「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「ニワトリ号一番のり」2 ~序盤を切り抜ける

大人が読む児童書。
積ん読・解消計画★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ニワトリ号一番のり
J・メイスフィールド (著), 寺島 龍一 (イラスト), 木島 平治郎 (翻訳)

19世紀後半、中国からロンドンまでの広大な大洋上を、先着をきそってシナ茶を運ぶ帆船の物語。潮のかおり、帆船の美しさ、海の男たちの魂を見事に描き切った作品です。

 

大人が読む児童書「ニワトリ号一番のり」1 ~読み始めるまでのハードル -

 

 一大決心をして、やっと読み始めました。
ここまでに、相当の人が脱落してるに違いありません。

それとも、最初からこれを手に取る人はこういうのを読める人なので問題ないのかも。

 

決心してからも、まだまだ高いハードルが待っていました。

 

序盤、めちゃくちゃ情報が入り組んでいます。
わかりやすく、すらすらいける感じでは全くないです。

 

そもそも、題名がニワトリ号なのに、主人公たちはニワトリ号に乗ってないです。
しかも、ニワトリ号もニワトリ号ではないです。
何を言ってるかわからねーと思うが…(略)

 

大前提として、これは
中国から最初の新茶をつみとってロンドンに運ぶ船の競争「チャイナ・クリッパー」
のお話です。

 

二等航海士のクルーザーさん、これが主人公なのかな?
これは大変、期待できそうないい感じの人っぽいです。
二十二歳の好青年です
イケメンの予感♡♡(気分を盛り上げるための脳内補正)

 

ニワトリ号は本当の名前を「バード・オブ・ドーニング号」というらしいです。
序盤では、「ニワトリ号=バード・オブ・ドーニング号」は、主人公たちの競争相手の船の中の一つにすぎません。

 

主人公クルーザーさんたちが乗っているのは、「ブラックゴーントレット号」です。
(これが難破したわけだな。ふむふむ…)

 

ブラックゴーントレットに乗ってる

難破する

ニワトリ号一番のり

 

というわけなんだと思います。
(禁じ手の「ラストをちらっと見る」をやったので間違いないです) 

 

 

チャイナクリッパーと言う競争ですが、中国からイギリスへ、これは大変な航海です。
地図がのってますが、まだスエズ運河ができない時代なので 中国からイギリスへ帰るには南アフリカ喜望峰を回っていかねばなりません。

 

この競争に、主人公たちが乗っている「ブラックゴーントレット号」のダンチスバーン船長はめちゃくちゃ勝ちたがっています。
27歳。若いです。しかも航海の知識や腕前には自信があるという…事故が起こりそうな気配満々です。

 

 

開始3ページめぐらいにして、海図があります。

 

この地図には、はっきりとバツ×)がしてあって、「ブラックゴーントレット号が沈んだところ」と書いてあります。
この記事がネタバレどころの騒ぎじゃありません。
肝心の本が開始3ページめでもう、すでにネタバレしてます。

 

そして、このバツの難破した位置なんですが、もうはっきり言ってゴールの目の前です。
中国からイギリスへの全行程を考えれば、めちゃめちゃイギリスに近いです。

 

船が沈んだのがアゾレス諸島というところなのですが、これはポルトガル領になってます。
中国や南アフリカを回ってきたことを考えれば、もうヨーロッパはすぐそこなのですから、残りラストスパートというところだと思います。

 

(なんだ、中国~イギリスの真ん中ぐらいで難破したのかと思ったら違うのか…)

 

中国の福州という港で茶を積みとり、シナ海から、インド洋を横切って、アフリカの南を回り、大西洋を北に上って、すでに赤道をすぎ、あの辺に吹く北東貿易風帯の北のはずれを航海していた九月のある夜のことだった。

 

だそうです。

 

 

行ったり戻ったりしながら、なんとか情報をまとめました。
思ったより読みにくくないですが、(海洋小説を読んできたカンみたいなものがちょっと戻り始めました)
こういうのは、序盤に自分で整理しておくのが一番です。

 

競争している船は5そう。現在の段階で


1位:カー・オクブラン号
2位:ブラックゴーントレット号(主人公たちの船。遭難する)
3位:ミン・アンド・ウィン号
4位:ニワトリ号(=バード・オブ・ドーニング号)
5位:ナツナ号

 

(これは、あとで書き留めておいて良かったと思いました!)

 

このあたりから思ったのは、人間描写がとてもたくみで読ませるし、面白い!ということでした。
この27歳の競争に勝ちたがっている船長は、できる人っぽい感じですけど、こんな感じです

 

この人は、いつ、どこででも、自分が主人となり、支配者となり、権力者になろうとする、落ち着かない、あくことを知らぬ野心家だという印象を多くの者に与えた。
そして何ごとでも、何人でも自分の出世の手段とならなければ、じゃまになるのだといわんばかりのようすだった。
(略)
この船長には、多くの者に、がまんのできない腹立たしさを感じさせるところがあった。

 

いるいる!いるわ~こういう奴。
自分のこと出来るエリート社員と思っててすごい感じ悪くて上から目線で退職間近の社員さんをいじめてる奴。

 

このイヤな船長とクルーザー君の緩衝材になってくれたかもしれない一等航海士だった人は 「 メン・トップ・マストのスタンスルを下へ張り下げる綱の滑車が飛んできて頭を打って、死んでしまった」

く…詳しすぎる…。
死因まで帆船用語です。

 

全部こんな感じの専門用語で話が進むので、最初に腰が引けてしまったわけです。
この一等航海士さんが死んでしまったエピソードからして、この船長のキャラというのは、なんとなく不安がよぎります。
海の上にユラユラ浮かんでいる船のような危険な場所で、慢心が一番いけないというのは私でも分かります。
(船といえばフェリーにしか乗ったことないですけれども)

 

クルーザーは、あとひと月のことだし船長試験にパスしたら船員として最後の航海になる、という風に言ってます。
船長になるのって船長試験ってのがあるんだ~!

 

なんだか遠くから嵐がやってくるような気配がして、クルーザーは目ざとく気付きます。
こっちは難破したの知ってますからハラハラしてますが、船長とクルーザーくんはお話し合いに入りました。

 

(続きます) 

 

whichbook.hatenablog.com

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

The Bird of Dawning or The Fortune of the Sea
John Masefield (著), Philip W. Errington (序論)

 

 

 

 

 

 

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