今日の一冊「そんなとき どうする?」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
海賊と宝箱をほっているときにごはんの合図があったら? 読書中に牢屋につれていかれたら? 大雨の日、おひめさまが助けを求めてきたら? そんなとき、どうする? 『そんなとき なんていう?』の姉妹編。米国版オリジナルサイズで再刊します。
セシル・ジョスリンさんの文章に「かいじゅうたちのいるところ」センダックさんが絵をつけた、小さな絵本です。
読ませた子達も、ゲラゲラ笑っていたのでそうだ紹介しようと思いました。
Amazonを開いてみたら何と評価1。
やはり評価は気にします。
こちらのブログ読んでくださって、「へーそんな本があるのか」と思ってAmazonを開いてもらった時に、そこで評価が低かったらええ~とやっぱり思うでしょ。
これは悪戯心に溢れたマナー本なのですが、「説教くさいところ」と「マナーを守るべきところの例え」が全く噛み合わなくて、そのギャップを楽しむ絵本なのです。
例えば1ページ目からしてこうです
きみがとしょかんでほんをよんでいると、とつぜん、とんがりビルに
なげなわをかけられてしまった。
とんがりビルは、「つかまえたぞ。いますぐおれさまのかくれがへしょっぴいてやる。さあ、こい!」とすごむ。
そんなときどうする?
(とんがりビルとは西部劇の悪役か何かのようです)
投げ縄というのはカウボーイが馬を捕まえたりするアレです。
それが図書館で本を読んでいる子供の首に引っかかっています。
図書館と、西部劇の悪役と、投げ縄と、引っかけられた子供。
そしてその子供の何とも言えない微妙な顔。
こういうのが延々と続きます。
で、次のページではこうです。
としょかんでは、しずかに、あるきましょう。
しょっぴかれた子供どころか、とんがりビルまでが恐る恐る歩いています。
その周囲で、ものすごく怖い顔をしている、いかにも少しでも音を立てたら今すぐ叱ってやるぞと言いたげなおじさんとか、いかにもうるさそうなおばあさんが、じーっと見ています。
一事が万事、この調子です。
全くありえないようなシチュエーションの中で、しかもたいてい、物語や昔話に出てくるようなインディアンや悪役や騎士、サーカスなどが現れます。
(お話が図書館からはじまっているところにご注目です)
そのひとつひとつに、噛み合わない展開とマナーのお説教が付いてきます。
物語の最後にヴィクトリア、アレクサンドラ、などなど子供達(6名)の名前がついているところを見ると、この本は特定の子供たちのために書かれたもののようです。
その子たちを笑わせながらマナーを学んでもらうために。
そしてマナーを守らなければならない場面に出くわした時に、それを四角四面な規律と思うのではなく、クスッと笑える楽しい記憶にしてもらうために描かれた。
そんな本です。
かいじゅうの国をたずねよう。コルデコット賞を受賞し、世界中の子どもたちをひきつけてやまないセンダックの代表作。子どもの内面のドラマをみごとに描いて、今世紀最高の絵本といわれています。
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