「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

ファンタジーの名作「プリデイン物語」

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

タランと角の王 (プリデイン物語 1)

ロイド・アリグザンダー (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

 

 


たくさんのファンタジー作品の名作がある中で、子どもに読ませたい、読んで欲しい作品として、私はこのロイド・アレグザンダーの「プリデイン物語」シリーズをあげます。

 

自分が楽しい!と思って読むファンタジーの作品はたくさんあるのですが、「子どもたちにも伝えていきたい」と思うファンタジーであるかどうかの条件のようなものが(勝手に)あります。


それは

・設定に凝りすぎていないこと
・名称が凝りすぎていないこと
・神話などにもともとあるモチーフが色濃く残っていること
・終わり方が後を引かずきっぱりと終わっていること
・人の生き方としての哲学がこめられているかどうか
・ファンタジーのようでありながら、現実を如実にうつす鏡であること

などなどです。

 

ファンタジー「終わり方」「読んだ人がすっと現実世界に戻って来れるようなラストであること」が大切だと思っています。

 

エンデが「果てしない物語」でファンタージエンを通して、繰り返し警告していたことです。
ファンタジーは、現実世界を豊かにするための心の旅であってほしい。
一つの成長過程であり、その中にずっと閉じ込められてはならないのだという警告です。

 

 

この「プリデイン物語」はこれらの条件に完璧に合致していました。

 

そして、登場人物のテンションが割と軽いです。
ラノベテイストで読みやすいです。かなり安心感があります。
そうでありながら、敵が恐ろしいので、重たい展開にさっと走るときの緩急がものすごく…。

 

 

主人公タランは、老魔法使いのダルベンの農場で働く豚飼いの少年でみなしごです。
英雄ギディオンに憧れ、いつか英雄になりたいと願っています。
この世界は、魔王アローンの影響が濃くなっており、戦争の足音が近づいています。

そんな時、タランは厳しい目をしたもしゃもしゃ頭の旅人と出会うのですが…。
ギディオン王子はタランが想像していたような、いかにも「英雄!」というタイプではありませんでした。
指輪物語アラゴルンみたいですが、もっと親しみやすいです。)

 

ヒロインのエイロヌイ王女(プリデイン物語3で登場)が、不思議ちゃんであり、ツンデレであり、お姫様であり、やんちゃ娘であり、妖精の血を引いているという、すべてのライトノベル作品が求める要素を全部つめこんだようなキャラクターです。

 

主人公の性格が明るく元気で(本人はいたって真面目なのですが…)、軽い掛け合いが多く、指輪物語ほど重たくないしさらっと読めます。

 

周囲をかためる者たちもコミカルです。
主人公に忠誠を誓う毛むくじゃらのガーギ
吟遊詩人のフルダー・フラム
気難し屋の小人のドーリ

などなど、個性豊かで愉快な登場人物がそろっています。

 

プリデイン物語 - Wikipedia

 

1.タランと角の王

魔王アローンの手下、角の王との闘いです。タランの最初の冒険となります。
魔女のアクレンのもとで、タランはエイロヌイという少女と出会います。

 

2.タランと黒い魔法の釜

アローンの最大の力であるのは、「不死身」と呼ばれる死者の軍隊です。
これを作る黒い釜を奪回しようとしたところ、釜は既にアローンの居城アヌーブンから失われていました。

3.タランとリールの城

このあたりから、タランはエイロヌイへの気持ちに気付き悩み始めます(ストーリー紹介はどうした!?)→タランたちは、アクレンとの対決に挑みます。

 

4.旅人タラン

タランはエイロヌイのことが頭から離れず、気持ちを打ち明けたいのですがエイロヌイは王女、自分の出自を確認する旅に出かけます。
ごらんのとおり、タランは割とずっとエイロヌイのことが気になってしかたなく、行動のになっているといってもいいぐらいです。

 

5.タラン・新しき王者

人間をまとめるドン家の居城が落ち、世界は絶体絶命に陥ります。タランたちは一か八かの勝負をかけて、アヌーブンへ向かい、魔王アローンと最期の決戦に挑みます。

 

 

この作品をやはり名作たらしめたのは、ラストの扱いでした。
指輪物語さながら、魔法の力はすべて去ることとなりますが、その時に訪れる、主人公タランの最後の選択──。

登場人物は皆どこかコミカルで、恋愛沙汰もあるというのに、そこかしこに作者が伝えたい、人生への哲学が込められた作品です。

 

 

先日、神宮輝夫さんの対談が載っていたので雑誌飛ぶ教室 第61号(2020年春)」 を購入したのですが、「今、新訳を出すとしたらロイド・アリグザンダーなら面白いだろう」と書かれていて、本当にそうだなと思いました。

 

ラノベ世代に十分に訴えかける力を持つ、たいへんよい作品だと思います。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

タランと黒い魔法の釜 (プリデイン物語 2)

ロイド・アリグザンダー (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

 

 

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タランとリールの城 (プリデイン物語 3)

ロイド・アリグザンダー (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

 

 

 

旅人タラン (プリデイン物語 4)

ロイド・アリグザンダー (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

 

 

5巻目はAmazonにはなく、e-honにはおいてあるようでしたので、注文は可能なようです。ニューベリー賞を受賞しています。

www.e-hon.ne.jp

 

 

見てはいないのですが、アニメ化された時には「やはり」と思うほど、展開や軽さがアニメ、漫画に近いです。
(しかし、奥行きは深い!です!)

 

 

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ウェールズ伝説を題材に、魔法と冒険が交錯するファンタジーアニメが低価格で登場。悪の帝王を封じ込めた壷を探し軍隊を作ろうとするホーンド・キングに、勇敢な戦士に憧れる少年・ターランが仲間たちと共に挑む。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

 

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人間になりたがった猫

ロイド・アリグザンダー (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

 

 

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