~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 2 1000円があったら何がしたい?往復切符を買って、行ったことのない場所へ

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

山のむこうは青い海だった
今江 祥智 (著), 長 新太 (イラスト)

ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)

 

 

大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 1 児童書は「その時代の子供の物語でなければならない」ということはない

 

アンガーマネジメント。
時代を50年くらい先取りです。(正確には43年前)

 

時代を先取りしてるだけではなくて、この一息ついて「いや、まあ、待て」というのは、このお話の中で怒りだけに特化したものではなく、ちょっと慌ててしまった時、パッと駆け出そうとした時、様々な時に使っています。

 

アンガーマネジメントなん言葉でくくってしまうと、そこから広がらなくなってしまいますよね~。(さりげなくディスってる?)

 

このユーモラスな先生に、「100円あったら何がしたいか」という題名を出された子どもたち、しきりと考えます。

この100円、何と「お札」です!!
さすがに今の時代だと、1000円というところでしょうか。

 

「1000円あったらなにがしたい?」

 

一億円よりぜんぜん夢があります!
それに、子どもたちにも手がとどきそう。

 

妹子「やっぱり、鉛筆の先っちょはかむんだね」
わたし「!?」
妹子「海外の本でも日本の本でも、みんな、鉛筆のさきを噛むんだよ」
わたし「それは多分ね昔を鉛筆の質がそれほど良くなくて、濃さの種類もそれほど多くなかったから、薄くて色が出なかったんだろうね」(根拠なし)

 

 

次郎はこんな風に書きました。

 

「百円で往復キップを買います。
行く先は知らない土地、行ったことがないところをえらびます。
着くとおりて、できるだけそのあたりを歩きまわります。山があるとのぼりますが、なければ川をさがしてそれにそって行きます。
おべんとうをたべてもう一度そこを歩き、よく見て、帰ってきます。
ただし、おべんとうは百円の中にはいりません。母さんに寄附してもらいます。
1F 山根次郎」

 

うーん、素敵!
最高!!

 

旅に出る展開のお話は多々あれど、こんなすてきな夢のある、しかも具体的な展望を眼前に展開されたら、みんな旅に出たくなってしまうと思います。

 

先生もほめ、皆はからかうのですが、次郎くんは赤くなってしまいます。
「ピンクちゃん」なんてからかわれています。

 

妹子「さとみくんだ」
わたし「だまって」
(ストプリねたです)

 

 

このホームルームでの話がきっかけとなって、次郎くんという、12~13歳の少年はひとり旅をはじめます。
中学生になりたての小学生だった子には、ものすごい大冒険だろうなあ!
行先は亡くなったお父さんのお墓参り、電車に乗って少し遠方の設定になっています。

 

妹子「おかねあんのか。どこにとまるんだ。ほんとに大丈夫なのか」

 

怒涛の心配です。
年が近いからなのでしょうけど、親近感を抱いている様子です。

 

旅そのものは主眼ではなく、割とすぐに終わって、着いた場所でのおさななじみの少女や、その友達との交流、起きるドタバタやミステリーが本筋なのですが、この旅の描写がとてもていねいで、そしてとてもすてきです!!

 

 

・次郎君、老人に席をゆずる。

 

妹子「『近頃の若い者は、などと申すまじくそうろうってなに?」
わたし「『まじく』が否定形だな。『そうろう』は『だよね』かな。手紙とかに使うことばで文章の最後によく付いてる」
妹子「『近頃の若い者はなんて言っちゃだめだなあ』ってことか」

 

・亡くなったお父さんの思い出。お母さんのお兄さん、つまり次郎の叔父さんが、戦死して骨箱となった思い出。

 

妹子「粟おこしってなに?」

 

ああ!

 

わたし「食べたことないかもね!関西圏では一般的でよく売られてるんだけどね」

関東でだって売ってるかもしれません。
と思って検索してみたら、一発目で「関東で粟おこしが手に入る場所」なんて出てきました。

 

「粟おこし」の検索結果 - Yahoo!検索(画像)

 

わたし「かなり固いしざらざらしてる。ポンポン菓子を飴状の砂糖で固めてるよいうな感じ(説明難しい)」
妹子「そんなもんおにぎりにいれんなよ」

 

次郎の戦死したおじさん、いたずら者で、次郎くんのお母さん(つまり妹)のおにぎりに、粟おこしを入れていたことがあったのです。

 

骨箱にはお骨ではなく石が入っており(「この世界の片隅に」の鬼いちゃんと同じですね)、しんみりとしながらも、「戦争はダメだー!!」というわけでもなく、楽しい思い出を描いています。

 

 

・席を譲った老人との交流。

 

このお爺さんは花火師なのですが、どうやら復員兵であることが何となく語られます。
もと将校のようで、かつての部下たちを雇って仕事しているようです。
「昔の戦友や上官と部下が集まって商売していることはよく聞く」という記述もあとで出てきました。

 

・家で次郎の家出?が気付かれる。

ちょうど家庭訪問?にやってきた井山先生と、次郎の友達たち、そして次郎のお母さんが次郎の旅に気が付きました。
(次郎は手紙を残しています)

 

・電車の中で念仏をとなえるおばあさんのエピソード。

 

これは「山のむこうは青い海だった」の中でも、屈指の印象的なシーンです。

 

戦後の電車は、どこもかしこもいたんでいて、脱線、転覆があたりまえだった。
運よく満州から生きて帰ることができたおばあさんの一人息子は、年取ったお母さんのためによろこんで闇米を運び、二度目の転覆事故で死んだ──。

 

昭和54年に出版されていますが、おじさんが戦死していたり、復員兵が集まっていたり、戦争の余波が生活にとけこんでいる感じがします。

 

それが押しつけがましくなく、あからさまな反戦の空気もなく、実に自然で、物悲しさ、悲哀も(たとえば粟おこしのエピソードのように)ユーモラスな日常に彩られ、一体となっています。

 

青空は、死んだ人の魂の上にも、生きている人間たちの上にも、同じように明るく澄んでいた。

 

 

妹子「こんなかなしいことってある?」
わたし「そこはお母さんも何度読んでも泣いたわ」

 

妹子さん、すこし黙ってましたけどまたしゃべりはじめました。

 

妹子「長岡の花火ねえ、先生が言っていたけど、ブルーシートしいてねころんで見るだけで六千円だって。花火ってあれ、おかねかかってるんだよねえ」

 

色んなこと、この本から吸収してるんだなあ。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

今江祥智の本〈第11巻〉写楽暗殺
古書, 今江 祥智 (著)

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ぼんぼん
今江 祥智 (著), 宇野 亜喜良 (イラスト)

突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

光村ライブラリー全18巻セット
今江 祥智 (著), 中川 李枝子 (著)

昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

君たちはどう生きるか
吉野源三郎 (著)

貧困、いじめ、勇気、学問…。今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。時代を超えた名著、新装版で再び。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ごろごろにゃーん
長 新太 (著, イラスト)

くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

キャベツくん
長 新太 (著)

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)

猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。

 

 

 

 

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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児童書の復権を(note記事)

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子どもの本だな【広告】

太平記 ソクラテスの弁明・クリトン 雨月物語
どろぼう がっこう おたまじゃくしの 101ちゃん こいぬとこねこのおかしな話
こども論語 完訳版 シャーロック・ホームズ全集 大食いフィニギンのホネのスープ

 

 

大人が読む児童書「山のむこうは青い海だった」 1 児童書は「その時代の子供の物語でなければならない」ということはない

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

山のむこうは青い海だった
今江 祥智 (著), 長 新太 (イラスト)

ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)

 

 

私事ですけど、転職して新しい職場に変わりました。
今のところ、いい感じなのですけど、やっぱりものすごく緊張します。

 

次は、「山の向こうは青い海だった」にしよう!と思って、取り出し、例のねこカバーをつけました。
しっかりしている紙質です。
私の持っているのはフォア文庫版なのですが、ちょうどフォア文庫の所に黒いぽちマークがついているではありませんか。

 

この、ねこが!ついてる。
わたしにはこのねこがいる、京都に行ったんだぞ!
と繰り返して自分を励ましてました。

 

ブログ見ていてくれる人たちだっている!
大丈夫!失敗しても胸を張って辞めよう!(ちがう)

 

何かあれば尻に帆をかけて逃げ出すつもりで行きました。
いや、でもこういう気持ちって大事ですよね?逃げ方を想定しておくことって……。

 

バス通勤に変わったので、バスで開いて読んでいました。

 

40ページ程度でもう泣きそうになったので一旦とじました。
(はやい)

 

 

妹子がするするっと読んでくれたので感想を聞いてみました。

 

わたし「妹子さん何かコメントないの?」
妹子「うーん難しい」
わたし「うむ」町のお店で毛皮売ってるのは見たことがある
妹子「こうだね!って言えない。ただただ、ずっと読んじゃった。感動とも違うしすごいとも違う……」

 

割と読むのに時間のかかる子が、あんなに手が止まらずに読んだのに。

 

今、まだ紹介したいのにしきれていない大好きな本は、そういうのが多いです。
難しい!
良さをうまく表現できないです。

 

「山のむこうは青い海だった」
確かに、けっこう出てくる登場人数も多いし、ドラマ仕立ても複雑です。
246ページ。
そして、何がどう面白い?と言われても難しい。

 

一言ではとても言えない、複雑な世界観とひとびとと魅力があります。
人間群像とも違うし、旅をしますけど、ロードムービーとも違う。

 

ひと夏の思い出……と言えばそうなのかもしれませんが、ぜんぜん、ひと夏で終わる感じがしません。
この体験も、出会った人も、これからも人生すべてに関わるだろう、という予感がします。

 

そして何より、おもしろい!

 

すごい登場人物の数ですが、どれがどの人か迷うことはないです。
キャラ立ちというより、それぞれが強烈すぎて忘れることがありません。

 

そして、さまざまな知識や体験へつながる、配慮の多さを感じます。
それぞれは小さいのですが、例えば高杉晋作についてのエピソードだとかです。

これは以前「写楽暗殺」について書いた時にも思いましたが、それぞれの狂言や江戸時代の人々への造詣をちりばめ、興味を持つ道筋になっています。

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

戦後少したった頃の子供たちが主人公です。
20年まではたっていないのじゃないかな?という感じがします。

 

戦後の大混乱がだいぶ落ち着いてきたころ。
出兵、戦死、闇市などが、少しずつ、むかしがたりになりかけたころ。

 

このお話が出版されたのは、1979年なので、昭和54年です。

終戦は1945年(昭和20年)なので、これはまったく根拠のない、わたしの 想像ですが
(たぶんもっと、ちゃんと研究されている論文とかがあるような気がしますけど)
書かれた時に、すでにかなり昔を時代背景として想定しているような気がします。
昔と言うほどの昔じゃないのが微妙なところですけど。

 

昭和54年の子供達が読むにも、 若干古い情報 であるという、 へえ~昔はそんなことがあったんだという印象を与える。

そういう感じがします。

 

 

児童書は、「その時代の子供の物語でなければならない」ということはないと思うんです。

 

そんなこといったら、宝島だってありませんし、トム・ソーヤだっていつの話、となります。

 

当時の子供たちだって、 さすがに 昭和54年 ぐらいの子供たちで このお話に出てくるように 復員兵の人たちが 身近でウロウロしているようなことはなかったと思うんですよね。

 

 

冒頭からいきます。

 

主人公は、中学生になったばかりの新1年生。
教室でカチカチになって緊張している子どもたちからはじまります。

カワイイ……。


次郎くんです。

 

あとで、山根次郎というフルネームが分かりますが、それよりも先に担任の先生の名前の方がガツンと出てきます。

 

大文字です。
井山先生。

(黒板書きで説明をしたのです)

 

痩せていて(マッチ棒が背広を着たような)、井山のいやまてで、「いや、まあ、待て」が口ぐせ。

 

先生が自己紹介をしているところ、とてもユーモラスで愉快で目がとまりません。
とても怒りんぼだったというのですけど、こんな感じです。

 

子どものときからやせっぽちで、そのせいだったかもしれん。やせっぽちは今でもかわらんが、おこりんぼのほうはかわった。そのことを話そう。
とにかくぼくは子どものころ、すごくおこりんぼだった。友だちとかたっぱしからケンカした。
いつも勝ったんだけど、とうとう相手がなくなっちまった。ぼくはひとりむすこだから家の中で兄弟げんかをやるわけにもいかん。ぼくはひとりぼっちになった。そのとき考えたんだ。
いや、まあ、待てよ、とな。
おこるまえにちょっと待ってみる。口のなかで十かぞえるんだ。たいていのことはこれでガマンできる。
それからぼくはかわった。はじめは信じられんふうだったが、そのうち「井山のいやまて」は有名になった。

 

こ、これは、よく言われるところのアンガーマネジメントではありませんか~~!

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

今江祥智の本〈第11巻〉写楽暗殺
古書, 今江 祥智 (著)

 

 

 

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ぼんぼん
今江 祥智 (著), 宇野 亜喜良 (イラスト)

突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一

 

 

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光村ライブラリー全18巻セット
今江 祥智 (著), 中川 李枝子 (著)

昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。

 

 

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ごろごろにゃーん
長 新太 (著, イラスト)

くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。

 

 

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キャベツくん
長 新太 (著)

 

 

 

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猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)

猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。

 

 

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ヒナギク野のマーティン・ピピン 源氏物語―マンガ日本の古典 ぼくがぼくであること

 

 

今日の一冊「ぐん太」「おんみょうじ」 夢枕獏さんの迫力満点の絵本

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ぐん太
夢枕 獏 (著), 飯野 和好 (イラスト)

夜なき石。それはかつて誰も持ち上げることができない石だった。少年ぐん太はその石を持ち上げることに挑み、誰よりも修行し誰よりも強くなる。しかし、それでも石は持ち上げられなかった。石を持ち上げるのに必要なのは、負けを知り、悔しさを覚え、人を許し、好きになる心で持ち上げるのだとわかったその時、ぐん太は初めての体感を得る!

 

以前、読みきかせの集会に参加したとき、珍しく男性の方が参加されてました。

 

その時に読んでいられたのがこの作品です。
夢枕獏さん、絵本も書いていたんだ!とびっくりしました。

 

力強い物語です。
男性の声の読み聞かせにとても向いていました。

 

不吉な気配を振りまく「夜泣き石」
誰も持ち上げることができない石でした。
ぐん太のお父さんも、持ち上げようとして、下敷きになってしまいました。

 

夜泣き石は、どことなく「殺生石」を思わせる存在です。
ぐん太は、いつか必ず強くなって、あの石を持ち上げてやると誓います。

 

強く、大きくなるぐん太ですが、どうしても夜泣き石を持ち上げるまでには到りません。
夢にお父さんが出てきて語ります。
いったい、何が足りないのかを……。

 

そのうち、ぐん太も年を取りました。
たくさんの経験をしました。

 

ぐん太という名前、繰り返しの擬音を多用した、力強いことば。
人の一生を通じて大切なことを問いながら、夢のような、神話のような、不可思議な世界をが広がっていました。

 

とてもすばらしかったです。

 

 

いやー、夢枕獏の絵本…びっくりだよ。
絵本を書いていたなんて!

 

しかも、すごかった!

 

……と思って家に帰って、数日前に先日借りた絵本を見直していたら、その中に入ってる一冊は夢枕獏

 

すごい偶然だ~!

 

おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー
2015/4/17 夢枕 獏 (著), 大島 妙子 (著)

 

この陰陽師の絵本、夢枕獏だったのか~!!

 

そらには ほそい
ねこの めのような
つき

 

というところが好きでした。
ちゃんと、子ども用に単語と単語の間に空間をあけていて、改行するタイミングも好きです。

 

そばかす(もしくはにきび)のある、安倍晴明というのも珍しいです。
これは確か、とても有名な安倍晴明の逸話をもとにしていると思います。

 

百鬼夜行に行き合わせた、師匠の鴨野忠行と幼い安倍晴明
師匠が居眠りをしているので、安倍晴明は呪文を唱えて姿を消します。

 

大島妙子さんのすごい絵の妖怪が、それこそ百鬼夜行で、ぞろぞろと出てくるのが大変な迫力です。

 

うまく切り抜けられそうになった時、牛が大声で鳴いてしまいました。

 

牛は食べられてしまいました。

 

ええ~……。

 

陰陽師お約束の式神を放ったり、安倍晴明が人間的だったり、でも神話にふさわしい超人さもあり、こわく楽しい絵本です。

 

最後の開設で、夢枕獏本人が、陰陽師についてアツく語るというおまけつきです!

 

この絵本二冊、これは、とても嬉しい発見でした。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー
2015/4/17 夢枕 獏 (著), 大島 妙子 (著)

舞台は平安京――羅城門へ向かう牛車の前を歩くのは、まだ子どもの陰陽師安倍晴明。そこへなにやらあやしい雲が近づいてくる。雲のなかからやってきたのは鬼のむれ、百鬼夜行だった。「ひとは おらぬか おっぺけぽー。いたら くっちゃえ くっぺけぽー」。どうしよう、このままではみんな鬼に食われてしまう。「しっ」。晴明は呪(しゅ)を唱えて結界をはり……。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

怪談えほん おめん (怪談えほん 14)
夢枕 獏 (著), 東 雅夫 (編集), 辻川 奈美 (イラスト)

いやなやつ、いるよね。なんでもできる、きれいなあのこ。きらいなあいつ。いじめっこ。これをかぶると、ひとをのろうことができる。なんでもできる、このおめん。すごいぞ、すごいぞ。夢枕獏と辻川奈美が、だれにもひそむ心の闇を描き出す。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

陰陽師
夢枕 獏 (著)

平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明従四位下大内裏陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせ、この世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。映画、舞台、漫画にもなった超人気シリーズの記念すべき第一作。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ちいさな おおきな き
夢枕 獏 (著), 山村 浩二 (イラスト)

はじまりは、ちいさな ちいさな ちいさな芽。ちいさな芽がぐんぐんのびて、おおきな おおきな木となり…。生命が生まれ育まれる誇らかさ、また、世界が育ち広がっていく豊かさ、膨らんでいく欲望が互いをほろぼすむなしさなど、壮大な物語を、リズミカルな語りと細密なイラストで描かれます。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

いつか出会った郷土の味
夢枕 獏 (著)

料理の数だけ、物語がある。舌と脳天を直撃する、究極の五十食を堪能あれ!作家が本当に美味しいと思った食べものとの出会いを、下品に、はしたなく、エロティックに書き下ろす。

 

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児童書の復権を(note記事)

おすすめ児童書リスト(note記事)

 

子どもの本だな【広告】

たすひくねこ くまのがっこう ジャッキーのうんどうかい エラと『シンデレラ』
ともしびをかかげて 落窪物語 タランとリールの城
映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 長くつ下のピッピ 北極のムーシカミーシカ

 

 

閑話 長新太さんのねこのブックカバーを探して 2

閑話です。

 

閑話 長新太さんのねこのブックカバーを探して 1

 

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まいどなニュースのねこカバーの記事で、今江祥智さんから長新太さんへの流れの大筋知ってはいたのですが、実際に耳で聞くのとは大違いです。
生きた生の声で!リアルボイスで!

 

今江さんが文祥堂さんを気に入ってよく足を運ばれていた、とお聞きします。
ふっと、文祥堂さんの祥の字と、今江祥智さんの祥の字がおなじだなと思いました。

 

遮りたくなくて黙ってたのですけど、言えば良かった~~。
後悔先に立たず。

 

 

忘れたくないので、覚えているうちにいそいで箇条書きにしますと

 

・この本屋さんではなくて、そのへんの(お店から南東の方を指されてました)よそで飼われている黒ねこが、いつもこのお店にやってくる。

 

・それで、猫用の椅子を「このあたり」に置いていた。(レジよりの、かなり店の中心部でした)

 

・今江さんが入ってきて、「おお、おるおる、今日もおるわ」と言って、猫を撫でた。
(ご主人の手付きでは、さらさら撫でるよりも、ぽんぽんと軽く叩く感じでした)

 

・あとから長新太さんが入ってきて、「なんやなんや」と聞いた。

 

・「このねこ、いつもここにおるんや」と今江祥智さんが答えた。長さん「ほーう、そうか」と、本当に何気ない会話だった。

 

・数日後に、文祥堂さんにねこのブックカバーの原版が届いてびっくりした。

 

・残念ながら原版のありかがわからず、それがあれば増版できるのだが、もう今ある分だけしかない。

 

・ねこカバーは、だいぶ少なくなりかかっている。

 

 

今江祥智長新太、どちらも児童書界ではレジェンドなので、お二人の顔は写真で知っていますが、
「今江さんがこう……、長さんがこう」
と、小さな店の中に立って、南側から入る光の中に、ねこがいた場所のすぐそばのレジ前で、ご主人の話を聞いていると…。

 

ぞっと鳥肌が立つように

 

ここに、本当にいたんだ!
生きて動いてられたんだ!

 

と思うと、(あたりまえなのですが)ちょっとあの時の感動は忘れられません。

 

「児童書、絵本が好きなかた、読み聞かせされるかたは、そう言ってくれますね」
とご主人言ってくださいました。

 

妹子はじいっと聞いてるだけでしたけど、いつも大はしゃぎの子が黙って静かにしてるのが不思議なくらいでした。

 

 

次に紹介する本どうしようかな!と迷っていたのですが、「山のむこうは青い海だった」にしようと思います。

 

今江祥智さん作、長新太さん挿し絵の本です。

 

ずーーっと持っていて、飽きるほど読み返してもまだ飽きないほどの愛読書でした。

 

今江祥智さんの本は、どれもワクワクして大好きでしたが、一番読んだのは「写楽暗殺」と、「山のむこうは青い海だった」

この二冊が筆頭です。

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

今江祥智さんの本、何となくですけど、店頭、図書館からも次第に消えつつあるように思います。

 

というのもやはり、子供というのは時代によって環境の変化があって、その時代時代における児童書というのがあるのが望ましいです。

 

こどもたちの気持ちに寄り添うものをとなると、その時々において新しい物語が必要とされるところがあります。

 

子供用として考えたとき、昭和時代の本は、環境が違いすぎるので古いのではないか……。
と思われてしまっているのが、消えつつある理由なのかもしれないと考えています。

 

でも、残しておきたい輝かしい名作、普遍的な感動というのは絶対にあるので!
こんな名作をそのままにしといていいわけがない!

 

名作というのは、残したい!残すべき!と思った人が散々アピールしまくった挙句に残って行くものだと思っているので、そこは読み手としても不断の努力が必要のはずです。

 

絵本でなく、「文章で表現された分厚い児童書でしかも面白いもの」はずいぶん数が減ってしまい、あまりない気がしています。

 

昭和期の名作には、ゲームアニメも及ばないほどの深さ、おもしろさ、躍動感、世界感、表現の美しさがありました。

 

絵本の新刊は、きっとたくさんのレビューがあると思うので、わたしは消えつつある名作本に特化してご紹介しようと思っています。

 

 

 

有限会社文祥堂書店さんはこちらです。

 

 

蛇足ですが、京都の写真です。
(名所の写真などほとんどなく、個人的なフォトです…)

 

京都駅でおむかえしてくれたペンギン

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雪化粧のの貴船神社

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建仁寺の龍の襖絵

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京都御所アオサギ(たぶん)

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

今江祥智の本〈第11巻〉写楽暗殺
古書, 今江 祥智 (著)

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ぼんぼん
今江 祥智 (著), 宇野 亜喜良 (イラスト)

突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

光村ライブラリー全18巻セット
今江 祥智 (著), 中川 李枝子 (著)

昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ごろごろにゃーん
長 新太 (著, イラスト)

くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

キャベツくん
長 新太 (著)

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)

猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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はじめてのおつかい 11ぴきのねこ ゆかいなかえる

 

 

閑話 長新太さんのねこのブックカバーを探して 1

閑話です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

山のむこうは青い海だった
今江 祥智 (著), 長 新太 (イラスト)

ピンクちゃんとあだなをつけられた気の弱い少年次郎が、尊敬する高杉晋作にならい、決心して一人旅に出かける。軽快なテンポのユーモアで’60年代を代表する児童文学の名作。再刊。(「MARC」データベースより)

 

 

数週間前のことなのですけど、去年の話です。


去年のことですが
「今年こそは、かねてから念願の、長新太さんデザインのねこブックカバーを手に入れよう!」
と思っていましたが、思うように予定が取れませんでした。

 

だんなから、「おまえだけずるい!京都なんて自分も行きたい!反対!反対!絶対反対ー!!……でも、行くなら今しかないんじゃない?
という話が出たのが、12月26日のこと。

 

すごい勢いでその日にあれこれとホテルなど欲望のままに予約しまくり、翌日27日の早朝に家を飛び出しました。
妹子と一緒に。

 

(妹子は、こういうとき、すごく喜んでどこまでもついてきてくれます。)

 

OKが出た翌日に家を飛び出す。

こんな無茶苦茶な旅は、これまでほとんどしたことがないです。
プチ家出のようでとても楽しかったです。

 

 

しかし、大雪の予報が出ているのに、大雪地方(天橋立)に予約を入れてしまいました。
当日に「すみません……無理そうですね……」と電話をする、超ヘタレ客。

 

だんな「宿にとっては手間だけ増えて邪魔でしかない」

 

雪!雪なんて!
人生でほとんど見たことがないから、雪の予報があっても注目してなかったんじゃよ~!!

 

などというハプニングに見舞われつつ…。
ついに!
手に入れました!!

 

 

この!ねこ!

 

f:id:WhichBook:20220107011241j:plain

 

予想以上にカワイイです。

 

思っていたよりずっと質感とインパクトがあって、丸みもたまらないです。
さすが長新太さんだ!と思いました。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

経緯を軽くお話しますと、

27日天橋立が大雪でキャンセル⇒貴船神社へ変更。
28日金閣寺から嵐山へ。今回は少し郊外の方に足を延ばしました。この日は、ねこカバーのお店「文祥堂さん」に駆けつけるも、間に合わず。
29日は、妹子を休ませつつ、ゆっくりゆっくりと文祥堂さんへ。

 

寺町通りという所から、何気ない路地をふっと入った所にあるのですが、この寺町通りがすばらしかったです。

古書店が多く、それもとてもめずらしい古文書が100円単位で売られていたりします。

 

28日に、妹子が和綴じで墨書きの「孟子」を欲しがったのですが、そのときはやめておきました。
これは大失敗、翌日の29日にはお休みになってしまっていました。

 

歩いているだけで面白く、本好きさんにはたまらない通りだと思います。

 

 

その、「何気ない路地をふっと入ったところ」

 

文祥堂さん、一見してあまり本の数が多くない本屋さんのように見えます。

本がぎっしり並んで、目に美しい文房具で華やかな大型店舗ばかり見慣れている妹子、「これは本当に本屋さん?」と疑いの目をわたしに向けました。

 

実際、グーグルマップには何か低い点数とコメントがつけられていて、たいへん気分をわるくしたのですが、これは普通の本屋さんと思ってはいけないように感じました。

 

店頭の外に箱入りで安値で売られいる古い文庫本……。
品揃えが面白いです!

 

いわゆる、通好みというやつです。

 

 

ガラス越しに中を伺うと、新刊の雑誌が並んでいますが、ちょっと普通のただ新刊を並べている棚とぜんぜんちがいます。
これはおそらく常連さん向けではないでしょうか?

 

中に入って、並んでいる本を見ていくと、最近評判になっていた本の中で、気になっていたもの2冊発見です。

 

この在庫数で、2冊の読みたい本、それも新刊本があるというのは、やはりこれは、常連さん向けの、通好みの本屋さんです!

(自分が欲しいと思うものがあって通だなんて言うのも業腹ですけど~どんだけ~!)

 

なんだかすごく、京都そのものという感じがしました。

 

 

妹子がぎゅっと私の手を掴んで、「ある!ある!ねこ!ねこ!」とささやきました。

 

入って真正面の棚に、猫カバーの説明と、猫の本発見です。

パラっとめくってみると、えっ?
大佛 次郎 、井伏鱒二谷崎潤一郎!?

 

そうそうたる名前ばかり並ぶ猫の本、こ、これは買いだ~っ!

 

この猫の本、あとで読みましたが素晴らしかったです。
現代の価値観でいうペットではなくて、人間がそれはそれは苦労しながらも、猫と共生していく。
猫と人の葛藤と争いと愛が描かれていました。

 

 

ねこカバーについて、おそるおそるお聞きすると、息子さんでしょうか?
レジにおられて丁寧に教えてくださる後ろから!

 

まさに!
まいどなニュースの画像で見たまんまの、ご主人がニコニコしながら出て来られました。

 

こちらは、勝手な想像でお年寄りと思っていたのですが、ぜんぜんそんなことはなく、とてもお元気で、そして何ともいえない穏やかな優しい雰囲気のかたでした。

 

「描かれたのは長新太さんなんですがね、うちの店に来られてたのはそもそもが今江祥智さんなんですよ」

 

その名前に胸がドキンです。

 

少し長くなってしまったので、明日に続きます。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

猫 (中公文庫)
大佛 次郎 (著), 有馬 頼義 (著), 尾高 京子 (著)
谷崎 潤一郎 (著), 井伏 鱒二 (著), 瀧井 孝作 (著),
猪熊 弦一郎 (著), クラフト・エヴィング商會 (編集)

猫と暮らし、猫を愛した作家たちが、思い思いに綴った珠玉の短篇集。半世紀前に編まれたその本が、クラフト・エヴィング商會のもとで、新章“忘れもの、探しもの”を加えて装いも新たに生まれかわりました。ゆったり流れる時間のなかで、人と動物の悲喜こもごものふれあいが浮かび上がる、贅沢な一冊。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

今江祥智の本〈第11巻〉写楽暗殺
古書, 今江 祥智 (著)

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ぼんぼん
今江 祥智 (著), 宇野 亜喜良 (イラスト)

突然の父の死。祖母の死。そして戦争がはじまった。日々の暮らしのなかで何が変わり、何がなくなっていったのかを、多感な時期を迎える“ぼんぼん”・洋の目をとおして語る。さまざまな人間模様、危険なできごと、淡い恋心――。力強く生きぬく少年の姿を、大阪弁にのせて、ていねいに描いた作者の代表作。(解説=山田太一

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

光村ライブラリー全18巻セット
今江 祥智 (著), 中川 李枝子 (著)

昭和46年度から平成12年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのままに、児童書にしました。時計の中に住んで時を告げているチックとタックの2人が、夜中にこっそり抜け出して、わさび入りのおすしを食べて「ジッグ、ダック」時計が鳴るようになった千葉省三「チックとタック」(第1巻)を皮切りに、50代~60代の方にも懐かしい翻訳作品「小さい白いにわとり」(第3巻)など、すでに絶版で他では読むことのできないまぼろしの名作の数々を収録。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ごろごろにゃーん
長 新太 (著, イラスト)

くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

キャベツくん
長 新太 (著)

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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大人が読む児童書「くまの子ウーフ」3 毛皮を換金しようとするくまの子

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くまの子ウーフ
神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)

「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。

 

 

「くまの子ウーフ」絵本から本へ

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」2 イヤな子とどう付き合っていくか?永遠の命題

 

今更ですけど、「くまの子ウーフ」の目次です。

 

さかなには なぜしたがない
ウーフは おしっこでできてるか?
いざというときって どんなとき?
きつつきのみつけた たから
ちょうちょだけに なぜなくの
たからがふえると いそがしい
おっことさないもの なんだ
? ? ?
くま一ぴきぶんは ねずみ百ぴきぶんか

 

これらの9編でできています。

 

 

くまの子ウーフの中でも、特に面白いのが「落とさないものなんだ」です。
(まあ、ぜんぶ面白い話なんですけども)

 

いつものんびりおっとりしているウーフですけど、もちろん子供らしく欲にまみれる時だってあります。

 

こんな冬の寒い季節に紹介するにはどうなんだろうっていう、暑い暑い夏の日のお話です。

 

真夏の暑さ真っ盛り!
ウーフは暑くてたまりません。
(最近の、命の危険を感じる暑さとはちょっとまた違う気もしますが……)

 

それこそ、毛皮を脱いでしまいたいぐらい暑い日です。


何をしても、ただ座ってても厚い。昼寝しても暑いし、目が覚めても暑い!
暑いから疲れるけど暑いから体も休まらない。

 

空には、ソフトクリームのような雲……。

 

ウーフ「ソフトクリーム100こなめたい」

 

すると、誰かが木の上から笑います。
小鳥のピピでした。

 

そんなに厚い毛皮を着てるからだと言うのです。

 

「くまって、大きいくせに、みんな、おばかさんなのね。毛皮をぬいじゃえばすずしいのにね。人間なんか、夏ははだかんぼでおよいでるわよ。」

 

そして、急に声を低めたひそひそ声で、町のお店で、毛皮を売っているのを見たことがある、と言い出しました。
なんだか嫌な予感がします。
だいたい、急に声を低くしたひそひそ話というのは、ろくなことがありません。

 

案の定、恐ろしいことを言い出しました。

 

「毛皮をぬいで、売ったらどうお。お金もちになれるわよ。」

 

妹子「いやいやいやいや」
わたし「だめだめだめだめ」

 

妹子「ダメだって!このキツツキ、なんて恐ろしいこと言うの?ウーフをころすつもりなの?はっ!」
わたし「どうしたの?」
妹子「もしかして、こいつ、最初っかウーフを殺すつもりでここにいて、ずっと木の陰からチャンスを狙ってたんじゃ……」
わたし「いやいやいやいや」

 

 

ウーフは無邪気なので、涼しくなっておまけにお金持ちになれると聞いて、やる気になってしまいました。

 

妹子「まじかよ。死なないの?」
わたし「いや死ぬでしょ」

 

ウーフは、毛皮をシャツを脱ぐように引っ張りますけど取れません。

 

わかってなくて、本気で、しかも本人が、やってるところがすごくシュールです!

 

ピピ、「だめねえ、ウーちゃんはひとりで毛皮もぬげなんだから……」なんて言いながら、どこからともなく、ぴかぴかひかるはさみを……。

 

「さあ、もう、だいじょうぶ。せなかからきったげるわ。」
「気をつけてよ。ほんとに、毛皮だけきってくれよ。」
ウーフは、こわくなってたのみました。ピピはへいきよ、というようにかちかちはさみをならしました。

 

ホラー!ホラー!!

 

挿絵で見ると、これが実にうまく鳥の足ではさみをつかんでいるのです。

 

じゃっきん!
「あいたっ。」
ウーフは、とびあがりました。はさみが、がちゃんところがりおち、金色の毛が、ぱらぱらこぼれました。
「なによ。じっとしてなきゃ、だめじゃないの。」
ピピが、おこりました。
「せなかがつくんとしたよ。気をつけてったら。」
ウーフがどなりました。

 

 

妹子「え。くまって、毛皮取れるの?」
真顔で言い出した。

 

わたし「取れるわけないよ……」
妹子「え、じゃあどうやって毛皮を取るの?」
わたし「皮を剥ぐ……」
妹子「え、つら。エグ」

 

説明させられてるこっちの方がつらいわ!

 

しかしこの小鳥のピピ、悪気があるわけではないようなのですが、とりあえずウーフにこのことを話す以前に、町のお店で毛皮が売ってあるのを見て、
「わー高っ。毛皮ってあんなに値段するんだ」
ぐらいは思っていたかもしれません。

 

もちろん、皮をぬぐことができるはずもないので、ピピとウーフは喧嘩別れしてしまいました。

 

このときの挿絵の、怒っているウーフの顔がめちゃくちゃ笑えます。

 

お金持ちにはなれないし、暑いし、ウーフがお金持ちになりたいと泣いていると、コガネムシが慰めてくれました。

「落っことしたり無くしたりしないものだけ持ってればいい」

 

じゃあその落とさないものってなんだろう、というところで、考えながらウーフは家に帰って、お母さんに聞きます。

 

「なくさないもの」「自分」というものは、何だろう?

 

あどけないけれど真剣なやりとりに笑って、ゆかいな気持ちになったところで、ふっと大切なことを問いかける。

 

くまの子ウーフ、いつまでも子どもたちに(親たちに)愛されていて欲しいです。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

そらいろのたね
なかがわ りえこ (著), おおむら ゆりこ (イラスト)

ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ちびっこカムのぼうけん
神沢 利子 (著), 山田 三郎 (イラスト)

カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふらいぱんじいさん
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のほのおの国
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

はけたよはけたよ
神沢 利子 (著), 西巻 茅子 (イラスト)

たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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子どもの本だな【広告】

おまたせクッキー 仔鹿物語 新編 世界むかし話集(3)北欧・バルト編
いたずらきかんしゃちゅうちゅう ブレーメンのおんがくたい ウエズレーの国
もうねんね さかさ町 あのころはフリードリヒがいた

 

 

今日の一冊「おばけのバーバパパ」 自然現象で生まれたけど生まれた時からパパなのはこれいかに

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

おばけのバーバパパ
アネット・チゾン (著), タラス・テイラー (著), 山下明夫 (翻訳)

姿を自由に変形できるおばけのバーバパパは火事場で大活躍して、町の人気者になります。世界各国で愛読された軽妙な傑作絵本。

 

 

フランソワくんが庭の花に水をやっていると、なにかが地中の中で大きくなっていました。

 

自然現象で生まれたのに、最初からパパって名前なのはこれいかに。

 

 

バーバパパというと、あの素敵な黒いママと、たくさんの子供たちがいるイメージだったけど、全然最初の話は普通の一人で最初から最後まで一人だった。

 

公式サイトによると、「バーバパパ」とは綿あめのことらしいです。

 

www.barbapapa.jp

なるほど、それでか!

パパという名前が先にあって、それで、パパならママもいるかも、というわけで二話、三話ができていったんだな。

なるほど、なるほど……。

 

 

フランソワとバーバパパは仲良くなったけど、お母さんは
「うちにおいておけません!」
まあそうだよね。

 

動物園から逃げ出したのに、見つけた園長さんは追い出してしまうと命令する。

 

わたし「なんかおかしくない」
妹子「おかしいよね、もう1回捕まえろよ」
なご「世にも奇妙な物語

 

珍しく、なご助が参加してる。
文句を言いつつも、優しい、コミカルな色合いと、素敵な街並みを堪能しながらすすみます。

 

いろんな形に変わることができるバーバパパ、でもなかなか理解されません。

 

友達が、欲しかっただけなのに…。
街をさまよい、寂しい生活を続けます。

 

火事の人々を助け、動物園から逃げ出したひょうを捕まえて、人気者になるバーバパパ

 

わたし「ひょうは戻されてるのにバーバパパは出て行けって…」

 

最後に、フランソワのうちでも、大喜びで迎えてもらえました。

 

うん?

 

最初に出ていけって言ったのに、人気者になったら受け入れる!こ、これは…!
手のひら返し……。

 

そこにツッコミを入れるような話でもないので!

(真面目に考察すると、たぶん何らかの評価を受けたとき、周囲の人の見る目も変わるというのは、ポジティブに捉えてもいいと思うのです)

 

柔らかくて優しい絵柄で、やっぱり美しい街並みです。
そして、バーバパパが、今度は何に姿を変えるのかな、と楽しみになります。

 

 

二作目、三作目と読んでみると、探したにもかかわらず、ママも自然現象で生まれていたんですね!!

 

実は彼らは、綿菓子風の植物なのか…謎です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

バーバパパたびにでる
A・チゾン (著), T・テイラー (著), 辻村 益朗 (著), 山下 明生 (翻訳)

なんにでも変身できて、やさしいバーバパパ。でも、バーバパパには家族がいなくてさみしいのです。そこで、バーバママになるひとをさがしに世界旅行に出発します。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

バーバパパのいえさがし
A・チゾン (著), T・ティラー (著), 山下 明生 (翻訳)

バーバパパとバーバママが結婚して、7人の子どもたちができました。みんなで暮らせる新しい家をさがしますが、なかなか見つかりません。

 

 

 

 

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子どもの本だな【広告】

ぽんこつ オズの魔法使い 新イラスト版 だれも知らない小さな国
トムは真夜中の庭で ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集 トキメキ夢文庫 少女ポリアンナ
風にのってきたメアリー・ポピンズ オデュッセイア物語 ロボット

 

 

今日の一冊「とうもろこしおばあさん」 あまりにもシュールな展開をみごとに絵で表現している

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

とうもろこしおばあさん―アメリカ・インディアン民話
秋野 和子 秋野 亥左牟

むかし、アメリカに住むインディアンは、男たちは、野牛をとり、女たちは、いもを掘って暮らしていました。あるとき、小さな村に、ひとりのおばあさんがやってきて、「ここに ひとばん とめてくださらんか」とたのみました。とうもろこしは、どのようにして、インディアンに伝わったのでしょうか? アメリカ・インディアンに伝わる不思議なお話を、お楽しみ下さい。

 

この話、知っている!と思って借りました。

とても記憶に残る珍しい話だったのです。

 

ムーミンの訳者、山室静さんの「新編 世界むかし話集」に入っていたお話ではないだろうか。

「新編 世界むかし話集(10)アメリカ・オセアニア編」に入っています。

 

素晴らしく彩色豊かな絵がついています。
絵がとてもいいと思いました。

 

ティーピーテントの建ち並ぶ緑の大地、バッファロー
馬に乗ったインディアンの若者たちは弓に矢をつがえ、空をかけて髪を長くなびかせています。
バッファローのことを「やぎゅう」と書いてるのもいいなと思いました。

 

 

アメリカインディアンに広く食べられている とうもろこしの起源説のお話です。

 

ある村に、一人のおばあさんがやってきて、一晩泊めてくれと言います。

 

おばあさんは三回村を訪ねて、二回までは断られるのですが、若干絵本の方が柔らかい。
山室静さんの昔ばなし集の方ではかなりきつい言い方でけんもほろろに放り出されています)

 

三番目のアリゲーター族の村では、優しく迎え入れてもらうのでした。

 

そしておばあさんは大人が狩りに出かけている間子供たちと過ごすのですが、子どもたちはおばあさんからとてもおいしい食べ物をもらってお腹いっぱいになります。

 

ある若者がこっそりとおばあさんがどこからその食べ物を手に入れるのか見ていると、おばあさんは、服をたくしあげ、自分の腿を掻いています。

そこからはぽろぽろとトウモロコシの粒が落ちていました。

 

こ、これは…。
垢ですね?

 

日本における古事記日本書紀に入っている保食神うけもちのかみの伝説のパターンと同じです。

保食神 - Wikipedia

 

世界昔ばなしのお話の流れはちょっと違っていて、おばあさんが突然姿を消してしまったのでその食べ物忘れられない若者がおばあさんを探しに行ったということになっています。

 

絵本の方が数割増しシュールです。

 

 

しかし!

垢ぐらいでびっくりしていてはどうしようもなく、(そもそも、日本神話ではゲロ吐いてますし)、ここからがこの物語一番強烈だったところなのですが、このおばあさんを「使って」とうもろこしが栽培できるようになる、その過程が凄いです。

 

念のため書いておきますと、おばあさんが自らそうするように命じたのですが

「野焼きをして、焼跡の上でおばあさんの髪を掴んで、縦横十文字に引きずりまわす」

ということをしなければならないのです。

 

むかし話の方では、絵がないので、なんとなく象徴的です。

文字で読んでる分には、「ああ、昔話によく出てくる、よくわからないとんでもない描写なんだな。そんな不思議なこともあるんだな」と思うのですが、絵本の方ではガッツリ引きずり回しています。

 

しかしこの絵ですので、おばあさん、特に「あーれー」と言う感じでも何でもなく、
(そもそも自分がそうしろと言ったのだし)
おとなしく引きずられちゃっています。

 

 

このおばあさんの髪の毛、絵でいかにもとうもろこしのからはみ出ているあのフサフサだなという感じに描かれていますので、伝説をこうして見事に絵に転化しているこの絵本はすごいなと思いました。

 

頭で考えれば「トウモロコシを擬人化(神格化)し、それをタネとして撒いている状態を示しているのだな」と思うのですが……しかし、おばあさんをひきずりたおす…。あまりにもシュールです。

 

一度読んだらちょっと忘れられないお話です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

新編 世界むかし話集(10)アメリカ・オセアニア編 (現代教養文庫ライブラリー) Kindle版 山室静 (編集) 形式: Kindle版

アメリカ・インディアンや大洋州原住民の民話。素朴なものが多いが、それだけに従来の昔話を読みなれた人にとっては、思いがけない発想や急展開があり、楽しいおどろきが多い。ヨーロッパ人による蒐集や研究の厚さにもおどろくほかない。
<北アメリカ> インディアン/エスキモー/白人系/黒人系/ハワイ
<南アメリカ> インディオ/ヨーロッパ系
<オーストラリア> 南太平洋諸島/オーストラリア

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

モヒカン族の最後
ジェイムズ・フェニモア クーパー (著),
ニューエル・コンヴァース ワイエス (イラスト), 足立 康 (翻訳)

北米大陸でイギリス軍とフランス軍が戦争をしていた頃、父親の救出に向かった美しい姉妹が護衛のインディアンに裏切られ、壮絶な戦いに巻き込まれる大冒険物語。現在唯一の完訳本。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

カチーナの石 (わくわくライブラリー)
戸井 十月 (著), 中村 鈴子 (イラスト)

夏休み。アメリカ・ロスアンゼルスへやってきたサトルは、初対面のおじいちゃんとふたりきりでのこされてしまう。おじいちゃんがおんぼろ車でつれていってくれたのは、千八百キロも離れた、インディアンの村だった。小学上級から。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

今日は死ぬのにもってこいの日
ナンシー・ウッド (著), 金関寿夫 (翻訳)

インディアンの哲学が味わえる、詩と散文と絵の本 英語原文も完全収録

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

インディアンの森
森田 誠二 (著), 梁川 友世 (イラスト)

4日間、飲まず食わず、ひとりきりで山にこもるワカンタンカ(大いなる不思議なもの)からのメッセージを得るインディアンの儀式を体験した著者が、夜中に突然の豪雨に見舞われた。雨を避けようと四苦八苦したが、激しくなる雨に「どうにでもなれ!」と、のどの渇きを癒すため雨を飲み始めた。いつのまにか心地よく眠り、目覚めた空には美しい満天の星空があった。宇宙の叡智を感じた著者がインディアンの「全てのものは繋がっている」という意味を絵本に記した。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

こころに すむ おおかみ
oba (著), 中村光宏HiroEagle (著), 北山耕平 (著)

あるひ、おじいさんが まごたちをあつめて おなはしをしました。「よいかな、ひとの こころのなかには にとうの おおかみが すんでいるのだ」「その にとうの おおかみは、 わしの こおろのなかでも つねに たたかいを くりひろげている」(本文より)二頭のおおかみとは? そして、そのおおかみの戦いの結末は?大人から子どもまで、深い感動と気づきをもたらしてくれる、インディアンが大切に伝えてきた、心を育てるための物語。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

神々の母に捧げる詩
秋野 亥左牟 (イラスト), 金関 寿夫 (翻訳)

アメリカ・インディアンの詩は、動植物や人間に具わる尊厳さを知るものだけがもつ、深い慈しみの心に満ちている。かれらにとって詩とは、一種の「実用」の道具であり、アリス・フレッチャー(人類学者)は、「アメリカ・インディアンの詩とは、人間と、宇宙のなかの、眼に見えない存在との間に交わされる伝達の手段なのだ」と説明している。17編の心に響く詩と力強く繊細な絵が、かれらの世界観をダイナミックに伝えてくれる。

 

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児童書の復権を(note記事)

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子どもの本だな【広告】

天からふってきたお金 あたまにかきの木 もっちゃうもっちゃうもうもっちゃう
路傍の石 ねこのくにのおきゃくさま くまのコールテンくん
チリンのすず イーリアス物語 マーシャとくま

 

 

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」2 イヤな子とどう付き合っていくか?永遠の命題

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くまの子ウーフ
神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)

「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。

 

 

「くまの子ウーフ」絵本から本へ

大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない

 

やっぱりウーフを語る上では外せない存在。
それはツネタです。

 

以前、「そらいろのたね」でも言及しましたけど、妹子となご助のツネタの嫌いっぷりは度を越しています。

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

ツネタ初登場回は、第2話。
ウーフは おしっこでできてるか?

 

これまで、変わった題名です!

 

冒頭で出てくる、パンとはちみつと目玉やきの素晴らしさ。
ウーフのお母さん、片手で卵を割ってます。

 

おさらにのせた目玉やきは、金色にかがやいています。
ウーフは、はちみつをつけて、パンをたべました。それから、おさじでたまごのきみをすくいました。

 

この、たまごのきみの美味しそうなこと!

 

子供たち、実は卵の黄身が苦手なのですが(実はわたしもです)それはそれは一生懸命食べようとしてくれるようになりました。

 

 

卵の黄身を食べながら、相変わらずいろんなことを考えているウーフ。
今度は、たまごって何からできているんだろう?と考えています。

 

なんていい疑問なのでしょう。
ウーフのお父さんもそう考えたみたいで、とつぜん会話に参加して、熱心に夫婦に説明しています。

 

卵は黄身と白身からできている。
おさじはステンレス。
パンはこむぎこ。
椅子、座布団、いろんなものがいろんなものからできている。

 

ウーフはすっかり嬉しくなってしまいました。

 

「へえ、ぼく、なにがなんでできてるか、すっかりわかっちゃった。よし、きつねのツネタくんにも教えてやろう。」

 

 

途中でめんどりに会いました。

ウーフは、ちゃんといつもたまごをもらっているお礼の挨拶をする、よい子です。

 

自分の考えたいろんな空想でめんどりを煙に巻いてしまうウーフ。
びっくりしてめんどりは卵をうみおとし、ウーフはそのたまごをもらいます。
うみたての、ほかほかのたまごです。

 

ここで、ツネタ登場です!

 

「おはよう、ウーフ。どこへいくの。」というのが、このツネタの第一声なのですが、読み聞かせのとき、私はいつも、感じ悪く読んでしまいます。

 

とにかくこの子は、なんとも感じが悪いのです。

 

 

ウーフは天真爛漫に、さっきまでの「何が何でできているか」という話をツネタにしてみせるのですが、こいつはウーフの言うことを、頭からてんでバカにしている感じです。

 

逆に聞き返して来ました。
ウーフは一体何でできているのかと。

 

困ってしまったウーフ。
パンとはちみつと、たまご……?

なんて可愛いー!
なんて純真な子なんだー!!

 

ツネタは馬鹿にしたように言います。

 

「めんどりはたまごをうむ。けれど、ウーフはうまないよ。うまないかわりに、からだからだすのはおしっこさ。はは、ウーフはね、おしっこでできてるのさ。じゃ、このたまご、もらってくぜ。ばいばい」

 

さっとウーフの手からたまごもひったくって取って走って去っていくというおまけつき。

 

妹子「は?泥棒」

 

新たな発見、気付きをもたらしそうな、そういう所から化学に興味をもちそうな、「この世のものは何でできているのか?」というウーフの純粋な問い。

それらをぜんぶ、このイヤミなことばと行動で、何もかも、一瞬で無にするツネタ!

 

第一話に出てきたフナも、こういう感じで感じが悪かったのですが、フナはまだ「くまに対して警戒心を持っており、捕食される側である」という前提があります。
まあ言ってみれば、イヤなことを言う理由があるとでも言いましょうか

 

しかしツネタはそんなの何もないんです!
しかも、一番近所に住んでいて、年も近く、日々交流しているお友達っぽいのです。

 

こいつはただ単に意地悪なんです!
意味もなく。

 

 

いま大人の立場から言うと、まあ、先生方ほどたくさんの子供たちを見てきたわけじゃないにしても、やっぱり思うのはツネタこそ子供、そのままの姿、ということです。

 

ウーフのおっとりした、ぼわんとした所が、頭も口もまわるツネタのような子にはちょっと目ざわりで気に入らないんですよね。

ムラムラッと、いじめてみたくなる。
言っても響かない様子だから、強いことばで傷付けて、ぶちこわしにしたくなる。

 

おっとりタイプのお子さんのお母さんて、こういう姿を、よく園でも公園でも、家で遊んでいるときでも、見ることがあると思います。

 

そういうとき、ママさんたちは、見ていることしかできないので、本当につらいみたいです。
三者的に見ていても、相当にイヤな感じなのに、当事者だととても冷静ではいられなさそうです。

 

 

ウーフは、ツネタを追いかけている間にころんでしまい、泣きながら立ち上がりましたが、あれっと思いました。

 

自分からは、おしっこだけじゃなくて、血も出る詩、なみだも出る。

 

ウーフは、足をひきずりながら、歩きだしました。
きんぽうげの花は、きらきらかがやき、野原を気もちのいい風がふいていきました。

 

美しい周囲の景色が、次第にウーフの気持ちを変えていきます。
ウーフは、青い空を見ながら草原をころがって帰ることにしました。

 

「足がいたくたって、へいきだい。ころころころころ、おもしろいや。ぼくは、ウーフさ。くまの子ウーフはいたいと思ったり、たべたいと思ったり、おこったり、よろこんだりするんだ。おしっこなんか、そんなことかんがえっこないさ。ころがってかえるなんてすてきなこと、なみだも、ちも、かんがえつかないさ」

 

なんて偉いんだろう。
自分で立ち直って、そして、想像する力も失わない。

 

むしろ、あれこれと想像することがウーフを立ち直らせたのだともいえる気がします。

 

 

しかし、残念ながらなご助や妹子のようなタイプには、まったくこのような、内省によって到達するような境地には至らず、

このありさまです。

f:id:WhichBook:20211202112942j:plain

写真ではよく撮れなかったのですが、ツネタの顔が、めちゃくちゃにツメでかじられてます。

 

これ、二話目のつぎの、三話目の表紙なのです。

 

二話があって、次の話はどうかと思って開いたら、どかんとツネタがでっかく出てきたもんですから、それで、この野郎!出やがったな!という気持ちが抑えきれずに、がりがりにひっかいたらしいのです。

 

その憎しみが、かえってそこなっているというか……自分の世界を持つウーフのつよさ、しなやかさ、やわらかいすてきなところをもっと思い出して欲しいのに………。

 

ここまでしても、破れなかったこの本の装丁はほんとにすごいなと思いました。

 

 

そう思いながらも、ここまでこの本が、子どもたちの心をとらえて離さないのは、やっぱりツネタの存在がものすごく本質を突いているというか、痛いところに刺さるからではないか、と思いました。

ありのままの子どもの真実を、えぐるほどするどく、描き出しているからではないでしょうか。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

そらいろのたね
なかがわ りえこ (著), おおむら ゆりこ (イラスト)

ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ちびっこカムのぼうけん
神沢 利子 (著), 山田 三郎 (イラスト)

カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふらいぱんじいさん
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のほのおの国
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

はけたよはけたよ
神沢 利子 (著), 西巻 茅子 (イラスト)

たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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大人が読む児童書「くまの子ウーフ」1 反応が鈍くてトロいからって、傷付いていないわけじゃない

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くまの子ウーフ
神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)

「くまの子ウーフ」の物語は、1969年の刊行以来、小学校の教科書をはじめ、さまざまな形で読み継がれてきたロングセラーです。卵を割ると、必ず卵が出てくることに感心し、自分が何でできているか真剣に考えるウーフ。子どもたちはウーフとともに考え、発見の喜びに目を輝かせてきました。また、命のふしぎと生きることの本質をあざやかに描いた物語は、幅広い層の読者の共感を集めてきました。時代を経てますます輝きを増すウーフの世界をたっぷり味わえる「くまの子ウーフの童話集」を、コンパクトなサイズにリニューアルしてお届けします。

 

 

「くまの子ウーフ」絵本から本へ

 

 

しんみりしたお話が続いたので、ちょっと面白い本を紹介したいです。

 

やはり、「笑わせる本」というのはすごく貴重です。
読んだらニコニコするようなもの。

 

ハラハラ・ワクワクは設定でも何とかなりますが、笑わせる!
これは本当に難しい。

 

こうして色々読んでもらっても、妹子もなご助も、お友達たちも、みんな好みが違っています。
本当に子供ってそれぞれだなあ!と思うのですが、それでも、
「全員が面白いと言う」
という本があるので、それこそ本当に、名作だと思います。

 

妹子「くまの子ウーフは?」
わたし「一度、ちょこっとだけ......」
妹子「なんで?なんで?なんでくまの子ウーフやらないの?ありえなくない!?」
わたし「だって教科書で出てるし~~」

 

妹子もなご助も、本当に「くまの子ウーフ」が大好きです。

 

 

ウーフの本を取り出してみると、

 

妹子「あっ!お兄ちゃん、すごい大きく名前書いちゃってる。これじゃ、この本、写真撮れないじゃん」
わたし「この本、なごは大好きだったからね」
妹子「いやいやえんみたいじゃん」

 

ずっと昔に見つけた、ネット上に残っている「いやいやえん」のレビューを、妹子は未だに覚えています。
「煮ても焼いても食えないこ憎たらしいクソガキ」には、腹を抱えて笑わせてもらいました。

 

この書評を書かれた方は、なご助と妹子と同じく、兄と妹だったようなので、壮絶な奪い合い、争奪戦がとてもリアルに面白く感じたようです。

 

 

さて、「くまのこウーフ」。

 

レビューを書こうと思って読み返してみましたけど、この独特な、なんとも言えないゆったりとした雰囲気は、やっぱり読んでみないとわからないなと思いました。

 

言葉で説明するのが難しいです。

 

そもそも第1話目の題名が「さかなにはなぜしたがない」

 

なんて不思議!
子供しか思いつかない疑問です。

 

多くの児童書や絵本、少年漫画の主人公は、元気でやんちゃな、いわゆる「子どもたちが投影しやすいタイプ」になっていることが多いのですが、ウーフは本当におっとりして、動きも緩慢で、いつも何か空想していて、ワンテンポ遅いです。

 

 

寝転んでいたウーフ、木を見上げて、木っていいなあ、木になりたいなと思います。

でも、ウーフの空想はふらふら次から次へと揺れ動きます。

すぐに、みつがなめられるなら、ミツバチがいいかなと思って、ミツバチを追いかけて、川に入って……。

川でさかなを見て、さかなっていいなあと思います。

 

この、脈絡のない空想と行動の一連の中でも、ウーフはとめどなく何かを考えています。

行動は、その空想が外環へ向かって発露したものであり、何の矛盾もありません。

 

木を見て、ミツバチを見て、ミツバチが飛んで行ってしまったので、お魚です。

 

木っていいな木になりたいな
ミツバチがいいかな
魚っていいな、魚になりたいな

 

絵がたまらなく可愛いです。

 

転んだりパシャパシャやったりしていたウーフ、フナに話しかけられました。
何となく、意地悪な気配がします。

 

 

昔は、どうしてこのフナは、ウーフにこんなに意地悪なんだ?💢と思ってましたけど、魚は熊に食べられちゃうから、警戒していたのですね。

明らかに悪意をもって、からかっています。

 

毛皮を脱げとか、目を開けたまま水の中で寝ろとか、舌を引っこ抜くぞとか、おとなしくて素直な、おっとりとしたウーフには、酷な体験です。

 

もうこりごりだとウーフが逃げ出すと、
「これに懲りたらもう魚様を捕まえるなよ!」と呼びかける。

 

ウーフは、ちょっとトロいぶん、悪意に対してもトロいです。
反応が鈍いというか、そう簡単にカンカンになったり、メソメソしたりしないんです。

 

ふんわりと受け止めて、ボヨンと跳ね返すようなところがあります。
でも、傷付いていないわけじゃない。

 

魚の意地悪はウーフをひどいめに遭わせたので、逃げ帰ってお母さんに訴えます。
あたたかく包んで抱っこしてくれるお母さん。
落ち着いて優しく説明してくれます。

 

なぜ、さかなには、したがないのか。

 

それでウーフは安心して、
「よかったこぐまで。こうしてお母さんに抱っこすることもできる」

 

ななな、なんて可愛いんだ~~~!
本当に愛らしくて、胸がキュンとなります。

 

と、いうわけで、ちょっと珍しいおっとりとタイプのくまの子ウーフです。

 

もちろん教科書に載っている影響もありますが、子供たちには本当に絶大な人気です。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

いやいやえん
中川 李枝子 (著), 子どもの本研究会 (編集), 大村 百合子 (イラスト)

元気だけど、わがままできかんぼうの保育園児のしげるが主人公の童話集。しげるたちが積み木でつくった船でクジラをとりにでかけるお話や、山のぼりで山の果物を食べすぎてしまうお話、赤いバケツをもって保育園にやってきた小ぐまの話など、全部で7つのお話がはいっています。表題作『いやいやえん』では、なんでもいやだ、いやだと駄々をこねるしげるが、「いやいやえん」に連れてこられます。「いやいやえん」とはいったどんな園なのでしょうか?

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ちびっこカムのぼうけん
神沢 利子 (著), 山田 三郎 (イラスト)

カムは、湖のそばにたち、金のユビワを北にむかって、三ど大きくふりました。かあさんのびょうきをなおすイノチノクサをもとめて、火の山にすむ大オニ・ガムリイと対決するカム。リズム感あふれる文章でつづる、スケールの大きなファンタジー。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふらいぱんじいさん
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のほのおの国
神沢 利子 (著), 堀内 誠一 (イラスト)

よみがえったトナカイの首領はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。人はなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのだろう。重たい問いを抱きながらふたりは、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会う。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

はけたよはけたよ
神沢 利子 (著), 西巻 茅子 (イラスト)

たつくんは、ひとりでパンツがはけないんだよ。片足をあげると、どでん!と転んでしまう。「えい、パンツなんかはかないや。」

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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今日の一冊「おそばのくきはなぜあかい」 極限まで考え尽くされたシンプルな文章の美しさ

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

おそばのくきはなぜあかい―にほんむかしばなし
石井 桃子 (著), 初山 滋 (イラスト)

語りつがれた日本の民話の中から《なぜ》のおはなし3つ.「おそばのくきはなぜあかい」「おししのくびはなぜあかい」「うみのみずはなぜからい」.初山滋氏の美しい幻想的な画面が子どもの夢を広げます

 

 

むかし、「岩波の子どもの本」には、ひとつひとつ、ちゃんとカバーがついていて、その折り返しのところに説明が書いてあったり、「本のおねがい」というのが載っていました。

 

わたしは本です!

「絵本です」じゃなくて「本です」というところが良かったです。

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1.よむまえには手をあらってね!
2.ぺーじをおらないでね!
3.ふせるのはいやだよ!
4.つばきをつけないこと!
5.ほうりだしたらいたいいたい!
6.ではみなさんおやすみなさい!

 

ページを開くたびにこれが目に付きます。
絵も可愛いので、興味をひかれてじっくり見ていました。

 

本は大事に扱わないといけない。
大切なものなんだ、ということを自然に身につけてもらいたいと、当時の絵本を作る人たちが願っていたんだなと思います。

 

 

開いた表紙の裏が、もう見事なカラーです。
そしてこの本の特徴はやはり、初山滋さんの素晴らしい絵にあります。
このデフォルメされた線と、普通の絵の混合で描かれた表現は、いちど見ると忘れられません。

 

内容は古来の日本むかしばなしです。

 

単なる昔話とあなどってはいけなくて、ネットでもたくさん昔ばなしを載せていたり、子供用のものもあふれていますが、やはり極限まで考え尽くされたシンプルな文章というのは、すでにそれだけで芸術です。

 

いま、むかしばなしや民話は、ネットで読めるからというお母さん、けっこういらっしゃるのですが、やっぱりぜんぜん違います。

 

むかしばなしだからこそ、筋だけではなくて、この計算しつくされた美しい日本語のリズムというものを、意識して大事にして行きたいものです。

 

 

3つ、お話が入っていて、起原を問う、「由来譚」と呼ばれる系統の昔話です。

 

・おそばのくきはなぜあかい
・おししのくびはなぜあかい
・うみのみずはなぜからい

 

最初に「おそばのくきはなぜあかい」
現代において、おそばの茎が赤いということ知っている人はそう多くないでしょう。

 

ふゆの ある さむい 日の ことでした。おおきな かわの そばで、おそばと むぎが はなしを していました。

f:id:WhichBook:20211117095326j:plain

こんな線で表現された絵なのに、どちらがおそばでどちらがむぎか、はっきりとわかります。

 

おそばはちょっと洒落ています。
服に器に盛ったご飯のような絵が書いてあって手に花を持っています。

 

こうやって話している、2人でもないし2匹でもないし……何て言ったらいいかわかりませんが、つまりおそばとむぎのところに、年取ったおじいさんがやってきて川の橋を探しているといいます。

 

しろい ひげを むねまで たらした たいへん としとった おじいさんが つえを ついて

 

なかなか石井桃子さんはスパルタです。

おさない子どもが読みやすいよう、語句と語句の間をスペースをつけて、ひらがななのでますが、文章そのものは、「しろいひげを胸まで垂らしたたいへんとしとった」と、形容詞がすごくたくさんついています。

困っているけど、仙人っぽい、偉そうなおじいさんだなということがちゃんと伝わってきます。

 

この前の嵐で流れてしまった橋。
風が強く波が立っている川

 

おじいさん、この二人でも二匹でもない、つまりおそばとむぎに、自分をおぶって向こう岸までつれていってくれないかと聞きます。

 

「いやだよ」と、むぎはすぐにいいました。
「こんな さむい 日に、かわに はいったら、しんで しまうよ」

 

しかしお蕎麦はうなずきました。

 

ここのシーン、ものすごくシュールです。

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よく動物や植物が人に混じってあれをしてこれをしたなどと、「由来譚」にはよく出てきますが、この絵は本当に植物がおじいさんを背負ってやってるんだなという感じがします。

 

このときお蕎麦は、したくをする、と言って「きもののすそをたかくひきあげて」います。
4ページ、見開き2ページいっぱい使い切って、頑張るおそば。
渡り終えた時には冷たい水の中で足が真っ赤になっていました。

 

このおじいさんはなんと穀物の神様でした。
国々をまわって様子見て歩いているとのことです。

 

おまえは ふゆの さむさも おそれない わかものだ。みも しらない わたしに しんせつを つくしてくれた。

 

おそばは夏のお日様のもとでそだち、不親切な寒がりのムギは冬の寒さを我慢しなければならないことになってしまいました。

 

 

「おししのくびはなぜあかい」


内容については説明はしませんが、特徴があるのがこの言葉遣いです。
「おしし」とはなんぞ
ということです。

 

てんじく という くにに、たいへん げんきものの おさるが すんでいました。

 

てんじく。おさる。
語感がおもしろいので覚えてしまいます。
動物がいっぱい出てきて眠そうなキツネやくしゃみをするたぬきなど、とてもかわいいです。

 

これがおししです。

f:id:WhichBook:20211117095743j:plain

なぜこれをライオンと書かないのか、なぜ「おしし」なのか。
最後まで読めばわかります。

 

実にユーモラスで奇想天外な話ですが、それにこの絵が輪ををかけてシュールの空気を醸し出しています。

 

 

「うみのみずはなぜからい」

 

すごく有名なお話です。

 

シンプルなもとのお話を、イメージを全く崩さないまま、それなりに長めのお話になっています。

 

この話は有名なので、再話されているものはたくさんありますが、シンプルな文章の美しさ、表現のこまやかさ、この見事さにかなう「うみのみずはなぜからい」のお話は、今まで見たことがありません。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふしぎなたいこ―にほんむかしばなし
石井 桃子 (著)

日本のなつかしい昔ばなしの中から,「ふしぎなたいこ」「かえるのえんそく」「にげたにおうさん」の3つのお話をえらびました.たっぷりとした墨の線を使った,清水崑氏の大らかな絵が楽しい絵本.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

こねこのぴっち
ハンス・フィッシャー (著), 石井 桃子 (翻訳)

リゼットおばあさんの家に住んでいる子ねこのぴっちは、ほかのきょうだいたちとはちがうことをして遊びたいと思いました。ところが、アヒルのまねをして池で泳ごうとして、おぼれてしまいます。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

こねこのぴっち (大型絵本)
ハンス・フィッシャー (著, イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

長いあいだ小型版で親しまれてきた、人気者のかわいい子ねこのぴっちが、迫力ある美しい大型絵本にうまれかわりました。読みきかせにもぴったりの大きい画面で、動物たちの表情をお楽しみください。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

かもさんおとおり
ロバート・マックロスキー (著, イラスト), わたなべ しげお (翻訳)

かもの一家が、川から公園へ引越しです。かもたちは1列になって町の中を歩き出しました。さあ、たいへん! おまわりさんは自動車をとめて交通整理。パトカーまで出動です。

 

 

 

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児童書の復権を(note記事)

おすすめ児童書リスト(note記事)

 

子どもの本だな【広告】

はるかな国の兄弟 マーシャとくま そらいろのたね
ムギと王さま―本の小べや はなのすきなうし はる・なつ・あき・ふゆ
少女パレアナ こども孫子の兵法 アンデルセン童話集

 

 

大人が読む児童書「ムギと王さま」4 支配もせず、支配もされず、所有せず、所有されず。

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著),
エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

大人が読む児童書「ムギと王さま」1 理想的な読書垢にとっての環境とは

2 ツンがなくデレもない。媚びてないのでもなくサバサバでもない属性とは。

3 時間のむだはカネのむだ。その価値観を覆したのは、たった一つの笑顔とことば

 

「ムギと王さま」の中で一番好きなのはやはり「パニュキス」。

特別な作品です。

 

2018年に、もう削除してしまいましたが別ブログの記事でUPしていたのですが、それも12月31日でした。

 

 

山岸涼子が短編でファージョンをモデルにした話を書いていて、私以外にもこの話が好きな人がいたのかと思い、とても嬉しく思いました。

こちらの自薦短編集に入っていますが、今はもう絶版で、古本しか出回っていないようです。
シュリンクス・パーン (文春文庫)  山岸 凉子 (著)

主にギリシャ神話をもとにした話が入っており、どれも繊細な絵が非常に美しいです。
今後の、電子書籍化に期待します。

 

しかし、この山岸凉子版「パニュキス」

 

石井桃子さん訳の「ムギと王さま」の中の一篇の「パニュキス」がもとになっているのですが、これ言及している、ネットでのブログなり、記事なりへの記述がまったく見つけられず……。

 

山岸涼子さんの漫画で言及されるアンドレ・シェニエのパニュキスの訳文は、石井桃子さんの訳そのままです。

 

もしかして、エリナー・ファージョンの「パニュキス」の翻案であることを知らない人がたくさんいるのではないか?と思いました。

 

石井桃子さんがあとがきで書かれていますが、「パニュキス」を入れずに出版した版で、原作を読んだと思われる複数の人から「なぜ入れないのか」とおたよりが届いたとのこと。

入れることが出来てよかったと書かれています。

 

そしておそらくは、翻案された山岸涼子さんにとってもそうだと思います。

 

「パニュキス」はどこか特別な物語です。

 

 

山岸涼子さんの「パニュキス」は、その美しい繊細な絵でエリナー・ファージョンの人生を下敷きにしながら、兄ハリーに対する少し特殊な愛情の加味を加えて、最終的に愛する人とめぐり合えたという結末にしてあります。

 

実際のファージョンは、愛する人もいたようですが、一生打ち明けることはなく、生涯独身を貫いたと伝記に書かれていました。

 

山岸涼子さんの「パニュキス」を読んだ時には、作者に対するわたしの想像を補完してもらえたようでとても嬉しかったのですが、それにしてもやはり「パニュキス」と言う作品にはどこか、翻案やオマージュ作品が超えることのできない、原作の持つ強い力が存在します。

 

自分の作品の中では恋愛が成就して、成熟しておとなとなり、幸せになって欲しいという心すら届かないほど、特別に強い力が。

 

 

この作品「パニュキス」は、フランスの詩人、アンドレ・シェニエの詩をもとにしています。
シェニエは、フランス革命の時代の詩人で、恐怖政治が終わる三日前に断頭台に消えています。(ウィキペディアより)

アンドレ・シェニエ - Wikipedia

 

この作品も、このシェニエの詩からはじまっています。

 

noteで交流させて頂いている、「ひよこのるる」さんに教えて頂いたのですが、アンドレ・シェニエのパニュキスの詩の原文がウィキにUPされていました。

 

また、Gutenbergにも公開されていました。

(フランス語です。)

www.gutenberg.org

 

 

フランス語、日本語、英語の「パニュキス」の詩を並べてみます。

 

石井桃子さん訳

ファージョンはこの詩を、フランスに行ったときに買い求めた本の中に見つけたと書かれていたので、おそらくはファージョン自身がシェニエの詩を訳したのかと推察されます。

ああ、パニュキス、きみは、ぼくをすきにならずにいられない!
おなじところに住む、ぼくたちは、おなじ年。
ごらん、ぼくは、こんなに大きい!
きのう、ぼくは、ぼくの小ヤギのわきに立った。
ポリュデウケースとアテーネの名にかけて、ぼくはいう、
小ヤギの角のさきは、ぼくの髪の毛にとどかなかった!
ぼくは、木の実で、青い青いカブト虫を入れる箱を、きみにつくってやった。
その箱のうらがわには、とてもやわらかいヒッジの毛を入れた。
けさ、海べの水たまりで、ぼくは、きれいな貝を見つけた。
それに、ぼくらは土を入れ、花を植えよう。そうだ、植えよう。
ぼくは、小さな木の皮を池にうかべて、船隊の動くところを見せてあげるよ。
家の新人はおとなしい。だから、夕方、きみを犬の背にのせ、
ぼくが先に立ち、そのしずかな馬をひいて、家にちゃんとつれてかえってあげるよ。

 

ファージョン「The Little Bookroom」より、英語原文

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f:id:WhichBook:20211130164441j:plain

 

Gutenbergより、「PANNYCHIS」の部分

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Gutenbergのテキストを、Google先生に読み上げてもらったら、「パニュキス」を「パニュスィー」と発音していました。
ずいぶん違うイメージです。

 

Gutenbergにある、アンドレ・シェニエの詩には、何と続きがありました!
もし興味のあるかたは、ぜひ見て読んでみてください。

 

 

パニュキスは5歳の女の子。

 

ちいちゃい妖精じみた子どもで、はだは、白いきぬのよう。手足は、花のくきのようにやさしく、うす金色の髪の毛は、とてもやわらかくて、風が吹くと、光のすじのように頭のまわりにもつれました。

 

パニュキスのいとこ、キュモンは、パニュキスが大好きで、とても大事にしています。

 

キュモンは何とかして、パニュキスを独占しようとし、あらゆる害から守ろうとして苦心します。
しかし、肝心のパニュキスはまったくそんなキュモンの気持ちには無頓着なのでした。

 

これは少し独占欲とは違う気がします。

 

山岸凉子が描いたような、純粋であろとするあまりお互いの黄金を削り取ろうとするという種類のものではなくて、自然界に存在する美しさ、目にし耳にする、奇跡のような瞬間を自分の中に取り込み、発露しようとする詩人の、創作欲のようなもの。
と感じました。

 

しかし、パニュキスは所有できるような対象ではありませんでした。

 

パニュキスの心は、自由でした。パニュキスは、世界にむかって大きな声で笑いました。生きることは、喜びでした。何ものも、手ににぎりしめはしませんでしたが、パニュキスは、すべてのものをもっていました。

 

支配もせず、支配もされず、所有せず、所有されず。
パニュキスは、世界に存在する美しさそのものです。
一体化しており、分けることはできない。

 

今は、パニュキスがいなくなるのをおそれる気持ちが、よくわかります。
大切なものを失うおそれ、不安です。

 

キュモンの心配をよそに、パニュキスはいとこの手を振り払って消え、笑い声と「もっとたのしそうに!」というこだまのような声だけが残るのでした。

 

 

最初はパニュキスが消えてしまったすべてをおそれ、憎んだキュモンでしたが、時間がたつにすれ、次第におそれを忘れて、ふたたび世界を愛することができるようになりました。

 

でも、キュモンは、妻にも、子どもにも、まだ話したことがありません。人生には、よくそうしたことがおこるものですが、生きることが、あまりにも重荷になったとき、世のさまざまなものの美しさが、空や草や、木や岩や、湖や海や、光や闇のなかから、とつぜん、キュモンの上にせまってきて、パニュキスの笑い声が、かの女が、じぶんの手をふりはらったときとおなじくらいはっきりきこえ、かの女の声が、天から、地から、「もっとたのしそうに!もっとたのしそうに!」と、よびかけることのあるのを。

 

...But he never told even his wife and children that often, when life seemed too heavy to be borne, as life so often does, the beauty of things rushed in upon him unawares, from the sky and the grass, the trees and the rocks, the fresh water and the salt, the light and the dark, and he heard as clear as in the moment when she broke from him the lovely laugh of Pannychis, and heard her call to him from heaven and earth, 'Look happy! look happy!'

 

 

パニュキスがキュモンに語りかけた「もっとたのしそうに!」ということばは、常に私を支え続けてきてくれました。

 

今回、「ムギと王さま」を読み返してみて、忘れかけている大切なことを取り戻せたような気がしました。

 

他にも、「ねんねこはおどる」「サン・フェアリー・アン」「ガラスのクジャク」「レモン色の子犬」「モモの木をたすけた女の子」「天国を出ていく」

 

どれも大好きなお話ばかりです。

特に、名前を冠している「ムギと王さま」をぜひ読んでみてもらいたいです。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

The Little Bookroom (English Edition)
英語版 Eleanor Farjeon (著), Edward Ardizzone (イラスト)

A girl sits in a dusty room, crammed to the rafters with books. Sunlight dances on the covers, between which are stories of magical worlds and faraway places, lands of princesses, kings, giants, and real children too. Eleanor Farjeon was that girl, who was so enchanted by her little bookroom that she recreated it by writing this wonderful collection of short stories

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

シュリンクス・パーン (文春文庫―ビジュアル版) 文庫 – 1997/6/10 山岸 凉子 (著)

ギリシャ神話の妖精シュリンクスに恋をしたパーンは山羊の耳と脚を持つ牧神。妖精の可憐と牧神の奔放を融合させて新たに山岸神話を創造した表題作ほか、怪しの世界を描く四篇を収録。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする
エリナー ファージョン (著), シャーロット ヴォーク (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

少女エルシー・ピドックは,妖精になわとびの秘術を習い,誰にも負けない名手になった.長い時が経ったある日,この村をおそった危機に,おばあさんのエルシーが立ち向かう.有名なお話が美しい絵本に.

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著), E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

町かどのジム
エリノア ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

マローンおばさん
エレノア・ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 阿部 公子 (翻訳), 茨木 啓子 (翻訳)

森のそばで、ひとり貧しく暮らしていたマローンおばさんのもとに、すずめや、ねこや、きつねたちが訪れ、おばさんは、貧しい中から彼らに必ず何かを分け与えた。読み継がれる有名な詩を邦訳して紹介する。

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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児童書の復権を(note記事)

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子どもの本だな【広告】

おかあさんだいすき 花さき山 トマシーナ
まほうつかいのむすめ チロヌップのきつね もこ もこもこ
ふたりのロッテ 新訳 少女ポリアンナ バンビ

 

 

大人が読む児童書「ムギと王さま」3 時間のむだはカネのむだ。その価値観を覆したのは、たった一つの笑顔とことば

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著),
エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

大人が読む児童書「ムギと王さま」1 理想的な読書垢にとっての環境とは

2 ツンがなくデレもない。媚びてないのでもなくサバサバでもない属性とは。

 

「しんせつな地主さん」
ちゃんと紹介することができるか不安なのですが、できる限りやってみたいと思います。

 

このお話は、ガリガリのケチなしみったれのロクでもない、金持ちだけど血の涙もない最悪の地主 「ロバート・チャードン」が、怠けるという理由で「作男」ウィリアム・ストウを追い出す場面から始まります。

 

kotobank.jp



「おれの時間をむだにするやつは、おれの金をむだにする」
との言い分で、もうどう考えても同情の余地のない最悪の人種です。

 

この男からひどい目に会わされなかったものは1人もないと言ってもいい、というほどひどい人間です。

 

いかにこの男のやり口が汚いかというのは非常に詳しく書かれてます。

ブラック企業もいいところで最低賃金で時間ギリギリまでこき使い、寄付系のものは全部一切拒否です。

金貸しもしているしこの男をよく言う者は1人もいませんでした……とのことなのですが、この追い出された男。
一瞬だけ捨て台詞を吐きます

「おめえやおめえの身内が、おらに何かたのむことになってみろ……」

 

このチャードンには身内がいなかったのです。
でも別にそんなこと全く気にした事もなかったのですが、この「身内」という一言が、どこかで彼の心に刺さったのでした。

 

このあたりの描写もまたとても美しいのです。
こんなに嫌な男なのに。

 

もし、そのことばが、ときには頭のなかで、よせてはかえす波の頂きにうちあげられた小石のようにうかぶことがなかったら、チャードンは、ボーンマーケットの家畜市にいったときも、ジェイン・フラワーの顔に目をとめなかったでしょう。

 

彼は生まれてはじめて、お金に換えることができないものを欲しいと思いました。

 

一般的に予想通りのお約束の展開としてこのまま行くなら、無慈悲な金持ちの男が貧乏な娘を無理やり嫁にするとかそういう展開だと思います。

 

しかし、このチャードンが目を止めたジェイン・フラワーは、あまりにも純粋で無垢な女性でした。

 

彼女は、最初から最後までチャードンのことを「親切な人間だ」と頭から信じて疑いもしません。

 

「How kind you are!」
というのがその言葉なのですが、チャードンがこんな言葉をかけられるのは、生まれて初めてのことでした。

お金に換えることができないものを欲しいと思ったことも初めてなら、自分のことを親切だという扱いをされたのも初めてだったのです。

 

心からの笑顔を浮かべ、喜んでチャードンの妻になったジェイン・フラワー。
しかし残念ながら、幸せな結婚生活はたったの11ヶ月しか続きませんでした。

 

出産の際に亡くなってしまったのです。
子供は女の子で、やはりジェインと名付けられました。

 

 

この娘がすくすくと育って最初に自分のお父さんのことを「いいおとう」「しんせつ」と呼んだとき、チャードンはその一言を聞くために、あらゆることをする子ようになります。

 

本当はほんの少しのちょっとしたそのあたりの花を摘んでくるだとか、赤い実のなった木の葉を渡すだとか、そんなことからはじまって、ついには、以前なら絶対にしなかったような「しんせつ」をするようになっていきました。

 

このちいさなむすめ「ちいジェイン」のために、チャードンは何でもしてやります。

 

最初に、お金を落として泣いている女の子に、(ちいジェインに言われて)たったの1ペニーをやるという、その行動がいかに大きいものであったか、書かれています。

 

いままでのきまりが、ここでまた一つ、うちくだかれました。なぜなら、金というものは、人にやるために、ためるものではないではありませんか?

 

また別の日には、ホームレスが彼から食べ物や服をもらい、学校の遠足にも寄付をしました。

 

チイジェインは、あらゆる子供たちから好かれましたが、「それはこの子が金持ちの子だからではありませんでした。」

 

誰からも愛されるチイジェインが、村の家々に入りするようになると、あらゆる窮乏をおとうさんに伝えるようになります。


チャードンは、そのすべてを補填してやるようになっていきます。

 

 

彼は娘の将来の財産であるということをよく知っていましたから、本当は出したくなかったのです。
この無駄な(とこれまで思っていた)出費を、今までの生き方に反して出すこと、この行動そのものが、家計というよりも、彼自身を内部から苦しめるようになりました。

 

「人間は、じぶんの子どもを、第一に考えにゃいかんのじゃないか?チイジェインの将来を、安全にしておかにゃいかんのじゃないか?」

 

しかし今まで、この母親のジェイン、またむすめのチイジェインを喜ばせようとする生き方は、「彼の頭に──あるいは心に──きてしまった」ので、もう変えることはできなくなっていました。

 

心配のあまり彼は次第に体を壊して行きます。

 

でもそれを誰にも言わず、不安そうな顔をしたまま、彼は際限なく人に与え続けました。

 

彼の財産と貯金が減っていく行けば行くほど、村はどんどん豊かになっていきました。
ついにチャードンは、持ち家も、店も持ち株もすべて売り払い、小さな小屋で住むような生活になります。

(この時期に、孤児院は、チイジェインが孤児になったときののためか、莫大な寄付金を受け取っています)

 

 

しかしこうなって初めて、彼の心からはついに心配が拭い去られました。

 

もういまでは、チイジェインのためにしがみつくべき一ペニーの金もありません。そこで、チイジェインの将来を思いやるとき、神にたよるほかないのだということを、チャードンはさとりました。そうさとったとき、人間の心は苦しみからすくわれます。

 

貧乏になったふたりの生活は素朴ですが楽しいものでした。

 

村の人々は、みんな二人の世話を焼きたがり、名前で呼ぶようになりました。

そして一年たって、チャードンが死んだとき……。
チイジェインほど貧しい境遇に置かれた子どもはいないのだということが、村のみんなに知れ渡るのでした──。

 

最初に孤児院という単語が出た時、烈火のごとく怒りだしたのは、ウィリアム・ストウでした。

この人は、冒頭でいちばん最初に、チャードンに追い出されたエピソードを持つ作男です。

 

「ボッブ・チャードンのむすめを、孤児院にやるんだと?」と、ウィルはさけびました。「いいや、おらのむすめも孤児院にいくようになるまで、チイジェインはやらねえ!チイジェインは、おらの家へやってきたんだ。これからも、このまま、いていいんだ。そんなことは、二度と考えたくねえな」

 

あらゆる人がチイジェインを引き取るといって聞きません。
すべての家が、チャードンに何らかの世話になっていました。
あれもしてくれた、これもしてくれた……、と、思い出さない家は一軒もありませんでした。

 

そして、誰ひとりゆずらなかったので、五十二軒の家が、みんなでチイジェインの面倒を見ることになりました。

 

チイジェインはうれしそうに、一けんから一けんへとうつって歩き、どの家にいっても、じぶんのおとうちゃんが、世界じゅうで一ばんしんせつな人として、うわさされるのをききました。

 

 

あらためて読んで心が洗われる気持ちでした。

 

キリスト教圏のお話を読んでいると、「聖書に書かれている」と書いてるのを読むことがありますが、
お金持ちが天国に入るのは最も難しい、とか、神の国にすべてを寄付しなさい、などなどのことばがあります。


でもそれは組織を維持するために宗教団体が壷を売るみたいに、利益を吸いあげようとする言葉なのではなくて、(そういう風に、現実ではなっているのでしょうが)聖書の言いたいこと、その究極の意味は、この話に凝縮されていると思います。

 

努力をしなくなるから、甘えてしまうから。

政府がするセーフティネットですら、そんな風に考えられがちです。

食い物にされている慈善事業や、上から目線で施しをすると言う考え方そのものに潜む優越思想のような危険だってあります。

 

このお話は、これほど、聖書のことばを体現しているような物語でありながら、宗教色が薄いのも特徴です。

 

このお話は、金持ちで無慈悲な男が、ふと気まぐれで「この人にだけは、いい人だと思われたい」というたった1つの見栄から始まりました。

大事なのは、チャードンがその見栄を、ついには命をかけ、全財産をかけて、貫き通したところにあります。

 

あくまで人としての生活の中のお話であることで、よりいっそうその行動の意味が純化されて読み手の心に届きます。

 

チャードンのいわば転身、所業を悔い改めたのは、「神様にそう言われたから」でないのです。

 

寄付や施しというものは、貧乏人には甘えのもとであり、金持ちにとっては偽善であって、このお話はひとつの理想的に過ぎる話であって現実ではないと。

そんな風に思う心を越えた所にある物語です。

 

けれども、つまりは、チャードンは、村全体をチイジェインに残したのだと、いえるかもしれません。村じゅうのどの屋根も、どの炉ばたも、みなチイジェインのものだったのですから。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

The Little Bookroom (English Edition)
英語版 Eleanor Farjeon (著), Edward Ardizzone (イラスト)

A girl sits in a dusty room, crammed to the rafters with books. Sunlight dances on the covers, between which are stories of magical worlds and faraway places, lands of princesses, kings, giants, and real children too. Eleanor Farjeon was that girl, who was so enchanted by her little bookroom that she recreated it by writing this wonderful collection of short stories

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

マローンおばさん
エレノア・ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 阿部 公子 (翻訳), 茨木 啓子 (翻訳)

森のそばで、ひとり貧しく暮らしていたマローンおばさんのもとに、すずめや、ねこや、きつねたちが訪れ、おばさんは、貧しい中から彼らに必ず何かを分け与えた。読み継がれる有名な詩を邦訳して紹介する。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), イズベル;ジョン・モートン=セイル (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ファージョン作品集5巻。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著), E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

町かどのジム
エリノア ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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ちびゴリラのちびちび スプーンおばさんのぼうけん にじいろのさかな
うみぼうやとうみぼうず 小公女セイラ ~リトルプリンセス 小さい魔女
学校では教えてくれない大切なこと 10 4こうねんのぼく トムは真夜中の庭で

 

 

大人が読む児童書「ムギと王さま」2 ツンがなくデレもない。媚びてないのでもなくサバサバでもない属性とは。

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著),
エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

大人が読む児童書「ムギと王さま」1 理想的な読書垢にとっての環境とは

 

27つの短編集「ムギと王さま」の中から、「西ノ森」をご紹介します。

 

題名の原題は「WESTWOODS」。
「ノ」をはさんで使っている所が最高だといつも思っています。
ファージョンの「ムギと王さま」の中で比較的ロマンチックな作品です。

 

王様とメイドさんの物語で、ロマンチックではあるんですが、恋物語という感じではありません。

 

「六月の草の野のよりも かぐわしく
月を見まもる ひとつ星
よりも美しい あなたです。
わたしは わたしの草を思い、
わたしの星を夢みます。
けれども あなたがだれなのか
わたしには つゆほどもわからない。」

 

この詩を書いたのは、アクセク国の若い王様です。

アーディゾーニの絵がとてもすてきです!
原書だと、なお、雰囲気が出ています。

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「The Little Bookroom (English Edition)」  

 

詩を書いているとき、みなしごで孤児院で育った小間使いのシライナがドアを叩きます。

(はじめて気が付きましたけど、セリーナとも読めますね!でも「シライナ」が好きだなあ。)

 

今だったらメイドという言い方があまりにも浸透してしまったのでメイドっていう風に訳されてしまうのかな。
でもメイドっていう言葉って、 メイド喫茶とかを想像しちゃうじゃないですか。
そっちといっしょにしてほしくないんだな。
「小間使い」 がいいと私は思います。

 

 

実用的なことを尊ぶ国です。

王さまを王女さまと結婚させることは、大臣たちの仕事の一つであり、王女さまと結婚するのが、王さまの仕事の一つなのでした。

 

というのは、新旧関わらず歴史の中では当然です。
戦国時代にハマった今となっては、これ以上ないほどよくわかる話です。

 

さて王さまはぐずぐず言わずに、候補のリストを提出してもらいます。
「北山国」「南地国」「東沼国」
「西ノ森国」は、その国堺を超えた者はおらず、妖婆(witches)の住む場所だと噂されているということです。ふうむ。

 

オズの魔法使いは1900年の作品です。

ファージョンは、1916年に作家として認められたとのことなので、「西の悪い魔女」、また「東西南北四つの国」の漠然としたモチーフがオズの魔法使いから来ていた可能性も、ゼロではないなと思いました。

 

梨木香歩の名作「西の魔女が死んだ」も、なぜ「西」なのか?というと、これらの作品群のイメージがあることは間違いないです。

 

「西」にはいったい、何があるのだろう?
日本が「東」にこだわりがあるように、イギリスには「西」に思い入れがあるのでしょうか。

 

 

さてこの若いジョン王は、この西を除くみっつの国に王女様に会いに行く前に、禁じられた「西ノ森」に行ってみたくてたまらなくなりました。

 

王さまのお母さんである女王さまも、そうしたように、この国のすべての母親は、「西ノ森」への危険を信じ、危ないので絶対に行ってはいけないと言って聞かせていました。

 

この国と「西ノ森国」は、どこまで続くかわからないほど長い塀に隔てられています。

そしてそこには子供達がびっしりと取りついて、好奇心にさいなまれ、何とかしてのぞき見しようとスキをうかがっているのでした。

 

明日の支度をするために王様が部屋に帰ってみると、なんとシライナが自分の詩を読んでいます。

 

王さま、何らかの感想か何かを期待しているようなのですが、シライナは「お部屋はかたづいたようだわ」とあっさり出て行ってしまいました。

王さまはかんしゃくをおこして、詩を書いた紙をくしゃくしゃに丸めて、ゴミ箱に放り込んでしまいました。

あ~~あ。

 

 

この小間使いのシライナ、みなしごであるとか、メイドであるとかいう事を抜きにして、めちゃくちゃにそっけない人です。

返事も何だかとんちんかんだし、返事も超短いし、若い王さまのタイミングとして居心地の悪いところをいつも突いてきます。

 

例えば詩を書き終えた直後に呼びに来たり。
何か頼もうとすると大掃除しないといけないって言ったり。
勝手に人の詩を読んだり。
感想も言わずに出て行ったり。

 

今風に言えばツンデレと言いたいことなのですが、デレがないですし、ツンというのとも違います。

ぶっきらぼうで率直で、いわばまあ実用的。
ロマンチックなところなんてまるっきりありません。
媚びてないのとも違うし、サバサバとも違う。

 

ちょっと言い表せない魅力を持った女性です。

 

 

王さまは、「西ノ森」に無理やり踏み込みますが、家族がいたり、親から「西ノ森」に入るのを止められた人は誰1人入ろうとしません。

みなしごで、ひとり者の王さまだけが、塀をとびこえ、森のなかに馬を乗り入れていきました。

 

シライナと同じく、身分は違っても、この王さまも「みなしごでひとり者」なのです。

 

入ってみた「西ノ森」はがっかりするような景色が広がっていました。
使い物にはならない、ガラクタ、壊れたおもちゃのようなもの、

「やぶれた絵にこわれた人形、おもちゃのお茶道具のかけらにさびついたラッパ、古い鳥かごに色あせた花わ、ちぎれたリボンに、かけて使えなくなったビー玉」

 

成長の過程で、捨てなければならなかった、子供たちの小さい頃の思い出の品そのものです。

 

 

がっかりして戻ってきた王さま、さてここから王女さま探しに出発です。

 

それぞれの王女さまの前に立たされ、ローズセレモニーでバラ🌹を渡すか渡さないかみたいな儀式になるのですが、何ともうまくいきません。

 

「北山国」は、物音ひとつ立てない、氷のようにつめたい王女さま。
「南地国」は、眠そうでだるそうで、もったりした感じの王女さま。

 

「東沼国」がいちばんおもしろいです。
ガサガサした感じの国なのですが、唐突にすごく現代的です。
「短いスカートをはき、髪をふりみだしている若いむすめ」で、ホッケーのメンバーが1人足りないとのことで、王さまを馬から引きずりおろし、無理やりメンバーに加えて、ガチャガチャとしたスポーツに参加させられます。

 

「かみなりよりもさわがしく、
また塩よりもすさまじい。
人はそれぞれに生まれつくので、
あなたのせいではないけれど
ぼくのこのみはあなたとちがう」

 

なんて詩を目の前で詠んでしまった王さま。

 

東沼国の王女さまは「まあ、失礼しちゃうわ!」とわめいて、殴りかかろうとしてくるので、王さまはほうほうのていで逃げ出しました。

 

 

これらの王女さまに会いに行って、結婚を申し込むより先に、自分が断ってしまうという所業を繰り返しながら、自分の部屋に帰るたびに、そこにはシライナが待って迎えてくれます。

 

王さま、あの詩が大事なんだと思います。
あの詩があればうまくいくのだと。

 

どの国でも、何とか思い出そうとするのですが、口から出るのは「あなたでは嫌だ」みたいな感じの詩ばかりで、どうにもうまくいきません。

 

それであのごみばこに放り込んだ詩はどうなったのか知りたくて、シライナにそれとなく聞こうとするのですが、ごみ箱のことしか聞かないので、そっけない返事ばかり。
(読んだのだから)覚えてないかと言っても、忙しくてそんなの覚えていられないとの返事。

 

王さまはそのたびに怒ってしまいます。

 

 

詩がないから、うまくいかないんだと愚痴る王様。
何とシライナは、ポケットから取り出しました。
そんならそうと早くおっしゃればいいのに、とか言いながら。

 

かんかんになる王さまとのシライナとの押し問答。

 

「なんでそれを持っているのか」
☞「捨てたのはあなたでしょ」
「ゴミ箱にすてたって言ったじゃないか」
☞「そんなこと言ってない」
「何が書いてあるか覚えてないって言ったじゃないか」
☞「暗唱は苦手で本当に覚えてない」

 

確かに間違ったことは言ってません。
もうちょっと突っ込んで聞くとか正確に効くとかすればよかったのに……。

 

 

なぜ持ってたんだ?と聞く王様にシライナは手厳しいです。

「そんなこと、わたしのかってですわ。ほんとに、ごじぶんの作品をあんなふうになさるなんて。」と、シライナはてきびしい調子でいいました。「じぶんの書いたものをだいじにしない人なんか、何もする資格はありませんわ。」

 

言い合いはまだ続きます。

 

「君があの詩を好かないからすてたんだ」
☞「好かないなんていってない」

 

王さま「エッ……?(トゥンク……)」

 

確かに、シライナは無駄なことは何も言ってないのです。
さて、王さまはシライナをデートに誘い、シライナは「西ノ森国でなら」と答えます。

 

二人で訪れたとき、そこには前に見たときとは全く違う景色の「西ノ森」が広がっていました。

 

 

西ノ森の王女とは──。
そこで見たもの、かつて失われた、素晴らしいものとは───。

 

という展開になるのですが、何といってもこのお話は、
そこに至るまでの過程の、シライナのそっけなさ、ほかの王女様のすさまじいまでの微妙さ
……が面白いので、何度読んでも飽きない、大好きな作品です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

オズの魔法使い
ライマン・フランク・ボーム (著), ウィリアム・W.デンスロウ (イラスト),渡辺 茂男 (翻訳)

竜巻きによってオズ大王の住む魔法の国に運ばれたドロシーは、かかしとブリキの樵と臆病なライオンと共に大冒険をします。完全復刻した124枚のデンスロウの挿絵をそえた決定版です。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

西の魔女が死んだ
梨木 香歩 (著)

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

西の魔女が死んだ(映画)
Amazonプライム

中学に進んでまもない夏の初めに、学校へ行けなくなったまいは、森で暮らす“西の魔女”のもとで過ごすことに。西の魔女とはまいのママのママ、英国人である大好きなおばあちゃんから、「早寝早起き、食事をいっぱいとって、よく遊ぶ。そして、何でも自分で決めること」の大切さを教わる。まいは戸惑いながらも、料理、掃除、洗濯、庭づくり・・・と、毎日励んでいくが、実はその生活は、“魔女修行”の始まりだった――。 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー ファージョン (著), リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著), イズベル;ジョン・モートン=セイル (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ファージョン作品集5巻。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著), E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

町かどのジム
エリノア ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

マローンおばさん
エレノア・ファージョン (著), エドワード アーディゾーニ (イラスト), 阿部 公子 (翻訳), 茨木 啓子 (翻訳)

森のそばで、ひとり貧しく暮らしていたマローンおばさんのもとに、すずめや、ねこや、きつねたちが訪れ、おばさんは、貧しい中から彼らに必ず何かを分け与えた。読み継がれる有名な詩を邦訳して紹介する。

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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児童書の復権を(note記事)

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マローンおばさん ギルガメシュ王ものがたり エルマーと16ぴきのりゅう
学校では教えてくれない大切なこと 12 ネットのルール どうぶつのこどもたち ちいさいモモちゃん(2) ルウのおうち
ふるやのもり 会いたくて会いたくて グレイ・ラビットのおはなし

 

 

大人が読む児童書「ムギと王さま」1 理想的な読書垢にとっての環境とは

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ムギと王さま
エリナー・ファージョン (著),
エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

年内にどうしてもいちど、紹介しておきたいなと思ったのが、エリナー・ファージョンの作品です。
これまで、「町かどのジム」「マローンおばさん」の2作を紹介しました。

 

whichbook.hatenablog.com

 

whichbook.hatenablog.com

 

「マローンおばさん」では、あとがきに
「子供の本を愛する人にとってファージョンの名は特別な意味を持っている」
と書かれていたことをご紹介しました。

 

日本の翻訳児童書の中で、ファージョンは、石井桃子という名前とともに不動の位置を保つ黄金の作品です。

 

「ムギと王さま」が、多分、ファージョン作品の中では最も有名ではないでしょうか。
あらゆる「児童書おすすめ」リストの中に、必ず入ってきます。

これは、短編集です。

 

岩波少年文庫では、現在は文庫の形で上下巻に分かれて発売されていますが、できればこのハードカバーの分厚いバージョン作品集を借りてみて、読んでいただきたいなと思います。

 

 

人が殴り殺せそうな厚さの、ずっしりとして重たい本なのですが、やはり読みやすいというのもありますし、「どっしりとした分厚い本を開いて、それが面白い」という感覚を、お子さんがた、またご自分でも体験してみて欲しいです。

 

どれも宝石のような 作品群です。
ファージョン作品は、イギリスでは教科書に使われるほどの美しい文章と呼ばれているそうです。

 

27編ある、この短編集の中から
「本の小部屋(作者まえがき)」
「西ノ森」
「しんせつな地主さん」
「パニュキス」
について、書いてみたいと思います。

 

 

短編集なので、子どもには読みやすい本です。

けれど、どちらかというと上級生向けではないかな…?
漢字も多く、もちろんルビはふられていますが、修辞が多くて、ことばの裏を読むような、意味がわかれば、ああそうだったのか、という箇所も多いです。

 

しかし、とても単純であっさりとしたお話も、もちろん随所にあります。

幼いお子さんが、開いてみてぱらぱらとめくって、ふと一か所に目がとまり、おもしろいのでその箇所ばかりを何度も読み、それから、前後のお話をためしてみて……という、そういう「本を読むという体験への導入」があればいいな、と思います。

 

 

「作者まえがき」

 

作者の子ども時代の「本のある生活」の一端を垣間見せてくれます。

 

本は食堂の壁ぎわをうずめ、そこからあふれ出て、母の居間や、さては、階段をのぼって寝室にまで流れこんでいました。本なしで生活するよりも、着物なしでいるほうが、自然にさえ思われました。そして、また本を読まないでいることは、たべないでいるのとおなじぐらい不自然に。

 

本ずきな人にとっては、これほど理想的な環境はないでしょう。
まさに、よくわかる話です。

 

ファージョンの文章が美しいと言われていますが、その一部をこの部分でお見せしてみたいと思います。

 

It would have been more natural to live without clothes than without books. As unnatural not to read as not to eat.

 

「本なしで生活するよりも、着物なしでいるほうが、自然にさえ思われました。そして、また本を読まないでいることは、たべないでいるのとおなじぐらい不自然に。」という箇所です。

 

この短い文章の中に、「would have been」とか「more than」とか、「as ~ as」などてんこもりです。

 

いきなりかよぉぉぉ!と思うような難易度の高さです。

この場合の「would have been」は、仮定法過去完了っぽく見えますが、仮定の意味を示す「if」とか「wish」とか「otherwise」などが入っておらず、過去の推量を示しています。(と思います)
「仮定法でない、過去完了のつかいかた☆」などの勉強に使える(……のではないか……)と思います。

 

本好きのお子さんなら、この文章を暗記することで、過去完了、比較級、to不定詞、などをたった一文でおぼえることができます☆

多分。

 

 

読書垢の人ならば、誰もが心に抱いている原風景。

というべき、本にあふれた理想的な生活を送っているファージョンなのですが、この小部屋は、ほかの部屋から余った本が流れ着いた場所でした。

 

食堂や書斎や子ども部屋の本には、選んで、整とんされたあとがありました。

 

この「本の小部屋」にあるのは、宝くじか掘り出し物かがらくたか、無秩序に積み上げられた本の山だった……。ということなのですが、ちょっとここで注目。

 

食堂にも本があるんだ~!すばらしい!
想像するだけで、本ずき、読書垢の人にとっては、夢のような場所です。

わたしも綺麗な写真は好きなので、よくInstagramはのぞくのですが、たまに
「本が足りない」
と思うときがあります。

 

景色に何かが足りないのです。
本はやっぱり、その内部に一つの世界を抱えているので、ただ映っているだけでも写真に、その奧に何かが潜んでいるような気配を持たせ、小宇宙のような深みが出ます。

 

 

あのほこりっぽい本の部屋のまどは、あけたことがありませんでした。そのガラスをとおして、夏の日は、すすけた光のたばになってさしこみ、金色のほこりが、光のなかでおどったり、キラキラしたりしました。

 

石井桃子さんの訳文が本当に美しいです。
「maid」をよく、「おとめ」と訳しているのも特徴です。
メイドさんの「maid」なのですが、古い意味で古語、文語、詩語では「むすめ」「少女」を意味します。

 

そこのまどから、わたくしは、じぶんの生きる世界や時代とはちがった、またベつの世界や時代をのぞきました。詩や散文、事実や夢に満ちている世界でした。その部屋には、古い劇や歴史や、古いロマンスがありました。迷信や、伝説や、またわたくしたちが「文学のこっとう品」とよぶものもありました。

 

That dusty bookroom, whose windows were never opened, through whose panes the summer sun struck a dingy shaft, where gold specks danced and shimmered, opened magic casements for me through which I looked out on other worlds and times than those I lived in: worlds filled with poetry and prose and fact and fantasy. There were old plays and histories, and old romances; superstitions, legends, and what are called the Curiosities of Literature.

 

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ちなみにファージョンはすでに版権が切れており、「リンゴ畑のマーティン・ピピン」はGutenbergで無料公開されています。

 

Martin Pippin in the Apple Orchard by Eleanor Farjeon - Free Ebook


また、詩やソネットの数々や、邦訳されていない「ジプシーとジンジャー」という作品も載っていますので、ファージョンが好きな方は必見です!

Gypsy and Ginger by Eleanor Farjeon - Free Ebook

 

 

 

妹子「え?これだけ?今日これで終わり?」
わたし「……………」

 

妹子、登場するだけでなく、よくわたしの書いた記事を「これおもしろかった」とか「これ読む」といって読んでくれるのですが(自分が登場するのもだいすきなので)、たまに文句つけてきます。

 

妹子「少なくない?もっと書くこといっぱいあるでしょ?こんなに文章きれいなのに!ぜんぜん魅力を伝えきれてないでしょ!」
わたし「もう、あなた自分でも別で書いてくれよ~~!!!」

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ムギと王さま―本の小べや
エリナー ファージョン (著),
エドワード・アーディゾーニ (イラスト),石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

天国を出ていく―本の小べや
エリナー・ファージョン (著),
エドワード・アーディゾーニ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

幼い日,本がぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短編集から,この巻には13編を収めます

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

マローンおばさん
エレノア・ファージョン (著),
エドワード アーディゾーニ (イラスト), 阿部 公子 (翻訳), 茨木 啓子 (翻訳)

森のそばで、ひとり貧しく暮らしていたマローンおばさんのもとに、すずめや、ねこや、きつねたちが訪れ、おばさんは、貧しい中から彼らに必ず何かを分け与えた。読み継がれる有名な詩を邦訳して紹介する。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

リンゴ畑のマーティン・ピピン
エリナー ファージョン (著),
リチャード・ケネディ (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

恋人から引き離されてリンゴ畑の井戸屋形にとじこめられている少女ギリアンを,6人の娘たちが牢番として見張っています.陽気な旅の歌い手マーティン・ピピンは,美しく幻想的な6つの恋物語をくりひろげて娘たちの心を奪い,首尾よく牢屋のかぎを手に入れます.ファージョンが作家としての地位を確立した傑作

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヒナギク野のマーティン・ピピン
エリナー・ファージョン (著),
イズベル;ジョン・モートン=セイル (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

ファージョン作品集5巻。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

銀のシギ
エリナー・ファージョン (著),
E・H・シェパード (イラスト), 石井 桃子 (翻訳)

気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが、小鬼のたくらみで王さまの妃になりました。妹のポルが銀のシギの助けを借りて、姉の危機を救います。素材は昔話の「トム・ティット・トット

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

町かどのジム
エリノア ファージョン (著),
エドワード アーディゾーニ (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

デリーが物心ついてからというもの、ジムはいつでも街角のポストのそばに座っています。むかし船乗りだったジムは、デリーにいろんな場所の話をしてくれます…。1965年学研刊の名作をアーディゾーニの挿絵で。

 

 

 

 

 

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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