~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「みつばちマーヤの冒険」 1 エーミールを訳した高橋健二さんのマーヤ

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

みつばちマーヤの冒険
ワルデマル・ボンゼルス (著), ホーマー・ボス (イラスト), 毛利孝夫 (翻訳)

 

 

「昆虫すごいぜ」から、「みつばちマーヤ」

 

 

「みつばちマーヤ」と聞けば、かなりの確率でこちらのマーヤが思い浮かぶであろう昭和期アニメ版のマーヤ。
(最近はもう、記憶から薄れつつありそうですが…)

 

 

割と長い物語である完訳版、これがまたド派手に面白いものなので、ぜひ一度手にとって読んでいただきたいものです!

 

 

私が持っているバージョンは、この赤い「世界少年少女文学全集」です。

 

f:id:WhichBook:20210830100047j:plain

吉田健一さん訳の「アリス」と並んで、高橋健二さん訳の「みつばちマーヤ」は、大・大・大好きでした。

 

以前書いたこの少年少女文学全集に関するnote記事1note記事2

 

大好きだったこの一冊。
妹子にはうるさく言って、もう少し小さい頃に読んでもらったけど、もう一度読んでもらおう。

 

 

最近は、漫画や創作の方に気を取られがちですが、ただ読んで、というよりも
「ブログのネタにするから読んで」
と言った方が、読んでくれるという……。

 

複雑です。

 

もはやこのブログが子どもに本を読んでもらうための手段になっています。

 

そういうことを言わなくても、砂漠で水を飲むように、ガッツガツに読んでくれる子供たちもいるのですが、自分の子がそうとは限らないのが悲しいところです。

 

子どもは意志が出てくると難しい。

 

読み始めたらするすると読んでくれるし、面白い面白いと言ってくれるのですが、やっぱり、字の多い本というのは、ある程度一押しも二押しも必要なので、そこはやっぱり鋭意努力・工夫しないとダメなんだなと再認識する毎日です。

 

 

とりあえず、開けてみると、第三章でした。

 

第三章 森の湖とそこに住むものたち

 

う~ん、きれいな題名!
目次からして素敵!ウットリ。

 

そして、この第三章こそ、シュヌックの登場する回でした。
あまりにも好きすぎて、何度も何度も開いていたため、自然にこのページが開いてしまったようです。

 

このみつばちマーヤのお話。
ほのぼのとしたみつばちのぼうけん☆虫たちとの交流☆妖精たちも出て来てメルヘンチック☆
…だけでは、終わらない奥深さを持った作品です。
(おいおい、説明します)

 

 

もちろん、ざっくりと話してしまうと、
巣を抜けだしたみつばちのマーヤが、次々にいろんな虫たちと交流をしていく。
この大筋には変わりありません。

 

目次から見ていきます。

 

作者がみずから盛大にネタバレをぶちかましていますが、構わずにご紹介してしまいます。

 

カッコ内は、わたしがつけた、登場する昆虫の名前です。

 

第一章 ふるさとの町を出るマーヤ (みつばち)
第二章 ペッピーのばらの家 (ばらこがね)
第三章 森の湖とそこに住むものたち (きんばえ、とんぼ)
第四章 イッフィーとクルト (あり、まぐそこがね、こおろぎ)
第五章 ばった
第六章 プック (はえ
第七章 マーヤ、くもに捕らえられる (じょろうぐも)
第八章 かめ虫とちょうちょ (かめ虫、もんしろちょう)
第九章 ハンニバルと人間との戦い (きくい虫、ザトウムシ)
第十章 夜のふしぎ (蚊、夜こおろぎ)
第十一章 妖精の旅 (蛾、ほたる)
第十二章 ななほしてんとう虫、アロイス
第十三章 盗賊の城 (むかで、すずめばち)
第十四章 脱出
第十五章 帰郷
常十六章 みつばちとくまばちの戦い
第十七草 女王のおあいて役

 

このお話の訳では、「くまばち」になっていますが、英語版ではhornet。
スズメバチのことをさす「くまばち」であると考えて差し支えないと思います。

 

 

この「みつばちマーヤ」を訳されたのは、ドイツ文学者の高橋健二さん。

高橋健二 (ドイツ文学者) - Wikipedia

 

何といっても、このかたが訳された本の中でもっとも有名なのは、

 

「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」

 

という、超有名なトラウマ級煽り文句を口にしたエーミールのお話。
教科書に載っている「少年の日の思い出」を訳された方です。

 

少し話はズレてしまいますが、先日、Twitterで「エーミール」ネタがバズっていました。

 

 

 

「そうか、そうか」ですべてがわかるというのはすごいことだと思います。

本歌取りではないですけど、日本ってこういう「知っていることが前提」という共通知識を取り入れて投稿をし、それがこうして話題になるというのは、とても…。

大好きです。 


そして、こちらにも書かれていましたが

 

高橋健二さんに、ヘッセが直接新聞の切り抜きを渡した、というのがすごいです。

 

この「少年少女文学全集」には、エーミールの話である「少年の日の思い出」が含まれています。

 

あとがきで、高橋健二さんがそのことについて言及されていました。

 

ここに集めた作品は、「寓話集」と「思い出草」から取ったものです。「少年の日の思い出」は、わたしがおたずねした時、ヘッセ自身がくださった切りぬきのなかから訳しました。

 

わぁ~本当だ! 

Twitterで話題になった記事から、リアルタイムで本の中から、ご本人のあとがきを確認できるなんて…。

 

日本でもっとも多くの人に読まれた海外文学作品が、本場のドイツでもほとんど知られていないなんて!

びっくりです。

 

 

この赤本の中で、ほかに掲載されているヘッセの作品は、ほかにも
「三本のぼだいじゅ」
「幼い友の死」
「少年時代から」
「幼い日の聖フランシス」
があります。

 

どれも、おそらく日本語に訳されている中でも貴重な作品だと思います。
わたしは「聖フランシス」の話が深く心に残っています。

 

…。

 

…この高橋健二さんが、「みつばちマーヤ」
また、ケストナーの「点子ちゃんとアントン」を訳されているんですよ!(意味もなくドヤ顔)

 

whichbook.hatenablog.com

 

ヘルマン・ヘッセに直接お話を手渡された人が、「点子ちゃんとアントン」を訳しているんですよー!!

大事なことなので二回言いました。

 

 

というわけで、「みつばちマーヤ」に戻りますが、これはたいそうドラマチックな筋立てです。

とてもエンターテイメントとして、盛り上がりも抜群ですし、映画になるのも、アニメになるのもよくわかります。

 

また、さすがにこの高橋健二さんの訳がうまい!!

 

「水の子」の単語でさんざんつまづいていた妹子、ゆっくり読む派も、マーヤはするする~っと読んでいきました。

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

原文がグーテンベルクで公開されていますので、載せておきます。

 

ドイツ語版 「みつばちマーヤ」原文(挿絵なし)
 

英語版「みつばちマーヤ」
こちらは、割とリアルな挿絵つきです。

https://www.gutenberg.org/cache/epub/22354/pg22354.cover.medium.jpg     https://www.gutenberg.org/files/22354/22354-h/images/frontis.jpg

 

 

ワルデマル・ボンゼルスの著作で、フリーで読めるもの

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 


 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

みつばちマーヤの冒険
ワルデマル ボンゼルス (著), 熊田 千佳慕 (著)

フランスのファーブル愛好家から"プチ・ファーブル"と親しまれている細密画家、熊田千佳慕氏が馬の毛3本の絵筆を駆使して5年、ついにあのワルデマル・ボンゼルスの名作"みつばちマーヤ"を美しい絵本として完成させました。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

みつばちマーヤのぼうけん
中脇 初枝 (監修), 本田 久作 岡部 順 宮川 治雄 (著)

好奇心旺盛なみつばちの女の子マーヤは、外の世界へ飛び出します。フンコロガシやチョウなど、さまざまな虫たちと出会って……。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

みつばちマーヤの冒険 (絵本アニメ世界名作劇場)
アイプランニング (著), 日本アニメーション株式会社 (著), ウァイデマル・ボンゼルス (著)

ミツバチの女の子マーヤは、ミツバチの王国を飛び出して、外の広くてすばらしい世界で、不思議なこと、うれしいこと、悲しいことなどをたくさん経験します。やがて、古巣の王国へ帰ってみると、仲間が破滅の危機に…。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

文庫 少年の日の思い出
ヘルマン ヘッセ (著),  岡田 朝雄 (翻訳)

車輪の下』と同時代の初期短編集。青春の心の動きを類い稀な描写で描いた独自の世界。表題作は蝶の標本を巡る話で昆虫好きの訳者がこれまでの誤訳を詳細に正す。

 

こちらは、岡田朝雄さんによる改訂版です。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

教科書名短篇 - 少年時代
中央公論新社 (編集)

ヘッセ、永井龍男から山川方夫三浦哲郎まで。少年期の苦く切ない記憶、淡い恋情を描いた佳篇を中学教科書から精選。珠玉の12篇。文庫オリジナル。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

車輪の下
ヘルマン・ヘッセ (著), 高橋 健二 (翻訳)

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする……。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ジュニア版ファーブル昆虫記 全8巻セット
ジャン・アンリ・ファーブル (著), 奥本 大三郎 (著), 見山 博 (著)

大自然の調和と不思議を描いた永遠の名作を生き生きとした文章と豊富な図版で子どもから大人まで楽しめるシリーズです。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

完訳 ファーブル昆虫記
ジャン=アンリ・ファーブル (著), 奥本 大三郎 (翻訳)

読み継がれる昆虫の叙事詩、待望の完訳版!虫の詩人・ファーブルが著した昆虫自然科学の古典がファーブルの第一人者・奥本大三郎の解りやすい翻訳でよみがえる。詳細な脚注、訳注、細密な昆虫イラスト、美しい写真口絵が充実。

 

 

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