今日の一冊「小さなお城」
今日、ご紹介するのは、かなりしっかりしたページ数の多い、「本型の絵本」です。
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今日の一冊
カエルのケロロとネズミのチュッチュ、それに金色とさかのオンドリと灰色ハリネズミ―4ひきの動物が小さなお城で楽しくくらしています。そこにオオカミとキツネとクマがやってきます。さぁ、たいへん!小さな動物たちは知恵をしぼり、力をあわせて、悪い動物たちに立ち向かいます。
「森は生きている」の、サムエル・マルシャークの絵本です。
絵本…絵本?
けっこう厚くて読み応えあります。
実は私の持っている方は、☟こちらのバージョンの「ちいさいおしろ」で、とても古い本で残念ながらもう取り扱いされていません。
でも、イラストはかの有名な滝平二郎さんです!
「モチモチの木」「花さき山」で有名なかたです。
日本的な版画が多かった(と思われる)滝平二郎さんですが、このロシアの物語のイラスト、この絵が本当にすばらしくて、大好きでした。
つくりも面白くて、冒頭は、まるで、したきりすずめのようないじわるじいさんと、ほんわかじいさんの会話からはじまります。
マルシャークは、戯曲の形式なので、このお話でもそうです。
あとがきには、紙人形劇のつくりかた、演じ方も書かれていて、ご家庭でもどうぞと書かれています。
このいじわるじいさんとほんわかじいさん、見かけはじいさんなのですけど、よく会話を観察してみると、特にいじわる爺さんは、意地と見栄をはっただけの、子どもの会話です。
「ちいさいおしろ」の中身の本編は、いじわるじいさんが悪役を、ほんわかじいさんが善役を演じることが示唆されます。
◇
お話は、ちいさなおしろをかえるが見つけるところからはじまります。
かえるが小さいおしろを見つけ、そこにねずみが現れて、一緒に住むことになります。
絵がとてもすばらしいのです!
今となっては、この本は宝物です。
「森は生きている」と同じく、何度も翻訳され、再話され続けているのですが、今、手に入れられるのはこちらの本だと思います。
カエルはケロロ、ネズミはチュッチュという名前になっています💖
可愛いです。
私の持っている版は、ぴょん子とちゅう子です(笑)
時代を感じます…。
おんどりとはりねずみが仲間に加わりました。
むぎをつき、パンをこね、門番ははりねずみ。
おんどりはというと、歌を歌ってます。
一見、役立たずに見えますけど、やはりエンタメ部門は大切なんです。
◇
悪役は、くま、きつね、おおかみです。
妹子「こわっ!!!このくま、目が正気じゃないよ!」
う~~ん、確かに。
◇
しかし、おしろは小さいけれど堅固でした。
くまがやられ、おおかみがやられ、最後に残ったのはきつねです。
女の子!!
この「悪いきつね」、スカートをはいてます。
おんどりに言葉たくみに近づき…。
甘いささやきで、おんどりをほめ殺して、自尊心をくすぐり…
悪女のきつねなのです。
◇
敬虔なロシアのギリシャ正教の影響あってか、勧善懲悪がとてもしっかりしていて、でもいっさいの宗教くささを感じさせません。
「自然」と「動物たち」に誰よりも心がよりそっている。
そこがマルシャークのいいところだと思います。
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マルシャーク、片岡みい子さんの翻訳で、「ねこのいえ」というのがありました。
とても読んでみたいです!!
ネコねえさんのお屋敷はどこの家よりも立派です。ところがたいへん大火事に。たすけてくれたのは貧しい子ネコたち。みんなで家を建てることになりました。力を合わせ、いっしょに建てよう!家族全員、四人そろって、新しい家を建てましょう。
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「森は生きている」は、一度記事にしてみたことがありますので、ご紹介します。
気まぐれな女王が真冬に4月の花マツユキソウをほしいといいだし、国じゅう大さわぎ。継母の言いつけで吹雪の森に分け入った少女は12の月の精たちに出会います。有名な児童劇。
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