「本好きは作るもの」読解力を身に付ける~珠玉の児童書~

「本好きは作るもの」~珠玉の児童書~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「はてしない物語」 2 圧がやばい

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

はてしない物語
ミヒャエル・エンデ (著), 上田 真而子 (翻訳), 佐藤 真理子 (翻訳)

バスチアンはあかがね色の本を読んでいた――ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前。その国を救うには、人間界から子どもを連れてくるほかない。その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年――ぼくのことだ!

 

 

大人が読む児童書「はてしない物語」 1  -

 

 

妹子「これさあ、この中に出てくる本て、この読んでる本にそっくりじゃない?」

 

「だってほら。あかがねいろのきぬで、いろががわるんでしょ?」
妹子、本を動かして横から見ています。
「ほら、色が変わる」

 

何と言っていいかわかりません。あまりコメントしたくないな~。
「ふーん」とか言うのは、私がこの本を既読なことなど、明らかに妹子は知ってますから、白々しいです。
そうだね、とか言えばいいのかな?

 

妹子、まためくっては表紙を見ています。
「二匹のへびでしょ?ほら!!」
「す…するどいね」
「こわい」

 

私は一人で読んでいて、夜に気が付いてたいへん怖かったなあ。
ぞくぞくしたのを覚えています。

 

表紙はあかがね色の絹で、動かすとほのかに光った。パラパラとページをくってみると、なかは二色刷りになっていた。さし絵はないようだが、各章の始めにきれいな大きい飾り文字があった。表紙をもう一度よく眺めてみると、二匹の蛇が描かれているのに気がついた。一匹は明るく、一匹は暗く描かれ、それぞれ相手の尾を咬んで、楕円につながっていた。そしてその円の中に、一風変わった飾り文字で題名が記されていた。

 

はてしない物語は、絶対にハードカバーの、この装丁で読んで欲しいです。
すばらしい装丁だと思います。
再現度完璧です。

f:id:WhichBook:20201024092818j:plain

 

岩波の文庫でもいいのですが、そちらは「懐かしいなー」と思う大人世代に買ってもらうこととして、子供に読んでもらうなら、これはやっぱりハードカバーです!

 

この上質な触り心地、感覚…。
バスチアンが盗んでまで手に入れた本、いま読もうとしているその本が、いま、自分が手に持っているこの本なのだ!
「本」というものに、特別な力があり、思いがあり、魔法の力があるのだ!
という風に感じられます。

 

 

とりあえず妹子は、4人の使節が幼ごころの君の所に行くあたりまで、わりとじっくりと読んでいるのですが…。
以前から思っていましたが、「幼ごころの君」って、ものすごい名訳です。
パーフェクトすばらしい単語で、たとえ別で翻訳されるにしても、ここだけは絶対に変えてほしくないな、という単語です。

 

読んでる妹子がだんだん、うらやましくなってきました!

 

ずいぶん久しぶりなので、読みたいな~。
というわけで、職場に持ち出してしまいました!
(最近、ガッツリとした長編児童書のレビューを書く時には、いつも職場のおともになっています)

 

…。
ちょろっと読み返すだけのつもりだったのに…。

 

こ、これは…。
こんな重厚でものすごい本だったかな?
圧が…。圧がすごいです。

 

ハードカバーなので、装丁もそうですけど、中の文字の色も、分かる人には分かると思いますが、物語によって色を変えていますし、物語に吸い込まれていく感じがします。
  

何かに心をとらえられ、たちまち熱中してしまうのは、謎にみちた不思議なことだが、それは子どももおとなも変わらない。そういう情熱のとりこになってしまった者にはどうしてなのか説明することができないし、そういう経験をしたことのない者には理解することができない。山の頂を征服することに命を賭ける者がいるが、なぜそんなことをするのか、だれ一人、その当人さえもほんとうに説明することはできないものだ。自分などに目向けてくれないある人の心を得ようとして破滅の道を進む者。美食、美酒のたのしみに負けて堕落する者。賭事に一切合切そそぎこむ者。けっして実現することのない思いつきのためにすべてを犠牲にする者。今いるところでなく、どこかよその土地へゆけば幸せになれると信じこみ、全世界を放浪しつつ一生をすごす者。権力を手に入れるまで心のおちつかない者もいる。ともかく、人間がさまざまなのと同じように、情熱もきまざま、無数にあるものだ。

 

この吸引力、この熱量、この展開…。

やばいっ
や、やられるっ!(何かに)

 

この物語の最後を見届けなければ、戻ることが出来ない、そういう感じです。

 

子どもの頃に読めたことは本当に幸せだったと思いますが、これは大人、子供という枠を完全に取り払った名作です。
「モモ」が良かったと思う人はぜひこちらもハードカバーで読んで欲しい…。

 

(最近、どちらかというと「モモ」の方がクローズアップされていると思うのですが、気のせいでしょうか?)

 

 

物語は、本屋さんのウィンドウに印字されているこんな文字から始まります。

 

f:id:WhichBook:20201024093327j:plain

 

 

鏡を裏返しにした時のように、反転する世界を逆がわから見つめているイメージです。
冒頭からこれです。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

モモ
ミヒャエル・エンデ (著, イラスト), 大島 かおり (翻訳)

町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

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