~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「がんばれヘンリーくん」 4 やりたくない劇の主役・不可避の地獄

大人が読む児童書。
「再読★児童書編」です。


この記事はネタバレもしていくことになりますので、未読の方はご注意ください。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

がんばれヘンリーくん
ベバリイ クリアリー (著), ルイス ダーリング (イラスト), 
松岡 享子 (翻訳)

ヘンリーくんは小学三年生。どこにでもいる、ごくふつうの男の子です。ある日、街角でやせこけた犬を拾い、こっそりバスに乗せて家までつれて帰ろうとしましたが、とちゅうで犬があばれだして大さわぎに…。それいらい、ヘンリーくんのまわりでは、次つぎにゆかいな事件がおこります。小学校中学年から。(「BOOK」データベースより)

 

 

「がんばれヘンリーくん」 1 面白すぎるのに、説明が難しい

「がんばれヘンリーくん」 2 アニメでもありそうなドタバタ大騒ぎ、カオスを文字で現す

「がんばれヘンリーくん」 3 グリーン・クリスマスのドタバタ 劇よりも劇らしい

 

 

さて、やりたくもない 主役に大抜擢されてしまった ヘンリーくん。
本当に大迷惑です。

 

これを再読していて思うのですが、気が付きませんでしたが、どうやらヘンリー君は 体がかなり小さめのようです。

 

馬鹿にされるのを嫌がる小三男子の気持ち。
よくわかります。

 

さっそく、「ティミーちゃん!」とか、「おい、小さなぼうや!」なんて言ってからかわれています。
最悪です。

 

もし毎朝一時間ずつからだをのばす運動をしたら、ひょっとしたら、からだがぐんぐん大きくなって、この役にあわなくなるかもしれません。いや、それはだめだ。時間がない。

 

切実な悩み。

 

例の五年生のお隣さん、イヤミなスクーターが、「パジャマを着たらさぞおかわいらしいことでしょうね」なんて言ってからかっています。

 

ヘンリーはターゲットをそらせようと、ダンス人形の役をする女子メリージェーンに自ら矛先を向けてみるのですが、うまくいきません。
なぜなら、メリージェーンはドレスを着て、バレーシューズを履くのを心方楽しみにしているからです。

 

ほかの子たちは、それを聞いてひょうしぬけがしました。もしメリージェーンが、ダンス人形になってよろこんでいるのなら、からかってもしょうがありません。

 

つまり、嫌がっているから、からかいが成立するのですね。

だからといって小三男子に「平気な顔をしろ」「無視しろ」というのは無理な話です。まだ感情の制御は出来ません。

 

作者は子どもたちの生態をよくおわかりです。

 

 

ヘンリーくん、この地獄から抜け出す手立てを、力いっぱい考えはじめます。

 

アバラーを何とか連れ帰ろうとするときも、おこづかいがないのに、フットボールのボールが欲しかったときももそうでしたが、ヘンリーくん、一生懸命考えて、自分の力で事態を何とかしようと考えます。

 

そういう所が、いいなあ!
頑張り屋さんだなあ!と思ってとても好感がもてます。

 

 


おやつの記述だっ!

 

メモメモ

 

「クラッカーの上に、バターとジャムときざんだピックルスをぬったもの」
です!

 

クラッカーにピーナッツバターをぬったものを、アバラーにあげました。

 

英語版kindleのレビューを見ていると、800近くある評価がほぼ★5である中で、超数少ない「読ませたくない」とししていた理由が、「いぬに生肉や塩分のあるものを与えている記述があるから」でした。

 

それでも★は3で、★1の人はほとんどおらず、あっても「言語が違った」とか、「届いた本の状態がよくなかった」などという理由でした。
言語が違った、はさすがに無茶苦茶です。

 

次の章でも出てきますけど、どうやらペットショップで、「犬用の生の馬肉」など売っていたようです。そういう時代だったんですね。

 

 

話がそれましたが、ヘンリーくんがまず、劇の主役を回避するためにやったこと

 

その1:お母さんのふりをして先生に手紙をかき、やめさせてもらうようにお願いをする。

 

字だと、バレてしまうので タイプライターで書くことにしました。 今ならさしずめパソコンで印刷です。
考えたな、ヘンリー!

 

まだ小さいのでタイピングがうまくいきません。

 

トン……トン……トン、という感じで苦労して打ちます。
やっとできたのがこれです。

 

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妹子「だからなんでスペースキー押すの~!」

 

自分がちょっと最近、タイピングが出来るようになってきたからって…。

 

めげないヘンリー、再挑戦して二枚目も出来上がりますが、まさるとも劣らない笑える出来です。

 

 

回避する手段その2:ヘンリー、劇の練習で、ぐずぐずして、だらしなくして、台本はくしゃくしゃにして、読めないふりをする。

 

どんだけやりたくないんだ~!!

 

気の毒すぎて、先生にやめてあげて、と直接言ってあげたいぐらいです。
(クレーマー保護者思考)

 

詩も覚えて、暗唱しなければならなくなりました。

 

それは、ヘンリーがいままでに聞いたことのある歌のなかで、いちばんばかみたいな歌でした。サンタのおじさんばんばんざいだって!あほらしいにもほどがあります。でも、ロバートが「ワンワンワン、ぼくは茶色の大きな犬だ」という、もっとばかみたいな歌をうたわせられるとわかって、ちょっとむねがすっとしました。

 

お父さんもお母さんも、喜んでいる様子で、ちっともわかってくれません。
それどころか、目の前で練習すらさせられました。

 

 

回避する手段その3:毎朝、ごはんをめちゃくちゃにのみこむ。

 

これはどうやら、喉を傷めさせようとしたらしいです。
ただ健康になるだけな気がします。

 

 

雪が降ってきました!

 

みどりのクリスマスにはならなさそうです。

 

しかし、劇の準備は着々と整っています。
気の毒に、劇の主役、かわいいティミーちゃん役はどうやら不可避です。

 

whichbook.hatenablog.com

 

 

ヘンリーくんとアバラー
ベバリイ クリアリー (著), ルイス ダーリング (イラスト),
松岡 享子 (翻訳)

ヘンリーくんの飼い犬アバラーは、近所のネコを追いかけたり、パトカーの中から警官のおべんとうを失敬したり、行くさきざきでめんどうなさわぎをおこして、ヘンリーくんをうんざりさせます。念願のサケつりにつれていってもらったヘンリーくんは、アバラーのおかげで…ときにはよいことも!小学校中学年から。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ヘンリーくんとビーザス
ベバリイ クリアリー (著), ルイス ダーリング (イラスト), 
松岡 享子 (翻訳)

近所の友だちがかっこよく新品の自転車を乗りまわすのを見て、ヘンリーくんは自転車がほしくてたまらなくなりました。なんとかしてお金をためようと、なかよしのビーザスの協力をえて、いろいろ知恵をしぼります。でも、次つぎとおかしなことにまきこまれるばかり…。さて、ヘンリーくんは、どうやって自転車を手に入れるのでしょうか。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ビーザスといたずらラモーナ
ベバリイ・クリアリー (著), ルイス・ダーリング (イラスト),
松岡 享子 (翻訳)

ビーザスのなやみのたねは、妹のラモーナです。まったくラモーナときたら、どうして、こう次から次へといたずらばかり思いつくのでしょう。すっかり、ゆううつになったビーザスでしたが…。やんちゃでききわけのない妹を持った、お姉さんのなやみをユーモラスに描いたゆかいな物語。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

Henry Huggins (English Edition) Kindle版
英語版 Beverly Cleary (著), Tracy Dockray (イラスト)

This timeless classic now features a foreword written by New York Times bestselling author Judy Blume, as well as an exclusive interview with Beverly Cleary herself!

 

 

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くまのパディントン
マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

一度読み始めたらやめられない、おかしなおかしなクマのパディントンのお話の第1冊目。ブラウン夫妻がパディントン駅で見つけた子ぐまが、夫妻にひきとられ縦横無尽に活躍します。

 

 

 

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