閑話 まだ引きずってるはてしない物語
閑話です。
バスチアンはあかがね色の本を読んでいた――ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前。その国を救うには、人間界から子どもを連れてくるほかない。その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年――ぼくのことだ!
妹子はあまり早い方ではなく、わりとじっくり読む方です。
様子を見ていると、テンションが下がって真面目な顔になってきたので、おそらくバスチアンの転落がはじまったのだと推察されます。
紐のしおり(スピンというらしいです)をはさんで、パタンと閉じたので、つい、声をかけてしまいました…。
わたし「どこまで読んだの?」
妹子「バスチアンが欲望にまみれてる」
そ、そうだね。
そういう感じだね。
妹子「記憶がだんだん、なくなってて…」
わたし「ああ~」
妹子「これはあれだね。バスチアンは自分を見失ってる」
自分のこととしては読まないわけね!?
お前もそうとう欲望にまみれてるけどね!?
「お母さんのお気に入りはだれ?わたしはフッフールが好き!フッフールかわいい。ほしい」
それは誰もが思うことです。
「お母さんか…」
言ってもいいのだろうか。
「お母さんね~、グモルクが好きなんだよねー」
「はぁー!?」
いやわかるよ?その反応。よくわかる。虚無の手先だし。
でも好きなんだよねー。
軽蔑した目というわけではないですが、もう本当にあきれ果てた、という顔で見られました。
「お母さんってさあ…」
「はい」
「ほんっとうに、悪役が好きだよねー」
そうですね…。
でも誰でもいいっていうわけではないんですよ!?
憎たらしい奴は、お話の中で出て来るとしては、うまいな!と思うだけで、嫌いは嫌いなんですよ!?
でもグモルクはなぜだか嫌いになれません。
悪党の魅力です。
グモルク、虚無から生まれたにしてはやけに人間っぽいです。
私が気に入ってるのは、闇の奥方のガヤに篭絡されてうっかりだまされてしまったところです。
・化け物の街の連中だったので、妙に気が合った。
・すごい美人だった。
・少なくとも、グモルクの趣味にあってた。
・なでたりさすったりしてくれた。
いかにも悪そうな美人がオオカミ君を犬のようになでさすってる、これだけでもなんとなく絵面として萌えます!(お前なぁ~)
悪役が好きといっても、サイーデよりもこの「闇の奥方ガヤ」の方が好みです。
どんな美人だったんだろうな~?
ほんのちょびっとしか出てこない、しかもグモルクの口を通してだけ語られるひとこまなのだけど、妙に気に入っています。
そんな美人にコロッとやられ、デレデレしてつい旅の目的までしゃべってしまうグモルク氏が、人間臭くてなかなか可愛いなと思ってしまいます。
はてしない物語の話題はまだまだ続いてしまいそうです。
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