今日の一冊「えんどうまめの上のおひめさま」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ほんとうのお姫様をさがす旅に出た王子様。世界中を回っても見つかりませんでした。ある嵐の夜、お城に現れたお姫様。「私こそ、ほんとうのお姫様です」と言うのですが…。さあ、どうやってみわけるのでしょうね?
絵本を開いていると、目敏く見つけた妹子(娘)が
「それ知ってる!もうはっきり覚えてるわ」
と言います。
「お姫様が寝ていて、クッションをすごくいっぱい積み重ねたベッドの下のえんどうまめに気付くんでしょ」
「そうそう」
「そんなわけないだろ!と思ったわ」
「そう思うよね。わたしもそう思ったわ」
このアンデルセンのお話、「ほんとうのおひめさまとは」という所が肝なのだと思います。
そもそもおひめさまとはとても見えないような、姿や服はぼろぼろの自称お姫様だったわけです。
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そこで重要視されるのは、家柄であるだとか、他人に分け隔てなく優しいだとかではなく、シーツやクッションを何重にも積み重ねた一番下にあるえんどうまめに気付く。
結局、「ほんとうのおひめさま」とは、要は貧乏であるかだとか、お金があって立派なお城に住んでいるだとか、そういう所ではないということ…。
えんどうまめは、何というか「このくらいでいいか」と思うだらしなさのようなもの。
それはどこかに潜む悪や不正に対してもそうかもしれませんが、そのようなことを言いたいのではないかなーと思っているのですが…。
何度読んでもすごく不思議で
「何十枚も重ねた布団の下に入っていたえんどうまめがかたくて眠れませんでした」
そんなわけあるか~~~!どんだけ~~!!
と思った記憶だけがずっと残って、このお話を思い出させるという不思議なお話です。
アンデルセンを紹介しようとしている絵本作家さんがたもそう思うのか、たびたび、単体でお話にされています。
これは、西巻 茅子さんが絵を、角野 栄子さんが文を描かれているという、絵本・児童書好きにはちょっと「おっ!」と思う一冊でもあります。
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