~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

「チポリーノのぼうけん」 生きて泣いて笑う悪役

岩波の復興文庫の中に、この一冊が入っているのを見て、とても嬉しくなりました。

チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)

チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)
作者: ジャンニ・ロダーリ,ヴラジーミル・スチェーエフ,関口英子
出版社/メーカー: 岩波書店
発売日: 2010/10/16
メディア: 単行本(ソフトカバー)

作者のジャンニ・ロダーリさんはなんと、大正~昭和初期のころの、作家さんです!!

 だからといって、古すぎるのではと心配する必要はありません。

訳したのはもっとあとなのでそれほど古くささは感じません。

 

イタリアの作家さんです。1970年(昭和45年)に

国際アンデルセン賞を受賞しました!

その時代の思想を色濃く受け継いでいて、この本の内容は

 たまねぎ一族のチポリーノが、すったもんだの大騒ぎ💥の末に、支配階級の貴族、レモン大公✨たちをぶったおし、民主主義に基づく市民革命を打ち立てる

という…

 

これだけ聞くと
え、ほんとに子供向けなの…?😥💦💦
と思うかもしれませんが
中身はまさに、ロールプレイングゲーム的な冒険です。


このころの児童文学は歌も一緒についていることがありました。
楽譜もついていて本に載っています。

おいらのうまれは たまねぎ畑
陽気で元気で 友達いっぱい
かぶこさん いちごさん さくらんぼうや
ぶどう親方 にらやまにらきちどん
たまねぎにおいの 嫌いなやつは
レモン大公 トマト騎士
ゆこうよゆこうよ くじけずゆこう
チポリーノ チポリーノ ぼくも仲間

みんなと一緒に あばれて育ち
たまねぎ学校 卒業生よ
かぶこさん いちごさん さくらんぼうや
ぶどう親方 にらやまにらきちどん
高い垣根は おいらにゃいらぬ
広い世界へ 旅にでよう
ゆこうよゆこうよ くじけずゆこう
チポリーノ チポリーノ ぼくも仲間

登場人物がだいたい、この歌の中で紹介されているので引用してみました。

さりげなく

あばれて育ち

とありますね。

ぜひ、そのあばれ気味を、読んでお確かめ下さい。


表向きのラスボスはレモン大公なのですが
裏ボスというか、影で操る立役者というか
物語の上でも超重要・超危険人物

何と言ってもトマト騎士!!

これを超える悪役を見たことがないと言ってもいいぐらいひどい奴です。
でもヴォルデモート卿とは違う…。
生きて動いて泣いて笑う悪役です。

 ちょっと、ほろりと来る所や、お前にはお前の立場もあるんだねと思わせる所が…

あまりにもリアルで、本当に憎たらしいです!!💢

 

大きくなった時に子供たちは
こういう人、本当にいるんだ!あっこれはトマト騎士だ!
と思うときが来ることでしょう

(ちなみに私はきました)

 

いい本はとにかく、

悪役がイキイキしています!

 本当にそこにいるように感じます。
血が通って動いています。

 

ちなみに私のお気に入りは
貴族出身だけどチポリーノの親友
さくらん坊や💖です
このネーミングで訳した関口さん超ナイス💖です。 

ちなみに、イチ子(いちご)という子も出てきて、私の超お気に入りです!

カブ子もいます。クリ博士とか、エンドウ豆弁護士とか、ナシノ木ナシ男先生とか。

食べ物と小動物が入り混じっての大乱闘です。


この悪人づらをご覧ください。

私のお気に入りのイチ子です。

悪役というのは主人公と同じぐらい大事で、

強烈であればあるほど、物語はいきいきとしてきます。

この最高最悪のトマト騎士くんは、あほなトップの下にいて、すべてをあやつっています。このポジションも絶妙。

特に何も考えていない、家柄と金だけでえらそうなサクランボ夫人たちもムカつきます

大奥さまはサクラン坊やをどなりつけました。「さっさと行って、勉強しなさい」

「ぼく、もう、やってしまったんです」

「ほかの勉強しなさい!」と、きびしく、若奥さまが命令しました。

(中略)

「読み方のおさらいは、もうすみました」

「ほかのところを習いなさい」

 まるで誰かの姿を見ているようで心が痛いです。

 

イタリアのお話ですが、フランスの共和政治的な革命の影響を色濃く受けています。

主義思想はどうでもよくて、革命というものは物語として読むにはとても爽快なものです。要は勧善懲悪なわけですから。

 

チポリーノの波乱万丈な冒険と、ついにやりとげられた革命をこの身に感じた時の爽快さによって、

言論を封じられることへのおそれ

自由に生きられる選択肢があることの大切さ

今、当たり前のようにあることが、当たり前ではないこと

などを、チポリーノとともに冒険をした全ての子供たちが、体験をもって学ぶことでしょう。

 

こむずかしい言葉で語られてはいません。

泣いて、ひどいめにあって、つらいことがあって、勇気と知恵と友情で、切り開く。

 

よく漠然と語られる「想像力をゆたかにする」とありますが

この本を読むと、大人が賢明に考えながら、平易な言葉で、子供たちにこの世界について伝えようとする心が、大人の私たちにも伝わってきます。

Amazon>>チポリーノの冒険 (岩波少年文庫) 

絵本ナビ>>チポリーノの冒険 

ちなみに、チポリーノ本人ですが、とっても可愛い顔してるので、(やることはアレですが)、ぜひ本を手に取って見てみて下さい。  

 

 

 

  

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