~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「がんばれヘンリーくん」 2 アニメでもありそうなドタバタ大騒ぎ、カオスを文字で現す

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

がんばれヘンリーくん
ベバリイ クリアリー (著), ルイス ダーリング (イラスト),
松岡 享子 (翻訳)

ヘンリーくんは小学三年生。どこにでもいる、ごくふつうの男の子です。ある日、街角でやせこけた犬を拾い、こっそりバスに乗せて家までつれて帰ろうとしましたが、とちゅうで犬があばれだして大さわぎに…。それいらい、ヘンリーくんのまわりでは、次つぎにゆかいな事件がおこります。小学校中学年から。(「BOOK」データベースより)

 

 

大人が読む児童書「がんばれヘンリーくん」 1 面白すぎるのに、説明が難しい

 

 

妹子「ヘンリー君を解説するってすげー難しいやん。説明できないでしょ」
わたし「う~ん」
妹子「とりあえず読んでくれって思う。読んでるうちに、書こうとしても内容しか頭に入ってこない。あは、おもしろ!みたいな感じでテレビ見てる感覚で次々に読んでしまうから」

 

やってみようじゃあないか。

 

ヘンリーが、アイスクリームをなめなめ、マンガを見ていると、ゴシゴシゴシという音がしました。

 

いぬが体を掻いていたのです。どうやら野良のようです。

 

ヘンリーくんは、いぬにアイスクリームをやり、交流しているうちに、いぬを飼いたい、という気持ちになってきます。
人なつこいいぬです。

 

このヘンリーくんといぬとの様子が、とても写実的に描かれていますが、読んでいてとてもユーモラスです。


いぬが体をこすりつけて掻く、「ゴシゴシという音」とか、「ブルッブルッ、ブルッブル。しっぽが、いっそうはげしくゆれました。」だとか、この字で読んでいる様子が楽しいのです。

 

親しみ深げないぬの様子が、「かわいい」「おとなしい」「無邪気」などというような形容詞を使わずに表現されています。

 

いぬが好きな人、いぬを飼ったことのある人なら、すごくよくわかる仕草です。
この親しげな様子、人懐っこさ…。

 

ヘンリーくんは、このいぬを飼えないかと考え始めました。
まずは、お母さんに了解を取ります。

 

電話ボックスに入って電話をかけるのですが、もう公衆電話という存在を知っている子が何人いることか…。

 

でも、災害のときは今でも役立ちますから、公衆電話とは何かという説明をしてあげるのも良いかもしれません☆

 

 

この表紙の絵からすると、ヘンリーはだいぶ大きいように見えるのですが、この電話ボックスの中で「ゆかに電話帳をおき、その上に立ってせのびをして、やっと届いた」という記述があるので、まだかなり子どもであると推察されます。

 

設定は、小学校三年生です。
三年生!いちばんおもしろい年代です。

 

ヘンリーがボックスの中でお母さんと話していると、不自然な音がしてきます。

 

アバラーが、からだをかきはじめました。ゴシゴシゴシ。電話ボックスの中では、音が大きくうつろに聞こえます。
「まあ、ヘンリー、いったいなあに、その音?」と、おかあさんはききました。
アバラーは、イェーン、イェーンと鼻をならしてなき、ついでワオーンと、ながく尾をひいてほえました。
「ヘンリー!」おかあさんは大声でさけびました。「おまえどうかしたんじゃないの?」

 

ここだけ引用ではイマイチつかめないのですが、読んでいると、いつもタイミングが絶妙です。

 

いま!?
というときに、アバラーが無邪気にやらかします。

 

 

ヘンリーは、このいぬにアバラーという名前をつけました。
あばらが出るほど痩せているのでアバラー。

 

英語では、「RIBSY」です。
RIBSYを、そのままリブシーとせず、アバラーと訳した素晴らしさ!

 

 

さてヘンリーくんは、おかあさんに「バスで連れて帰って来れたら飼ってあげる」と言われました。
この理由も、今日はおとうさんが車を使っているから、おかあさんが車で迎えに行けない、というちゃんとしたいかにもありそうな理由があって、納得です。

 

このバスに乗せるのが、また一苦労でした。

 

バス会社の規則で、犬は「はこ」に入れてなければ乗せられないということを聞かされます。
この「はこ」は、今でいうならすっかり「ケージ」という言い方が定着してますが、「ケージ」ではこの面白味は出なかったと思います。

 

というのも、ヘンリーくん、悪戦苦闘して「はこ」を探すのですが、段ボールの箱を店の人からもらったからです。

段ボールのはこ!
たしかにはこです。ケージではないです。

 

次のバスの運転手さんが、たぶん私たちが一般的に動物を入れる「ケージ」について説明してくれます。

 

「はこっていうのは、きちんとふたのしまるおおきなやつで、犬がいきができるようにあながあけてある、そういうはこのことをいうんだ。」

 

ヘンリーは雑誌を買うお金も持っていなかったので立ち読みしたぐらいですし、おかあさんが遅くならないようにと言ったのに、すっかり遅くなってしまいました。

 

次に思いついたのは、紙のショッピングバッグに入れることでした。

 

店員さんが、興味しんしんでヘンリーがいぬをショッピングバッグにいれ、ゆるくひもで包むのを見ています。

 

じょうずにラッピングされたアバラー、首尾よく、気づかれずにバスに乗れました!

 

まあ、ろくなことになる展開ではなさそうです。

そういう予感が楽しいです。

 

でもアバラーはしばらくおりこうです。

 

しかし…。

 

まわりにいた乗客が、みんな、ヘンリーとふくろをじろじろ見ていました。ガサガサガサ。ヘンリーは、紙の上から、アバラーの頭をなでてやろうとしました。ふくろは、まえよりもずっと大きな音をたてました。それから、あっちこっちとゆれはじめました。

 

周囲に責められあれこれ言われているうちに、ついに、アバラーは飛び出してしまいます。

 

アバラーは、すっかりおびえてしまい、にげようとして、頭からリンゴのふくろにつっこみました。ふくろはひっくりかえり、中のリンゴは、ごろごろごろごろ、バスのうしろのがへころがりはじめました。ちょうど、パスが、きゅうなさかを、ぎいぎいきしりながらのぼっていくところだったからです。

 

大騒ぎになります!

 

りんごが乗客の足を滑らせ
 ↓
JKが本を落とす
 ↓
おばさんが紙ぶくろを落として、おなべやフライパンがころがり出る。
 ↓
水まきようのホースを落とす。
 ↓
ホースはくねくねと伸びはじめ、乗客の足にからまる。

 

最後のが特にまずいです。

 

この大騒ぎ、とても面白い描写でいかにもアニメにありそうです。
トムとジェリーっぽい感じもします。

 

たぶんアニメにしたら短い尺です。
それか、テンポよくおもしろくスローモーションにするかです。

 

でもこれは
「おなべやフライパンがころがり出る」
「ホースがくねくねとのびはじめ」
「ひっくり返って、両足をちゅうにあげたままの人もいる」

 

一連の動作を、ことばで読んでいるからおもしろいのです。

 

乗客はみんな、大笑いの渦に巻き込まれるのですが、ヘンリーくん、バスの運転手さんに大目玉をくらってしまいました。

 

そして、バスをおろされてしまいます。
雨が降っていて、かなり暗くなっていました。

 

 

 

 

 

ヘンリーくんとアバラー
ベバリイ クリアリー (著), ルイス ダーリング (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

ヘンリーくんの飼い犬アバラーは、近所のネコを追いかけたり、パトカーの中から警官のおべんとうを失敬したり、行くさきざきでめんどうなさわぎをおこして、ヘンリーくんをうんざりさせます。念願のサケつりにつれていってもらったヘンリーくんは、アバラーのおかげで…ときにはよいことも!小学校中学年から。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

Henry Huggins (English Edition) Kindle版
 英語版 Beverly Cleary (著), Tracy Dockray (イラスト)

This timeless classic now features a foreword written by New York Times bestselling author Judy Blume, as well as an exclusive interview with Beverly Cleary herself!

 

 

 

 

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