「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「ねこのごんごん」

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ねこのごんごん
大道 あや (著)

一匹のこねこがある家に迷い込みました。年老いたねこ“ちょん”は迷いねこを“ごんごん”と名付けました……。こねこと年老いたねことの交流をほのぼのと描きます。

 

 

子どものときから大人に今に到るまで、大好きすぎる絵本です。

 

たくさんの「子どものとも」の本が失われながら、捨てられそうになると慌てて泣いて取り返していました。
その最後の最後にまで残った本の中に、この「ねこのごんごん」は入っています。

 

おなかがすいた小さな子ねこが、流れつくようにふらふらと、ある家に迷いこみます。

 

そこには、大きな年とった白ねこがいて、名前をちょんといいます。
のんといういぬもいます。

 

おなかがすいていた子ねこは、どうやら白ねこのものだったごちそうを食べてしまうのですが、白ねこはじろっとにらんだだけで、何も言いません。
子ねこはおなかがいっぱいになって眠ってしまいます。

 

ちょんはすごく大きい白ねこです。人間で言えば九十八歳ぐらいのとしよりだ、とみずから紹介します。
(のんはマルチーズっぽいです)

 

ちいさなねこは、ちょんに名前を聞かれて答えます。

 

ちいさな ねこは ちいさな こえで いいました。
「わかりません。ぼくは なまえが あったか なかったか おぼえてません」

 

大きな白ねこは、子ねこにごんごんと名前をつけ(名無しの権兵衛からきています)、ここにいられるようにおばさんに話してやろうと言ってくれます。

 

子ねこはその家に住み着くことになるのですが…。

 

これは、
どうやっておばさんに話すんだろう
この世界観では、ねこと人は言葉が通じるのだろうか

とかは考えない方がいいのだろうな、と思います。

 

人間はおばさん以外出てきませんし、飼い主はあまり重要ではないみたいです。
あくまでねこ視点、どうぶつ視点で話は進みます。

 

◇ 

 

ねこのごんごんは、新しいうちでの生活になかなか慣れません。
色々と失敗をするのですが、そのたびにちょんが助けてくれ、さまざまなことを厳しく教えます。

 

木にのぼって降りられなくなれば、やってきておしりから降りるおり方を教えてくれます。
このとき、くわえて助けるのではなくて、「ちゃんと降り方を説明して、教えて、やってみせて」くれるところがちょんです。

 

ごんごんがおしっこをしてしまい、飼い主に怒られたときには黙って見ています。
それから、手と足を使って障子を開け、外に出て用を足すやりかたを教えてくれます。
絵がすんごく、すんごく、可愛いです…!!!
こうして手を出さずに見守り、何か教えてくれたとき、いつもちょんは

 

「なにごとも じぶんで おぼえるが かんじん。わかったか。」

 

と必ず付け加えるのですが、ちょんのことばも表情もとてもえらそうで厳しいです。
それが、何とも愛のあふれる厳しさです。

 

絵がすばらしいです。
自然がいっぱい、あちこちに、虫たちがちりばめられ、花や動物であふれています。
昭和よりもまだ少し古い、古い日本の原風景です。

 

ちょんは次第に年をとっていき、ある日、静かに動かなくなります。
おばさんがちょんを地面にうめ、ごんごんは、盛り土にねずみをそなえます。

 

大袈裟な悲しみや別れなどはなくて、すべてが静かに、自然のままにすすみます。

 

ちょんが亡くなってから、犬ののんが突然いばりだし、'「わかったか」と、ちょんの口まねをするのですが、
「いばるだけで何も教えてくれませんでした」
というところも、何となくちょんの偉大さ、喪失感を感じさせるのでした。

 

大きく立派になったごんごんにおばさんが
「いいねこだ ちょんのあとつぎだ」
というのですが、ごんごんにとっては何よりの賛辞であるだろうこと、ごんごんの中にちょんが生きているのだな、と感じることができます。

 

絵といい、話といい、とても味のある本です。
何十回、何百回読んだかわからない絵本の傑作です。

 

改めて表紙を見ると、ちょんが愛おしそうにごんごんを大事になめています。
ちょんには厳しいイメージがありましたから、そんなことも、子どもの時には気付きませんでした。
とても感慨深かったです。

 

蛇足ですが、この絵本には続き…とも言い難い、不思議な続編があって
題名を「こえどまつり」といいます。

 

また、ご紹介したいと思います。

 

 

 

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