大人が読む児童書「青い月の石」 4 読了 読め読め有効認定
大人が読む児童書。
「積ん読・解消計画★児童書編」です。
この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ヨーストはある暗い夜、家の外にあやしい黒い影を目にする。そして次の日、校庭の地面の下からぶきみな男が現れた。その名は地下世界の王、マホッヘルチェ! ヨーストは足あとを追っていくが……。それは月が青くなったときに始まった、少年と仲間のとくべつな冒険の物語。現実とおとぎ話が入り交じる、人気作家のファンタジー。
大人が読む児童書「青い月の石」 3 たまに王子をビンタしたくなる
わたし「妹子!面白かったよ!とてもいい本だった」
ここからは、おすすめしてきた妹子との雑談です。
妹子は、題名が綺麗だと思って選んだそうです。
妹子「月の石で青い、ってすごく綺麗じゃない」
なるほど。宝石キーワードだったのです。
(妹子はからすのように、キラキラピカピカしたものが大好きです。)
わたし「でも青い月の石は、投げ込んで終わったね」
妹子「石があればまた冒険に出られたんじゃないの?月は二度と青くならないの?」
わたし「大丈夫。青い月って新月だから」
最後にヒヤシンタ姫が説明してました。
ならば、青い月は気付いていないだけで、誰のもとにも訪れているわけです。
新月の夜に何かが起きる。
ヨーストのおばあちゃんが言ってました。
「月は、だれにも気づかれずに、青くなることがあるんだよ。」
◇
これは、わたしは大人として読むからわかるのですが、妹子は(自分も…)、小さい頃に、お友達とたくさん空想ごっこをして遊んでいました。
わたし「ちぎれるほど振り回してリカちゃんとか、ほっぺちゃんたちが暴れまわってたの覚えてるかな?」
妹子「よく覚えてる」
特に面白かったのは、お金持ちのお嬢さまと居候の女の子の話でした。
親は外国に住んでるのでいません。
妹子「夜は変身するんだよ!それで怪盗なの」
わたし「金持ちなのに泥棒かよって思ったからよく覚えてる」
プリキュアの影響も大でしたが、おおむねオリジナルでした。
大きなほっぺちゃんを馬にして、空を飛んで戦うのですが、バトルにワイヤーアクションばりのスローモーションが入っていて、すごく面白かったです。
あれは、本当に起きたことだったと思います。
お友達たちは、もうそろそろ、記憶も薄れ、失いかけているような気がします。
特に女の子はグループを作りますから、いったん属してしまうと、そのグループの中での小さなルールでいっぱいになってしまいます。
兄助(妹子の兄)のときですけど、グループの「影響力のある子」を嫌って、引き離したいと思う親御さんが、お受験を頑張らせ、塾づけに…ということもありました。
(そういう塾の先生がたがみな、口をそろえて「読解力!本本本!読書・読書!」と言ってきます。そして、「何の本を?」という所には答えがありません…)
◇
妹子もこれからどうなるかは誰にもわかりません。
妹子、こんな風に聞いてきます。
「大人にならないといけないの?大人になったら忘れるの?」
「いや違うよ。大人になることと、それを失わないことは違うんだよ」
そんな「大人になったら忘れるの?」なんて問いかけを直接されたことがとても印象的でした。
そんな、お話の中で起きるような問いかけをされることなんて、なかなか出来る体験ではありません。
この話では、ヨーストが失いかけていましたが、それを取り戻したのが何と、強力な悪の力だったというところがすごい面白いなあと思いました。
それと、かごめかごめのような、歌いつがれてきた古い歌によってです。
古い歌と、悪の力が、物語の力を呼び覚ます。
古い歌には魔法が潜んでいるのです。
◇
読め読めと言って言われて読んだよりも、「自分で探し当てて、自分で読んで感動したと思った」という感動はやはり、特別のものであるようです。
「こういう本に出会えて良かったね」
と言うと、こんな風に言ってきました。
「あのねフリーチェが姫を戻すところね、音がすーっと消えていって、まわりが透明になって声だけ本当に聞えたの」
ほお~。
ワスレナグサに身を変えてしまっていたヒヤシンタ姫を戻すのはフリーチェです。
好きな本を持っている方はみんなわかってもらえると思いますが、こういう体験は本当に貴重だと思います。
◇
今回は、立場逆転で読め読め読めと言われて読んだわけですが、結果的にとてもよかったです!
今回、私が読め読めと言われて放置していたのは何と半年です。
どんだけ放置していたのか…。
本をおすすめするというのは難しいです。
好みもありますし、時期もあります。
しかし、自分がしぶしぶ読んでみて良かったので、やはり読め読めと言い続けることは無駄ではない、と思いました。
本との出会いは、人との出会いと同じような所があります。
自分好みの本に出会うには、まずたくさんの本を手にとってみて当たらなければなりません。
開いてみなければ、出会うこともないわけです。
結果的に、読まされた本が合わなくて
あ、そうか自分はやっぱり漫画だわ
とか
活字には基本むいてないわ。そういう人がいてもいいよね
という結論に達したとしても、それはそれでいいんだと思います。
名作に触れた経験は、決して無駄にはなりませんから。
それだけの力を持っている本だから、名作と呼ばれているわけです。
めちゃくちゃな言い方をするようですけど、どうせまだよく知らない時期に与えるなら、名作です☆
(と同時に、こどもが買って欲しいと言って来る本が自分の好みにあわず、下らないと思っても買ってあげて欲しいと思います💦)
◇
蛇足
妹子「ひどい!泥棒じゃない!怪盗だから!泥棒とかちがう!」
わたし「うーんそうだったかな…」
妹子「ふでばこについてるきつねがとらわれてるからって、それを助けに行ってたの!泥棒じゃない!怪盗なのひどい!訂正して!」
わたし(うーんでもそのときは宝石を盗みに行くって言ってたのをわたしは覚えてるんだけどな…脳内のどこかで修正したんだな…)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
騎士になるための最後の試練の夜、16歳の見習い騎士ティウリは、見知らぬ男に重要な手紙を託された。思いがけない使命を与えられ、大山脈のかなたの隣国へと向かったティウリの行く手には、陰険なスパイやさまざまな陰謀が待っていた。(「BOOK」データベースより)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そっくりだけれど、性格はまったくちがうふたごのお話。盗難事件にまきこまれたり、同じお姫さまを好きになったり…。いつも二人は、うりふたつであることを利用して、大かつやく!ふたごの大冒険がはじまります。小学5・6年以上。(「BOOK」データベースより)
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