今日の一冊「魔法の庭ものがたり9 フェアリーたちの魔法の夜」
今日、ご紹介するのは児童書です。
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今日の一冊
魔女の遺産を相続した人間の女の子、ジャレットの物語。相続したのは、ハーブ魔女トパーズの屋敷、「トパーズ荘」と、そのハーブガーデン、「魔法の庭」。そして、もうひとつ……。トパーズが書いた薬草の本、「レシピブック」でした。ジャレットはトパーズのあとつぎとして、「ハーブの薬屋さん」になり、村の人や、動物たちなど、さまざまなおきゃくさまに、毎日、お薬をつくっています。妖精たちのために「夏至祭りのキャンドル」を作ることになったジャレット。けれど、「先代の魔女ならどうするか?」ばかり考えて、自信が持てません。
図書館でこのシリーズがあるからそこに行くという本がありますよね。
シリーズもので、すごくたくさんあって、読んでないものなどないので、選び放題。
昔ならばゾロリ。ズッコケ。
今でも小学生たちにはゾロリは大人気です。
「図書館にはゾロリがある」
この安心感と、楽しみで図書館に来てくれます。
またおしりたんてい。ちょっと大きくなった子で、今ならば銭天堂。
銭天堂シリーズは、子供たちが日々触れる漫画やアニメととても親和性が高く、すんなりと物語に入れますし、ちょい怖ホラー要素もある、倫理も教えると言う、三方よしの作品です。
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偏見かもしれませんが、女子向けの方が割とこの「シリーズもの」は充実している気がします。
子どもによりますけど、やっぱり、女の子の方が本に向かってくれますね。
中でもとてもお気に入りなのがあんびるやすこさん。
児童文学では、きったはったの大騒動やら、トンデモな冒険をしてほしいと願う私ですが、あんびるやすこさんのお話はそんなすごいことはおきないのですけど、安定していてとてもこころやすくあたたかです。
そして描写が美しく、また面白いです。
ジャレットはとてもお嬢さんでお行儀がいい、いわゆる「良い子」なのですけど、元気がありあまっているこねこたちがやんちゃなので、そこはバランスが取れています。
あまり考えずにピックアップしたのですが。
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夏至のお祭り、ミッドサマーナイトに向けてのお話です。
(これは、紹介する時期が悪かった!)
・友達のエイプリルとスーとの、将来の相手に会える夢を見る方法の話
・人間のおとなの依頼者、リジーの、お友達とのトラブルの話
・妖精のキャンドルの依頼のお話
この三つの出来事が、主人公のジャレットを軸にして展開します。
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主人公ジャレットは、あれこれの問題に悩みながら手探りで解決を試みていくわけですが、とんちをきかせて「よしわかった!!」と問題解決するわけではなくて、その悩み方が実に人間的です。
頼みに来た人々、特に今回は若い女性のリジーは、友達と喧嘩をしてイライラしたあまり、怒りにまかせて「友達を忘れる薬」を作って欲しいとジャレットに頼みに来ます。
ジャレットは勢いに押されて、わかったと答えてしまうのですが、本当にそれがリジーの望んでいることなのか。
今リジーはどんな風であるのか、ジャレットは慎重に、とてもよく観察し、悩み考えます。
何が最善なのか。
それぞれの気持ちや状況をじっくりと考えながら少しずつさぐります。
それは私たちの生活そのものの中にもよくあることで、普通の女の子でありながら、魔法の力の一端を手にすることになった普通の女の子、というのがとても共感を得ることができ、よい感じに子どもたち(女の子たち)を夢中にさせます。
すんなり本の世界に入ってくれるのに、とてもよいシリーズです。
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一軒の駄菓子屋。この店にくる客は、その駄菓子に魅せられ、とりこになり、彼らの運命は、大きく変わることになる。さまざまな欲望をすくいとり、駄菓子に翻弄される人たちを描いて、子どもだけでなく、大人も夢中にさせるシリーズ全12巻セット。
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