなる勘違い。

まさやは、バードウォッチングならぬ
あきよウォッチングをはじめます。

結果、まさやはあきよの、言いたいことをはっきり言う性質が学校内で巻き起こしているサバイバル生活を目の当たりにするわけですが

思った以上のハードな仁義なき戦い

二年生なのに、五年生まで泣かすバトルロイヤル生活を目にして、チキンなまさやは早々にあきらめます。

 まさやはウォッチングはとりあえずやめますが、あきよとその親友のふじおかまりこと仲良しになります。(なぜまりこだけフルネーム?)

ふじおかまりこ。この物語の一番の常識人でいい味を出してます。

そこである事件が起きるわけですが…

 ここで起きる、最強のツンデレギャップ萌えによる衝撃から

この児童文学史上最弱の大きな一年生、まさやが奮い立ち、大きな成長をとげる道のりはぜひ、読んで確かめて頂きたいとおもいます。

ネタバレするには忍びない感動です。

まさやでなくとも、すべての人があきよちゃんに胸キュンです。

 

あきよちゃんへの感情が、お母さんにはできなかったまさやの成長をうながします。

大切に思う人のために出てくる底力は、もともとそなわっていたものでした。

内気で弱気だった臆病者のまさやの優しさの力は、ホタルブクロの花とともに開花します。

 

子供たちは、ここでもやはり、作中のクソガキたちの悪口を言います!

こちらは笑ってしまいますが、子供たちは真剣です。

この、「悪口を言う」と言うのはやはり、この作品にどれだけ共感し、心がこの世界に入っているかの指標のようなものです。

 

これは、という作者がいます。

絶対に間違いのない作者です。

 古田足日さんは筆頭です。

全集を買うのもおすすめします。どれ一つはずれがありません。

 

なんとまさやの家にはカラーテレビがない。

などという、ジェネレーションギャップな昭和の時代の話ではありますが

 ・まさやが漫画雑誌を読みふけって何もせず、お母さんに怒られる。

・すぐ男子が「チビ、チービ」などと言って人の身体的特徴をからかう。

 ・前の晩に遅くまで漫画を読みすぎて、朝寝坊で朝ごはんが取れずおなかがすいて泣き出す。

 

小学生あるあるです。

ごらんのとおり、まさやは漫画が大好きです。

 のんびりやのまりこが、たいへんいい味を出しています。

表紙ではなにげにひどい扱いですが。

 

さて、この本は、字は大きいですが割とページ数があり、装丁も厚く、いかにも「本」といった感じです。

 絵本から 児童書にうつる誘導の一冊の位置付けになるかと思われます。
これはとても大切なことで大抵のお子さんは、

絵本から、そのまま絵の世界から抜け出せないまま漫画へと移ってしまいます。

漫画は素晴らしい文化なので、どんどん読んで良いと思いますが、それだけではやはり、足りないのも確かです。

やはり、文字に、本に、慣れるには
読んで最高だった!!
という体験を得るのが一番です。

大きな一年生と小さな二年生を
ぜひ、お子さんと一緒に親御さんにも読んでもらい、

読んで損はない

と実感して下さい。

 

(2014年にはアニメ化もされたようですが、それほど評判はよくなかった模様。興味のある方はこちらをどうぞ)

 

 

Amazon>>大きい1年生と 小さな2年生

絵本ナビ>>大きい一年生と小さな二年生

 

 

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子どもの本だな【広告】

三びきのやぎのがらがらどん 長い長いお医者さんの話 世界むかし話集1イギリス編
鹿よ おれの兄弟よ ビロードのうさぎ こすずめのぼうけん
名探偵カッレとスパイ団 わたしのわごむはわたさない 西遊記

 

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「チポリーノのぼうけん」 生きて泣いて笑う悪役

岩波の復興文庫の中に、この一冊が入っているのを見て、とても嬉しくなりました。

チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)

チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)
作者: ジャンニ・ロダーリ,ヴラジーミル・スチェーエフ,関口英子
出版社/メーカー: 岩波書店
発売日: 2010/10/16
メディア: 単行本(ソフトカバー)

作者のジャンニ・ロダーリさんはなんと、大正~昭和初期のころの、作家さんです!!

 だからといって、古すぎるのではと心配する必要はありません。

訳したのはもっとあとなのでそれほど古くささは感じません。

 

イタリアの作家さんです。1970年(昭和45年)に

国際アンデルセン賞を受賞しました!

その時代の思想を色濃く受け継いでいて、この本の内容は

 たまねぎ一族のチポリーノが、すったもんだの大騒ぎ💥の末に、支配階級の貴族、レモン大公✨たちをぶったおし、民主主義に基づく市民革命を打ち立てる

という…

 

これだけ聞くと
え、ほんとに子供向けなの…?😥💦💦
と思うかもしれませんが
中身はまさに、ロールプレイングゲーム的な冒険です。


このころの児童文学は歌も一緒についていることがありました。
楽譜もついていて本に載っています。

おいらのうまれは たまねぎ畑
陽気で元気で 友達いっぱい
かぶこさん いちごさん さくらんぼうや
ぶどう親方 にらやまにらきちどん
たまねぎにおいの 嫌いなやつは
レモン大公 トマト騎士
ゆこうよゆこうよ くじけずゆこう
チポリーノ チポリーノ ぼくも仲間

みんなと一緒に あばれて育ち
たまねぎ学校 卒業生よ
かぶこさん いちごさん さくらんぼうや
ぶどう親方 にらやまにらきちどん
高い垣根は おいらにゃいらぬ
広い世界へ 旅にでよう
ゆこうよゆこうよ くじけずゆこう
チポリーノ チポリーノ ぼくも仲間

登場人物がだいたい、この歌の中で紹介されているので引用してみました。

さりげなく

あばれて育ち

とありますね。

ぜひ、そのあばれ気味を、読んでお確かめ下さい。


表向きのラスボスはレモン大公なのですが
裏ボスというか、影で操る立役者というか
物語の上でも超重要・超危険人物

何と言ってもトマト騎士!!

これを超える悪役を見たことがないと言ってもいいぐらいひどい奴です。
でもヴォルデモート卿とは違う…。
生きて動いて泣いて笑う悪役です。

 ちょっと、ほろりと来る所や、お前にはお前の立場もあるんだねと思わせる所が…

あまりにもリアルで、本当に憎たらしいです!!💢

 

大きくなった時に子供たちは
こういう人、本当にいるんだ!あっこれはトマト騎士だ!
と思うときが来ることでしょう

(ちなみに私はきました)

 

いい本はとにかく、

悪役がイキイキしています!

 本当にそこにいるように感じます。
血が通って動いています。

 

ちなみに私のお気に入りは
貴族出身だけどチポリーノの親友
さくらん坊や💖です
このネーミングで訳した関口さん超ナイス💖です。 

ちなみに、イチ子(いちご)という子も出てきて、私の超お気に入りです!

カブ子もいます。クリ博士とか、エンドウ豆弁護士とか、ナシノ木ナシ男先生とか。

食べ物と小動物が入り混じっての大乱闘です。


この悪人づらをご覧ください。

私のお気に入りのイチ子です。

悪役というのは主人公と同じぐらい大事で、

強烈であればあるほど、物語はいきいきとしてきます。

この最高最悪のトマト騎士くんは、あほなトップの下にいて、すべてをあやつっています。このポジションも絶妙。

特に何も考えていない、家柄と金だけでえらそうなサクランボ夫人たちもムカつきます

大奥さまはサクラン坊やをどなりつけました。「さっさと行って、勉強しなさい」

「ぼく、もう、やってしまったんです」

「ほかの勉強しなさい!」と、きびしく、若奥さまが命令しました。

(中略)

「読み方のおさらいは、もうすみました」

「ほかのところを習いなさい」

 まるで誰かの姿を見ているようで心が痛いです。

 

イタリアのお話ですが、フランスの共和政治的な革命の影響を色濃く受けています。

主義思想はどうでもよくて、革命というものは物語として読むにはとても爽快なものです。要は勧善懲悪なわけですから。

 

チポリーノの波乱万丈な冒険と、ついにやりとげられた革命をこの身に感じた時の爽快さによって、

言論を封じられることへのおそれ

自由に生きられる選択肢があることの大切さ

今、当たり前のようにあることが、当たり前ではないこと

などを、チポリーノとともに冒険をした全ての子供たちが、体験をもって学ぶことでしょう。

 

こむずかしい言葉で語られてはいません。

泣いて、ひどいめにあって、つらいことがあって、勇気と知恵と友情で、切り開く。

 

よく漠然と語られる「想像力をゆたかにする」とありますが

この本を読むと、大人が賢明に考えながら、平易な言葉で、子供たちにこの世界について伝えようとする心が、大人の私たちにも伝わってきます。

Amazon>>チポリーノの冒険 (岩波少年文庫) 

絵本ナビ>>チポリーノの冒険 

ちなみに、チポリーノ本人ですが、とっても可愛い顔してるので、(やることはアレですが)、ぜひ本を手に取って見てみて下さい。  

 

 

 

  

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子どもの本だな【広告】

よるくま おかあさんだいすき 時の旅人
ウエズレーの国 たのしい川べ おこだでませんように
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「銀のほのおの国」神沢利子 ~ゲーム好きの子に捧ぐ~

  ラノベを読んでいる子どもを持つ親御さんが

「うちの子は本が好きで」

「うちの子はほっておいても自分から本を読むんです」

それは間違いではありません😊

活字に慣れるのは良いことです!

 

最近のラノベは、内容にしても決して馬鹿にしたものではありません。

中には、普通に純文学の装丁で売られているもの顔負けの内容を持つものも少なくありません。

題名がたとえ、「ある日目覚めてみると王子様がスライムになって現代社会で社畜になっていた」などであっても、引かなくても大丈夫です。

(いま、適当に書いただけなので検索しないでください)

その世界をもう一歩広げて、文学の世界へ導くのは、

いきなり、芥川龍之介や、太宰治を読ませることではないと思います。

 銀のほのおの国

銀のほのおの国 (福音館文庫 物語)
作者: 神沢利子,堀内誠一
出版社/メーカー: 福音館書店
発売日: 2003/10/15
メディア: 単行本

 

 作者の神沢利子さんは、幼少期を樺太(!)で過ごされ、アイヌの世界に造詣が深く、

非常に多くの神秘的な物語を描かれています。

 その中でも、この「銀のほのおの国」は、ストーリー性もメッセージ性も、非常にすぐれた物語の一つです。

 

ファンタジー系のラノベが好きなお子さん

ロールプレイングゲームが好きなお子さんならば、

きっとこの本のすばらしさを、すぐにわかってくれることでしょう。

 

1974年に第一版が発行された日本子供の本研究会の「どの本読もうかな?」の紹介文を引用します。  

たかしとゆうこの兄妹が、投げ縄を剥製のトナカイの首にかけ、でたらめに呪文をとえると、 剥製のトナカイは生き返り、“銀のほのおの国”を再建するためにたちあがる英雄“はやて”となる。(中略)たかしとゆうこは、広大な雪の原野を舞台に繰り広げられるトナカイ族と青イヌ族の大戦闘に巻き込まれていく。冒険に満ちた雄大な世界を描いたファンタジイ長編物語である。

こちらのレビューもご参考下さい。

d.hatena.ne.jp

 

 ロールプレイング的な王道の流れになっているので、ゲーム好きの子にも受け入れられやすいでしょう。 

そしてさらに、ゲームでは表現しえない、画像ではとても作り得ない

この世界の美しさ

この世界で生きる厳しさ

それらが、同一に矛盾なく存在するさまが、荘厳に描かれてあり、胸に迫ります。

 

うさぎのはね坊主の運命。

三つ巴、四つ巴の混戦となって、それぞれの動物たちの一族が、それぞれの立場と誇りを主張し、振りかざして戦い、倒れて行く「二つの死」の章。

現代の問題にもまた通じるストーリーを、ぜひその目で確かめてみて下さい。 

この体験を、ぜひお子さんに味あわせてあげてください。

川がおなじうたをうたいつづけるように、わたしもまた、おなじ問いを問いながら年を重ねたと思います。老年となったわたしには今、生と死は対立するものとしてではなく、いよいよ渾然とした一体として感じられるのです。

神沢利子さんのあとがきより 

この物語は、1972年初版発行。

ドラクエ1が発売されたのは1986年。 

たかしとゆうこの物語はいまだに古びないままです。

Amazon>>銀のほのおの国 (福音館文庫 物語)  

絵本ナビ>>「銀のほのおの国」神沢利子

 

 

 

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ものすごくおおきなプリンのうえで チョコレート・アンダーグラウンド 三びきのやぎのがらがらどん
ノンちゃん雲に乗る こども論語 100かいだてのいえ
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「いやいやえん」中川李枝子

 今日ご紹介するのは

 いやいやえん

いやいやえん (福音館創作童話シリーズ)
作者: 中川李枝子,子どもの本研究会,大村百合子
出版社/メーカー: 福音館書店
発売日: 1962/12/25
メディア: 単行本

「いやいやえん」はシンプルに面白いです。

 読み聞かせには最適です。

 

「いやいやえん」に出てくるのは、

きっとお母さん方としては、頼むからうちの子と関わらないでほしい!と願うであろうクソガキしげるちゃんです。 

1.かおを、あらわないできました。
2.ゆびを、しゃぶっていました。
3.はなくそを、なめました。
4.はさみをもって、はしりました。
5.つみきのとりっこをして、ともだちをはたきました。

はなくそを、なめました。

強烈です。

しげるはきょう一日で、十七かいも、やくそくをわすれ、「しげるちゃん!」と、せんせいによばれ、にらまれました。

いつも子供たちを怒っているのと同じ声を出して、本気で「しげるちゃん!」と読むと、子供たちはどっと笑います。

全国のおとなしいしげるさんには酷な体験です。

 

いやいやえんには、「説教臭さ」がありません。 

子供にこうなって欲しいという親の願望。
教えや、しつけや、押し付けがありません。
(それらもまた必要なことですが…)

完全に子供目線の、子供がわからの体験として、心にすうっと入ってきます。

 

おおかみも扱いかねる、しげるちゃんがクソガキ💨なのはデフォルトであるとしても、この物語はそれだけでは終わりません。

しげるちゃんを超える、史上最強のクソガキ、

えむちゃん

が登場します。 

 

こどもたちはえむちゃんが大嫌いです。

「あいつ最っ悪!!!!」

「大嫌い!!」

「クソだわ!!!」

と、口々にえむちゃんの悪口を言いあいます。

そうなった時にはもう、お子さんはこの本のとりこになっています。

 現実のお友達を「クソだわ」と言うよりも、

本の中の登場人物をクソだと言いあっている方が、

どんなにかありがたいことだろう、と私は思いました。🙄

 

最終的には、あれほどクソガキだと思っていたしげる

しげる、行け!えむちゃんと対等に渡り合えるのはお前だけだ!!

という気持ちさえ湧いてきます。

まさに毒をもって毒を制す

 

ちなみに、こちらのサイトに、たいへんすぐれた「いやいやえん」の感想が書き込まれていますので、ぜひ一度ご覧になってみて下さい。

 

すべてのご家庭に1冊ずつあって損はない、児童文学界金字塔の作品の一本です。

Amazon>>いやいやえん

絵本ナビ>>「いやいやえん」中川李枝子

 

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子どもの本だな【広告】

びりっかすの子ねこ 二分間の冒険 ちいさなきいろいかさ
チポリーノの冒険 ゆかいなかえる おたまじゃくしの 101ちゃん
エーミールと探偵たち ルピナスさん―小さなおばあさんのお話 ぼくがぼくであること

 

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何を読めばいいの?

 


こんにちはみなさん。

ブログ主の悠です。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

これから、わたしが絶賛宣伝中の「珠玉の児童書」
を紹介していこうと思うのですが

 

その前に、どうして、わたしがこのブログを作って
本をおすすめしようと思ったのか。

 

少しだけお話したいと思います。

 

今、こどもたちが本を読まなくなっています。

 

学校に行ってみて読み聞かせのボランティアをして、
自分の子供の友人に接してみて、ひしひしと実感しています。

 

驚くほど読まないです。

 


学校で、塾で、言われるはずです。

 

「国語力を身に着けるためには、本が大事です」
「お子さんは本が好きですか?」
「読解力が大切です」
「読解力を身につけるためには、本です!」

 


では、何の本を用意してあげればよいのか。

先生!そこを教えて下さいよ!💨

 

学校から持って帰る図書館だよりを見てみるけれど…

なんとなく、絵本ナビ などのサイトで、

「おすすめ本の特集」を眺めてはみるけれど…

 

どの本を子供に買い与えてあげればよいのか?

 

そのために、このブログを作りました。

 

50年の読書歴、
20年の読みボラ経験より、
厳選しておすすめします。

 

 

 


カフェで子供たちのために置く本としても
スタイリッシュな中に数冊、混ぜておくと

 

本好きな人ならば必ず、

「おっ、わかってるな」

「確かにこれははずせないな」と思う本ばかりです。

 

どうぞ安心して、図書館に足を運んでください。

棚になければたずねてみて下さい。

 

損はさせません。

絶対に、請け合います。 

 

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子どもの本だな【広告】

世界むかし話集1イギリス編 エルマーのぼうけん ちいさなあなたへ
ツバメ号とアマゾン号(上) ももいろのきりん 算数病院事件
小さい魔女 ちいちゃんのかげおくり 100かいだてのいえ

 

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「いないいないばあ」松谷みよ子 ~「本当に良い」本を求めて~

「本当に良い」本を求めて

 「本当に良い」??

「本当」とは何なのか。

一番最初に紹介するのはこちらです。

「いないいないばあ」松谷みよ子

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)
作者: 松谷みよ子,瀬川康男 出版社/メーカー: 童心社 発売日: 1967/04/15
メディア: 単行本

全ての生まれてくる子どもたちに一冊ずつ送りたい本。

 

この本の何がすごいのか?
どこが「本当に良い」のか?

 それは、この本を贈られた全ての子供たちの反応が答えです。

下にずらずらと書いているのは、昔書いた紹介文ですが
このブログでは
あまり固いことは抜きにして

楽しく!😊明るく!👍をモットーに

とにかく、一流の本
本当に良いと確信を持ってご紹介できる児童書
どんどん、紹介していきたいと思います。

 

Amazon>>いないいないばあ

絵本ナビ>>いないいないばあ 

(絵本ナビのリンクは試し読みが出来ますので、どうぞその目でご確認下さい)

 

1000万人の絵本ためしよみサイト|絵本ナビ

昔、情熱をもって書いたブログ主の紹介文です


シンプルな内容もさることながら、イラストがまた素晴らしい。

 

昭和の黄金期は、児童文学において五人の天才を生み出した。

石井桃子松谷みよ子あまんきみこいぬいとみこ古田足日

 

ビクトリア朝時代もまた、中産階級の家庭の中で珠玉の児童文学を多数生み出した。
バーネット、スティーヴンソン、ケネス・グレアム、バリー、ベアトリクス・ポター、キップリング、ネスビットなど枚挙にいとまない。

 

昭和もまた、世界に誇る児童文学の黄金期であった。

神沢利子寺村輝夫長崎源之助今江祥智、中川李枝子、岸田衿子

 

平成のそのまた次の時代を担う世代に、後世まで語り継がれるであろう名作を埋もれさせないために、ここに日本が誇るべき、珠玉の児童文学の数々をご紹介していきたい。

 

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   子どもの本だな【広告】 

くまの子ウーフ メリサンド姫: むてきの算数! ドリトル先生航海記
だれも知らない小さな国 いたずらきかんしゃちゅうちゅう ルピナスさん―小さなおばあさんのお話
大食いフィニギンのホネのスープ ロボット・カミイ おひさま はらっぱ

 

 

 

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ブログをはじめました。

 

わたしの手元に、一冊の古い古い本があります。

 

「子どものための1,000冊の本 ~どの本読もうかな?~ 」 

f:id:WhichBook:20190215183007j:plain

 

この本が与えてくれた読書の喜びを

次世代の子供たちにも広めたいと思い、ブログを作りました。

 

 

 これからよろしくお願いします。

 

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子どもの本だな【広告】

おしいれのぼうけん だれも知らない小さな国 魔女ファミリー
おめでたこぶた サムのおしごと ぼくは王さま
空がレースにみえるとき いないいないばあや ロボット・カミイ

 

 

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