~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「あしながおじさん」 2 テンション爆上がり

 

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

あしながおじさん
ジーン ウェブスター (著, イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

孤児ジェルーシャに、突然ふってわいたような幸福が訪れた。<あしながおじさん>が大学へ通わせてくれることになったのだ。彼女は、義務の報告の手紙を毎月送った。あしながおじさんとは?

 

大人が読む児童書「あしながおじさん」 1 どれを読んだらいいかわからないほどの翻訳の多さ  -

 

 

あしながおじさん

さて、久しぶりに読み始めるぞと…。

 

このお話が、手紙形式で描かれているというのは、大抵のかたはご存知でしょうが、久しぶりに開いてみれば、序盤は普通に三人称の説明文ではじまっています。

 

手紙の明るい、ユーモアたっぷりの調子を思って開くと、いつも
「あれ?何だか違うぞ」
「こうだったかな?」
という気持ちになります。

 


孤児院で暮らす一人の女の子、ジルーシャはなんだかすごく大変そうで疲れていて、あんまり幸せな感じはしないです。

 

朝から晩まで働いて、ずきずきするこめかみをガラス窓に当てる。
お客さまへ料理を作り、自分より年下の子どもたちのお世話をする毎日…。

 

これはわかります。ジェーン・エアでもありました。
「ゆううつな水曜日」はお金持ちの出資者たちへのアピールと茶番劇です。

 

この一番最初に、主人公ジルーシャ・アボットの、何とも不幸そうなアメリカ版ジェーン・エアとでも言うような孤児の生活、この最初の一幕はやっぱりとても大切です。

 

ここがあるから、あとのテンション高めの明るい大はしゃぎが生きてきます。

 

 

その、孤児院のくるしみの生活を面白可笑しく書いた作文が、出資者であり評議員であるお金持ちのあしながおじさんの目に留まりました。
それで、学費を出してもらって大学に行けることになりました。

 

大学に行けること確定して、主人公のテンション爆上がりです。

 

会話のような語り口の「お手紙」になるのは、ここからです。
読みやすさは抜群です。

 

その手紙も、普通~に、目の前にいておしゃべりで話しかけているような、一人称で親しげ、フラットな言葉づかいで書かれています。
 

あしながおじさんを魅了した明るいすてきなお手紙です。

 

ご存知の通りというか、知らない人もいるかもしれないのですが…。
まあこれはネタバレ記事なので、別にいいかと思って書いちゃうんですけど、最終的にあしながおじさんと主人公は結婚することになるわけです。

 

この若いイケメンのあしながおじさんが、手紙だけで好きになっちゃうほどの明るさです。

 

 

今まで孤児院にいた子が、大学になじむの早すぎない?
と思いながらも、楽しいのでどんどんよめます

 

ここまで読んで来ましたが、この翻訳はあたりです。
「わたくし」ほど気取りすぎず
「あたし」ほどくだけすぎず
クセがなく、率直で明るいアメリカ娘の、感じがよく出てます。

 

恩地 三保子さん版、イチオシです!

 

さっそく出来たお友達ふたりです。

親友となるサリー・マクブライド
ライバル的なジュリア・ペンドルトン

 

ジュリア・ペンドルトンは、私が以前読んでいた時は、ものすごい鼻持ちならないイヤな奴をイメージしてたのですけど、改めて読んでみるとそこまでひどくありません。

 

それどころか、ジュリア・ペンドルトンはある意味で大変な重要人物です。

何しろ、この子はあしながおじさんの姪っ子です!

 

こんな大文字で盛大なネタバレをぶちかましてしまいましたが、今回の私の注目は、あしながおじさんがいかに主人公にアプローチしていたか、です。

 

じっくりと、そこを中心に読み進めていきたいと思います。

 

 

 

つづく。

 

 

◇ 

版権も切れていますので、グーテンベルクで出ています。
原文が読めます。 

 

www.gutenberg.org

 

わたしも読んでみたのですが、とてもとても読みやすかったです。

 

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

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whichbook.hatenablog.com

 

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