~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「大どろぼうホッツェンプロッツ」 3 帽子=名前 チェンジ作戦

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

大どろぼうホッツェンプロッツ
オトフリート=プロイスラー (著), トリップ (イラスト), 中村 浩三 (翻訳)

おばあさんの大切なコーヒーひきが、大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれてしまいました。大魔法使いツワッケルマンや妖精も登場して、少年カスパールとゼッペルの大活躍がはじまります。

 

大人が読む児童書「大どろぼうホッツェンプロッツ」 1 オルゴールつきコーヒーミル

大人が読む児童書「大どろぼうホッツェンプロッツ」 2 生クリームをかけたプラムケーキ

 

 

カスパールとゼッペルによって、隠れ家を特定されてしまったホッツェンプロッツですが…。
なんともいえないユーモラスさというか、恐ろしいんですけど、やることが面白いです。

 

子どもの手作りのミル(ホッツェンプロッツファンなら、ここは「コーヒーひき」、というのが正しいです)を欲しがったり、子どもの奸計にあっさりとだまされたりです。

 

はこの中身が黄金ではなくて砂だとわかったホッツェンプロッツ

「ちくしょう!」どろぼうは、さけびました。「おれをだましたな。からかったな!」
ホッツェンプロッツは、りょう手で、どろぼう用のそりかえったかたなをつかむと、あわれなジャガイモばこにおそいかかり、きってきって、きりきざみました。
あげくのはては、がんじょうなオークの材厚板でできているテーブルまでも、たたいてばらばらにしてしまいました。

 

おそろしいシーンのはずなのですが、なんとなく笑えます。

 

隠れ家へ向かうカスパールとゼッペルは、途中で相談して変装のため、お互いのぼうしをとりかえます。
変装するためにぼうしをとりかえる?
よく考えると、ななめ上の発想です。
ぼうしをとりかえることがなぜ変装になるのか。

 

しかし、妹子はちーとも疑問に思ってません。
え?当たり前でしょ?という感じなんです。
考えてみれば、私も子どもの頃は疑問になど思っていませんでした。

 

この変装はゼッペルからの提案です。
ゼッペル、カスパールにばかりいいとこ見せられないもんな!

 

ぼうしをとりかえた感想です。 

「へんちくりんだぜ!」カスパールはいいました。「おばあさんが、そのかっこうをみたら、またすぐきぜつするだろうな」

 笑えます。

 

 

カスパールとゼッペルがつかまる所も、1ページ1ページすべてが面白いのですが…
コショウピストルか…。
ホッツェンプロッツ、武器にもコショウを使うという、序盤から「塩降りおじさん」みたいな」みごとなコショウの使い手だったんだな…。

 

しかしホッツェンプロッツ、帽子の特徴だけで、完全にカスパールとゼッペルをとりちがえてます。

 

わたし「顔は覚えてないってことだよね。どんだけ信じてるんだろう。むしろ帽子こそが名前を持ったアイデンティティであるってレベルだわ」

妹子「しかたないんだよ。わたしとお友達ちゃんがさ、髪の毛を同じように結んだとき、迷ってたでしょ?」

確かに背格好といい、同じぐらいでふたごみたいだけど…。

妹子「お友達ちゃんと、いっつも身につけてるのを交感して、服とかとりかえたら、あっ、こっちが妹子だなって思うでしょ」

 

思うか!親を何だと思ってるんだ!!

 

もう一度確認してみると、そもそも黄金注意の箱を持って行こうとした時に、すでにこういう風に書かれてます。

 

ひとりはともかくカスパールです。だって。毛糸のとんがりぼうしで、とおくからでも、カスパールとわかるのです。
あとのひとりは?
ふたりづれのひとりが、カスパールなら、あとのひとりは、友だちのゼッペルにきまっています。そのくらいのことは、ホッツェンプロッツだって、しらないはずがありません。

 

やはり、ぼうしか。
しかし、何気にゼッペルの扱いがひどいです。

 

 

二人はそれぞれ、ホッツェンプロッツにとっつかまります。

 

変装しようと言い出したのはゼッペルなのに、カスパールと取り違えられると、頑強に訂正するゼッペルの巻。

 

お…お前は…じゃあいったい何の目的でぼうしを取り換えようと提案したんだー!!

 

カスパールはさすがにそつがなく、わざとゼッペルのふりをします。
挙句の果てに、ばかのふりをしてホッツェンプロッツを煙に巻きます。

 

このばかのふりをする方法が、名前を覚えられず言い間違える、というものなのですが…。
プロッツェンホッツ
ロッツェンポッツ
ポッツェンロッツ

大どろぼう「べらぼうめ!おまえには、こんなかんたんきまわる名まえもおぼえられないのか!」

 

妹子「わたしだって名前間違えられたら魔法でヒキガエルに変えて地獄の釜に叩き込んでやるわ!」
そ…そうですか。

 

泥棒がふたりをとっ捕まえたのは、下働きが欲しかったからでした。
そして、二人は多いので、カスパールは売り飛ばすことになります。

 

カスパールの売り込み先は、大泥棒のお友達の、大魔法使い、ペトロジリウス=ツワッケルマンです。

 

 

この魔法使い、ホッツェンプロッツに負けず劣らずの大悪党なのですが、何ともユーモラスです。

子供の頃読んだとき、この大魔法使いの館が大好きでした。
ホッツェンプロッツの所よりこっちで働きたかったです。

 

妹子「ハムもらえるしね」

 

それだ!!

  

この大魔法使い、ジャガイモが大好きです。
他のどんなことも魔法でやれるのに、ジャガイモの皮むきだけは出来ない…。
なので、登場したときはエプロンをつけてジャガイモの皮むきをしています。

 

マカロニやムギだけで我慢できなくなった時…。
ムギ…多分、オートミールのことかなあ。
(食い物の話になると、目の色が変わります)

 

ツワッケルマンはばかな召使が欲しい。
魔法を覚えられる危険を冒したくない。
魔法使いの弟子」は欲しくないのです!

 

ばかな(ふりをしている)カスパールこそがふさわしいとホッツェンプロッツは考えたのでした。

  

妹子「(ツワッケルマンの館では)すきなように食べていいっていわれてるんでしょ。じゃがいも二、三個つまみぐいしてもばれそうにないね。粉とかもあるんだったらケーキも作れるね。ふとっちまうよ」

 

お前も食い物のことばかり考えてるね…。
血は争えないのでした。

 

 

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