~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「ガンバとカワウソの冒険」 3 謎が謎を呼ぶ展開

大人が読む児童書。
積ん読・解消計画★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

ガンバとカワウソの冒険
斎藤 惇夫 (著), 薮内 正幸 (イラスト)

ガンバと15ひきの仲間は,ゆくえ不明のネズミをたずねて四の島に渡ります。そこには,想像をこえる体験が….

 

 

大人が読む児童書「ガンバとカワウソの冒険」 1  -

大人が読む児童書「ガンバとカワウソの冒険」 2 都会っ娘ナギサの魅力  -

 

 

さて、ナギサがいつまでたっても帰ってこないので、シジンは半ばあきらめかけていました。

 

そして、シジンはガンバたちにくっついてノロイと対決する冒険に向かってしまったので、乗船チェックの役目はまた、仕方なく年寄りねずみの忠助おやじがやっています。

 

ここで再度、みんなでナギサのことを探しに行くことにしたわけですが…。

ガンバたちは、ナギサの謎について、もう少しだけ忠助おやじに突っ込んで聞いてみます。
この親父、台詞がいつも、とても観念的かつ抽象的です。
ドラクエの 占い師っぽい感じです。

 

そこをみんなで囲んで、あれやこれやと詰めるのですが、結局、ふわっとしか教えてくれません。

 

・最初にナギサは四の島に行った(今頃気付きましたが、さんふらわあといい、これ明らかに四国です
・帰ってきてから、物思いに沈んでおり、雪国に1度行った。
・この四の国に行ったのと雪国に行った二つの行動には、関係がある。
・さらに、急いで四の島に戻らなければならなかった。
・ほかに男ネズミが絡んでいるとかではない。
ノロイ的な何かがいるのでもない。
・なんじ、ドードー鳥を知らずや?(?突然何?)

 

みたいなことを漠然と教えてくれます。

 

 

とりあえず、みんな四の島への船に無事乗船しました。

 

船にはガンバの15人の仲間たちが待っています。
親父を詰めている間、食べ物を調達してきてくれました。
宴会を開くですが、バナナ、イチゴ等果物、ガンバの好物じゃがいも、人参、キャベツなど野菜類、ハムやソーセージやベーコンやコールドビーフなど肉類、パンやクッキーやショートケーキ…。

 

リアルな感じで超おいしそうです!栄養バランスも完璧です。
作者は本当にツボを心得てる!わかってる感じがします。

 

新たな3人の仲間が登場しつつ。海の幸も追加されました。
海藻、海老、赤貝、平貝、ミル貝、貝柱に甘エビ。

 

正直、ネズミの方がわたしたちよりずっといい食事しています。

 

歌と踊りがいっぱいとても楽しいです。
歌は、シャバダバダ・シャバダバダ・・・男と女かよ!
(このお話に合ってるわ…)

 

イカサマの歌が印象的でした。
イカサマのサイコロを拾った身の上話を歌でやるという、だらだらと説明するでもな、実にうまい発想です。
ここでわかる衝撃の事実。イカサマはこの二つのサイコロを耳にしまいこんでいます。
アニメでは服を着てポケットに手を突っ込んでいたので、普通にポケットにしまっていると思っていたのですけど、この原作のガンバたちはみんな裸ん坊のネズミなのですよね。
じゃあなぜサイコロ…ダメ!考えたらダメ!

 

ヨイショは本当に面倒見がいいです。
口を針で怪我してしまったかもめの治療をしてやります。

 

まあ、これからどうしよう手がかりがないぞという時に怪我をした鳥を 治療。まあまあなフラグですね。
…と思ったけど、
カモメ「別に助けてなんてくれなくてもよかったのよ?頼んでないし」

 

ツンデレか。

 

ツンデレというより、このカモメは、風まかせの気分屋で、イカサマにキマグレという名前付けられました。
このカモメ、メスだ…。

 

カモメは特に詳しい話も聞かずに、あれこれネズミたちを揶揄した挙句に、さっさと飛んでいってしまいました。

 

 

四国四の島に着きました。
ナギサの目撃者を15人総がかりで探しますが、「そんなネズミは見たこともない」か「そんなネズミは毎日見ている」か、どちらかしか言われなかったというところが笑えました。

 

多分、ナギサがカワウソに関係しているのでしょうが、今のところナギサといいカモメのキマグレといい、「気まぐれな女たちに振り回される15匹の仲間」という話です。

 

ここで、忠助おやじのような、出入りするネズミをみんな知ってる情報屋のネズミを探そうというわけで、ここで出てきたのがオバハンというネズミです。

 

この名前大丈夫なんだろうか。
少し心配になりました。

 

そしてなぎさは「オバサン」と呼ぶと書かれています。
「サン」のところを強く発音する、ちょっとこのあたりで聞いたことのない口調、若干、早口である。
この言い方、やはり寅さんやこち亀界隈のちゃきちゃきの江戸っ子だ!
私はそんなふうに感じますが、どうでしょう。

 

ドラクエの占い師並にぼんやりとしかヒントをくれない忠助おやじの言に従って、川の方向に行ってみようという話をしていた時に、一番危険なのは野犬だという話が出ます。

 

そして、母親のカワウソがやられたという話…。
ガクシャが反応します!

 

忠助おやじ「なんじ、ドードー鳥を知らずや」
ピキーン!

ドードー絶滅危惧種=カワウソ

 

ここでオバハン(この名前抵抗があるな…)が出してくれる食べ物がすごいです。
カツオのたたき、鯛の刺身、海老の姿焼き、魚の団子ににんにくのきいたタレをつけて食べる。
旅行に行きたいです!!!

 

 

絶滅危惧種である カワウソの希少価値を学者が懇切丁寧に教えてくれます。
どうやらこの地域には、滅びたはずのカワウソが生き残っているらしいこと。
ナギサも多分、それに関係していること。
カワウソがらみで、ナギサが帰って来れない理由が何かあること。

 

ここから、オバハンが手配してくれた案内人(山の何合目までというように一定の距離ごとに入れ替わり制です)に導かれて、川をさかのぼることになります。

 

かなり上流に来た時の、ひとりの案内人が、いきなりカワウソに言及しました。
カワウソが野犬にやられた最期の目撃者です。

 

母親のカワウソということは、子どもが残っていたかもしれない。可哀想に…。
待てよ?ナギサはその子供を守っているのでは?
などなど、なるほどー!と思いながら読んでいた所で、イカサマが「ちょっと待て」

 

イカサマ、論理的に筋立てて丁寧に、語り手の矛盾を鋭く追求します。
べらんめえ口調で一つ一つ論破して突っ込んでいくのがめちゃくちゃカッコいいです。

 

妹子も、イカサマかっこいい、イカサマ好き!と言ってましたので、古いようですけど、あの渡世人風のべらんめえはやっぱりカッコイイです。

 

ここで、前作、ガンバの悪役、ノロイに相当するのが野犬の黒犬であることが明かされます。
イカサマは、案内人のネズミが、野犬に脅されてカワウソの居場所を探しているのではないか、と詰問します。

 

もしそうだとしたら、こわーい!
(アホっぽい感想)

 

謎が謎を呼び、明確な悪役が出てきたことで、カワウソ、野犬、ナギサ、ガンバたちの立ち位置がよりはっきりして、ぼんやりとですがイメージが浮かび上がってきました。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

冒険者たち ガンバと15ひきの仲間
斎藤 惇夫 (著), 薮内 正幸 (イラスト)

イタチと戦う島ネズミを助けに,ガンバと15ひきの仲間は、船で夢見が島に向いました。しかし、白毛ノロイがひきいる、どうもうなイタチの群れに追いつめられ、海岸の岩山で最後の決戦の時をむかえます。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ガンバの冒険シリーズ  全3冊
斎藤 惇夫 (著), 薮内 正幸 (イラスト)

 

 

 

 

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