今日の一冊「ジオジオのかんむり」 その心は煉獄さん
今日の一冊「ジオジオのかんむり」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ジオジオはライオンの中でも一番強かった王さまで、立派なかんむりをかぶっています。でも、ひとりぼっちでした。そこへ、卵をすべて失った小鳥がやってきました。嘆く小鳥にジオジオは語りかけます。「たまごをうみたいなら、いいところがあるぞ」。それはなんとジオジオのかんむりの中。ここなら安心、たまごは無事かえり小鳥たちは元気にジオジオのまわりを飛び回ります。年老いたライオンと小鳥との心の交流を優しいタッチで描きます
たくさんのやさしい絵本を描かれている岸田衿子さんの絵本です。
まだまだ、一番売れ筋の所に、平積み現役です!
ひらがなが子どもにやさしく、絵もやさしく、内容もやさしい絵本です。
年取ったライオンのジオジオ。
年はとっていますが、とても強い強いライオンでした。
その強さのために、ジオジオは恐れられ、孤独を抱えています。
そこに、たまごをすべて失った鳥が舞い降ります。
ジオジオは、自分の冠の中に鳥を導きました…。
年取ったジオジオですが、王は王。
捕食者たちはとてもジオジオには近寄れないので、冠の中で守られて、ひなたちはすくすくと育って行きます。
妹子「その本、おもしろい?」
わたし「面白いというよりもいい話という感じかな」
妹子「どんな本?」
わたし「まあひとことで言えば…」
妹子「言えば?」
わたし「煉獄さんって感じかな」
妹子「えええーーー!読むーー!!」
煉獄さんのお母さん「弱き人を助けることは、強く生まれた者の責務です」
とまでは言わないまでも、ジオジオの強さの中には強いがゆえの孤独があって、冠の中にはからっぽの空間があります。
その冠の空間が、たまごによって満たされる。
これまで、どんなに産んでも育てられず、すべての卵を失ってしまった鳥の守りとなり、巣となって、ついに冠から、小鳥たちが飛び立っていく…。
ジオジオはもう、孤独ではありません。
しっとりとやさしい絵本です。
わたし「妹子、どうだった?」
妹子「煉獄さんだったわ…」
年取ったとか、ひなたちを育てたとか、なんだか死にそうな感じがする年とったジオジオですが、この後も生き続け、誕生日を迎えたり、パンを焼いたりと、そこそこ元気です。
ぜひ手にとって煉獄さんかどうかを確かめてみてください♡
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
らいおんのジオジオは、せかいじゅうでいちばんおかしがだいすき。七十さいのたんじょうびのおいわいに、ケーキをちゅうもんしました。そのケーキは、とくべつおおきいこと、とくべつおいしいこと、いろんなきのみやくだものをたくさんつかって、あじとかおりをよくすること。さあたいへん!どうぶつたちは、ざいりょうあつめにおおいそがし。5~7歳向。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
らいおんのジオジオがパンやさんをひらきました。しまうまパンにきりんパン、どせいパンにほうきぼしパン、ひなぎくパンにはちみつパン。どうぶつたちは、ジオジオのやくパンがだいすき。
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大人が読む児童書「オンネリとアンネリのふゆ」 2 読了 小人たちとの素敵な暮らし
今日、ご紹介するのは児童書です。
『オンネリとアンネリのおうち』で小さな可愛いおうちを手に入れたオンネリとアンネリのもとに、11月のある日、ショーララと名乗る小さな家族が薔薇乃木夫人をたずねてきました。彼らは、彼らをつかまえようとする悪い人間たちから逃げているといいます。そこでふたりは、夫人が見つかるまで、家にかくまうことにしました。はたして、彼らを守ることができるのでしょうか。フィンランド生まれの、ハラハラドキドキの冬の物語。
大人が読む児童書「オンネリとアンネリのふゆ」 1 ドールハウスは夢の国
この本のほとんど、といっていいほどのページが、「小人たちとの素敵な暮らし」の描写です。
小人たちのお話は、さまざま、たくさんありますけど、やはりなかなか人間との交流は難しいです。
◇
アリエッティの一家は、出来る限り見つからないように細心の注意を払っていますし、見つかってしまったらやっぱり、そこに住むことは出来なくなります。
イギリスから渡ってきた小人たちをお世話することを許されているのは、決められた一族だけです。
さとうさとる「だれも知らない小さな国―コロボックル物語」
コロボックルたちは、暮らしを外界の変化に添って変えようと試みますが、決して人々と交わろうとはしません。
◇
オンネリとアンネリのお話も、基本は同じなのですけど、でも、これらの物語のどれよりも、たっぷり、ゆっくり、小人たちと最高に楽しい時間を過ごさせてくれます。
何しろ、小人たちは家が見つかるまでの仮の住まいを、ドールハウスで過ごしてくれる のですから…。
でも、生きたお人形遊びという感じはしません。
小人たち一家との、その精神的な交流がとても楽しそうです。
・すてきなおばあさま
・作家のようなことをしているお父さんのショーララ氏(ガリバー旅行記やムーミンの冬を小人用に書き写しています)
・模範的主婦のショーララ夫人
・無茶苦茶な暴れん坊、プティ坊
・おとなしくて可愛いリッリちゃん
・小人のあかちゃん
プティッチャネン族とのことですが、この一家と一緒に過ごすクリスマスの日のパーティと言ったら、夢に見ることができそうなすばらしさです。
実にうまいことできてるもので、実際のクリスマスは、オンネリちゃんもアンネリちゃんも、ちゃんとそれぞれ、自分たちの家族と過ごすのですが、プティッチャネン族のクリスマスは、プティ・クリスマスといって、実際のクリスマスより前に行われます。
このクリスマスのお祝いのシーンが、不思議な魔法がかかったように、さまざまなことが次々に起きて…。
それはそれは、メアリー・ポピンズで起きることのように、とても起きそうもないことが、次々に起こります。
メアリー・ポピンズで「ああ、この楽しさがもうちょっと長く続けばいいのになあ!」
メアリ・ノートンで「小人たちと自由に普通にずっと暮らしたり遊んだりできたらいいのになあ!」
という夢を体現してくれます。
もちろん、それだけでは終わらないのですが…。
◇
様子が変わってくるのは後半です。
わたし「妹子ー!!」
妹子「はい、なに?」
わたし「何なのこいつら!もうムカついて、ムカついて…!」
妹子、すぐにわかったようでした。
妹子「そーうでしょー!そいつらね、もう読んでると腹が立って腹が立って、追い出したい…!って思うけど、追い出せないの!何とかしたいってずーっともう…ムカムカして…」
子供たちだけで住む家。
そんな憧れの家に、ずけずけと入り込んで来た図々しい大人の女性。
やはり、オンネリもアンネリも、いくら自分たちだけの家だとは言っても、大人がそこに、正当性を振りかざして
「誰か面倒を見る人がいるでしょ!」
とか
「はいこれできまり!」
とか言われてしまうと、子供の力だけではどうにも追い出せないのです…。
この女性、どうやらたくらみがある様子。
しかし、その厚顔無恥さ、図々しさ…。
大人になってからも、やっぱりこれは体験するものです。
ああ、知ってる!!
と思いました。
こういう、他人と自分との垣根のまったくない人。
図々しくて声が大きく、目的を達するために手段を択ばない行動力がある人
確かにいます。
PTAなどでも見かけたことが…
◇
とてもハラハラさせられました。
このお話のほとんどが「とても素敵な小人たちとの交流」なので、それを邪魔された時の不愉快さも、十割増しぐらいでした。
妹子のヘビロテなのもよくわかるなあ、と思いました。
とても可愛らしい、少女の夢がいっぱいつまったお話です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
なかよしの女の子オンネリとアンネリは、夏休みのある日、「正直な拾い主さんにさしあげます」と書かれた封筒をひろいました。中に入っていたのは、たくさんのお金。家族の誰にもかまってもらえず、いつもひとりぼっちだったふたりは、そのお金でふたりだけのおうちを買うことにしました。女の子の憧れがぎっしりつまった夢のようなおうちで、ふたりだけの暮らしがはじまります。フィンランド生まれの、楽しくて幸せな夏の物語。
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オンネリとアンネリはとっても仲良し。ある日ふたりは、バラ通りで「正直者にあげます」と書かれた手紙とお金の入った封筒を拾い、そのお金で、バラの木夫人というおばあさんから夢のように素敵な水色のおうちを買うことに。オンネリは9人きょうだいのまん中で、アンネリは離婚したおとうさんとおかあさんの間を行ったり来たり。ふたりの両親は忙しすぎて、自分たちがいなくても気づかない。「わたしたち、ふたりの家に住んでいい?」気難しそうなお隣さんや、魔法が使える陽気なおばさん姉妹、ちょっぴり変わったご近所さんと交流しながら、ふたりだけの楽しい生活が始まる。しかし、お隣さんに泥棒が―! (C) Zodiak Finland Oy 2014. All rights reserved.
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クリスマスの近づくある日、バラの木夫人から買った小さなかわいいおうちで暮らすオンネリとアンネリのもとに、プティッチャネンというこびとの一族の家族がバラの木夫人をたずねてやってきました。おうちをなくしたこびとの家族は、彼らをつかまえようとする悪い人間たちから逃げているといいます。そこでふたりは、夫人の居場所が分かるまで、ふたりのドールハウスに家族をかくまうことに。しかし、お金に困っているガソリンスタンド店の夫婦がこびとの家族の存在に気づいて…!はたして、ふたりは彼らを守ることができるのでしょうか。(C)Zodiak Finland Oy 2015. All rights reserved.
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オンネリとアンネリのおうちの前に、突然できた“子供の家”。高い柵に囲まれたそこは、身寄りのない子供たちを所長のミンナ・ピンナが、ガチガチのルールで支配する自由のない場所だった。ある日、逃げ出した少年を見つけたオンネリとアンネリは、“子供の家”でのひどい扱いを聞かされる。子供たちを助けるため、ふたりは近所のリキネン夫妻やノッポティーナ&プクティーナ姉妹、プティッチャネン親子と一緒に、“ひみつのさくせん”を決行することに…。(C)Zodiak Finland Oy 2017. All rights reserved.
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ロッタちゃんとクリスマスツリー
アストリッド=リンドグレーン (著), イロン=ヴィークランド (イラスト), やまむろ しずか (翻訳)
明日は、楽しいクリスマスイブ。けれども、ロッタちゃんの家では、まだクリスマスツリーにするモミの木が手にはいりません。嘆き悲しんでばかりいるお兄さんたちを残してロッタちゃんは雪の町へ飛び出していきます。行動的な女の子を生き生きと描いたリンドグレーンの絵本。絵は彼女とのコンビが多いヴィークランドです。
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森で雪合戦をしていたぐりとぐらは、雪の上に大きな足跡を見つけました。足跡は森をぬけ、原っぱを通り、ぐりとぐらの家まで続いていました。ドアを開けると玄関には大きな長靴、壁には真っ赤なオーバーと白いマフラー、そして赤い帽子がかかっています。
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床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉
メアリー ノートン (著), ダイアナ・スタンレー (イラスト), 林 容吉 (翻訳)
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべて、こっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます―カーネギー賞を受賞した「小人シリーズ」の第1作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)
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森山家の末っ子、ゆりには秘密の大切な仕事がありました。それは森山家に住んでいる四人のイギリス生まれの小人たちに、かならず毎朝一杯のミルクを届けることでした。しかし日本は大きな戦争に突入し、ミルク運びは次第に困難になっていきます。…日本児童文学史上に残る傑作ファンタジーです。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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日本の児童文学史に残る傑作ファンタジー『木かげの家の小人たち』の続編です。アマネジャキとともに信州にとどまることを決意したロビンとアイリスは、今度はモモンガーや花の精、木の精たちといった、日本の土着の妖精たちと、地下にひそむ邪悪なものたちとの壮絶な戦いに巻きこまれていきます。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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小学校三年生のときだった。もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地を見つけた。小さないずみがわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふしぎな感じのする場所だった。―そして、とうとうぼくは見た。小川に流れていく赤いくつの中で、虫のようなものが動いているのを。小指ほどしかない小さな人たちが、手をふっているのを!(「BOOK」データベースより)
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床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫) (日本語) 文庫 - 2000/9/18 メアリー ノートン (著), ダイアナ・スタンレー (イラスト), Mary Norton (原著), 林 容吉 (翻訳)
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべて、こっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます―カーネギー賞を受賞した「小人シリーズ」の第1作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)
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小人の冒険シリーズ 全5冊セット (岩波少年文庫) (日本語) 単行本(ソフトカバー) - 2010/2/6 メアリー・ノートン (著), 猪熊 葉子 (翻訳), 林 容吉 (翻訳)
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木かげの家の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/6/20 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
森山家の末っ子、ゆりには秘密の大切な仕事がありました。それは森山家に住んでいる四人のイギリス生まれの小人たちに、かならず毎朝一杯のミルクを届けることでした。しかし日本は大きな戦争に突入し、ミルク運びは次第に困難になっていきます。…日本児童文学史上に残る傑作ファンタジーです。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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くらやみの谷の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/8/7 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
日本の児童文学史に残る傑作ファンタジー『木かげの家の小人たち』の続編です。アマネジャキとともに信州にとどまることを決意したロビンとアイリスは、今度はモモンガーや花の精、木の精たちといった、日本の土着の妖精たちと、地下にひそむ邪悪なものたちとの壮絶な戦いに巻きこまれていきます。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1) (日本語) 文庫 - 1980/11/10 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (イラスト)
小学校三年生のときだった。もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地を見つけた。小さないずみがわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふしぎな感じのする場所だった。―そして、とうとうぼくは見た。小川に流れていく赤いくつの中で、虫のようなものが動いているのを。小指ほどしかない小さな人たちが、手をふっているのを!(「BOOK」データベースより)
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新イラスト版 コロボックル物語1 だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ) (日本語) 単行本 - 2015/10/28 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (著)
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床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫) (日本語) 文庫 - 2000/9/18 メアリー ノートン (著), ダイアナ・スタンレー (イラスト), Mary Norton (原著), 林 容吉 (翻訳)
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべて、こっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます―カーネギー賞を受賞した「小人シリーズ」の第1作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)
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小人の冒険シリーズ 全5冊セット (岩波少年文庫) (日本語) 単行本(ソフトカバー) - 2010/2/6 メアリー・ノートン (著), 猪熊 葉子 (翻訳), 林 容吉 (翻訳)
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木かげの家の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/6/20 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
森山家の末っ子、ゆりには秘密の大切な仕事がありました。それは森山家に住んでいる四人のイギリス生まれの小人たちに、かならず毎朝一杯のミルクを届けることでした。しかし日本は大きな戦争に突入し、ミルク運びは次第に困難になっていきます。…日本児童文学史上に残る傑作ファンタジーです。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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くらやみの谷の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/8/7 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
日本の児童文学史に残る傑作ファンタジー『木かげの家の小人たち』の続編です。アマネジャキとともに信州にとどまることを決意したロビンとアイリスは、今度はモモンガーや花の精、木の精たちといった、日本の土着の妖精たちと、地下にひそむ邪悪なものたちとの壮絶な戦いに巻きこまれていきます。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1) (日本語) 文庫 - 1980/11/10 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (イラスト)
小学校三年生のときだった。もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地を見つけた。小さないずみがわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふしぎな感じのする場所だった。―そして、とうとうぼくは見た。小川に流れていく赤いくつの中で、虫のようなものが動いているのを。小指ほどしかない小さな人たちが、手をふっているのを!(「BOOK」データベースより)
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新イラスト版 コロボックル物語1 だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ) (日本語) 単行本 - 2015/10/28 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (著)
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床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫) (日本語) 文庫 - 2000/9/18 メアリー ノートン (著), ダイアナ・スタンレー (イラスト), Mary Norton (原著), 林 容吉 (翻訳)
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべて、こっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます―カーネギー賞を受賞した「小人シリーズ」の第1作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)
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小人の冒険シリーズ 全5冊セット (岩波少年文庫) (日本語) 単行本(ソフトカバー) - 2010/2/6 メアリー・ノートン (著), 猪熊 葉子 (翻訳), 林 容吉 (翻訳)
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木かげの家の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/6/20 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
森山家の末っ子、ゆりには秘密の大切な仕事がありました。それは森山家に住んでいる四人のイギリス生まれの小人たちに、かならず毎朝一杯のミルクを届けることでした。しかし日本は大きな戦争に突入し、ミルク運びは次第に困難になっていきます。…日本児童文学史上に残る傑作ファンタジーです。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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くらやみの谷の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/8/7 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
日本の児童文学史に残る傑作ファンタジー『木かげの家の小人たち』の続編です。アマネジャキとともに信州にとどまることを決意したロビンとアイリスは、今度はモモンガーや花の精、木の精たちといった、日本の土着の妖精たちと、地下にひそむ邪悪なものたちとの壮絶な戦いに巻きこまれていきます。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1) (日本語) 文庫 - 1980/11/10 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (イラスト)
小学校三年生のときだった。もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地を見つけた。小さないずみがわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふしぎな感じのする場所だった。―そして、とうとうぼくは見た。小川に流れていく赤いくつの中で、虫のようなものが動いているのを。小指ほどしかない小さな人たちが、手をふっているのを!(「BOOK」データベースより)
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新イラスト版 コロボックル物語1 だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ) (日本語) 単行本 - 2015/10/28 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (著)
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床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫) (日本語) 文庫 - 2000/9/18 メアリー ノートン (著), ダイアナ・スタンレー (イラスト), Mary Norton (原著), 林 容吉 (翻訳)
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべて、こっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます―カーネギー賞を受賞した「小人シリーズ」の第1作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)
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小人の冒険シリーズ 全5冊セット (岩波少年文庫) (日本語) 単行本(ソフトカバー) - 2010/2/6 メアリー・ノートン (著), 猪熊 葉子 (翻訳), 林 容吉 (翻訳)
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木かげの家の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/6/20 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
森山家の末っ子、ゆりには秘密の大切な仕事がありました。それは森山家に住んでいる四人のイギリス生まれの小人たちに、かならず毎朝一杯のミルクを届けることでした。しかし日本は大きな戦争に突入し、ミルク運びは次第に困難になっていきます。…日本児童文学史上に残る傑作ファンタジーです。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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くらやみの谷の小人たち (福音館文庫 物語) (日本語) 文庫 - 2002/8/7 いぬい とみこ (著), 吉井 忠 (イラスト)
日本の児童文学史に残る傑作ファンタジー『木かげの家の小人たち』の続編です。アマネジャキとともに信州にとどまることを決意したロビンとアイリスは、今度はモモンガーや花の精、木の精たちといった、日本の土着の妖精たちと、地下にひそむ邪悪なものたちとの壮絶な戦いに巻きこまれていきます。小学校中級以上。(「BOOK」データベースより)
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だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1) (日本語) 文庫 - 1980/11/10 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (イラスト)
小学校三年生のときだった。もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地を見つけた。小さないずみがわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふしぎな感じのする場所だった。―そして、とうとうぼくは見た。小川に流れていく赤いくつの中で、虫のようなものが動いているのを。小指ほどしかない小さな人たちが、手をふっているのを!(「BOOK」データベースより)
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新イラスト版 コロボックル物語1 だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ) (日本語) 単行本 - 2015/10/28 佐藤 さとる (著), 村上 勉 (著)
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大人が読む児童書「オンネリとアンネリのふゆ」 1 ドールハウスは夢の国
今日、ご紹介するのは児童書です。
『オンネリとアンネリのおうち』で小さな可愛いおうちを手に入れたオンネリとアンネリのもとに、11月のある日、ショーララと名乗る小さな家族が薔薇乃木夫人をたずねてきました。彼らは、彼らをつかまえようとする悪い人間たちから逃げているといいます。そこでふたりは、夫人が見つかるまで、家にかくまうことにしました。はたして、彼らを守ることができるのでしょうか。フィンランド生まれの、ハラハラドキドキの冬の物語。
今更嘆いても仕方がないのですが、去年のクリスマスシーズンを、バタバタと過ごしてしまったなあ。
「ロッタちゃんとクリスマスツリー」とか
「ぐりとぐらのおきゃくさま」とか
クリスマスのお話はいっぱいあったのになあ~
クリスマスシーズンの本を1月に紹介するのは、何とも間抜けな感じです。
その中で、「オンネリとアンネリのふゆ」も、クリスマスを扱ってはいますけど、冬の季節全般を通してのお話です。
なので、冬が終わらないうちに紹介したいと思いました。
以前、 「オンネリとアンネリのおうち」を一度、さらっとご紹介しましたが、「オンネリとアンネリのふゆ」は、これの続編です。
仲良しのオンネリとアンネリ。
ある日、「正直な拾い主さんにさしあげます」と書かれた封筒をひろいました。
正直な広い主と認められた二人は、そのお金で薔薇乃木婦人という不思議な女性から、夢のような家を買い、二人で住むようになりました...。
これは、「オンネリとアンネリのふゆ」を読む上でも、大前提のお話です。
薔薇乃木婦人…。
不思議な人です。
こちらの「オンネリとアンネリのふゆ」でも、とても重要なキーマンです。
妹子「薔薇乃木婦人ってね、あれは絶対わざとやってるよ。わざとその人に合う家を作って人を喜ばせようとしてるの」
◇
仲良く、ふたりで可愛い夢のようなおうちに住んでいるオンネリとアンネリ。
おとなりは、不思議な庭を持つ、ノッポティーナさんとプクティーナさんで、とても仲良くしています。
この訳が大好きです。
「オンネリとアンネリのおうち」は、夏休みのお話でしたが、「ふゆ」 は文字通り冬のお話です。
ムーミンと同じく、フィンランドのお話ですが、しんしんとした雪に閉ざされていくときに、二人はお庭に「さようなら、またね」を言います。
ムーミンたちが冬眠をするお話を書いたトーベ・ヤンソンさんの気持ちがわかるようなシーンでした。
やはり、北の国のお話なんだなあと思いました。
◇
ある日、二人がおうちで過ごしていると小人の家族がやってきます。
今まで住んでいた家を失ってしまい、新たな家を探すために、薔薇乃木婦人を探しているとのこと。
雪に閉ざされそうなお天気をみて、二人は家族をおうちへ入れてあげます。
この小人の一家、ちゃんとした車に乗っています。
やんちゃな男の子と赤ちゃん、おばあちゃまをつれたご夫婦です。
面白いことに、このだんなさんのお仕事は、大きい人向けの長すぎる単語を簡潔にした抄訳の小人用の本を執筆することです。
(翻訳業のようなもののようです)
薔薇乃木婦人のいとこ、ノッポティーナさんとプクティーナさんの所には、定期的に婦人から手紙が来るはず。
オンネリとアンネリは、薔薇乃木婦人のお手紙が来るまで、小人たちと一緒に暮らし始めます。
◇
このお話は、妹子が大・大・大好きで、ヘビロテです。
本家の「オンネリとアンネリのおうち」よりも、こちらばかり読んでいます。
わたしは、「オンネリとアンネリのおうち」しか読んでいなかったので、これは妹子より遅れての後発です。
この年になってのあらたな児童書…。
ワクワクします。
さわりを読んでみて、妹子が好きな気持ちがちょっとわかりました。
小人たんたちを住まわせるのは、この家の付属品だった、三階建ての豪華なドールハウス!
小さな食器や調度品を、小人たちは遊びでなく実際に使ってその家に(仮住まいですが)住むことになります。
ドールハウス、これは夢です…。
そして、かわいい女の子の語り口が、「おうち」よりもわりと今風です。
いま、目の前にいて、顔を真っ赤にして目をきらきらさせて、一生懸命話してくれている感じがすごくします。
とても可愛いです。
「オンネリとアンネリのふゆ」は、比較的新しい訳本です。(2016年)
原作は
オンネリとアンネリのおうち 1966年 邦訳1972年(昭和47年)
オンネリとアンネリのふゆ 1968年 邦訳2016年(平成28年)
原作が書かれたのは、アメリカのアポロ11号が月面着陸したころです。
いま、映画化され、続編が翻訳されて出版され、こどものこころをひきつける。
色あせない魅力です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
なかよしの女の子オンネリとアンネリは、夏休みのある日、「正直な拾い主さんにさしあげます」と書かれた封筒をひろいました。中に入っていたのは、たくさんのお金。家族の誰にもかまってもらえず、いつもひとりぼっちだったふたりは、そのお金でふたりだけのおうちを買うことにしました。女の子の憧れがぎっしりつまった夢のようなおうちで、ふたりだけの暮らしがはじまります。フィンランド生まれの、楽しくて幸せな夏の物語。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オンネリとアンネリはとっても仲良し。ある日ふたりは、バラ通りで「正直者にあげます」と書かれた手紙とお金の入った封筒を拾い、そのお金で、バラの木夫人というおばあさんから夢のように素敵な水色のおうちを買うことに。オンネリは9人きょうだいのまん中で、アンネリは離婚したおとうさんとおかあさんの間を行ったり来たり。ふたりの両親は忙しすぎて、自分たちがいなくても気づかない。「わたしたち、ふたりの家に住んでいい?」気難しそうなお隣さんや、魔法が使える陽気なおばさん姉妹、ちょっぴり変わったご近所さんと交流しながら、ふたりだけの楽しい生活が始まる。しかし、お隣さんに泥棒が―! (C) Zodiak Finland Oy 2014. All rights reserved.
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
クリスマスの近づくある日、バラの木夫人から買った小さなかわいいおうちで暮らすオンネリとアンネリのもとに、プティッチャネンというこびとの一族の家族がバラの木夫人をたずねてやってきました。おうちをなくしたこびとの家族は、彼らをつかまえようとする悪い人間たちから逃げているといいます。そこでふたりは、夫人の居場所が分かるまで、ふたりのドールハウスに家族をかくまうことに。しかし、お金に困っているガソリンスタンド店の夫婦がこびとの家族の存在に気づいて…!はたして、ふたりは彼らを守ることができるのでしょうか。(C)Zodiak Finland Oy 2015. All rights reserved.
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オンネリとアンネリのおうちの前に、突然できた“子供の家”。高い柵に囲まれたそこは、身寄りのない子供たちを所長のミンナ・ピンナが、ガチガチのルールで支配する自由のない場所だった。ある日、逃げ出した少年を見つけたオンネリとアンネリは、“子供の家”でのひどい扱いを聞かされる。子供たちを助けるため、ふたりは近所のリキネン夫妻やノッポティーナ&プクティーナ姉妹、プティッチャネン親子と一緒に、“ひみつのさくせん”を決行することに…。(C)Zodiak Finland Oy 2017. All rights reserved.
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ロッタちゃんとクリスマスツリー
アストリッド=リンドグレーン (著), イロン=ヴィークランド (イラスト), やまむろ しずか (翻訳)
明日は、楽しいクリスマスイブ。けれども、ロッタちゃんの家では、まだクリスマスツリーにするモミの木が手にはいりません。嘆き悲しんでばかりいるお兄さんたちを残してロッタちゃんは雪の町へ飛び出していきます。行動的な女の子を生き生きと描いたリンドグレーンの絵本。絵は彼女とのコンビが多いヴィークランドです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森で雪合戦をしていたぐりとぐらは、雪の上に大きな足跡を見つけました。足跡は森をぬけ、原っぱを通り、ぐりとぐらの家まで続いていました。ドアを開けると玄関には大きな長靴、壁には真っ赤なオーバーと白いマフラー、そして赤い帽子がかかっています。
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やまなし | ふしぎなマチルダばあや | 万葉集 ほか(大岡 信 著) |
はじめてのおこづかい | ナンタケットの夜鳥 | グレイ・ラビットのおはなし |
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再読「エルマーのぼうけん」読了 3 ハラハラするRPG展開。案外(かなり)ひどいどうぶつたち
大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助ける冒険の旅に出発します。どうぶつ島ではライオン、トラ、サイなど恐ろしい動物たちが待ちうけていました。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシをつかって、次々と動物たちをやりこめていきます。エルマーはりゅうの子どもを助け出すことができるのでしょうか?
再読「エルマーのぼうけん」 2 ねこの説明、カラフルで芸術的な挿し絵の魅力
「エルマーのぼうけん」はおよそ100ページ。
短いようでいながら、 おそろしく濃い内容です。
読み返して、おとななのですが、ひとつひとつの文章をしっかり読んでいって、内容を受け取ることが楽しかったです。
何より、どうぶつたちが実にひどいです。
エルマー、りゅうを助けるために、かなりの危ない綱渡りをしています。
どうぶつたち、島じゅうを見張っているみたいです!
みかんの皮ひとつ、捨てることができません。
怪しいと言って、報告されてしまうのです。
エルマーは、どうぶつ島にわたるまえのみかん島で、かなりのみかんを入手しています。
かなり何度も読み返したのですけど、25個のピーナッツバターとゼリーのサンドイッチはどこで食べてしまったのか見つけることはできませんでした。
たぶん、6日6晩隠れていた船の中で、食べ尽くしてしまったのでしょう。
ゼリーのサンドイッチ…。
どう考えても、これはジャムなんじゃないかなと思うのですけど、もうその誤訳(?)すら、面白い味となっているので、絶対に変えてほしくないです。
全員がスパイとなっているような、どうぶつ島。
何一つ油断できません。
ここからはもう、わざわざあげつらって紹介することもない、おもしろ展開なので、ぜひ読んでいただきたいと思うし、持っている方ももう一度引っ張り出して読んでみて欲しいと思うのですが、
エルマー、持って行ったアイテムを何ひとつ無駄にしません。
これはおそらく、ねこのアイデアだったのかもしれないと思います。
それほど、(私が読み飛ばしていた)序盤で、ねことエルマーはしっかりと話し合いを行っていました。
どうぶつたちが、実に油断がならないので、
チューインガムをかむとら。
つのをめちゃくちゃにこするサイ。
このユーモラスな表紙の状態になったライオン。
などなど、これは完璧な作戦でした。
読んでいて、いちばん油断がならなかったのが、イノシシでした。
見張りであり、情報網を把握していて、あらゆる所に目を光らせています。
アイテムが唯一きかなかったのも、このイノシシどもでしたし、断片的な証拠を拾って、侵入者の存在につなげていく...。
恐ろしい奴らです。
◇
訳されたわたなべしげおさんは、「どろんこハリー」の名訳でも知られるかたです。
また、「ミス・ビアンカ」シリーズを訳されています。
平易でユーモラスな、すばらしい語り口の翻訳者さんです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーのぼうけんセット
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), 渡辺 茂男 (翻訳)
エルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作。ユーモアたっぷりのお話は、読むものの心を空想の世界に羽ばたかせながら、物語のリアリティーに引き込みます。幼年童話の最高峰として読みつがれているロングセラー。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーとりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
「エルマーのぼうけん」の続編。ぶじ動物島を脱出したエルマーとりゅうが、「知りたがり病」という病気をめぐって大活躍。一度読みはじめたらやめられない抜群のおもしろさです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーと16ぴきのりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
エルマーのお話の完結編。やっと家に帰りついたりゅうを捕えようと、人間どもがやってきます! エルマーは、りゅうの家族を救おうと、りゅうの家にやってきます。心躍る結末です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ハリーは、黒いぶちのある白いイヌです。なんでも好きですが、お風呂に入ることだけは、だいきらいでした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
優雅な貴婦人ねずみのミス・ビアンカ、勇敢な家ねずみのバーナード、ノルウェーの船乗りねずみのニルス。3匹は世界的なねずみの組織「囚人友の会」の任務で、とらわれの詩人を助けるために、地の果てのくらやみ城へ向かう。そこで彼らを待ちうけていたのは、おそろしく残忍なねこだった!ねずみたちの大冒険シリーズ1作目。
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雨月物語(佐藤 さとる 著) | おしっこちょっぴりもれたろう | 大どろぼうホッツェンプロッツ |
こども六法 | もっちゃうもっちゃうもうもっちゃう | シートン動物記(青い鳥文庫) |
ちょっとだけ | ライオンと魔女と洋服だんす | やまなし |
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再読「エルマーのぼうけん」 2 ねこの説明、カラフルで芸術的な挿し絵の魅力。
大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助ける冒険の旅に出発します。どうぶつ島ではライオン、トラ、サイなど恐ろしい動物たちが待ちうけていました。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシをつかって、次々と動物たちをやりこめていきます。エルマーはりゅうの子どもを助け出すことができるのでしょうか?
この、のらねこさんは、年取った船乗りのイメージです。
「年取った船乗りは、物知りで、世界のさまざまなことを知っている」という、海外の児童書に特有のイメージがあります。
小さい頃に、読み飛ばしていた「ねこの説明」。
冒険にそのまま突入していましたから、わたしがきちんと読み始めて覚えていたのは
3.エルマー しまをみつける
からでした。
一章と二章の
1.ぼくのとうさん ねこにあう
2.エルマー にげだす
を、最初から順序だてて読んでみると、第一人称が「ぼくのとうさん」から、「エルマー」 にはっきりと変わったのは、エルマーのお母さんがねこを連れてきたことに怒りながら
「エルマー・エレベーター!」
と名前を呼んだ時からでした。
◇
ねこは、エルマーに、みかん島とどうぶつ島がどういう感じなのか、ていねいに話をしていきます。
島の真ん中を流れているどろ川や、わたし船の役割をしてくれているようだけど、ぜんぜん頼りになりそうもない上に腹をすかせているワニだとか、詳しく話すので、エルマー
「だけど、ひこうきと、いまのはなしと、どんなかんけいがあるの?」
ねこのせつめいがあまりながいのでエルマーは、がまんができなくなってききました。
ちょうど私も我慢ができなくなってくるところでした。
しかし、ここで、出ました!
りゅうの子です。
空からおっこちてきた、ちっちゃな子どものりゅうです。
・大きさは大きなくろくまぐらい。
・からだには、きいろと、そらいろのしまがある。
・つのと、目と、足のうらは、目のさめるような赤。
色鮮やかで、とてもきれいです。
「エルマーのぼうけん」では裏表紙になりますが、見ていても、いつも本当にカラフル心浮き立つような色彩です。
どうして、このねこが、長い時間をかけて丁寧に、どろ川と、あてにならないワニの話をしていたのか、わかりました。
どうぶつたちは、この赤ちゃんりゅうをつかまえて、「川わたりもんだい」の解決をはかることにしたのです。
りゅうの赤ちゃんが、けがをして飛べない間に、首にふといなわをつけ、虐待しながら児童労働を強いて働かせます。
ものすごいおもいにもつをはこばせたり、それで、もし、りゅうがもんくをいえば、はねをかじったり、からだをたたいたりしました。
最低です!
犯罪です!
ねこは、エルマーのやさしさを見て、この人はと見込んで、りゅうをたすけるのをやってみては、と頼んだのでした。
エルマーは、やってみることにしました。
「お母さんがねこにあんまりしつれいなことをしたので」腹を立てていたのです。
半分、家出のようなものでした。
エルマーは、ねこと一緒に時間をかけて準備を整え、綿密に計画を練ります。
ねこは一緒に行くことはできませんが、あらゆる面でアドバイスをしました。
この準備する品のリストは、とても楽しい所です。
流し読みしていたようでも、ここだけは強烈に覚えていました。
輪ゴムや、じしゃくなど、色々ありますが、やはり一番強烈なのは
チューインガム
ももいろのぼうつきキャンデー2ダース
はブラシとチューブいりはみがき
などです。
特に、ももいろのぼうつきキャンデー2ダースは、しばらく自分の憧れになりました。
お弁当がすごいです。
ピーナッツバターとゼリーをはさんだサンドイッチ25個。
腐っちゃわないのだろうか…?
ねこは、船に乗るときにも活躍します。
おかしななきごえをして、番人の気をひいているうちに、エルマーは船にのりこみ、密航をします。
このときの、波止場でいっぴきで船を見送るねこの絵がとても可愛らしいです。
◇
この絵がとても素敵なのですが、何となく、新印象派と呼ばれる点描で書かれているものにスタイルが似ています。
でも、本当に点描で描かれているのかどうかは確認できませんでした...。
この絵をもっと色鮮やかにして、ほのぼのとした感じです。
どうぶつ島のジャングルといい、芸術的で大好きです。
この絵で、ワラワラと出て来るさまざまなどうぶつたちが、強烈ですごく印象に残ります。
つづきます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーのぼうけんセット
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), 渡辺 茂男 (翻訳)
エルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作。ユーモアたっぷりのお話は、読むものの心を空想の世界に羽ばたかせながら、物語のリアリティーに引き込みます。幼年童話の最高峰として読みつがれているロングセラー。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーとりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
「エルマーのぼうけん」の続編。ぶじ動物島を脱出したエルマーとりゅうが、「知りたがり病」という病気をめぐって大活躍。一度読みはじめたらやめられない抜群のおもしろさです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーと16ぴきのりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
エルマーのお話の完結編。やっと家に帰りついたりゅうを捕えようと、人間どもがやってきます! エルマーは、りゅうの家族を救おうと、りゅうの家にやってきます。心躍る結末です。
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天国を出ていく―本の小べや | 小公女セーラ | 5ひきのすてきなねずみ まちのじどうしゃレース |
びりっかすの子ねこ | ジェインのもうふ | 長くつ下のピッピ |
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再読「エルマーのぼうけん」 1 面白いのに少し難しい導入
大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助ける冒険の旅に出発します。どうぶつ島ではライオン、トラ、サイなど恐ろしい動物たちが待ちうけていました。エルマーは、知恵と勇気で出発前にリュックにつめた輪ゴムやチューインガム、歯ブラシをつかって、次々と動物たちをやりこめていきます。エルマーはりゅうの子どもを助け出すことができるのでしょうか?
幼児が本に親しむ一番最初の本。
前に「フライパンじいさん」をあげましたけど、「エルマーのぼうけん」は海外の本で親しめるのに一番最適な本です。
絵本はもう楽々読めるお子さん。
少し物心ついて、ひらがなを追えるようになったあたりでの、第二のブックスタート本です。
装丁がきちんとして、100ページ超ぐらいあり、いかにも「本を読んでいるぞ~!」と感じられます。
開くといきなり地図があります。
みかん島とどうぶつ島です。
…みかんと、どうぶつ。
再読してみて思ったのは、この作品、ぜんぜん高学年から大人までの鑑賞に十分にたえうるということです。
面白いです!
すごく鮮やかで芸術的な絵もすばらしいです。
この絵の魅力は大きいです。
何とこの絵、作者の義母さんが描かれているそうです!
これはすごく珍しいと思うのですが、どうなんでしょうか。
母と娘とか、父と息子とかは聞いたことがあるのですけど、嫁と姑の合作というのは、あまり例がないような気がします。
(仲が良いのは良いことです(*^-^*))
◇
最初の一章は
「ぼくのとうさん ねこにあう」
なのですが、ここの冒頭はなかなかすんなり頭に入ってきません。
主人公はエルマーだと思って読み始めたら、「ぼくのとうさん」
エルマーのとうさんかな?
違いました。
絵にある、猫に話しかけている子供がエルマーで、かつ、作者のお父さんだという情報がよくわかりませんでした。
(少なくとも私はそうでした)
ぼくのとうさんとねこは、すぐなかよくなりました。
昔は、この情報の混乱のまま、最後まで話が続いていくのだろうか、最後まで「ぼくのとうさんは」で行くのだろうかと、かなり心配になってました。
なので、小さい頃のわたしは、ねこを読み飛ばしていました。
(子供の頃の話です)
第二章になると、主人公も「エルマー」の第一人称になるので、すんなりと理解できたのです。
とりあえずこれは、書いてる人のお父さん、しかもそのお父さんが子供だった時の話なのです。
◇
おとななので、一章をしっかり読み直します。
読み返してみて思いますが、ここの冒頭はとても大事です!
この年とったねこが全ての始まりでした。
雨にぬれてみじめな状態だったのらねこに、「ぼくのとうさん」=「エルマー」は、しんせつに話しかけます。
「ぼくのうちにきてみませんか?」
ねこは驚きますが、礼儀正しく謙虚に「だんろのそばでミルク」を所望します。
「それにぼくのかあさんは、おさらに一ぱいぐらいのミルクならきっとわけてくれるよ」
しかしこれは安請け合いでした。
エルマーのおかあさんは、ねこぎらいだったのです…。
エルマー、迂闊だぞ。
そこは把握しておけよ…。
「一ど、やどなしののらねこにたべものをやれば、まちじゅうののらねこにたべものをやるようなことになっちまうんだからね」
これは、残念ながら一理あります。
わたしは野良猫が大大大好きですが、やはり、食べ物をあげるのは反則です。
写真を撮るだけにとどめます。
エルマーはがっかりしますが、こっそりねこにしんせつにしていました。(婉曲表現)
このねことの友情が、エルマーを不思議な冒険にさそうことになります。
ねこは、エルマーの「ひこうきをもちたい」という夢を聞いて、不思議な話をしてくれます。
もしかしたら、その夢、かなうかも。
それも大きくなってからじゃなくて、いますぐに。
つづきます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), 渡辺 茂男 (翻訳)
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◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーとりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
「エルマーのぼうけん」の続編。ぶじ動物島を脱出したエルマーとりゅうが、「知りたがり病」という病気をめぐって大活躍。一度読みはじめたらやめられない抜群のおもしろさです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エルマーと16ぴきのりゅう
ルース・スタイルス・ガネット (著), ルース・クリスマン・ガネット (イラスト), わたなべ しげお (翻訳), 子どもの本研究会 (編集)
エルマーのお話の完結編。やっと家に帰りついたりゅうを捕えようと、人間どもがやってきます! エルマーは、りゅうの家族を救おうと、りゅうの家にやってきます。心躍る結末です。
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サリーのこけももつみ | まいごになったおにんぎょう | マチルダばあや、ロンドンへ行く |
ウエズレーの国 | チョコレート戦争 | からすが池の魔女 |
白いりゅう黒いりゅう | ウェン王子とトラ (日本語) 大型本 - 2007/6/16 チェン ジャンホン (著), 平岡 敦 (翻訳) | あなたのおへそ |
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今日の一冊「くまのがっこう ジャッキーのうんどうかい」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
もうすぐ、くまのがっこうの運動会。いちばんのおちびさんも、かけっこだったらおにいちゃんに勝てるかも! いつにもまして、練習いっぱいしてがんばったジャッキー。いちについて、よーい、どん! いちばんになれるかな? くまのがっこうシリーズ第6巻。
どれをとってもひたすら可愛い、「くまのがっこう」シリーズ。
キャラクター商品としても大人気です。
あだちなみさんの、本当にスタイリッシュで洗練されたセンスの良い、愛らしくあたたかい絵がすばらしいです。
この「くまのがっこう」シリーズの中でも、私の一番のお気に入りが「うんどうかい」です。
読み聞かせに一番向いているのもこれです。
「読み聞かせ得意リスト」に入っています。
どちらかというとジャッキーシリーズは、ジャッキーの恋のお相手のしろくまデイビッドくんよりも、まだデイビッドくんが出ていない頃の方が好みです。
くまのがっこうのくまのこたちは、
1、2、3、4……
ぜんぶで12ひき。
みんななかよくくらしています。
いちばんさいごの12ばんめ
たったひとりのおんなのこが、ジャッキーです。
というのが定番のご挨拶です。
11ぴきのおにいちゃん!
1ぴきでも手に余るのに、11ぴき。
お兄ちゃんたちにひたすら可愛がられている小さな妹のジャッキー。
このお話は、妹子よりも兄助の方がずっと好きだったような気がします。
なかなか話題に出てこないすっかり大きくなってしまって威嚇してくるお兄ちゃんの兄助ですが、それはそれはたくさんの本を読んでくれました。
渡すものを文句も言わずに、おとなしく読んでくれてたなあと思い出します。
この11ぴきのお兄ちゃんぐまたちは、みんなちゃんと名前があって、顔も違いますし、ひとりひとりキャラがあります。
私はやっぱり、本ずきのアントンが一番好きです。
3番目のお兄ちゃんですね。
お兄ちゃんなので、何でも(ジャッキーよりは)上手にこなすことができます。
「パンやさん」などでは、手際よく働いているお兄ちゃんぐまたちですが、「うんどうかい」。
こちらの場合は、かけっこにうんていに、とびばこに棒のぼり...。
何をやっても、お兄ちゃん達の方がすぐれています。
ジャッキーは、うんていには手が届かないし、とびばこは1段しか、それも座ってるだけだし、棒のぼりも下にちょこんとしがみついているだけです。
すごく可愛いです。
ジャッキーはご機嫌ななめ、「おさぼりして」散歩に出かけてしまいました。
カエルが出てきてひゃっと逃げ出したジャッキーは、すごく早く走れたことに気が付きます。
よーーーし!
自信をつけ、猛練習を始めます。
このあたりの、カエルにびっくりするシーン、「まけないぞったらまけないぞ」の練習シーンなど、あいはらひろゆきさんの操る言葉が、リズミカルで、非常に読み聞かせにむいています。
何より一番盛り上がるのは、「よーいどん!」になってからです。
(まあ、これは個人的好みなのですが...)
まるで競馬レースを実況しているかのように読みます。
ジャッキーはやい!ジャッキーはやい!
あーおい上げてきた!早い!
などの、文句です。
何しろ名前がジャッキーですしね...(何が?)
今、これを書くために持ち出してきたら、以前にはなかったクレヨン書きで、最後のお兄ちゃんたちが...の文字が強調されてました。
この本をご存じのかたはわかると思います。
そうですよねぇ~。
お兄ちゃんですもんね。
最後の大びらきのお弁当画面、あだちなみさんの絵の素晴らしさを余すとこなく見せてくれる、最高の一冊です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ピンク色の表紙に並ぶ12匹のくまの子たち。おやおや最後のひとりはまだ仕度ができていません。『ジャッキーのパンやさん』は、くまの学校のバザーの1日を描いた物語。くまの子たちは、この日が来るのをとっても楽しみにしていて、一生懸命パンをつくるのだけど、1番小さくて、ただ1人の女の子、ジャッキーは、お手伝いをしているというよりは…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ふたりのスープは、今日も幸せをはこびます赤うさぎの姉妹、フラニーとメラニーがつくるスープは森の評判です。ケンカをしていた鳥たちも、スープを飲んだらすっかり仲直りし、声をあわせて歌うのでした。
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ねずみのアナトール | 砂の妖精 | みどりのゆび |
はじめてのおつかい | 地底旅行 | 飛ぶ教室 |
影との戦い | 火の鳥と魔法のじゅうたん | ジュニア版ファーブル昆虫記 全8巻セット |
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オーノワ夫人「青い鳥」5 バレエ「ブルーバード」の結末をさっくりと
後半は、もしかするとバレエの青い鳥のあらすじを調べてここにたどり着いた方のために、ざっくりの説明にしておきます。
これで興味を持った方は、ぜひ図書館で探してみてください。
国立国会図書館に所蔵されているのは確認ずみです。
オーノワ夫人「青い鳥」3 バレエ「ブルー・バード」の衣装の羽
◇
今度は、女王になったフロリーヌが国を大臣たちにあずけ、シャルマン王を取り返すために、冒険の旅に出ます。
もちろん、フロリーヌ姫は、シャルマン王の顛末を知らないので、唐突に青い鳥が来なくなったという事しかわかりません。
鳥を探して旅をするのですが、色々なことが起こります。
その中でも、スーシオは自分の姉であると打ち明ける、美しい仙女が一瞬だけ、現れます。
旅の助けに、「こまったときに割るたまご」をもらうのですが、RPGのアイテムっぽいです。
1個目 - 昇れない象牙の山
2個目 - 魔法の鏡の谷
と、冒険の間に2個使い、いよいよシャルマン王の国に到着です。
シャルマン王は、とうとう結婚しなければならない所まで追い詰められていました。
いやで仕方が無いので、なるべくそばによりつかないようにするとか、一日でも伸ばそうと苦心したりしています。
一般的に、鉢かつぎ系のおとぎ話では、何ごとか、自分の正体を明かす工夫をたくらむのですが、この3回を、フロリーヌはこういう風にしています。
1回目 - シャルマン王にもらったエメラルドの腕輪(あの貢ぎ物が、こんな所で生きてきた!)
2回目 - 3個目のたまご
3回目 - 4個目のたまご
このたまごから出てくる魔法の品が、微に入り細に入り、あれこれとことばを尽くして描写されますが、実にめずらしいものです。
こんな面白い品はなかなかありません。
ぜひ本で読んでいただきたいなあ、と思います。
4個目のたまごを使い切った時にはもう、あとがありません。
しかも翌日は結婚式とのことで、から、絶体絶命、ハラハラしっぱなしなのですが(昔は今ほど離婚が簡単ではないと思うので…)
ギリギリであることが起き、なんとか二人は結ばれることができました。
やっとめぐりあった二人の前に、魔法使いとあのフロリーヌを助けてくれた仙女が現れます。
そして、2対1なので、力関係により、スーシオはもう手出しを出来なくなったと告げて解決です。
力関係なんかーーい!
トリュイトンヌは、雌ぶた(トリュイ)に変えられてしまいました。
とりあえず、命だけは助かったわけです。
ここで、そもそもの岩魚(トルイト)と、雌ぶた(トリュイ)をひっかけた、フランス式のしゃれになっていたことがわかります。
このお話、往年のおとぎ話に添った作りでありながらも、
・細部にいたる細かい描写
・人生訓をふくんだ意見
・宝石をちりばめたリアルなアイテム
・しゃれを含んだネーミング
そうとうに筋立てを考えて作られて書かれていることがわかります。
やはり昔から語り継がれて残っているお話の面白さというのは、極限には原典にあるものです。
抄訳や、あらすじ解説では、その良さや意味がかき消されてしまったりすることもあるものなので、ざっくり紹介や「○分でわかる○○」系に頼りすぎずに、ぜひ本をひもといてみて欲しいと思います。
(とか言いながら、割と「○分でわかる○○」にはお世話になってたりもするのですが…)
冒頭の継母との結婚の所も、王さまが頭をぶっつける所をどんだけだよと思ったり、悪女の小細工に戦慄するときにも、「生き生きとした青いひとみ」などという所にふっと理由も見出したり。
そこを省いて「再婚しました☆」だけでは、味気ないです。
◇
作者の何気ないひとこと、ふたことがとても印象的だったりします。
トリュイトンヌとの婚約を死って、嘆き悲しむフロリーヌの所などに、
心に深い悲しみを抱いているときは、食べるものなどは見るのもいやになります。
などとちらっとひとこと書かれていて、こういう部分が味を添えておもしろいです。
妹子のお友達は、この本の絵が好きだと言っていました。
見てすぐに、「わあー、すてきな絵!」と言っていて、この絵をすてきと感じるのが良いなあと思いました。
さし絵 高橋忠彌さんだそうです。
◇
さて大団円を迎えたこの「ブルーバード」のお話ですが、ぜひ図書館でも通ってみていただきたいと思うのは、この本「フランス編1」には、ラブレーの「ガルガンチュワ物語」が入っています。
フランスの古典です。
それはそれは…ハチャメチャな物語で、とても面白いです。
忠実に訳しているものも読んだのですが、この訳に匹敵するものはないなと思うほどの名訳、名抄訳です。
(お酒と下ネタのお話が満載です。うんこ、おしっこなどは頻出単語です)
いつか、紹介する機会があればなあと思います。
◇
この本には、他にも、おとな版で読んだらびっくりした「狐物語」、またフランス古典版「美女と野獣」も入っています。
もし、バレエ関係でこちらにたどり着いた方も、昔話にしろ、原典にしろ、たくさんのお話を読んでみて欲しいと思います。
バレエは、海外文学への扉となりうる、物語の宝庫ですから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 青い鳥」はないのですが、オーノワ夫人の「美女と野獣」です。
美女と野獣 (ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ)
ドーノワ夫人 (著), エティエンヌ・ドレセール (イラスト), 石川 康弘 (翻訳)
そまつな服を着て、このうえなくみじめなくらしをつづけながら、娘たちはいつも、むかしのぜいたくで楽しかった生活をなつかしんでいました。ただ末娘だけは、明るく、強く、生きようとしていました。彼女は、父親がはじめて不幸に見舞われたとき、だれよりもなぎけ悲しみました。けれども、もちまえの快活さを取りもどすと、つらい生活にたえて、仕事に取りかかって、父親や兄さんたちをできるだけなぐさめようとしたり、姉さんたちの気持ちが、歌やダンスでまぎれるようにつとめるのでした。ボローニャ・ブックフェア特別賞受賞のシリーズ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「1年後のこの時刻にこの世でいちばんかわいい犬を探して来た者にこの国を与える」 王の言葉に3人の王子は旅に出ます。17世紀フランスの、話ができる白い猫の繰り広げる、不思議で華麗な世界をのぞいてみて下さい。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こちらのオーノワ夫人の「青い鳥」とはまったく関係のない、メーテルリンクの「青い鳥」ですが、せっかくなのでリンクを置いておくことにしました。
貧しいきこりの子どもチルチルとミチルは、「幸福」の象徴である「青い鳥」をさがして、思い出の国や夜の御殿、未来の国などを旅します.ノーベル賞作家による、有名な戯曲.新訳.
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
フランス・ルネサンス文学を代表する作家フランソワ・ラブレーの傑作大長編、待望の新訳版。この巻では、巨人王ガルガンチュアの誕生・成長と冒険の数々、さらに戦争とその顛末が、笑いと風刺を織り込んだ密度の高い文体によって描き出されてゆく。現代的センスあふれる清新な訳文から、不朽の物語の爆発的な面白さと輝かしい感動が楽しく伝わってくる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
フランス中世に成立した『狐物語』は、赤毛の性悪狐・ルナールが知恵の限りをつくして森の動物や農村の人間たちとわたりあい、またライオンのノーブル王が君臨する宮廷にあってさまざまに策略をめぐらすお話の集成です。多くの国や地域にも広まり親しまれている動物叙事詩の代表作に、『年をとったワニの話』のL.ショヴォーが絵をつけた現代語版を、読みやすく生き生きした日本語に移しました。巻末の充実した解説も必読です!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
本書は、12世紀後半から13世紀にかけて主に北フランスで作られた動物叙事詩、20話を収録する。各話共通の主人公はルナールという名の狐で、この狐がいろいろな動物や領主、騎士、僧侶などに悪知恵を働かせ、騒動を引き起こす様を明るく陽気に描いている。随所に諷刺を盛り込んだ韻文物語。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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オーノワ夫人「青い鳥」4 魔女と魔法使い
青い鳥に変えられてしまったシャルマン王。
首尾がうまくいかなかったことを聞いた王妃は腹をたて、フロリーヌに八つ当たりをして憂さ晴らしすることにします。
トリュイトンヌはフロリーヌを装って王から巻き上げた指輪を持っているので、着飾ってフロリーヌの所に行き、結婚したとか優しいとか大嘘をついてみせます。
父王さまには、フロリーヌを塔から出さないように釘を刺すのですが…。
王さま「万事、よきにはからえ~(思考放棄)」
多分この父王は、最初の奥さんが亡くなった時に壁に頭をぶっつけて死んでた方が良かったでしょうね。
結論:戦犯は壁に頭をぶつけて死なないように配慮した部下
オーノワ夫人「青い鳥」3 バレエ「ブルー・バード」の衣装の羽
◇
青い鳥とフロリーヌ姫(フロリナ王女)は、ここでお互いを見つけて、この牢屋で逢瀬を重ねます。
「ブルーバード」グランパ・ド・ドゥの内容は、おそらくこの部分だと思われます。
やっと、バレエの内容になってきました。
「でも、あなたはどなた、かわいい小鳥さん」と、フロリーヌは羽をやさしくなでながら、ききました。
「かわいい(シャルマン)とおっしゃったではありませんか。それがわたしの名前です」
これはいかにもしゃれてるなあ~と思いました。
多分、王さまの名前「シャルマン」はこの台詞を言わせたいがためにつけられたんじゃないかという気がします。
この青い鳥なのですが、フロリーヌが好きなあまり、ものや宝石を必死に貢ぎまくります。
やっぱり今も昔も、推しに対してやろうとるすことは同じみたいです。
・ダイヤの耳飾り
・エメラルドの腕輪(一つの大きなエメラルドを切子にして真ん中に穴をあけ、手と腕が通るようにしたもの)
・真珠玉にはめこんだ小さな懐中時計
どうやって入手するのかというと、鳥なので自分の国に飛んで行って部屋に忍び込み、持ち去るのです。
フロリーヌも、実にうまいことを言いやがります。
「せっかく時計をくださっても、役にたちませんわ。あなたがいらっしゃらないときは、早く時がたってくれればよいと思いますし。ごいっしょにお話ししていれば、まるで夢のようにすぎてしまいますもの。どちらにしても、時計があれば、かえって苦労がましますわ」
それで、青い鳥は、あなたのやさしい心を傷つけましたねとか何とか...。
フロリーヌは、そんな、あなたが思ってくださることがいっそうわかりましたわとか何とか...。
何かこんな風な、いちゃいちゃした会話を交わしながらも、青い鳥はフロリナ王女に貢ぎつづけます。
真珠の首飾り、みごとな細工の指輪、ダイヤのくさり、ヘヤ・ピン。花のいろどりに似せて宝石でつくった花たば、おもしろい本、まるい浮きぼり細工。
「おもしろい本」てのがあるのに注目しました。
あらゆる面で気を使っています。
◇
さて、ふたりがいちゃいちゃしている間に、王妃は必死でトリュイトンヌの嫁入り先を探しますが、どこからも断られてしまいます。
断る方もよくないので、「フロリーヌならいいけど」、と一言付け加えるので、二人はかんかんに腹を立て、謀反の疑いをかけて(=八つ当たりして)やろうと示し合わせて塔にやってきました。
牢の中のフロリーヌは、宝石で飾り立て、香まで焚いている有様なので、二人はびっくりします。
(ここはかなり長く、色々あるのですけど、中略)
結局、見張り番を置かれてしまい、フロリーヌと青い鳥はなかなか会えなくなってしまいます。
眠ったすきに、フロリーヌは急いで窓を開け放ち、呼びかけます。
ちょっとユーモラスです。
青い鳥さん、空の色、
わたしのところへ、はよおいでこれは、フロリーヌのことばどおりで、歌にするため変えたりしたところは一字もありません。
「一字もありません」念押しの一言によって、いっそうこの呼びかけが際立ちます。
「はよおいで」は、他に何とかならなかったのかなあと思いますが、この本は、そういう違和感よりも、いわゆる575の「5」に当てはまるかどうか、の方を重視しているみたいです。
このよびかけを何度も行い、また、逢瀬を重ねるのですが、王妃の悪だくみで青い鳥は、ひどいけがをさせられてしまいました。
(糸杉の木立に、「剣や包丁やかみそりや短刀をゆわえつけておいた」ということになってます)
昔の本は日本のも海外のもですけど、割と、小道具をたくさん重ねて表現することが多いです。
とても楽しいので、こういうのは積極的に現代の児童書にも取り入れてもらいたいものです。
特に子供向けだと、語彙力が増えることにもなるんじゃないでしょうか?(無理矢理感)
◇
全身傷だらけになってしまった青い鳥。
ここで、「シャルマン王の友達の魔法使い」の登場です。
あの空とぶかえる車がどうなったのかという所まで、ちゃんと伏線回収してあります。
乗り手のないからのまま、魔法使いの所に戻ってきたのです。
それで、何かあったに違いないと思った魔法使い、すでに地球をくまなく8回も探していました。
魔法使いに発見され、看護されたシャルマン王、自分を裏切ってかみそりをゆわえておいたのがフロリーヌだと思い込んでいます。
はて...なぜ?
とまあ、それは良いとして、魔法使いに保護されている間に、フロリーヌの方には重大な転機が訪れていました。
父君の王さまが亡くなったのです。
あの情けないアホンダラの思考停止王がです。
悪女の手練手管にやられて、奧さんのことはコロッと忘れるわ、娘のことは放置するわ…。
「青い鳥 2」でも書きましたが、民衆は蜂起して、王妃とトリュイトンヌにおそいかかりました。
ここは割とすごい展開です。
これまで国のひとびとは、トリュイトンヌ親子が、王さまの寵愛をほしいままにして、かってなふるまいをしているのを、こころよく思ってはいませんでしたから、たちまち、むほんを起して御殿におしかけ、フロリーヌ姫を返せ、フロリーヌ姫こそ位をおつぎになるおかただと叫びました。腹をたてた妃は、高飛車に出ておさえつけようと考え、御殿のバルコンにすがたをあらわし、ひとびとに向かっておどし文句を並べましたが、かえってさわぎをますます大きくし、ついにひとびとは王妃の居間の戸をおしやぶってなだれこみ、部屋をさんざんあらしたあげく、王妃を石でなぐりころしてしまいました。
すごい幕引きの仕方です。
ありそうなだけに、なまなましいです。
これは、「まっかに焼けた鉄の靴をはいて踊らされる」という、白雪姫のラストよりも、もっと怖いです。
トリュイトンヌは、スーシオの所に逃げて無事でした。
普通、継母がいなくなったならば力も半減して、何とかなりそうなものなのですが、トリュイトンヌにはまだ、スーシオという強力な後ろ盾がいます。
この革命が起きて、フロリーヌが女王になった、ここまででちょうどお話は半分です。
恋愛ものとしては、邪魔が入り、ラブラブの所があり、裏切りだと思い込み、実に波乱万丈です。
◇
面白いのが、魔女や魔法使いの関係性です。
魔法使いは、スーシオの所に話をつけに行くのですが、お互いに顔見知りであることが語られます。
魔法使いと魔女とは似たりよったりのもので、もう五六百年もの顔なじみですし、この、長い年月のあいだ、よいことにせよ悪いことにせよ、いっしょになって、いくたびしごとをしたかしれないなかでした。
この設定は面白いなあ。
現代のラノベなどにも転用できそうです。
昔話は設定の宝庫ですので、お話を書こうと志す人は、どんな媒体であっても、たくさん参考にすべきところがありますから、そういう点でも、ラノベ作家勢のかたがたにも、ぜひ読んでもらいたい所です。
「青い鳥」はあらゆる面から面白いです。
「容貌をあげつらうのはよくない」という忖度をしていない時代に作られたものなので、そういう面からも新鮮な印象を得る所があります。
◇
魔法使いと魔女は話し合いをして、何とか、執行猶予つきの仮釈放まで話をこぎつけました。
ここからは、フロリーヌが頑張る番です。
もう、自由の身になっていますので、身なりを変えて旅をして、シャルマン王の国まで行き、シャルマン王が何としても結婚するまいと頑張って日にちをのばしている間に…。
好きな人を取り返す!
という展開です。
(内容としては、鉢かつぎ姫系です)
つづきます。
これで興味を持った方は、ぜひ図書館で探してみてください。
国立国会図書館に所蔵されているのは確認ずみです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 青い鳥」はないのですが、オーノワ夫人の「美女と野獣」です。
美女と野獣 (ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ)
ドーノワ夫人 (著), エティエンヌ・ドレセール (イラスト), 石川 康弘 (翻訳)
そまつな服を着て、このうえなくみじめなくらしをつづけながら、娘たちはいつも、むかしのぜいたくで楽しかった生活をなつかしんでいました。ただ末娘だけは、明るく、強く、生きようとしていました。彼女は、父親がはじめて不幸に見舞われたとき、だれよりもなぎけ悲しみました。けれども、もちまえの快活さを取りもどすと、つらい生活にたえて、仕事に取りかかって、父親や兄さんたちをできるだけなぐさめようとしたり、姉さんたちの気持ちが、歌やダンスでまぎれるようにつとめるのでした。ボローニャ・ブックフェア特別賞受賞のシリーズ。
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オーノワ夫人「青い鳥」3 バレエ「ブルーバード」の衣装の羽
「青い鳥」の内容自体は、昨日ざっくり紹介したとおりなのですが、このあとは私の独断と偏見による面白かったささいな所を紹介していきたいと思います。
これで興味を持った方は、ぜひ図書館で探してみてください。
国立国会図書館に所蔵されているのは確認ずみです。
◇
王妃は、家来に命じてフロリーヌの悪口を言わせますが、
シャルマン「どうせねたみでしょ」
聞く耳を持ちません。
そこで、気の利いた家来が忖度してフロリーヌをちょっと褒めてみると、シャルマンは顔色が変わって嬉しそうになります。
ほんとうに、愛する気持というものは、いくらかくしてるかくしきれるものではありません。したいあう人のくちびるにも、まなざしにも、声色にもみんな愛の心があらわれます。だまっていても、話していても、喜ぶときも、悲しむときも、したいあう人の心というものは、かならず顔に出てしまうのです。
いかにもフランスらしい文章だなあ、と思います。
王妃がトリュイトンヌをすすめればすすめるほど、意地になってあからさまな無視をするシャルマン王。
シャルマン王が意地になればなるほど、後には引けない王妃は芸能事務所顔負けの超ゴリ押し作戦を展開します。
ここで面白かったことが二つ。
王妃が懐柔策で用意した、豪勢な贈り物と、シャルマン王の乗り物です。
豪勢な贈り物「愛の勲章」
金の心臓にまっかな七宝を焼きつけ、いくつかの矢でそのまわりをとりまき、そのうちの一本が、このハートをつらぬいていて、そのハートには、「ただ一矢、わが心をきずつけん」という文字がきざまれていました。王妃は、まえもって、シャルマン王のために、だちょうのたまごほどもある大粒のルビーでハートをつくらせておきましたし、矢の一本一本は長さが指ほどもあるダイヤ一個でつくらせておきました。このハートを首にかけるくさりは、真珠をつらねてつくってあり、その真珠は、いちばん小さいのでも、五百グラムはあろうという重さのものでした。
そもそもの「金の心臓にまっかな七宝を焼きつけ」たものは、王妃が結婚するときに王さまにお願いして作らせたものなんだそうです。
シャルマン王への賄賂は、心臓をルビーで作っているので、七宝を焼き付けたものよりもさらに価値がありそうです。
勲章にそえて、宝石をちりばめた金の表紙の、子牛皮を紙のかわりにしたすばらしいにしき絵のはいった本が一さつとどけられました。その本には、「愛の勲章」をつける者の守らなければならないことが、美しい文章で書いてありました。
細かいです。
シャルマン王は、この勲章を見て、しばらくお礼のことばも出ないほどおどろいてしまいました。
まあ、そうでしょうね。
今、気がついたのですけど、このシャルマン、王子さまではなくて王さまでした。
てっきりフロリーヌからだと思い込んだシャルマン王、トリュイトンヌからだと聞いた途端に態度を180度転換、おそろしく冷たく突っ返します。
フロリーヌは王妃によって幽閉されてしまいますが、ここでうらみごとを言うときに「なまじ、ほんのすこし、きれいに生まれついたために、かえって、しあわせになるどころか、ひどいめにあわされるばかりなのだ」なんて言ってます。
本人も容姿には多少の(?)自信があるということか…。
シャルマン王は、幽閉されたフロリーヌと小窓の所で逢引する算段を立てますが、仲介者の召使は裏切って王妃に密告します。
王妃は、すぐさま、自分の娘を小窓のところへださせようと考えて、トリュイトンヌにそのむねを言いきかせました。トリュイトンヌは、生まれついての大ばかでしたが、このときばかりはぬけめがなかったのです。
いちいち、トリュイトンヌサゲ↓には余念がありません。
いかにも、口頭で話してきかせているような内容です。
シャルマンはトリュイトンヌをフロリーヌだと思いこんで勘違いの相談をするわけですが、いくら闇夜+ヴェールの二重用心をしていたとしても、何で間違えるかな?と思わなくもありません。
しかしそれよりも面白いのが、シャルマン王は、魔法の空とぶ乗り物を持っているのですが、これがつばさのはえたかえるが引いているという所です。
これは、「えっ!?」と思って、何度も読み返しました。
あれこれ昔話を読んできましたけど、つばさのはえたかえるというのはやはり非常にめずらしくて、すごく記憶に残っています。
古くは猿飛佐助、ちょっと前ならNARUTO、忍術で現れる大ガマというのはイメージとしてありますが。しかもこれ、「大がえる」なのです。
プリンス・チャーミングはかえるに乗って現れた。
◇
すっかり勘違いのあまり、トリュイトンヌをフロリーヌと思い込んだ王は、自分の指輪まで与え、合流して逃避行をするのですが、トリュイトンヌは自分の名づけ親の魔女、スーシオの館に誘導します。
シャルマンの大がえるも、「友達の魔法使い」にもらっているので、魔女・魔法使いがそれぞれ後ろだてとして存在するようです。
大がえるどもは、世界じゅうの地図を心得ていましたから、またたくまに、シャルマン 王とトリュイトンヌを、スー シオの屋敷に案内しました。
どんだけかえるの所が好きなんだと思われるでしょうけど、私はドラえもんのどこでもドアより、この大がえるの乗り物が欲しかったです。
◇
王が青い鳥に変えられてしまうことになるスーシオの館ですが、広間の壁は「すこしもくもりのないすきとおったダイヤ」でできています。
ガラスじゃありません。
ダイヤです。
スーシオによって足を動かなくされてしまった王は、「なだめたり、おどしたり、いろいろ有利な条件をもちだしたり」して説得されますが、聞く耳を持ちません。
「たたきころすなり、皮をはぐなり、どうとでもするがよい。わたしは、フロリーヌ姫とでなければ、だれとも結婚するものか」
これから、王はにくにくしげに二人をにらみつけたまま、いっさいしゃべらなくなってしまいました。
二十日の間、昼も夜も眠らずに、「食べもせず、ねむりもせず、すわりもしないで」頼み込みます。
いや死ぬだろ…。
これだけ言ってだめならあきらめそうなものです。
腹をたてたスーシオ、約束をして守らないのだから七年間罰を受けるのだと宣告します。
この罰が青い鳥だったわけですね。
しかしこの王さま、ただおとなしく鳥にされるだけじゃないのです。
それまで何を言われてもかたく口をつぐんでいたシャルマン王が、とつぜん大声で答えました。
「こんな、いやな女といっしょにならずにすむのなら、どんなめにあわされようと、そのほうが、よっぽどありがたい。」
この嫌いっぷりがまた、ものすごいです。
フロリーヌと結婚できても出来なくても、トリュイトンヌとだけはいやだ、という強い意志を感じます。
トリュイトンヌも言い返したりするのですが、冷笑とか皮肉の応酬です。
これだけ拒否されてもまだ結婚したいと考える人の気持ちがわからないです。
青い鳥に変えられた描写がとても綺麗です。
からだは小さくなって、空色まじりの美しい長い羽で包まれ、目は星のようにきらきらかがやくまるい目となり、鼻はいつのまにかぞうげのように白いくちばしに変わり、頭の上には、王冠のような白い冠毛がはえ、美しい声でさえずり始めましたが、人間のように口をきくこともできるのでした。
頭の上には、王冠のような白い冠毛がはえのところが、バレエで有名なあの、「ブルーバード」の衣装の頭についている羽のことだと思います。
飛び回ってからも、愛や悲しみをあらわす花言葉を持つ木ばかりを選んで止まるとか、芸が細かいです。
てんにんか(花ことばは「愛」)
糸杉(花ことばは「死」または「悲しみ」)
とちゃんと注釈がついています。
止まって歌う歌も、ちゃんと57になっていて、語呂がよいです。
にくい王妃ににくらしい
トリュイトンヌの悪だくみ。
どこに姫君かくしたか。
…
という感じです。(割と長い歌ですが)一部抜粋です
つづきます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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オーノワ夫人「青い鳥」2 フロリーヌ姫=フロリナ王女
フロリーヌとトリュイトンヌの名前があまりにも強烈で、バレエのフロリナ王女にまったく結びついていませんでした。
前回話した、悪女の深慮遠謀にコロっとやられてしまった王さまはもう、ほぼお話に出てきません。
出てこないばかりか、出てきてもまったく役に立ちません。
ここで、お話の主人公はフロリーヌ姫(フロリナ王女)にバトンタッチです。
◇
花の女神フローラに似ているとのことでフロリーヌ。15歳です。
この姫の美しさについて、オーノワ夫人はあらゆる賛辞で言葉を尽くしています。
ついぞけばけばしい身なりをしていたことがありません。かろやかなタフタの衣装を、いくつかの宝石のボタンでとめたものが好きでしたが、そのかわり、冠だけは、花をたくさんたばねた、みごとな花冠で、ふさふさとした髪に、この花冠をつけると、いっそうひきたつのでした。
さて、王さまを手玉に取った悪女の継母は、名づけ親の魔女、スーシオに預けている自分の娘を呼んできます。
ここから、フロリーヌがいかに美しいかと同じぐらい、この継母の娘がいかに醜いかの記述が延々と続きます。
この対比が、昔話としては非常にすぐれていて、やはり子どもとしてはめちゃくちゃ夢中になります。
ちょうど、岩魚(トルイト)のように、顔に赤あざがあるところから、トリュイトンヌと呼ばれていました。黒い髪は、さわるのも気味がわるいほどあぶらじみていて、ふけだらけで、はだも黄いろで、あぶらぎっていました。
うーん強烈。
この「容姿をあからさまに比較するような描写」がいけないから、出版業界から消されてしまったのでしょうか。
しかしこのお話において、トリュイトンヌの存在は非常に大きいのです。
トリュイトンヌがこれほどしっかりした悪役をやってくれているから、よりいっそうお話が面白いのです。
正直、フロリーヌがいかに綺麗かを読んでいるよりも、トリュイトンヌにおぞけをふるって近付きたくない王子さまの描写の方が面白かったです。
(大人になってみれば、たしかにこれが微妙だというのは理解できます)
しかし、トリュイトンヌは、名づけの魔女スーシオと継母からは、目の中に入れても痛くないほど可愛がられています。
そこが人間らしいです。
◇
王さま、二人の王女をそろそろ結婚させようとするのですが、王妃は「わたしの娘の方が年上だし、ずっと愛きょうもあるから先」と言います。
えっ…。
まだ、冒頭のエピソードの強烈さが残っていますから、王さまいったいどういう反応なのかと思えば、こうです。
王さまは口あらそいをするのがきらいでしたから、それがよかろう、万事いいようにするがいい、と答えました。
あんなに前の奥さんのことで強烈に悲しんでいたのに。
娘はこんなに可愛いのに。
王さま「万事、よきにはからえ~(思考放棄)」
この王さまの行動パターンは、今にいたるまで世界の七不思議の謎のひとつとしてわたしの中に残っています。
大人になってみると、こういう人、いる、というのはわかるのですが、納得はできません。
◇
ここで、相手としてシャルマン王子が登場です。
「うるわしの=シャルマン」というわけで、まあ要はプリンス・チャーミングです。
オーノワ夫人の「青い鳥」の英語ページの要約では、まんま「ぷりんす・ちゃーみんぐ」でした。
この呼び方もいったい何が元ネタで、どこで定着したのかと思っていましたが、シャルマン王子がもとだったのだろうか…?
(単なる想像です)
当然、継母はフロリーヌに目をつけないようにあらゆる手を打とうとします。
召使を味方につけてフロリーヌの衣装・髪飾り・宝石に到るまで盗み出させるという、あまり頭のよくないいじめのような戦法です。
広間のかたすみに、ふだん着のまま小さくなっているフロリーヌ王女。
王子が到着しますが、引き合わされたトリュイトンヌ。
服や飾りが立派なだけに、ふだんよりずっと不器量な顔立ちになるという逆効果。
王子のあからさまな嫌がり方と、まったく気付かないこの母娘の厚顔無恥さが、このお話のおかしみです。
微妙ながらも、腹が立ちつつも、ユーモラスでおかしいのです。
王子は顔をそむけてしまいますが、王妃は「トリュイトンヌが気に入りすぎたので口もきけないのだろう」と解釈、顔をそむけた方にトリュイトンヌをおしやるという。
何か既に、美醜を越えた思い込みの激しさに、これはもう王子が災難としか言えません。
しかし王子は負けていません。
押しの強さが強いだけ、負けずに押し返して主張をします。
そこは、父の王さまが思考放棄しているだけ、すごくがんばるのです。
ふだん着の姿を発見されて真っ赤になったフロリーヌがあまりに美しいので、王子はもう、フロリーヌしか目に入りません。
「姫君、たとえようもない美しさが、なによりの飾りではありませんか。このうえ、なんのつまらぬ飾りがいりましょう」
まあ、さすがはフランスのお話だけあって、非常にお上手です。
王妃がいらいらして邪魔しますが、
べつに王妃にえんりょしなければならない立場でもありませんから、自分の思うとおり、フロリーヌ姫をほめあげて、三時間も姫と話しつづけました。
つよいです (゚A゚;)。
しかしこの押しの強さに対して押し返す力が強いだけ、ものすごく長く激しいバトルになるのです。
王さまはそれがわかっているので、早々に戦線離脱したものと思われます。
◇
ここでざっと、だいたいの構成をお話すると
・王の再婚事情。
・フロリーヌとシャルマンが出会う。
・シャルマン、魔女スーシオに青い鳥に変えられる。
・塔にとじこめられたフロリーヌとシャルマンの逢瀬。
・あの手この手を使って、あらゆる邪魔をする王妃たち。
・魔法使いのとりなしで、青い鳥から王子に戻る。フロリーヌは王さまの死により女王になる。
・フロリーヌ、変装して王子のもとへ。割と長い旅路になる。
・鉢かつぎ姫的展開から、王子が気付いて大団円になるまで。
という順になるでしょうか。
シンデレラよりは長いです。
異種変身+鉢かつぎ、といったところでしょうか。
面白いのは、途中で王さまが死んだ時に、フロリーヌが女王になることです。
民衆は、王妃とトリュイトンヌの専横にずっと飽き飽きしていたので、蜂起して王妃を追い落とし、フロリーヌを女王に付けるのです。
これはちょっと、他にはない展開です。
あまりこういうパターンは読んだことがありません。
さすがはおふらんす。
革命が起きるわけです。
(これは、市民革命よりもはるかに昔のお話ですが)
ここからは、あらすじをおさらいしながら、面白かったところ、気になったところを拾って行こうかなと思います。
つづきます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 青い鳥」はないのですが、オーノワ夫人の「美女と野獣」です。
美女と野獣 (ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ)
ドーノワ夫人 (著), エティエンヌ・ドレセール (イラスト), 石川 康弘 (翻訳)
そまつな服を着て、このうえなくみじめなくらしをつづけながら、娘たちはいつも、むかしのぜいたくで楽しかった生活をなつかしんでいました。ただ末娘だけは、明るく、強く、生きようとしていました。彼女は、父親がはじめて不幸に見舞われたとき、だれよりもなぎけ悲しみました。けれども、もちまえの快活さを取りもどすと、つらい生活にたえて、仕事に取りかかって、父親や兄さんたちをできるだけなぐさめようとしたり、姉さんたちの気持ちが、歌やダンスでまぎれるようにつとめるのでした。ボローニャ・ブックフェア特別賞受賞のシリーズ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「1年後のこの時刻にこの世でいちばんかわいい犬を探して来た者にこの国を与える」 王の言葉に3人の王子は旅に出ます。17世紀フランスの、話ができる白い猫の繰り広げる、不思議で華麗な世界をのぞいてみて下さい。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こちらのオーノワ夫人の「青い鳥」とはまったく関係のない、メーテルリンクの「青い鳥」ですが、せっかくなのでリンクを置いておくことにしました。
貧しいきこりの子どもチルチルとミチルは、「幸福」の象徴である「青い鳥」をさがして、思い出の国や夜の御殿、未来の国などを旅します.ノーベル賞作家による、有名な戯曲.新訳.
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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ふりがなについて悩む、川端康成大先生 「世界少年少女文学全集」の≪ふろく≫
あけまして、おめでとうございます🎍
いつもながらに、通常運転のこのブログ。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年第1日目の話題として、ここのところ、続けて話題にしている、「世界少年少女文学全集」の「ふろく」に載っている説明が、とても面白かったのでご紹介します。
少し長いですが、本の本体ではなく、「ふろく」のことでもあり、全文抜粋させていただきました。
この「世界少年少女文学全集」の、編集のどなたがこの文を書いたのかはわかりません。
ただ、「編集」としか書かれていないです。
しかし、そうそうたるメンバーの中でも、筆頭である川端康成氏が、この編集の文章を読んでいないわけがない、と思います。
なので本当は題名は
ふりがなについて悩む、川端康成大先生(をはじめとする編集陣) 「世界少年少女文学全集」の≪ふろく≫
が正しいです。
◇
こちらからがその説明文です。
ふりがなについて
編集部
本全集のふりがなについて一言申しあげておきます。
読者のみなさまからいちばん多く要望されたことは、ふりがなをもっと多くしろ、ということでした。漢字にはぜんぶふってくれというかたもございました。これに対して絶対ふりがなはつけぬように、ふりがなをつけないで、わかるように表現すればよいという御意見もありました。特に国立教育研究所の方々(中でも石黒修(よしみ)先生からは直接御意見をいただきました)からはふりがなは反対のおたよりをいただいています。
これによると、「ご意見好き」は、昔から変わらずにあったみたいです。
ふりがなをふれといったり、ふるなといったり…。
苦労がしのばれます。
PTAや子供会でも思いましたけど、「子どものため」という大義名分があると、喧々囂々のものすごい活発な議論になります。
愛は盲目といいますか。
こちらの編集部は相当にしっかりとした自分の考えの軸をもち、自信をもってこの全集を編纂していたことが思いやられます。
教育漢字は学校の教科書で学年毎に教わるわけですが、特に国語の教科書と密接な編集のできていない社会科の教科書などでは、文字の読みかたをおぼえて、実物の研究調査にあたるというのが現状で、漢字を制限し、略体文字にしても、なお、漢字のふくざつさはへってはいません。たとえば上という字は、ウエとよみます。しかし、ジョウとも、ウワとも、ショウとも、アゲともよみます。
確かにこの複雑さは、なかなか難しいです。
漢字の読みは、本を読むことでしか経験値として溜まっていきませんから、やっぱり本を読むのは大事ということですよね!(無理矢理感)
日本では百の単語をおぼえるのに四時間五〇分かかるのに、イギリスの子どもは三六分でおぼえられる。イタリアでは二年生で新聞がよめる。ソ連では四年生の教科書にツルゲーネフの猟人日記が入っている。つまり、日本では、外国にくらべると、七・八〇倍の文字を習わねばならぬ運命にあるのです。大学を出ても読めぬ字があり、文筆を業とする人でもまちがった字を書くこともあるようです。日本語はじっさいむずかしいのです。
個人的には、日本語の複雑さが思考の邪魔になっているとは決して思いませんし、「外国」とひとくちにいってもさまざまあると思いますが、ここで興味を引いたのは、「ソ連では」
ソ連…!
確かに、これが編纂されたのは、ソ連の時代でした。
そして、「四年生の教科書にツルゲーネフの猟人日記」
すごいなあ。
ツルゲーネフの「猟人日記」は決して読みやすい感じではありません。
大人でもちょっと、な感じです。
むしろ「はつ恋」とかの方がいいのでは?
(ちょっと特殊な性癖を刺激してしまうかもしれませんけども…)
この全集ではなるべくふりがなをつけずにいきたかったのですが、読者のはばを考え、日本語のふくざつさを思うと、三・四年生でおぼえる漢字にはつけないまでも、その他はぜんぶつけるという方針に従わざるをえませんでした。ただしページのはじめに出た漢字が同ページに出てきた場合はふりません。何はともあれ、これは文学であって教科書ではなく、わからない文字のために感覚を中断されてはまずいこと、また教科書でおぼえない活用と新しい字になれるということ、そしてできるだけひらがなを使い、国語をわかりよい、美しい、リズムのあることばに創造してゆくことなどに注意をひけたいと思います。
「文学であって教科書ではなく、わからない文字のために感覚を中断されてはまずい」という所に、子どもに対する真剣な配慮がみられます。
読んでいても、本当に美しい文章だなと思います。
「へびのたまごは、おいくらだい?」(ジャングル・ブック)
「青いとりさん はよおいで」(青い鳥)
ちょっと笑ってしまうようなユーモラスさと同時に、リズムがあります。
江戸時代の文語体を使っていた時代に近い人、そのような文章に触れることが多かった時代の人は、リズムをすごく大事にされてるなと思います。
さらに子供の本には割と「、」が多いです。
多い「、」を嫌う人、いますよね。
「、」が多くて読みにくい!というご意見は、Amazonの書評などでもよく見かけます。
しかしこれは、こどもが文字をどこで区切ればいいのか?と思うことに配慮してのことだと思います。
元来、少年少女文学という特別の分野があるのもおかしいので、これはおとなも子どもも読む本当の文学なのです。アンデルセンは子どもの時読んでも、おとなになって読んでも感激します。その理解力の質と感銘の深浅(しんせん)はあっても。これがほんとうのメールヘン・童話です。外国のすぐれた童話は人間の本質・真実を書いているので、永遠に伴侶になりえます。また、ことばも特に子どものことばなどで書いていません。おとなも子どもと同じことばだからです。日本だけが、ことばの混乱のために学級別童話などというふしぎなことをしているのです。
元来、少年少女文学という特別の分野があるのもおかしいので、これはおとなも子どもも読む本当の文学なのです。
というのが、この全集を編纂したかたがた(川端康成氏含む)のご意見です。
(実際には、GutenbergやアメリカのWikipediaにも、Children's literatureというジャンルはちゃんとありますので…そう言い切れるかどうかは…?どうかな…?ではあります。)
子どももおとなも同じに通用することばで、真理を美しく、新しく表現した文学──それがわれわれのメールヘンの課題です。
ふりがな問題には大きな意味がふくまれているようです。
メルヘンという言葉が、現代では頭お花畑というイメージになってしまっているのは、悲しむべきだなと思います。
かといって、ヤングアダルトという言葉も、どうしても微妙に感じてしまいますし。
難しいです。
このブログではよく、「大人が読む児童書」を冠してはいますけど、「児童書」とは何なのか。
子供のためのものなのか、子供も大人も越えた文学作品なのか。
レ・ミゼラブルやクリスマス・キャロル、三銃士、小公女、小公子は、果たして「児童書」なのか。
議論もあり、さまざまな考え方があるところではあると思います。
しかしやっぱり、子どもに本を与えるのはおとなです。
本を読むことを教えるのもおとなです。
そういう立場からして、「こどもに」というはっきりした目的と視線があるのが、児童書なのだと思うのです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
このふろくが挟まっていたのは、「宝島」「ジャングル・ブック」が入っていた巻でした。
ジム少年は,トレローニさんや医者のリヴィシー先生とともに,海賊フリント船長がうめた莫大な財宝を探しに出帆する.ぶきみな1本足の海賊シルヴァーの陰謀にまきこまれ,はげしい戦いが始まる….手に汗にぎる海洋冒険小説の名作.
グーテンベルクで出ています。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オオカミに育てられた少年、モウグリは、ヒグマのバルーや黒ヒョウのバギーラに見守られ、ジャングルのおきてを学びながら、すくすくと成長していく。宿敵のトラ、シア・カーンとの対決など、さまざまな冒険を切りぬけ、ジャングルの主になったモウグリだったが、やがて春がおとずれ……。キプリングによる古典的名作。新訳。
こちらは無料の原作(英語版)です。
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オーノワ夫人「青い鳥」1 バレエ「ブルー・バード」の元ネタ
バレエの観劇をする機会があったので見に行ってきました。
やはりコロナが猛威を振るっている中とあって、すごく気を使っていて、席も離していましたし、おしゃべりは禁止、スタッフの数も減らしたらしく、とても大変そうでした。
その中に、「ブルーバード」がありました。
私はバレエの漫画が大好きなのですが、その中で必ずと言っていいほど出てくる、超定番のバレエの演目です。
もう正直、またブルーバードかよ、と思うほど有名です。
きっと、バレエ漫画読まれたり、バレエにちらっと関わったりする方はみんな、ブルーバードはご存知のことと思います。
衣装も定番、男性は上から下まで青く、青いターバンを巻いて、額の所に鳥の羽が一枚、ついています。
けれど、このお話は何から来ているのか、ちゃんと調べたことがありませんでした。
漠然と、チルチルミチルの青い鳥かな?と思っていました。
パンフレットにはフロリナ王女と書いてあります。
チルチルミチルにそんな名前の王女さま出てきただろうか?
はじめてちゃんともとになっているお話を検索してみようとしました。
しかも、と言うのも何ですが、この一幕は、チャイコフスキーの大作バレエ音楽「眠りの森の美女」の中の一部にすぎないのです。
一部なので、あまり注目していませんでした。
そこでやっと分かりました。
オーノワ夫人の童話から取られていたのです!
しかも子供の頃、特別に大好きで、何十回となく読み返した記憶のある、一番思い入れのある話ではありませんか。
まさか、バレエの「ブルーバード」がこのオーノワ夫人のお話の「青い鳥」だったなんて…。
衝撃でした。
今までバレエ漫画を読みながら、ブルーバードと書いてあるのを見ながら、日産かよなんて思っていた自分を殴りたいです。
というわけで、今日はオーノワ夫人の「青い鳥」をご紹介したいと思います。
このお話も、常日頃から推している、世界少年少女文学全集の中の一編です。
これほどまでにバレエ界において、「ブルーバード」は有名なのに、バレエ物語などのお話に編纂されたりはしないものなのでしょうか?
この一冊は、この全集の中でも、特に思い入れが深い一冊です。
すごく面白い、ガルガンチュワが入っているのです。
ものすごくエッチな、「きつね物語」も入っています。
(こちらの子供版はエッチな所は削除されています。大人になって、完訳を読んでみて衝撃を受けました)
かつ、フォンテーヌの童話集も面白く、最後の方に乗っているそこそこ長い一編が「青い鳥」です。
この一冊は、ヘビロテでした。
この「青い鳥」のお話が大好きだったのはなぜか。
童話の中でもかなり、描写が詳細なのです。
その描写も、宝石やら宝物やら、服装やら髪型についてです。
オーノワ夫人の時代はルイ14世、太陽王のどまんなかです、
すごくロココなイメージなんだと思います。
フランソワ・ブーシェの絵とか、「ぶらんこ」とか、そういうイメージです。
ウィキによれば、オーノワ夫人の童話が書かれたのは、グリム兄弟がまとめるよりも135年も前。
語り聞かせる形式だと書かれているので、まさに口頭で話してきかせる、むかしがたりの世界により近いのだと思います。
◇
しかしこの本の悪役は実に強烈です。
基本は、シンデレラとあまり代わりがない、継母と継姉にいじめられるお話なのですけど、ライバル枠の継姉の名前がまた強烈です。
トリュイトンヌというのがその名前です。
フロリナ王女、というのは定着しているようですが、こちらの「少年少女文学全集」の 氏の訳では、フロリーヌになっていました。
フランス読みですね。
フロリーヌVSトリュイトンヌ。
そして、いかにこのトリュイトンヌがきもちわるいほど不細工か、という描写も、美しい宝石や服などの描写と同じぐらい詳細です。
このわかりやすいひきたて役は、子どもにはとても面白いです。
これほど有名な「ブルーバード」なのに、どうしてこんなに流通していないのか不思議に思っていましたが、読み返してみたところ、わからなくもないな、と思いました。
この「トリュイトンヌがいかに不細工か」というのを延々とあげつらっているのはちょっと親たちには微妙なのかもしれません。
容貌というのは、先天的な要素なわけですし…。
逆に、サムエル・マルシャークの「森は生きている」のままむすめなどは、すごく底意地が悪いだけで、容貌についてはそれほど書かれていません。
一応、擁護してみると、たぶん、昔話の中で不細工だというのは実際にお顔の問題とは意味が違うのではないでしょうか。
心の醜さと外見も醜さが直結するのが、昔話の世界なのだと思います。
この「青い鳥」が入っている本ですが、図書館にまだ残っている所もあると思いますので、探したい方のために、念のために書いておくと
創元社「世界少年少女文学全集」11巻 フランス編 1
です。
◇
冒頭は、愛する王妃さまを失って悲しみにくれている王さまからはじまります。
あまりにも嘆き悲しんでいるので、誰もなぐさめることができません。
その悲しみ方がすごいです。
まる一週間、部屋にとじこもったきり、悲しさのあまり身もだえしては、壁に頭をぶっつけかねないありさまなので、家来たちは、いのちをたつおつもりなのではないかと心配して、壁と壁かけのあいだに毛ぶとんをあて、ぶつかってもけがのないようにしました。
どんだけやねん。
しかし、愛が深いということなので、ここはおとなしく感動していたのですが、こういう愛の深い感動的な夫婦の話ではじまったにもかかわらず、妙な方向に話は展開していきます。
誰もなぐさめることができない王さまの前に、「黒のヴェールにすその長い喪服をつけ、黒のマントを着たひとりの女」が現れて、王さまの前でわっと泣き出しました。
王様「 ( ゚д゚ )!?」
その女の人の言い分「私はおなぐさめするために着たのではない。もっとお悲しみになるようにしてさしあげようと思った」
この女性の夫も死んだばかりなので、王さまの気持ちがよくわかるということなのです。
この二人は、お互いの亡き配偶者について、昼も夜もあけずに語り合うこととになりますが、その結果、この女性は誰よりも王さまの心をとらえることとなってしまいました。
この女性、「なかなかりこうもの」で、頃合いを見計らってヴェールを持ち上げます。
王さまも、いったいどんな顔なのだろうと気になっていました。
色つやのよい顔の、目のふちが黒くくぼんだ奥に、青い大きなひとみが、生き生きとかがやいているのを見て、心の晴れる思いがしました。
何やらあやしい雰囲気です。
王さまはだんだん亡くなった妻の話をすることが少なくなり、結果として、この女性と結婚することになりました。
この女性こそ、トリュイトンヌの母であり、フロリーヌ姫(フロリナ王女)をいじめまくることになる、継母の女王なのでした。
何とも不気味なはじまりです。この最初のエピソードは、がっちりと読み手の心をつかみます。
悲しみに対して悲しみという共感をもって接することで、相手を思うままにしてしまう。
共感が大事、とよく言われていますよね。
「論理的に解決法を探すのが、相手の求めていることじゃない」と。
まずは話を聞いてあげること。同じ経験をした人がいるんだ!と語り合うことが癒しになる。
寄り添うこの上なく優しい心の働きのようでありながら、すべてが演技であり、たくらまれたものであった(らしき)ことがなんとなく推測されます。
オーノワ夫人、強烈なひとことを、するっと差し挟んでいます。
たいていの場合、ひとの弱点を知るだけで、人の心をつかみ、その人を思いどおりにすることができるものです。
ところどころに、このような、世慣れた人の人生訓のようなものが入っているのが、このお話の魅力です。
ただのおとぎ話というよりも、よりいっそう一つの「創作」であり、「物語」であるという様相を呈しています。
つづきます。
…続くんかーい!!
さてこんな、中途半端な所ではありますが、
いつも読んで下さっている皆さまに感謝申し上げます。
コロナで大変な時ではありますが、
来年こそは落ち着くことを願って、
どうぞよい新年をお迎えください。
(年賀状みたいになっちゃいまいました)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 青い鳥」はないのですが、オーノワ夫人の「美女と野獣」です。
美女と野獣 (ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ)
ドーノワ夫人 (著), エティエンヌ・ドレセール (イラスト), 石川 康弘 (翻訳)
そまつな服を着て、このうえなくみじめなくらしをつづけながら、娘たちはいつも、むかしのぜいたくで楽しかった生活をなつかしんでいました。ただ末娘だけは、明るく、強く、生きようとしていました。彼女は、父親がはじめて不幸に見舞われたとき、だれよりもなぎけ悲しみました。けれども、もちまえの快活さを取りもどすと、つらい生活にたえて、仕事に取りかかって、父親や兄さんたちをできるだけなぐさめようとしたり、姉さんたちの気持ちが、歌やダンスでまぎれるようにつとめるのでした。ボローニャ・ブックフェア特別賞受賞のシリーズ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「1年後のこの時刻にこの世でいちばんかわいい犬を探して来た者にこの国を与える」 王の言葉に3人の王子は旅に出ます。17世紀フランスの、話ができる白い猫の繰り広げる、不思議で華麗な世界をのぞいてみて下さい。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こちらのオーノワ夫人の「青い鳥」とはまったく関係のない、メーテルリンクの「青い鳥」ですが、せっかくなのでリンクを置いておくことにしました。
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人間になりたがった猫 (てのり文庫 (566B003)) (日本語) 新書 - 1988/7/1 ロイド・アリグザンダー (著), 神宮 輝夫 (翻訳) | かにむかし | いやいやえん |
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森は生きている | にんじんばたけの パピプペポ | 山んばあさんとむじな |
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刃牙顔負けのバトルと煽り キプリング「リッキ・チッキ・ターヴィー」2
年越しが近付いているこんな時に、リッキ・チッキのマングースVSコブラのお話してるのが、ふさわしいのかどうなのか…。
しかし、リッキ・チッキは「ジャングル・ブック」の中でも独立していますし、短編ですし、子どもたちに読んであげて盛り上がるのに最高にむいている一冊であることは確かです。
たまにはゲームの手をとめて、耳をかたむけるのも良いと思います。
コブラとマングース キプリング「リッキ・チッキ・ターヴィー」1
◇
さて、コブラの夫婦、ナッグとナガイナは、イギリス人家族を噛み殺して、住んでいる家を取ろうと画策しています。
これは、主に妻のナガイナの計略です。
「バンガローが、あきやであるかぎり、わたしたちは、この庭の王さまと女王さまなんですよ。そして、メロン畑にある、わたしたちのたまごがかえれば、すぐに(それは、あす、かえるはずだけれど)、うちの子どもは、しずかな広い場所がいるようになるってことを、わすれちゃいけませんよ。」
「そいつあ、気がつかなかった」と、ナッグが言った。
女の方が悪賢いのです。
これを立ち聞きしていたリッキ・チッキは、ナッグを待ち伏せします。
そして、コブラを相手に全力で戦います。
このバトルシーンは、最高の盛り上がりです。
本当に、息を飲みながら、目の前で見ているような臨場感です。
ナッグの頭にかみついて、暴れるナッグによってあちこちに叩きつけられ、それでも目を真っ赤に燃え立たせて、決して離そうとしない、マングースの子ども。
正直、確かにこれは見世物を思いついてしまうはずだよな、と思うほどのすごさです。
(グーテンベルクの原書の挿し絵です。)
兄助も妹子も読んだのですけど、やはり「ジャングル・ブック」の中では強烈にリッキ・チッキのことは覚えているみたいです。
読み聞かせをしてあげたお子さんも、つばをのみこむようにして聞いていました。
現実の見世物よりも、読み聞かせした方が盛り上がるんじゃないか?と思うほどの、すさまじいバトルです。
◇
死にそうになったリッキ・チッキですが、人間が起きてきて、銃でナッグを殺したので、何とか生き延びることができました。
それでも、リッキ・チッキはナガイナがまだいることを忘れていません。
「さあ、こんどは、ナガイナをかたづけなくちゃならないが、あいつは、ナッグ五匹あわせたよりも、もっとわるがしこいだろう」
夫のナッグ、微妙にばかにされてます。
リッキ・チッキは、子どもをコブラに食べられたサイホウチョウの助けをかりて、たまごの位置をさぐり出します。
しかし、リッキ・チッキがたまごをくだいている間に、ナガイナはまっすぐに人間の方に向かっていました。
人間を殺せば、マングースもいなくなる、そういう算段です。
狙われているのは、イギリス人夫婦の子ども、テディです。
もう、飛び掛かればすぐそこという位置で、大ピンチです。
そこに、一つだけ残ったたまごを抱えて、リッキ・チッキは駆け付けました。
ナガイナが人間の子どもを人質に取っているとすれば、リッキ・チッキはたまごを人質に取っている。
すごい状況です。
さらに、リッキ・チッキ、ここでさらに、すごい煽り方で煽りまくります。
リッキ・チッキは、両手でたまごをかかえた。その目は、血のようにまっかだった。
「さあ、へびのたまごは、おいくらだい?コブラの子どもは、おいくらだい?王さまコブラはおいくらだい?血をわけた子どものうちで、さいごに残った──さいごに残ったいっぴきのおだいは、おいくらだい?ありが、向こうのメロン畑のそばで、ほかのをみんな、食べてらあ」
何かもう、ちょっと良識あるおとなであったら眉をひそめるぐらいの、すさまじさです。
リッキ・チッキとナガイナは、お互いにたまごと子どもを忘れるほどの、せめぎ合いに入るのですが、飛んだり跳ねたりの間合いをつめるつばぜりあいです。
(イメージがあってるのかわからないんですけど、私はここでグラップラー刃牙を思い出しました)
リッキ・チッキがちょっとたまごのことを忘れた瞬間にナガイナはたまごをさらって、矢のように逃げ出します。
ここで逃がせば、ナガイナは生まれたコブラと一緒に再び復讐にやってくる。
リッキ・チッキも矢のように追います───。
というところで、やめておきますが、とにかく最後の最後まで、手に汗握る、すごいバトルなのです!
◇
このお話、短編なのですが手に汗握る展開で、すごく面白くて、本当に大好きでした。
子どもの頃からマングースとコブラは宿命の敵だと思い込んでいました。
なので、ハブとマングースの見世物というのも、無理もないなあと思います。
見たら大人げなく喜んでしまいそうです。
このTwitterの映像はすごく盛り上がりました💖
キプリングの 「ジャングル・ブック」の面白さはやはり、この「むきだしの野生の強さ」とでも言うべきものを、非常にうまく表現できている所だと思います。
この文明の生活の中で、忘れてしまったもの。
でも、心のどこかに残っているもの。
厳しいジャングルを生き抜くために必要な強さは、きっと今の時代も変わらず必要なことではないかと思います。
ぜひ、読んであげて欲しいです。
この本のふろくに、こんな風に書かれていました。
(どなたの説明なのかは書かれていませんでした)
キップリングは、インドで見聞したおもしろい動物のははなしを集めて、ジャングル・ブックと名づけました。
これらのはなしは、まったく珍らしいものばかりで、たいへん評判になりました。それはだんだんデカダン(たいはい的)になった世紀末のヨーロッパの人々にとって、未開の原始的な、強い、素朴な、そして人間的な作品が珍らしさと同時に、健康な精神を吹きこんだからです。
きっといつか、「宝島」につづいて、「ジャングル・ブック」も詳しく紹介をしたいと思います。
こちらは無料の原作(英語版)です。
オオカミに育てられた少年、モウグリは、ヒグマのバルーや黒ヒョウのバギーラに見守られ、ジャングルのおきてを学びながら、すくすくと成長していく。宿敵のトラ、シア・カーンとの対決など、さまざまな冒険を切りぬけ、ジャングルの主になったモウグリだったが、やがて春がおとずれ……。キプリングによる古典的名作。新訳。
「プロジェクト・グーテンベルク」
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◆プロジェクト・グーテンベルクについて
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まったくなんの脈絡もなく、唐突に「スペースコブラ」をご紹介。
コブラと聞いて、これを思い浮かべる昭和な人もいるのではないかな~
と思って…。
私は、つい最近見たのですけど、「三枚目ハードボイルド」の最高峰だと思います。
ルパンよりもお色気要素が強いかもしれません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
超強力なビーム銃”サイコガン”を左腕に仕込んだダンディな宇宙海賊・コブラは、悪には強いが美女には弱い”おたずね者”。財宝の地図の秘密を解くカギを持つ三人の美女を海賊ギルドの魔の手から守るため、相棒のアーマノイド・レディとともに愛機タートル号で宇宙を駆け巡る!寺沢武一の大人気コミックをベースに、壮大なストーリーをハードボイルド・タッチで描かれたスペースアドベンチャー。出崎統、竹内啓雄のスタイリッシュな演出や、ジャズ・テイスト溢れる羽田健太郎の音楽など、大人の魅力を数多く持った大ヒットSFアクションだ。
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コブラとマングース キプリング「リッキ・チッキ・ターヴィー」1
閑話です。
ニュースで見つけて、おお~!となりました。
元になっているのは、こちらのTwitterのようです。
Animals trying to kill a snake is akin to suicide, but mangoose have tricks of their own.Residing for millions of years alongside them, they have adopted to its venom. Agility, thick coats & glycoprotein production makes it immune to venom.Thick jaws brings cobra down in seconds. pic.twitter.com/d32TmUTjcJ
— Susanta Nanda IFS (@susantananda3) March 16, 2020
これは、私にとっても、すごい憧れです。
「ジャングル・ブック」の中に入っている、マングースのお話を読んでからのことでした。
「宝島」と一緒に入っている「ジャングル・ブック」のお話。
(翻訳は、「宝島」とおなじく西村孝次さんです。)
実は、私は「宝島」よりも「ジャングル・ブック」の方がツボにはいって、以前からずっと「ジャングル・ブック」ばかり読んでいました。
もう一度、かならずまた詳しく紹介したいなあと思っていますが、この中に「リッキ・チッキ・ターヴィー」という、マングースVSコブラの短編が入っています。
これがまた、本当に面白くて、胸熱なのです…!
しかし、このお話、あまりにも面白いあまり、功罪があったようで、マングースは今や沖縄では害獣。
ハブ駆除のために輸入されたのがもととなって、環境破壊の原因となってしまったりしています。
ハブVSマングースで、見世物にもなっていたようですが、「このお話がもとだったとナショナル・ジオグラフィックに書かれていた」と、さきほど紹介した記事にありました。
いやあ、そうだろうなあ。
私も、強烈な印象が残っていて、忘れられないです。
沖縄で害獣というのは、よく理解しているのですが、このお話のロマンはそれとは別で、本当によくできています。
◇
このお話では、マングースのことを「ねこいたち」と書いていて、可愛いです。
洪水でお父さんとお母さんにはぐれてしまった、小さな子どもマングースの「リッキ・チッキ」
インドに住んでいるイギリス人家族に拾われるのですが、目を覚ましてもぜんぜん動じません。
モングースをこわがらせるというのは、世界じゅうで、いちばんむずかしいことだった。というのは、モングースは、鼻のさきからしっぽのさきまで、好奇心でこりかたまっているからだ。あらゆるモングース種族のモットー(あいことば)は、「かけていって、見つけろ」というのだった。
しっぽが「びんあらいのブラシのようにさか立つ」と書かれているのですけど、わかりすぎるほどよくわかります。
すごくリアルに想像できます。
かれは、綿を見ると、これは食べられないものだときめ、テーブルの上をかけまわり、すわって毛なみをととのえ、からだをかき、それから、少年の肩にとび乗った。
親と離れ離れになっても平気の平左です。
強いです。
この、インドに駐在しているイギリス人家族は、夫婦と小さな息子です。
リッキ・チッキはこの家に飼われることになります。
可愛い子どもマングースなので、たいそう可愛がられるのですけど、そこに黒コブラの夫婦、ナッグとナガイナが現れます。
「はぬい鳥」のダージーが、巣から落ちた子どもがひとり、ナッグに食べられてしまったと泣いています。
(「はぬい鳥?」と調べてみると、 tailor-birdというもので、サイホウチョウ属だそうです)
「ふむ!」とリッキ・チッキが言った。「それは、たいそうお気の毒だね──でも、ぼくは、まだここをよく知らないんでね。ナッグってだれ?」
強いです。
このリッキ・チッキ、何というか、あらゆる面でとにかく強いです。
ジャングル・ブックの主人公、モーグリも強いですが、全編をとおして、野生の魅力にみちみちています。
可愛くても、野生は野生。
怒ると真っ赤な目になる(という設定の)マングース。
小さくてもコブラと戦う本能は体に流れています。
コブラの夫婦、ナッグとナガイナとにらみあった後に、茶色のちいさな毒蛇をやっつけるのですが、この小さな毒蛇は、「コブラに噛まれるのとおなじぐらい危険」だそうで、イギリス人家族は大いにリッキ・チッキに感謝します。
つづきます。
こちらは無料の原作(英語版)です。
オオカミに育てられた少年、モウグリは、ヒグマのバルーや黒ヒョウのバギーラに見守られ、ジャングルのおきてを学びながら、すくすくと成長していく。宿敵のトラ、シア・カーンとの対決など、さまざまな冒険を切りぬけ、ジャングルの主になったモウグリだったが、やがて春がおとずれ……。キプリングによる古典的名作。新訳。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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