今日の一冊「ニャーンといったのはだーれ」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
「ニャーンといったのはだれ?」と子犬はネズミや猛犬にきいてまわり、いろんな失敗をします。幼児が周囲への認識を深めていく過程を描く。
この本が再販されているのはとても嬉しいことで、自分もかなり幼い頃に買ってもらい、これまで常にそばにあった相当に古い本です。
ボロッボロですが、まだ今でも手元に残っています。
作者はウラジミール・ステーエフ。
名前からわかるとおり、ロシアの絵本作家さんです。
ソ連時代のかたで、モスクワ生まれのようです。
初版は1969年(昭和44年)発行の、50年以上経つ絵本ですが、とにかく、絵が!
絵が、抜群に可愛いのです。
すごく動きがある、どちらかというとアニメ調の絵です。
初期のディズニーや、トムとジェリーを思わせるような感じですが、そこまでデフォルメされておらず、動物は動物らしく、とても表情があってかわいいです。
可愛いこいぬが、ニャーンという声をきいて、ふと耳をそばだてます。
いったい何だろう?誰がこんな鳴き声を立てたんだろう?とさがし始めます。
ねこが、すごくねこで、こいぬがすごくいぬです。
さまざまな動物に「きみかい?」と聞いてまわるのですが、かえるには笑われ、ねずみにはこわがられ(当然です)…。
そのくらいなら良いのですが、獰猛な犬には脅されて一目散に逃げます。
(このあたりが、トムとジェリーを彷彿とさせるのですが、おわかりでしょうか…)
しかし、読んでいるこちらには、絵の中にちゃんとねこが見えています。
こいぬの視点では見えないのですが、しっぽが垂れていたり、もうあからさまに普通にテーブルの上に座っていたりします。
とても、ああ、ねこだなあ!という感じがします。
読み聞かせをすると、子どもたちはもどかしいようで、
「いるじゃんそこに!そこに!!」
「何でわかんないの?」
と大騒ぎしてくれます。
本当にすごく可愛らしいですし、いぬずきさんにもねこずきさんにもばっちりの一冊です。
ただ一つ残念なのは、改訂版ではもともと載っていたもう一つの「三びきのこねこ」がが削られてしまったことですが、このわんちゃんのお話だけでも必見のかわいさです。
このたび調べてみるとステーエフの「三びきのこねこ」は別の絵(イタリアのかた?)で再販されていました。
おそらく再版にあたって原版が見つからなかったか何か事情があるのかなあと思いました。
(完全な推測にすぎませんが)
もとのステーエフの絵は、こんな感じです。
もう、随分古い本なのでとても薄汚れているのですが、この愛らしさ!
大好きな一冊です。
↓再販はこちらです。
この柔らかそうな、ふわふわのねこさんもすごくすごく可愛いです...💖
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