コブラとマングース キプリング「リッキ・チッキ・ターヴィー」1
閑話です。
ニュースで見つけて、おお~!となりました。
元になっているのは、こちらのTwitterのようです。
Animals trying to kill a snake is akin to suicide, but mangoose have tricks of their own.Residing for millions of years alongside them, they have adopted to its venom. Agility, thick coats & glycoprotein production makes it immune to venom.Thick jaws brings cobra down in seconds. pic.twitter.com/d32TmUTjcJ
— Susanta Nanda IFS (@susantananda3) March 16, 2020
これは、私にとっても、すごい憧れです。
「ジャングル・ブック」の中に入っている、マングースのお話を読んでからのことでした。
「宝島」と一緒に入っている「ジャングル・ブック」のお話。
(翻訳は、「宝島」とおなじく西村孝次さんです。)
実は、私は「宝島」よりも「ジャングル・ブック」の方がツボにはいって、以前からずっと「ジャングル・ブック」ばかり読んでいました。
もう一度、かならずまた詳しく紹介したいなあと思っていますが、この中に「リッキ・チッキ・ターヴィー」という、マングースVSコブラの短編が入っています。
これがまた、本当に面白くて、胸熱なのです…!
しかし、このお話、あまりにも面白いあまり、功罪があったようで、マングースは今や沖縄では害獣。
ハブ駆除のために輸入されたのがもととなって、環境破壊の原因となってしまったりしています。
ハブVSマングースで、見世物にもなっていたようですが、「このお話がもとだったとナショナル・ジオグラフィックに書かれていた」と、さきほど紹介した記事にありました。
いやあ、そうだろうなあ。
私も、強烈な印象が残っていて、忘れられないです。
沖縄で害獣というのは、よく理解しているのですが、このお話のロマンはそれとは別で、本当によくできています。
◇
このお話では、マングースのことを「ねこいたち」と書いていて、可愛いです。
洪水でお父さんとお母さんにはぐれてしまった、小さな子どもマングースの「リッキ・チッキ」
インドに住んでいるイギリス人家族に拾われるのですが、目を覚ましてもぜんぜん動じません。
モングースをこわがらせるというのは、世界じゅうで、いちばんむずかしいことだった。というのは、モングースは、鼻のさきからしっぽのさきまで、好奇心でこりかたまっているからだ。あらゆるモングース種族のモットー(あいことば)は、「かけていって、見つけろ」というのだった。
しっぽが「びんあらいのブラシのようにさか立つ」と書かれているのですけど、わかりすぎるほどよくわかります。
すごくリアルに想像できます。
かれは、綿を見ると、これは食べられないものだときめ、テーブルの上をかけまわり、すわって毛なみをととのえ、からだをかき、それから、少年の肩にとび乗った。
親と離れ離れになっても平気の平左です。
強いです。
この、インドに駐在しているイギリス人家族は、夫婦と小さな息子です。
リッキ・チッキはこの家に飼われることになります。
可愛い子どもマングースなので、たいそう可愛がられるのですけど、そこに黒コブラの夫婦、ナッグとナガイナが現れます。
「はぬい鳥」のダージーが、巣から落ちた子どもがひとり、ナッグに食べられてしまったと泣いています。
(「はぬい鳥?」と調べてみると、 tailor-birdというもので、サイホウチョウ属だそうです)
「ふむ!」とリッキ・チッキが言った。「それは、たいそうお気の毒だね──でも、ぼくは、まだここをよく知らないんでね。ナッグってだれ?」
強いです。
このリッキ・チッキ、何というか、あらゆる面でとにかく強いです。
ジャングル・ブックの主人公、モーグリも強いですが、全編をとおして、野生の魅力にみちみちています。
可愛くても、野生は野生。
怒ると真っ赤な目になる(という設定の)マングース。
小さくてもコブラと戦う本能は体に流れています。
コブラの夫婦、ナッグとナガイナとにらみあった後に、茶色のちいさな毒蛇をやっつけるのですが、この小さな毒蛇は、「コブラに噛まれるのとおなじぐらい危険」だそうで、イギリス人家族は大いにリッキ・チッキに感謝します。
つづきます。
こちらは無料の原作(英語版)です。
オオカミに育てられた少年、モウグリは、ヒグマのバルーや黒ヒョウのバギーラに見守られ、ジャングルのおきてを学びながら、すくすくと成長していく。宿敵のトラ、シア・カーンとの対決など、さまざまな冒険を切りぬけ、ジャングルの主になったモウグリだったが、やがて春がおとずれ……。キプリングによる古典的名作。新訳。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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