今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
貧しい羊飼いの男の子が、草原で出会ったうさぎに自分の食べ物をわけてあげました。それを100日続けたとき、うさぎは老人に変わりました。絵を描いたイ ヨンギョンさんは、チベットが大好きな方で、今回の作品を作るにあたっても現地に取材して絵を描いてくださいました。チベット人の方に文と絵を見ていただいて、本作りを進めました。
赤羽末吉さんの「スーホの白い馬」を思わせるような、素朴で美しい絵柄です。
こちらはチベットの昔話。
松瀬七織さんの再話です
説明にもありますが、地主の家に雇われている羊飼いの男の子のお話です。
毎朝、ほんの少しの食べ物(ツァンパ)しか もらいません
男の子(名前がないです)はそのわずかの食糧を、自分がひもじい思いをしているのにうさぎに分けてやります。
うさぎが食べるツァンパ。
食べ物だしな。
どんななのか知りたい…。
うーん。
うさぎが食べそうでもあり、食べなさそうでもあり…。
いやいや、そもそもおとぎ話を深く考えてはいけない!!
(現在ちょっとブームが過ぎつつあるタピオカですが、わたしは昔話で存在を知りました)
うさぎにツァンパを分け与える、100日、それが続いた時、うさぎの代わりに白い紙白ひげ、白い服のおじいさんが現れます。
悪魔と戦って負けた天の神だとのことですが、このおごそかな白い道士のようなおじいさん、帽子が左右にちょっと突き出していて、確かになんとなくうさぎっぽいです。
欲のない男の子は、何が欲しいかと問われて宝物などではなく、話し相手が欲しいから動物の言葉がわかるようにして欲しいと望みます。
ここから男の子は動物の言葉が分かるので様々な会話を聞き、どんどん運を引き寄せていくことになるのですが、このきっかけとなる「動物の会話」、かなりの割合で、「動物のお母さんと子供の話し声」です。
欲のない心が幸運を引き寄せたというだけでなく、動物たちの母と子の絆も感じられる、やさしいお話です。
◇
妹子「ほーー!!」
わたし「…」
妹子「欲をかかない方が!いいことになったと!!ほーー!なるほどね!」
妹子、いたく感心した様子です。
ちなみに、はてしない物語は読み終わって、しばらく黙り込んで特に感想など話してくれませんでした。
ただ、「元帝王たちの都」を読んでいるあたりで
「これは、確かにすべての創作をこころざす人が読まなければならない話だ…」
なんて、つぶやいていました。
妹子「あれは絶望感がすごかった」
わたし「はてしない物語のことかな?」
妹子「そう。あの虫どもが現れたとき、もう終わったと思った」
それは、終盤の所ですね。
どちらかというと、こちらの絵本の「欲をかかない方が得をする」というシンプルなものの方が、すっきり来たようです。
まあ、はてしない物語はまだまだ、長い付き合いになることでしょう。
だといいな、と思います。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
モンゴルに伝わる楽器、馬頭琴の由来。馬と少年の哀切な物語を、横長の画面を生かし、大平原を舞台に雄大に描ききったこの絵本は、国際的評価を受けています。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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