今日の一冊「ウエズレーの国」
今日、ご紹介するのは絵本です。
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今日の一冊
ウエズレーは夏休みの自由研究で一念発起。新種の作物を育て、新しい文字や数の数え方を考案、自分だけの特別な文明を創り出す。
今日ご紹介するのは絵本です。
もう、読み聞かせの定番といっていいと思っているのですが…。
頻繁に選ばれ、読まれています。
わたしの周囲では割と賛否両論です。
そして、すっごくハマるお子さんと、そうでないお子さんとに別れます。
ピザもコーラも嫌い!なウエズレーは、一人でいることを一切、気にしません。
(拒否するものがピザやコーラ、これはいかにもアメリカ的です)
ウエズレーの発想力はとどまるところを知りません。
不思議な種から不思議な植物が育つ所から始まって、次々に個性的な道具を開発し、周囲を巻き込んで、ついには一つの国を打ち立ててしまうほど広がり、膨張していく…。
絵がダリやマグリットを連想させる、どちらかというとシュールレアリスム系に近いです。
絵本は絵画の入り口にもなりますし、幅広く、いろんな本を選んであげたいなと思います。
「あおい目のこねこ」でやさしくふんわりと示されたような、個の力とでもいうべきもの、子供のもつ可能性、発想力が、この絵本では遺憾なく発揮されます。
作者のポール・フライシュマンさんの本では、「おとうさんの庭」もまた素敵な絵本です。
動物好きの農夫と3人のむすこは、いつも歌をうたいながら仕事に精を出していました。ところが、何週間も日照りがつづき、たいせつな家畜も畑も失ってしまいます。歌を忘れた父子の心にふたたび希望をもたらしたのは、庭の生け垣。のびてくる枝を見えたとおりの形に刈り込むことでした。深い緑色とさりげない装飾が美しい大型絵本。
どちらかというと、こちらの方が万人受けです。
優しくあたたかい(けれどそれだけではない)物語です。
しかし、やはり「ウエズレーの国」は、パンチがきいている、といいますか...。多々ある絵本の中でも、とびぬけて独創的です。
こどもの秘めている想像力の広がりの可能性、パワーを感じさせます。
とにかく引き込まれる、とても不思議な物語です。
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ポール・フライシュマンの本から見えてくるのは
創造、つくる
ということに対する強い思いです。
どちらかというと荒野を切り開いて自分たちの手で耕し家を建て開拓してきた、いかにもアメリカ的な物語でありますが...。
これから新しい未来を創造していく子供たちにとってはとてもよい内容だなと思います。
はじまりは小さな種だった。貧民街のゴミ溜めが生まれ変わる……人種、年齢の異なる13人のモノローグで綴る「天の楽園」創造の記。
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ベストセラー『種をまく人』に続くフライシュマンの新作。アメリカの四隅に〈風の人形〉をたてるために、ブレントは旅に出る。
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