「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

がちキャン△2~ランサム「ツバメの谷」 再読1

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ツバメの谷(上)
アーサー・ランサム (著), 神宮 輝夫 (翻訳)

ツバメ号とアマゾン号』の冒険から一年、ウォーカー家の4人きょうだいは、ふたたび湖で帆船を走らせますが、ツバメ号が突風にあおられ、暗礁にぶつかって沈んでしまいます。船を失った探険家たちは、新たにみつけた「ツバメの谷」でキャンプをすることに。アマゾン海賊姉妹とともに、夏休みの冒険に乗り出します。

 

 

アーサー・ランサムのシリーズは本当に大好きなので、全部必ず紹介しよう(=全部もう1回きっちりと再読しよう)と心に固く決めていました。

 

前に「がちキャン△」と称して、一冊めを紹介しましたが、今回は二冊目です。

 

whichbook.hatenablog.com


冒頭の紹介リンクはもちろん、神宮輝夫さんがみずから新訳をされた文庫版なのですが、今読もうとしているのはやはり、かつてランサムシリーズに慣れ親しんだ人、また、昔の児童図書館に通っていた人ならば必ず目にしたことがあるはずの、この分厚い灰色のぶっきらぼうな装丁の本です。

 

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これです!!
この厚み!

 

本ずきだから読めるのではなくて、あまりにも面白いから読めてしまうのだ。
と、強く強く主張したいです。

 

今回は前回の「ツバメ号とアマゾン号」から1年後という設定です。

 

ウォーカー四兄弟姉妹たちは「汽車」でウィンダミア湖(がモデルと言われている)に湖にふたたびやって来るのですが、冒頭でティティがちょっと面白いことを言います。

 

「まだ島の名まえをいっちゃいけないのよ。」と、ティティAB船員がいった。ティティは船のまん中の荷物の上にこしかけて、かごにはいって航海しているじぶんのオウムの世話をやいていた。「あなたは『陸だ、陸だ』っていって、からからにかわいたくちびるをなめるのよ。それがどんな陸だかわかるのは、もうちょっと近づいてからよ。何週間もさがしまわっていた陸かもしれないじゃないの。」

 

空想好きのティティは、もう物語の中で物語の世界に入り込んでいます。
あーこれ、「ニワトリ号」のこと言ってるわ~、と一瞬思いました。
(読んだばかりだったので...)

 

もしかしたら、ロビンソン・クルーソーかもしれませんが。

 

この「ツバメの谷」においては、ティティの空想癖が如何なく発揮されるのですが、ちょっと面白いことに、ランサムシリーズの世界がぐっと「子供の遊び」の枠を超えて広がりを見せるのは、やっぱり三冊目の「ウミネコ号」です。

 

二冊目は、このウォーカー兄弟とブラケット姉妹の遊びの域は越えませんが、三冊目ではついに海に出発です。

 一冊目でもちょっと触れられた、子どもたちの空想の船乗り「ピーター・ダック」が、この二冊目ではティティの空想の中でもっともっと広がりを見せ、三冊目では、ついに…!

 

いやいや、先を読み進めます。

 

 

一番上の二人は安定です。
ピーターは相変わらずヨット帆走がすばらしい腕前ですし、スーザンは食料品のリストの照合をすませて満足しています。

 

二冊目では、四人のキャラクターがよりはっきりしてきたように思います。


ティティの空想がとどまるところを知らず広がるのと同じぐらいに、スーザンは、どんな大人のカリスマ主婦ユーチューバーもかなわないぐらいものすごい完璧な主婦です。


スーザン、確かこのときまだ小学校高学年ぐらいのはずなのです。

 

スーザンがおぼえていなかったらおき忘れてきたようなものがとてもたくさんあったが、なに一つ忘れてこなかった。その上、けさはまた、食料品のリストつくりと照合と、ツバメ号へのつみこみ作業があった。

 

たとえ伝説のカリスマ家政婦も、家・移動時・(子供だけの)キャンプ時・ヨット帆走時、すべてに完璧に対応できる、小学校高学年のスーパーカリスマ家政婦にはかなわないとわたしは思います!
スーザンはさらに、ヨット帆走もで一人できます!!

 

本当に、ヘッドハンティングしたいです。
何かの。

 

 

さて、ウォーカー四人兄弟姉妹の子どもたち、また楽しくナンシイたちと遊べることを期待していたのですが、ウォーカー四人兄弟姉妹が現れたらすぐに気付くはずの、ブラケット姉妹の姿がありません。

 

「アマゾン号は港にはいっていません。」と、見張りがいった。
四人とも、今の今まで、心の中で、アマゾン号は港にいると考えていた。煙や旗があがっていないのも、ツバメ号がまっすぐ上陸地につくと判断したナンシイ船長が、アマゾン号を港にかくして、島のどこかで待ち伏せしているとすれば、うなずけることだった。そして、待ち伏せこそナンシイがやりそうなことなのだ。

 

待ち伏せこそ一番やりそうなこと」
どんな奴やねん。

 

ティティ、スーザンについで、ナンシイはやっぱり相当に強烈なキャラクターです。
ブラケット姉妹、特に姉のナンシイは、おてんばの極み、男顔負けです。

 

船をアマゾン海賊と名前をつけたのも、アマゾンの女戦士の伝説から来ているに違いないです。

 

読んでいてたまに、ナンシイが女の子であることなど忘れてしまうほどなので、かなりのものです。

子どものときは少年少女の境がないとかそういう問題ではなくて、ナンシイはナンシイであり、ナンシイとしか言い様がありません。

 

激烈・苛烈・頼りになる・船長・海賊・帆走の名手・赤い毛糸の帽子
などがナンシイの個性、ナンシイキーワードです。

 

この子はカリスマ女社長タイプだ...!
きっと!
女CEOとか敵対的M&Aとか、超似合ってる!

(妄想です)

 

 

あっ、スーザンが火おこしをはじめました。
がちキャン△2のはじまりだー!

 

 

(続きます)

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

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