今日の一冊「大食いフィニギンのホネのスープ」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ガイコツのフィニギンは大食いで有名。ハロウィンの日、知らない町にやってきたフィニギンが、そこで出会ったのは―。
ハロウィン本はたくさんあるのですが、2011年発行の(わたしが紹介するにしては)比較的新しい本です(笑)
兄助がみずから手にとって選んだのですが、読みきかせでも評判がよく、とても思い出深い本です。
やはり評価は気になるので、Amazonを見てみましたが、☆5で嬉しくなりました。
評価数は6ですが。
評価数が少ないけど評価がめちゃ高いというのは、愛されてる本です。
今日はこれにしよう、と持ってきて開いていると
「おっ、いい本持ってきましたね」
と妹子
「これ大好き!」
妹子もお気に入りです。
物語は、妖怪の世界の妖怪街で起きた出来事です。
(妖怪…?)
古い映画ですが名作の、ティム・バートンのナイトメアー・ビフォア・クリスマスを思わせるような、ハロウィンの町です。
「これはね、オオカミ男が全部しゃべっちゃうところが良かった」
と妹子が言ってます。
妖怪たちは、ある知らせにおびえます。
「大食いフィニギンが来たぞー!」
何もかも食べられてしまう。
みんな、パニックになって各々の食糧を隠します。
魔女は目玉の煮こみのびんづめ
ビーストはこうもりのつばさ
ゾンビはカエルの足
といった風にです。
フィニギンがやってきた時には街はみんな家に隠れて扉をしめ、鍵をかけちゃってました。
新しい本なだけあって、割とコミック調で、ときどき登場人物たちは吹き出しでしゃべります。
おしりたんていよりは、ゾロリのイメージでしょうか。
文章と吹き出しが入り混じっています。
フィニギン、大鍋を広間のど真ん中に設置して、火をおこし(最近焚火だの火起こしの話題多いな…)スープを煮はじめます。
そして、これはまほうの骨なんだよー。
すごくおいしくなるんだよー
みたいな感じで、骨を煮はじめます。
だんだんみんな集まってきました。
たぶんこれは、どう考えても間違いなくただのホネと水です。
同じことを各地方で繰り返してきたでしょうから、カッスカスのもうどう煮ようと何ひとつも出ない、ダシも完全に出来ってしまったホネのはずです。
しかし、子どもたちはだまされてます!
妖怪たちも騙されます。
「あーここに目玉のびんづめがあったらもっと美味しくなるのにな~?」(チラッ)
オオカミ男が、
「ぼくしってるよー」
的な感じで、魔女がねー、目玉のびんづめをねー。としゃべってしまいます。
魔女さん、周囲の視線の圧に負けて、びんづめを持ってきてしまいました。
このオオカミ男、どう見てもハリネズミといった感じのちっちゃなぼうやです。
はっきりいってまったくオオカミには見えません。
だけどまあ、可愛いからいいんです。
このオオカミ君、
フィニギンが
「あー、あれがあったらなー」(チラッ)
とするたびに、
あそこにあるよー、と教えてしまうので、次第にみんな食材を全部持ち寄り、(当たり前ですが)結局、美味しいスープが出来上がります!
みんなで持ち寄って、みんなで食べて、みんなで美味しい
よかったね
という本です。
ハロウィンの世界から出ないので、人間だとか、トリックオアトリートだとかは出てきません。
どこかの町の、どこかの街角で起きたほのぼのしたお話です。
しかし絵がユーモラスですし、吹き出しを多用していておもしろく、特に見開きのスープに目玉やらネズミのふんやら、足のつめなどが浮いていて、それをいちいち解説しているシーンは、子どもたちもみんな嫌がりながらも興味しんしんで眺めてくれます。
内容は、ポルトガルの民話である「石のスープ」(Wiki参照)を題材にしているようで、昔話の再話と呼べるかと思います。
このもととなっているらしき「石のスープ」について、カバーについている説明でちゃんと言及している所がとても良いです。
これはハロウィンにはとてもちょうどよく、ハロウィンじゃなくてもちょうどよい一冊です。
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恐怖と怪奇に彩られた異世界で愛や優しさと無縁に育った青年が本当の愛に目覚めるまでを、グロテスクかつメルヘンチックに描いたファンタジー。
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