今日の一冊「オズの魔法使い」 紹介するのは二回目です。
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
突然のたつまきで、家ごと飛ばされてしまったドロシーと犬のトト。着いたのは、偉大な魔法使いの住む、「オズ」の国でした。家に帰るため、ドロシーと仲間たちの、不思議な旅が始まります。オールカラーイラストでさくさく読める世界名作シリーズ、第3弾。
妹子「よし、勇気と知恵と心臓と家を読もう!」
????
オズの魔法使いのことのようでした。
知恵と勇気と心臓と家…。
家…?🤔
一度やっぱり、こちらでご紹介しました。
新しい本を買うとき、入手しにくいこともあり、また安いので、
(古い本だし、仕方ないか…)
と思いながら文庫版を買っていたのですが、やはりハードカバーは圧倒的に読みやすいです!
これも、福音館古典童話シリーズのハードカバーです。
完訳です。
竜巻きによってオズ大王の住む魔法の国に運ばれたドロシーは、かかしとブリキの樵と臆病なライオンと共に大冒険をします。完全復刻した124枚のデンスロウの挿絵をそえた決定版です。
分厚くても、オズなので、以前の「ニワトリ号一番乗り」のようなとっつきにくさも一切なく、分厚くてもスラスラ読めてしまいます。
この分厚いハードカバーで、絵がたくさん、かつ読みやすいというのは、オズがやっぱり一番なのではないでしょうか?
ちいさいモモちゃんの二倍ぐらいの分厚さです。
◇
完訳は、カンザスの灰色の大草原から始まります。
ドロシーが、家の戸口に立って、あたりを見まわすと、どちらを向いても、見えるのは、広い灰色の草原ばかりでした。どの方向にめ、まっ平らな広いひろい広がりが地平線までつづいていて、そこには、木一本、家一軒、見あたりませんでした。太陽が、 たがやされた土地を、灰色の塊になるまで焼けこがし、何本かの地割れの筋をつけていました。
オズの魔法使いは、全14編を通してどれも、とてもポジティブで明るく楽しく、怖い所はあっても基本、安定しています。
しかし、出だしのこの一文は、どこかアメリカの開拓生活の厳しい現実を垣間見るような気がします。
ここから、一転して竜巻にさらわれ、珍妙な人々の住む魔法の国に飛んでいくわけですが、いっきに灰色から豊かな色彩へ、この対比がすごいのでとても引き込まれます。
いきなりドロシーの家が魔女をぶっつぶすというのも、とても奇想天外です。
魔女の顔も見ていないのに…。
おさらいをします。
「何だっけ。勇気がライオンでしょ。知恵がかかし。心臓は誰」
「ブリキのきこり」
あまりにも当たり前すぎて逆に忘れかけてます。
妹子「かかし、自分のことばかだっていってるけど、ぜんぜんばかじゃなくない?」
わたし「そうなんだよ。あと絶対に作者は かかしがお気に入りだと思う。活躍の仕方が群を抜いてる」
妹子「だよね」
勇気が行動力で、ちえは考える力、 心臓は命で、ドロシーの家は多分「肉体」…?
皆で足りない部分を補いあい、力を合わせる、チームワークを表現しているようでありながら、また違った側面から見ると、これは「一人の人間を構成するそれぞれの部位」と見ることもできそうです。
それら全部がバランスが取れていないと人は人として行動する時にぎくしゃくしてしまう。
…という風にも見える、と思いながらも、しかしそんなことはどうでもいいです。
楽しい、面白いので、それでいいと思います。
読み方にはさまざまな楽しみ方があって、でも子どもたちは、物語を物語としていっぱいに楽しんでもらえればいいだけです。
いつか大人になって、もう一度紐解いてみた時に、何となく隠された意味があったり、おとなへのメッセージのようなおとなの会話が隠されていたり…。
(それは親なのか、それとも大人になった子供たちへなのか…?)
そういう二重三重に楽しい、よく考えられた物語は、何度読んでも楽しいというのは、読書の楽しさの醍醐味だなあと思います。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こちらは岩波文庫版です。
大竜巻に家ごと吹き上げられた少女ドロシーは,愛犬トトとともにふしぎな国へおりたつ.かかしやブリキのきこり,おくびょうなライオンが加わって,冒険の旅が始まる.アメリカファンタジーの古典.
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