今日の一冊「子うさぎましろのお話」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
サンタクロースからもらったおかしを食べてしまった子うさぎのましろは、またほしくなってもらいにいくのですが……。
「小うさぎましろ」
名前も可愛いし、絵も可愛い、とても可愛い絵本です。
長いこと、しずかに売れ続けていて、今も本屋さんの棚に置かれています。
クリスマスの時期、子うさぎのましろはまっさきにサンタさんにプレゼントをもらいました。
北の国に住んでいるどうぶつたちは、サンタさんの住んでいる場所に近いので、早くおくりものをもらえるのです。
白うさぎのましろはお菓子とかざりをもらったのですが、お菓子はあっというまに食べてしまいました。
もっとなにか欲しくなり、もう一度何か頼もうかなと考えます。
でも、サンタさんにもらえるのはどの子どもも、一度だけという決まりです。
ましろは、かわいらしいずるを考えつきます。
「別の子だって言えばいいんだ」
ましろは自分の体にすみをこすりつけて黒くして、サンタさんに会いに行きます。
サンタさん、ましろだとすぐにわかるのですけど、ましろが違うと言い張るので、からっぽの袋を探してみます。
うそをついていても、すごく子供らしくてかわいらしいです。
ふくろにはもう、小さなたねが一つしか入っていませんでした。
がっかりしたけど、たねをもらい、サンタさんが食べるためのサンドイッチももらいました。
サンタのおじいさん、とてもやさしいです。
寒かっただろうといって、そりに入れてくれて、おあがりとサンドイッチをくれます。
おなかいっぱい食べて満足した子うさぎはうちに帰る前に、すみを取ろうとしましたが、どんなにこすっても取れなくなっていました…。
幼い心で、ずるいことを思いついて、プレゼントをもうひとつもらおうとした罰なのか。
まっしろだった純粋な心が汚れてしまった示唆なのか。
子どもたちには、少しだけどきっとするお話かもしれません。
ましろは色々考えて、「たねはかみさまにおかえししよう」と、冷たい雪を掘ります。
土にたどりつくまでどんなに手足が冷たくなっても掘って掘って掘りぬいて、たねを埋めます。
たねからは、美しいクリスマスの木が生えてきました…。
ましろはサンタさんに何もかもお話するのですけど、そうかそうかと優しく受け止めてくれます。
こらしめではなくて、大きな愛で許される。
どこまでも優しいお話です。
クリスマスにはぴったりの絵本です。
◇
昔、ちらっと検索して見つけたブラックサンタの話がおもしろく、興味本位で話してみたら子供たちすっかり信じ込んでしまい、めちゃくちゃ怖がっていました。
(クリスマスでなくても常に欲まみれなので)
※ブラックサンタ=なまはげみたいなものです。悪い子はいねがぁ~!
ブラックサンタより間違いなくこのましろのお話の方が優しいです。
本になるにあたっての後書きを、作者の佐々木たづさんが書かれているのですが、ボストンの近くに過ごされていたとき、盲導犬ロバータを連れて、お友達のクリスマスに招かれていたときのことを思い出したとのこと。(高校生のときに失明されていたのですね…)
ジッと耳をすませば、はるか彼方からそりの鈴の音(ね)が聞こえてきそうなそんな夜でした。
美しいです。
wikiで調べてみると、何とあの「銭形平次」(知らないかたがもう多いかもしれません)の作者に小説の師事を受けたとのことでした!
女の子にばけて山からおりてきた子だぬきと、じてんしゃにのった少年との心のふれあいを、あたたかく描いた物語。
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