~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「青い月の石」 3 たまに王子をビンタしたくなる

大人が読む児童書。
積ん読・解消計画★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

青い月の石
トンケ・ドラフト (著), 西村 由美 (翻訳)

ヨーストはある暗い夜、家の外にあやしい黒い影を目にする。そして次の日、校庭の地面の下からぶきみな男が現れた。その名は地下世界の王、マホッヘルチェ! ヨーストは足あとを追っていくが……。それは月が青くなったときに始まった、少年と仲間のとくべつな冒険の物語。現実とおとぎ話が入り交じる、人気作家のファンタジー

 

 

大人が読む児童書「青い月の石」 1 異世界へ行く資格とは

大人が読む児童書「青い月の石」 2 天女の羽衣はカモ

 

 

姫は魔法を駆使して地下世界の王マホッフヘルチェの裏をかきました。
手に手を取って逃げるイアン王子、ヒヤシンタ姫、ヨーストの三人です。

 

見守りながら待っていたヤンと、魔法使いのオルムと合流、熾烈な逃走劇が繰り広げられます。
(やっとヤンが合流できました!)


地下世界の王は、非常に力のある恐ろしい残酷な王さまなので、それはそれは怖いです。

 

ヨーストは皆を守るために、青い月の石を手放さなければなりませんでした。

 

地下世界の王は最後の最後に、逃亡者たちに呪いをかけます。

 

恐ろしいその呪いとは、イアン王子とヨースト、この二人が日が昇るまでの間に、「あること」をした瞬間に、相手を忘れてしまうというものでした…。

 

忠告されたにも関わらず、残念ながら二人ともすべてを忘れてしまいます。

 

イアン王子に忘れられて拒否された姫は、悲嘆にくれてワスレナグサに身を変えてしまいました。

 

 

さて何日もいなくなっていたヨーストとヤン。
親たちは気をもんでやきもきしています。

 

この物語では、不思議な魔法世界の出来事は、現実世界と平行線で完全につながっています。
境目のようなものがなく、また時間軸も同じです。

 

「あの世界では数ヶ月たったものがこちらの世界では数秒だった」ということがないのです。

 

なので、ヤンの親などはもう、それはそれは心配しています。
そして、ヨーストは全てを忘れ去っているので、覚えているのはヤンしかいません!

 

ヒヤシンタ姫を助けるにしても、とにかくヤン。
ヤンだけが頼りなのです!!

 

ここまで読んできての、
「お前だけだぞ~~!頼むヤン!」感はすごいです。

 

いじめっ子だったヤンがヨーストのバディとなって一緒に旅をして、あれほど辛抱強くヨースト主導の冒険を待っていた意味がここでわかりました。

 

ここからは、ヤンの奮闘と冒険に変わります。

 

おとなとして読んでいての意見ですが、作者はもしかすると、いじめっ子の子供にも、冒険に参加してそのワクワクする楽しさを味わって欲しかったのかもしれません。

 

作り話、うそつき、と言っていたはずのヤンが、今度は信じてもらえない苦しみを味わいます。
しかし、ヤンはつよいので…からかったらぶんなぐられる圧はあります…)

 

ここで、ヤンの助けとなってくれるのがあの女の子、フリーチェです。

 

第三部は、ヤンとフリーチェが奮闘の結果、ヒヤシンタ姫を助け、イアンとヨーストの記憶を取り戻す…というお話です。

 

もう、最後まで読まないと気持ちがおさまりきれません。

 

 

全部話してしまっては面白くないので、あらすじに関してはざっくり紹介でここまでにしておきますが、このお話の魅力は何といっても、ヒヤシンタ姫です!

 

魔法を自在にあやつり、美しくて優しいヒヤシンタ姫が実に魅力的です。

 

そして、若干、ヒヤシンタ姫ばかり頑張っているような感じがしなくもありません
あまりにもヒヤシンタ姫と、その魔法が素敵なので。

 

父王とも互角に渡り合っていますし、かっこよくもあります。
とにかく姫が頼りで、イアン王子はおんぶにだっこです。

 

第三部にいたっては、王子はいくら姫が訴えても忘れた忘れた、知らない人だと言い張りますので、
これほど頑張っていたヒヤシンタ姫を忘れた挙句にその態度はなにごとだ!
と、読んでいるこちらとしては、王子を往復ビンタしたくなります。

 

いや、グーパンチかな…。

 

もっと頑張らんかいおらぁ!

 

しかし、ラストでのカタルシスはそれはそれは突き抜けていてすっきりです。

 

たいていの人は信じないかもしれないけれど、人はみんな魔法の力を持ってるのよ。

 

 〆は、妹子に読了をご報告です。

 

 

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

王への手紙
トンケ・ドラフト (著, イラスト), 西村 由美 (翻訳)

騎士になるための最後の試練の夜、16歳の見習い騎士ティウリは、見知らぬ男に重要な手紙を託された。思いがけない使命を与えられ、大山脈のかなたの隣国へと向かったティウリの行く手には、陰険なスパイやさまざまな陰謀が待っていた。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ふたごの兄弟の物語
トンケ・ドラフト (著, イラスト),  西村 由美 (翻訳)

そっくりだけれど、性格はまったくちがうふたごのお話。盗難事件にまきこまれたり、同じお姫さまを好きになったり…。いつも二人は、うりふたつであることを利用して、大かつやく!ふたごの大冒険がはじまります。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

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