閑話 ネズビットさん「砂の妖精」を読む前に
イーディス・ネズビットさんの「砂の妖精」を読んで書こうとしていたところ、8月15日はネズビットさんの誕生日だったとのこと!!
#日本怪奇幻想読者クラブ
— 奇妙な世界 (@kimyonasekai) 2020年8月15日
8月15日は、ファンタジー中興の祖ともいうべきイギリスの作家、イーディス・ネズビット(1858-1924)の誕生日だそうです。そんなわけで、彼女の作品をいくつか紹介しておきたいと思います。
今までネズビットさんの本は2冊ほど、軽く絵本を紹介しましたが、やはりネズビットさんといえば「砂の妖精」です。
閑話として、少しわたしのネスビットさんの「砂の妖精」との格闘について書いてみることにしました。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ロンドンから田舎に移り住んだ子どもたち4人。彼らは砂の中に棲んでいるサミアドという不思議な妖精に出会います。その魔法の力で空を飛んだり、巨人になったり…愉快な冒険物語。
実はこの「砂の妖精」ここで紹介しようと思って読んだのがはじめてです。
「砂の妖精」を読んでいないなんて!!
そんなの、児童書好きと言えるだろうか!!と自分で思っていたのですが、
「砂の妖精」は1985年にNHKで「おねがい!サミアどん」という名前でアニメ化もされています。
私はこのアニメを見てはいないのですが名前はよく知っていて、「砂の妖精」=「サミアどん」であることを先に知りました。
なので、今でも砂の妖精サミアドのことを「サミアどん」と呼んでしまいます。
(どっちも見ていないのに…)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
イギリスの郊外に引っ越してきたターナー家の子供達は砂の採掘場で奇妙な妖精・サミアどん(サミアド)と出会った。1日に1回だけ魔法で願いを叶えてくれるというサミアどんに、子供達は毎日のように色々なお願いするが、何故か決まって大騒動となってしまう。イギリスの児童文学作家イーディス・ネズビット原作の「砂の妖精と5人の子どもたち」を、芝山 努・望月智充・片淵須直など実力派スタッフが、オリジナル要素を大幅に加え、子供達と妖精の交流をコミカルかつ情味溢れるファンタジーに仕上げている。(C)TMS
んっ…?スタッフに「片淵須直」さんの名前があります。
「この世界の片隅に」の片淵監督でしょうか?
Wikiのサミアどんのページでは片淵さんの名前は確認できませんでしたが、よいアニメであろうことは十分に予測がつきます。
というわけで、このお盆休みです。
いつも夏休みなどのまとまったお休みのときは読んでほしい(こんな機会がなければなかなか読まない)本を借りるのですが、今回は 少し思い立ったことがありました。
いつも図書館の児童室の中で、あまり人が寄り付かない一角があります。
すごく分厚い子供の本です!
辞典でもなく図鑑でもない、小説です。
いったい誰が読むんだろうと思われるような分厚さです。
でもずっとあります。
いつからあるのか分からないほど前から、私が子供の頃からありました。
アーサー・ランサムの灰色のシリーズもこれがある同じ棚の中にあります。
この福音館書店のシリーズで読んでいないものを、必ず読もう!!と決心していました。
私も子供のとき、この中で「三銃士」だけは借りて読みました。
(ダルタニャンが人妻のコンスタンスを口説くために、まずは女中さんをおひざに抱っこして口説くという衝撃のエッチさがあまりにもショックでよく覚えています…。でも子供の時の記憶なのでちょっと再確認してみたいと思います...大人になってからの記憶と混じっているのかも…???)
と、三銃士のエッチさは本当にどうでもいいのですが、今回は絶対に「砂の妖精」を借りよう!と考えていました。
◇
完全に読んだことがないのか?と言われると、実はあります。
読んだことがあるといったりないといったり、何なんだという感じですが、実はこれ(砂の妖精)、原書で読んだのです。
時々ご紹介している、海外サイトの「グーテンベルク」なのですが、ここには版権切れの名作がさまざま、無料公開されています。
(ちなみに、私が最後に確認したときの既読トップは不思議の国のアリスでした)
今でもそれほど英語をすらすら読めるわけではないですが、今よりさらに全然読めなかった頃に、一度「砂の妖精」に挑戦してみたことがありました。
Five Children and It by E. Nesbit - Free Ebook
結果は…。
ほぼ何がかいてあるかさっぱりわかりませんでした!!
「砂の妖精」はロンドンに住んでいる都会の子どもたちが、自然豊かな地方に行ってしばらく過ごすお話です。
日が暮れるまでの間という期限つきですが、なんでも願いを叶えてくれる妖精サミアドに色々とお願いをしに行きます。
ですが、とにかく本当に、ろくなことが起こりません!!
…という所までは、なんとなくわかりました。
でも、子ども向けの本というのは、まったく予想がつかないことが起きます。
ましてネスビットさんです。
予測も超え、時代も超えて、空想は縦横無尽に走り回ります。
こういうことを書いてるんだろうな?という常識的な判断ができません。
ものすごく苦労して、70%ぐらいわからないまま読み終えたのですが、読み終わったときは「おもしろかった」と思いました。(なぜ)
グーテンベルクでは、ネズビットさんの作品は大変充実していて、ほとんどといっていいほど読むことができます。
ネズビットさんの作品一覧
Books by Nesbit, E. (Edith) (sorted by popularity) - Project Gutenberg
「砂の妖精」は音声ファイルもあります。
Five Children and It by E. Nesbit - Free Ebook
◇
さてあの時読んで、「こうなのかなあ...?」と思った内容であっているのかどうかです。
妹子(娘)の方が先に読み終わりました。
「おもしろかったよ?」
なんてドヤ顔をして上から目線で言ってきます。
むかつきます。
なので、さっそく抱えて読み始めようとしましたが…。
うるさくてまったく進みません。
あらゆる人が話しかけてきます。
なので、だんなの釣りについていくことにしました。
釣りのあいだ、だんなは一切の連絡は受け付けないほど没頭するので、邪魔になりません。
車の中で読んでいました。
すごくおもしろいです。
もう、感想メモを書き留めるのも時間が惜しいぐらいです。
面白くて面白くて、ぜんぜんやめられません!!
パソコンやらメモ帳やら、色々持ってきていましたがまったく使いません。
時間を忘れて読みふけりました。
ちょうどあと少しで読み終わるというとき、だんなが戻ってきました。
予想より早いです。
「警察に注意された…」
「えっ!?警察!?」
「車のすぐそばでお説教されてたのに、気づかなかったの?」
「全然知らなかった」
「のぼっちゃいけない堤防だったらしくて。俺と子供づれの奥さんが一緒に怒られて、そのだんなさんは後ろで気付いて逃げて行ったから免れた」
本当に、ぜんぜん気付きませんでした。
ていうか、よそのお子さんと奧さんとうちのだんなが怒られてたのか…。
「そしてうちの車、窓があいてて…」
「えっうそ、窓あいてたの?」
「警察に怒られてる横で、その窓から、お前の大笑いしてる声がずっと鳴り響いてた」
嘘でしょ、窓開いてるとかー!!
言ってよー!!
(次は「砂の妖精」の感想に入りたいと思います)
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