閑話 本を読むとオタクになっちゃう!と主張する親ごさん
閑話です。
本を読むとオタクになっちゃう!
だから本は読ませない
と主張、いや心配される親ごさんが一定数、いやかなりいらっしゃいます。
つねづね、一体何を言ってるんだ?意味がわからないよ?と疑問に思っていましたが、実際にお話しているうちに何となくわかってきました。
この「本を読むとオタクになる」という大人たちのイメージには、ある固定観念と偏見があって
男子→「胸が強調された今どきアニメの女子のラノベ」
→アダルトアニメや育成ゲーム、アニメのアイドルを好むようになる
→オタク
女子→「いかにもアニメっぽい絵のラノベや小説」
→アニメに興味を持つ
→BLを好むいわゆる腐女子に育つ
→オタク
という流れ(偏見)があるのようなのです!!
アイマスの何が悪いの!?腐女子を嫌わないで!
別にいいじゃないかぁ!?(ぶちキレ)
と、広く深く色々と好んでいる私としては思うのですが、お母さん方の不安に思っているところも、わからなくはありません。
というのは、子どもというのは、いったんハマってしまうと、それだけしかしないし考えない、という所がたしかにあるからです。
お母さんがたにしても、自分の子どもが分厚くてハードカバーの「ちいさいモモちゃん」「ガンバの冒険」を読むのと、アニメ絵のラノベを読んでいるのでは、「見た目の本を読んでる感」もずいぶん違うと思うのですが…。
本に興味ない、またご自分が読書の経験がない親ごさんは、このような児童書の存在を知らないのです!!
こんなにさまざま、「ふらいぱんじいさん」のように幼児が簡単に読めるものから、ぎっちりと字が詰まった「オズの魔法使い(完訳版)」、大人が読んでも感銘を受ける「モモ」のようなものまで、ものすごくたくさん、さまざまな種類の児童書があるのにです!!
リンドグレーンやらムーミンやら、水滸伝やら西遊記やら三銃士やら、古今東西名作がいっぱいです。
知らないから、「本を読むとオタクになる」なんてたわけた意見が出てくるんだと思います。
大人がまず、さまざまな児童書をひろく読んでみる必要性を、強く強く感じます。
親世代には、絵本だけではなく、「本型の児童書」をもっと読んで知って欲しいです。
まずは図書館で借りてみれば、自分も子供も読んで面白かったかはわかりますし、面白かったら買ってみて、そして(わたしがしてるように)多少は強制的にも読んでもらう。
その中で子どもの好みも知れてくるでしょうし、買うときに子どもが買いたいアニメ絵のラノベだって胸を強調した漫画だって、一緒に買ってあげて、でもこっちも読むんだよという条件つきで…という風にであれば、深くて広い、さまざまな読書の世界を知る手がかりはできるはずです。
その中で、何度も読み返す、その子だけの一冊が必ず出てくるはずです。
そして、胸を強調した絵のラノベにしろ、BLにしろ、このようなジャンルにハマっていく子どもたちの中から、一定の新たなものを生み出す、つまり創作していく側が育って出てくるのもまた事実です。
まったく逆パターンとして、オタク層の子どもたちが、このような児童書の魅力や、古典の奥深さにはまっていくという道筋もあるはずです!
創作をする時に、何か物語を自分の中から生み出そうとするとき、そこには、裏側にもっともっと多種多彩な、深くて広い、創作の世界が広がっていることを知っていくでしょう。
そして、根底を支えている、いわゆる「もとネタ」になっていたり、オマージュされていたりする、古典作品があります。
温故知新。
創作は必ず古典に帰ります。
自分だけの物語を作ろうとする力は、決して、有名になるひとにぎりの創作者だけでなく、すべての人が持っているものです。
その何か作り出そうとするイメージの世界をもっと豊かに、もっと深く、もっと面白く、また面白いだけではない、世の中の残酷さや現実も、古典は広がりをもって教えてくれます。
しかし、アイマスや漫画作品、BLからはなかなかいきなり古典にズバリ行けませんし、文芸作品に入るにしても、一定の緩衝材、慣れのようなものが必要で、それが児童文学というジャンルです。
ハリー・ポッターだって、ナルニアや指輪物語という基礎があってのものです。
まずは、児童文学というジャンル、「絵本から一歩抜け出た児童書」を、もっとよく知ってもらいたいと思います。
(海外ではYA、ヤングアダルトというのですけど、どうもこの言葉に私は抵抗があって…ヤンジャンとかヤンマガみたいで…親世代にアピールしにくい単語です💦)
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