今日の一冊「ふらいぱんじいさん」
今日、ご紹介するのは、かなりしっかりしたページ数の多い、「本型の絵本」です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
たまごを焼くのが大好きなふらいぱんじいさん。新しい目玉焼きなべがきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。
たくさんのかたが、「それ、覚えている!!」と言われます。
おさない頃に読んだお話は、9割かた忘れてしまうものだそうですけども、この本はとてもはっきりした絵と楽しい(破天荒な)ストーリーで、記憶にしっかり刻み付けられます。
ここでの主人公はまさかのふらいぱんです。
児童書ではさまざまなどうぶつが主人公になっています。
無機物が主人公になることもありました。
パンケーキが逃げ出したりなどです。
しかし、ふらいぱんです。
目がぎょろっとしてすごく心に残ります。
たまごを焼くのが大好きだったふらいぱんじいさん。
おくさんが新しいふらいぱんを買ってきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいました。
これは、日常、料理をされる人なら、だれもが覚えがあるはずです!
テフロン加工のはげてきた…。
買った当時はスルスルした底面だったフライパン…。
××××回使用可能!テスト済み!と記述のあった、数年前に購入したフライパン…。
こびりつきが激しくなって、ちょっとイラッとすることが多くなったあのフライパン…。
今まで愛用してきたことを思うと捨てづらくて、壁にかけておきっぱなしにしているアレ…。
用済みになったけど、捨てられるのを待っているあの切ないフライパンを、神沢利子さんは「ふらいぱんじいさん」というすばらしい名前を与えて、しかも(おそらく捨てられる前に)家から飛び出し、だいぼうけんに旅立たせてくれました。
幼年期のおこさんが「本を読んだぞ!!」という心になるとてもよい本です。
そして、ふらいぱんじいさんと一緒になってぼうけんすることで、ジャングルや、砂漠や…、まだ見ぬ未知の世界を知ったような気持ちになれると思います。
個人的には、だちょうがおとこでもかまうもんか、たまごをうめ、と言われて怒ってふらいぱんじいさんをけっとばす所が大好きです。
ほんとうにあざやかではっきりして、愛のあるやさしいお話です。
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