今日の一冊「エーミールと探偵たち」
今日、ご紹介するのは児童書です。
手強いお子さんがいます。
「読みにくい。文体が古い」
ぐっ…!負けぬ…!
このようなこと日常茶飯事。想定の範囲内です。
子供たちは容赦ないので、この程度のことでひるんでいられないです!
ましてこっちは、何か地味な古い字の小さい、読むのにひと苦労いる本を読ませようとしている立場なので、そのことは自覚してます。
あとになって、その子のお母さんに言われました。
「前にあなたがすすめてくれた本、すごくいいって何度も読んでるわよ」
文体が古くて読みにくいんじゃなかったんかーい!
でも…
勝った。
と思いました。
それが、この本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
おばあちゃんをたずねる途中の列車で,大切なお金を盗られてしまったエーミール.ベルリンの街を舞台に,少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます.
正直な話、わたしもケストナーの中では、「エーミールと探偵たち」 は最後まで読破できなかった本なのです。
わりと導入が長くて読みにくかったかもしれないです。
どちらかというと、「点子ちゃんとアントン」の方が読みやすかったかもしれません。
「五月三十五日」「飛ぶ教室」「ふたりのロッテ」「動物会議」
すべてすらすらと読めてとても面白かったのに。
他を全部読んで面白かったので、作者に信頼があります。
しかも、一番の代表作と言われているものです。
しぶしぶ、ゆっくりゆっくり読み進めて、あ、来たな…、と思ったのは、エーミールがおばあさんのうちに行くため、一人で電車に乗っていて、ウトウトしたすきにふところからお金を盗まれた所からです。
エーミールはお父さんがおらず、お母さんがシングルマザーで美容師をして働いています。なので、この持たされたお金の大切さはよく知っています。
しかもエーミール、盗まれないようにピンで上着の裏にお札ごととめていたのです!
はあ?
子供からおカネを盗む。
最低です。
しかも、これを盗むには、
①眠っているエーミールを調べて
②上着をめくって
③ピンを外して茶封筒を取る
という3つの動作をこなさないといけないのです。
そこまでするか!?
この悪党許せん。
盗んだ相手はだいたいわかっています。
同じ車両に乗っていたのは一人しかいませんでした。
しかもこの相手、いかにもスリを働きそうなイメージので薄汚い小男とかではありません。
別にお金に困ってもいなさそうな、「山高帽をかぶった紳士」なのです。
エーミールには生活からして悲壮感が漂っていますので、何としても取り戻さないと、という切迫した空気がすごいです。
そして、ここまででまあ本の3分の1はあります。
おすすめした後も、まあ、無理かもしれないな。
なんて思っていました。
ケストナーの作品はなんとなく、「点子ちゃんとアントン」「ふたりのロッテ」は女の子向け、「エーミール」「飛ぶ教室」は男の子向けといったふわっとした区分けはある感じしますが、はっきりいってケストナーはどちらも男子女子関係なく、どれもとても面白いです。
中学生、高校生でもOK!
大人が改めて読んでも新たな発見があり、面白いです。
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