今日の一冊「いちごばたけのちいさなおばあさん」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
いちご畑の土の中に住んでいる小さなおばあさんの仕事は、いちごに赤い色をつけることでした。ある年、春はまだなのに暖かくなって花が咲きはじめたので、おばあさんは大忙し。地中の奥深くから水を汲みあげてお日さまの光を混ぜ、石の粉を入れて赤い水を作ると、せっせといちごの実を染めていきましたが、雪が降ってきて……。身近な自然の不思議を感じさせるファンタジーです。
いま春の本を並べている本屋さんに平積みで並んでいる本です。
「いちごばたけのちいさなおばあさん」
よくぞ、ここまでずっと残っていてくれて…!(感涙)
子供のころに大・大・大好きだった記憶がはっきりと残っています。
こうして紹介しようとして、文字にしてみよう、説明するとなると…読んだ感じとはちょっと違うなあ~と考えてしまいます。
いちごを赤く染めるお仕事のおばあさん…。
おばあさんは地下に住む小人?
妖精なのかな?
何の説明も書かれていませんし、こうして改めてよくよく考えてみると不思議です。
でも読んでいる時は何の違和感もなくすうっと入ってきました。
地下にあるおばあさんの居住区より、もっと地下にある、いちごを染める染料の壺のような大きな壺…。
水をくみ上げる工場のようなシステム…。
お日様の光を混ぜ合わせていちごの色になる…。
信じることと、そうであってほしいと願うことが、子供時代は曖昧です。
その線引きがないまま、空想の世界と自然と現実とが一体化していき、ただ現実のいちごを見ていても、その色の向こうにあの地下の工場システムと大きな壺と、おばあさんの努力を思います。
目に見えるだけでない世界を教え与えてくれるよろこびです。
お話の中でおばあさん、うっかりいちごに色をつける時期を間違えていて、外に出て見たら一面の雪でした。
大ショック!
ここの所のがっかり感、いまだに覚えています。
おばあさんの仕事の面白さだけでなく、お話もとても楽しい一冊です。
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