~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「名探偵カッレくん」3

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

名探偵カッレくん

アストリッド・リンドグレーン (著), 尾崎 義 (翻訳)

名探偵を夢見るカッレくんは、ある日エイナルおじさんの怪しい行動に第六巻を働かせ、捜査を始めます。宝石窃盗団に迫ったカッレくんは、仲良しのアンデス、エーヴァ・ロッタとともにお城の地下室に閉じこめられてしまいますが…。

 

 

大人が読む児童書「名探偵カッレくん」1 -

大人が読む児童書「名探偵カッレくん」2 -

 

 

カッレもアンデスも、 年頃の子供にありがちで、女子に遊ぼうと家に直接言いに行ったり、そもそも女子と遊ぶこと自体「 どうにもかんばしくない」とは 思っているようです。

 

でも、エーヴァ・ロッタと遊ぶのがあまりにも面白いので、やめられないのです。
ここは、下心だけじゃないのです!(強調)
いなければお話にならない、なくてはならない人物です。

 

最初にご披露されるのは、水道調節塔の改築のとき木の足場をよじ登った過去のエピソードです。

 

おとななら、壁に字をかいたり、工事現場の足場をよじ登ったりと、眉をひそめるような行動ばかりですが、これは子どもにはたまりません!

 

いけないことをやれちゃうのが読書の楽しさです。

 

エーヴァ・ロッタは男まさりというかやんちゃというか、トンデモクソガキ少女のロッタちゃんが大きくなったらこんな感じなのかなあ、と思うぐらい行動的で、また発想が実に多彩です。

 

あの暗い秋の城、いつもじぶんの飼い犬をいじめる気姫かの銀行員の家の窓に、糸を縛びっけ、マツやにでヴァイオリンのようにキーキーこすってやかましい音をたてたことがある。そのとき、ェーヴァ・ロッタは、銀行員がとびだしてきて、もうすんでのことで現行犯でっかまるところだったが、そのまぎわまで、窓の下にたちどまったまま、マツやにで糸をこすりつづけていたのだ。それから、すばやく棚をとびこえて、アンデスとカッレがまっているボートマン横丁へ逃げてきたのだ。
まったくェーヴァ・ロッダは申し分のない子だ、ということでは、アンデスもカッレも同じ意見だった。

 

私でもエーヴァ・ロッタと遊びたいです。

 

 

ここからは、カッレはエイナルおじさんをそれとなく見張りながら日常生活を送るわけですけれども、序盤の展開はこんな感じです。

 

・城跡に行こうと提案される。
・地下室には鍵がかかっているのにエイナルおじさんは合鍵(万能鍵のようなものかと思います)を持っている。
・壁に名前を書くのを止められる。(子どもがよくやりがちないたずらです)
・新聞に異常に注目している。(どの記事かはわからず)
金物屋で懐中電灯を購入しているのを目撃

 

懐中電灯??

 

カッレは、頭が破れんばかりに考えこんだ。

 

忘れずにイチゴにはちゃんと水をまきます。
えらいです。

 

ここから、カッレたち仲良し三人組は、サーカスをする計画を立てるのですがこのサーカスがかなり本格的で、ちゃんとポスターも作ります。
(エーヴァ・ロッタが投げキッスをすると二人とも釘付けです。面白いです)

 

実際のサーカスでは、これがまた抱腹絶倒のめちゃくちゃになるのですがこのサーカスの準備やら練習やらはかなり長く続きます。

 

この間、カッレが自分から行くまでもなく、三人組に自分の方から何のかんのとかまってくるエイナルおじさんは、ヒマをもてあますだけの理由があるのですが...。

 

それにしても、ろくなことをせず、あまりよい性質でなさそうなこと、合鍵や懐中電灯のような不審な行動が一つ一つ、サーカスの準備の合間に知れてきます。

 

 

一般的に探偵小説、それも子どもが活躍する探偵小説ですと、まず事件が起こって、それに対処するために探偵団を結成…という流れだと思います。

 

このお話は事件があってそれを解決するのではなく 日常生活の中に不審な出来事があってそれを買ってが日常の生活の中で丹念にひとつひとつ集めていった結果、
………!!!!
というお話なのです。

 

なので、 うわぁ、さつじんだ!
うわぁ、泥棒だ!

さて、関係者の相関図は?

 

ということでもなく、探偵ごっこをやっているのはカッレたった一人なので、いかにも事件は日常の中にこそ潜んでいる…!という感じがします。

 

子どもたちが夢中になってしまうのも、そのあたりの運びのたくみさにあるのではないでしょうか。
(たまには紹介ぽいことを言ってみる)

 

普通に面白く遊びながらもエイナルおじさんをじーっと見守るカッレの秘密を見守るドキドキがスリル満点です。

 

さらに私立探偵ごっこと同じくらい、この日常の大騒ぎ、サーカスやまた、 後半で現れるバラ戦争などの子供の遊びがめちゃんこ面白いので、もう夢中になれること請け合いです。

 

特にこのバラ戦争!
これが本当に面白くて...。

 

事件の内容は忘れちゃいましたが(探偵小説にありがちです)、このバラ戦争は、エーヴァ・ロッタのお父さん(パンやさん)がくれる甘パンと一緒に、ものすごく強烈に記憶に焼き付いて残っています。

 

(次で終わりです)

 

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