今日の一冊「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」
今日、ご紹介するのは絵本です。
昨日ご紹介した「ヒナギク野のマーティン・ピピン」の中で、マーティン・ピピンが子供たちに語り聞かせる一話です。
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今日の一冊
少女エルシー・ピドックは,妖精になわとびの秘術を習い,誰にも負けない名手になった.長い時が経ったある日,この村をおそった危機に,おばあさんのエルシーが立ち向かう.有名なお話が美しい絵本に.
マーティン・ピピンが語り聞かせる中でも、わたしも特に好きな一話です!
昨日書かなかった背景をさらっとお話すると、「リンゴ畑」ではマーティン・ピピンは七人の乳しぼり娘たちにある目的をもって、一話ずつお話をしていきます。
(すべて恋のお話です!ロマンティックなのでぜひ一読してみていただきたいです)
「ヒナギク野」では、その七人の乳しぼり娘たちの子供たちに一話ずつお話をしていくわけです。
どちらの話でも、語り始める前にマーティンは歌(詩)を一つずつつけています。
このエルシー・ピドックのお話での歌はこうです。
「アンディ・スパンディ。
さとうの、キャンディ、
アマンド入り
あめんぼう!
おまえのおっかさんのつくってる晩ごはんはパンとバターのそれっきり!」
エルシー・ピドックはなわとびのお話ですが、これは縄跳び歌ということになっています。
「アンディ・スパンディ~あめんぼう」、までは普通にとび、その後に「おまえのおっかさんの~」の所では二倍の速さでとぶというわけです。
原文ではこうなっています。
'Andy
Spandy
Sugardy
Candy,
French
Almond
Rock!
Breadandbutterforyoursupper'sallyyourmother'sGOT!'
この訳はほんとうにすばらしいと思います。
そして、このお話の中では、エルシー・ピドックが持っているなわとびの持ち手の部分が、妖精(フェアリー)によって、いくらなめてもなくならない、砂糖のキャンディとアマンドいりあめんぼうになっています。
大人になってみると、べとべとしているような気がしますが(笑)子供はそうは思いません。
おいしそうだなあ…。
はっ!内容についての紹介をするのを忘れていました。
エルシー・ピドックはなわとびの名手です。
三歳ですでになわとびが出来ます。なわとびのつなが欲しいとねだって、まだ早すぎるよとたしなめられると、何とおとうさんのサスペンダーを使ってとびはじめました。
そのなわとびの名声はフェアリーたちにもきこえ、眠りながらフェアリーたちに呼ばれてなわとびの秘術を授けられます。
そのうち、皆が楽しみにしていたなわとびが出来なくなるかもしれない時がやってきました。
新しい領主がやってきて、権利を振りかざし、山を柵で囲って工場を建てようとしはじめたのです…。
マーティンの物語が七つ入った「ヒナギク野」は確かに分厚くて重くて、なかなか子供がよいしょと開くには抵抗も大きいです。
この一つが絵本となって出版されているのはとても嬉しいです。
ここから、エリナー・ファージョンと訳者石桃子さんのすばらしい児童書の世界に入ってくれたらいいな、と願います。
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