「いやいやえん」中川李枝子
今日ご紹介するのは
いやいやえん (福音館創作童話シリーズ) 作者: 中川李枝子,子どもの本研究会,大村百合子 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 1962/12/25 メディア: 単行本 |
「いやいやえん」はシンプルに面白いです。
読み聞かせには最適です。
「いやいやえん」に出てくるのは、
きっとお母さん方としては、頼むからうちの子と関わらないでほしい!と願うであろうクソガキ、しげるちゃんです。
1.かおを、あらわないできました。
2.ゆびを、しゃぶっていました。
3.はなくそを、なめました。
4.はさみをもって、はしりました。
5.つみきのとりっこをして、ともだちをはたきました。
…
はなくそを、なめました。
強烈です。
いつも子供たちを怒っているのと同じ声を出して、本気で「しげるちゃん!」と読むと、子供たちはどっと笑います。
全国のおとなしいしげるさんには酷な体験です。
いやいやえんには、「説教臭さ」がありません。
子供にこうなって欲しいという親の願望。
教えや、しつけや、押し付けがありません。
(それらもまた必要なことですが…)
完全に子供目線の、子供がわからの体験として、心にすうっと入ってきます。
おおかみも扱いかねる、しげるちゃんがクソガキ💨なのはデフォルトであるとしても、この物語はそれだけでは終わりません。
しげるちゃんを超える、史上最強のクソガキ、
えむちゃん
が登場します。
こどもたちはえむちゃんが大嫌いです。
「あいつ最っ悪!!!!」
「大嫌い!!」
「クソだわ!!!」
と、口々にえむちゃんの悪口を言いあいます。
そうなった時にはもう、お子さんはこの本のとりこになっています。
現実のお友達を「クソだわ」と言うよりも、
本の中の登場人物をクソだと言いあっている方が、
どんなにかありがたいことだろう、と私は思いました。🙄
最終的には、あれほどクソガキだと思っていたしげるに
しげる、行け!えむちゃんと対等に渡り合えるのはお前だけだ!!
という気持ちさえ湧いてきます。
まさに毒をもって毒を制す。
ちなみに、こちらのサイトに、たいへんすぐれた「いやいやえん」の感想が書き込まれていますので、ぜひ一度ご覧になってみて下さい。
すべてのご家庭に1冊ずつあって損はない、児童文学界金字塔の作品の一本です。
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