大人が読む児童書「カチーナの石」1 小学生は別にバグダッド・カフェなんて行きたくない
コロナで外に出ることが出来ず、図書館・書店も閉まっている状態の中で、考えたのですが…わたしも、積ん読の解消をすることにしました!
こちらは「積ん読・解消計画★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
大人が読む児童書
夏休み。アメリカ・ロスアンゼルスへやってきたサトルは、初対面のおじいちゃんとふたりきりでのこされてしまう。おじいちゃんがおんぼろ車でつれていってくれたのは、千八百キロも離れた、インディアンの村だった。小学上級から。(「BOOK」データベースより)
小学生の娘に「『カチーナの石』って知っている?」と聞かれました。
ちょっと名の知れた児童書なら、チェックしているつもりだったのに…。
その名前は知りません。
聞いてみると、どうやらうちの子供たちがコロナの中でお世話になっている、スタディサプリの講座に使われていたようなのです。
見てみると…。
これは、いい本である感じがする!
とても描写が綺麗です。
まずはネットで探してみると、何と絶版になっていました。
(Amazonのリンクを貼っていますが、古書店のものです。)
購入したので、まずはこれから読み始めることにしました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こちらから、ネタバレ感想になります!
小学生の男の子がアメリカに住んでいるおじいさんの所にフライトをする所から話は始まりました。
飛行機が飛び立っていく様子、男の子の不安な心情がきれいな文章と一緒に、とてもよく伝わります。
宇宙へとつながる夜空の下に、光のじゅうたんをひろげたような街の明かりが見えてきた。
小学校4年生のサトルくん。
さまざまな事情もありますが、あまり喜んで行くわけではありません。
ゲームとサッカーの方がずっと大事なのです。
若干ふてくされています。
そして、このふてくされた感じが解消されるわけではありません。
まるでわが子を見ているようです。
せっかく連れ出しても、乗らない気持ち…。
しらけ世代と言われますけど、斜に構えてちょっと離れた所から冷めた感じで見ています。
すぐに興味はゲームにうつってしまいますし、そこからなかなか出てきません。
なかなか、かたくなです。
ここはわたしにはとてもリアルだと思いました。
アメリカに着き、おじいさんのゼンジローが優しく出迎えてくれます。
サトルくん、おかあさんは看病・妹・2ひきのねこの世話で忙しく、お父さんはもともと忙しく、要は精神的にも肉体的にも、ひとりぼっちの状態のようです。
子供が「この本知ってる?」と持ってきたのもよくわかります。
描写がじつに美しいです。
なので、サトルくんがふてくされてはいますが、ぜんぜん、いやな感じがありません。
何か起きるような、開けていく朝のような予感のする描写です。
風にゆれる緑の先に、銀色に光る海がひろがっていた。地響きのような音は、白い砂浜によせては返す波の音だったのだ。
鹿島アントラーズのファンということは、サトルくんの家は茨城なのかな?
おじいちゃんは優しいですが、行く場所はおじいちゃんのお友達のところ。
サトルくんが自分で行きたい場所を決められるわけでもありません。
インディアンのお友達とのことです!
が、サトルくんはわけがわかりません。
・別に行きたいわけでもない場所
・おじいちゃんのお友達ならきっとおじいちゃんだろう
・つまらなさそう
という感想のようです。
長い道のりを、おじいちゃんが色々と話しかけてくれるのも聞かずにゲームをはじめちゃいました。
しかしわたしたちは大人なので、そこは興味をもって観察すると…。
まずロサンゼルスに到着、そこからモハベ砂漠(モハーヴェ砂漠)を通ってデス・バレーを抜ける道のりを車で行くようです。
グーグルマップやグーグルアースで景色が見られるのは現代の本当に良いところですね!
たくさんのアメリカ人とすれちがいます。
人種もさまざま、恰好もざ・あめりか。
デス・バレーのど真ん中のネバダ州ビーティという所に泊まりました。
私はグーグルマップよりも、グーグルアースの方が説明もこなれていて写真も綺麗で好きなのですが、見る限りいかにもアメリカの砂漠!!という感じです。
なんとなくデジャヴがあるのは…。
映画「バグダッド・カフェ」を思い出しました。
古い、映画です。
ちょっと開いてみると、まさにまさに!
「この道はベガスからどこへ?」と歌っているので、このあたりなんじゃないかと推測します。
(予告編だけでも、十分に雰囲気がうかがえます)
ラスヴェガス近郊の砂漠にたたずむ、さびれたモーテル「バグダッド・カフェ」。そこに現れたのは旅行中に夫と別れたばかりのドイツ人女性ジャスミンだった。いつしかジャスミンの存在は、この店をオアシスのようにうるおし始めるのだった……。初公開の1987年以来、世界中のアーティストがカヴァーした名曲「コーリング・ユー」と共に、多くの熱狂的な支持者を生み出した伝説のミニ・シアタームーヴィー。[シネフィル](C)2008 KINOWELT INTERNATIONAL GmbH
おじいちゃんのゼンジローとサトルの旅は続きます。
ついに、ゲームの電池が切れてしまいました!
「液晶画面が薄くなっていき、すうっと消える」と同時に、サトルくん、ついに現実に向き合わなければならなくなりました。
つまらない、さびしい、不安な異国の旅に。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ここまでで、5分の2ぐらいでしょうか?
3分の1よりは進みましたが、半分には届かない、といったあたりです。
こどもが読むとすれば、この「いつまでも気分が乗らないサトルくん」をどう思うかがポイントかなとちょっと思います。
テストでチョイスされた物語文、よいお話を知るきっかけになります。
一部だけ切り取っているのに、これは面白そうだな、全部読みたいな、と思った本は、作者と本の名前をメモることにしています。
とりあえず物語文は文章を読む最初の足掛かりですので、積極的にいいなと思ったら借りたり、買ったりすることにしています。
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まだ学校のオンライン授業が整っていない環境下では、YouTubeもはじめとしたこのような配信は心強い味方です。
不満な点もいくつかあります。
・どうしても絶対に、講義を見ているかどうかを見張っている必要があります。
・講義がものによっては退屈…下をむいて、指をいじってしまいます。(理科の先生はすばらしいです!)
・pdfのテキストを印刷するか購入するか悩むところです。印刷するとかなりの量になり、紙・インク代がばかになりません。しかし、購入してもそれほど使わない可能性もあります…。
・講義はたくさんあるのですが、テスト問題が充実していません。講義の最後に○×式の問題はありますが、ドリルとの組み合わせで、わからない所を見るなどの工夫が必要ではないかと思います。
・向き不向きがあり、塾に行かなくていいわけではぜんぜんない感じです。
しかし、うちはもう5~6年お世話になっているので、大変心強いです🎀。
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