今日の一冊「もりのおくのおちゃかいへ」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
おつかいに行くキッコちゃんが見つけた不思議な館。そっとのぞいてみると、おめかしした動物たちがすてきなお茶会を開いていました。
なんだか不思議な感じがする絵本です。
内容はほのぼのなのですが、夢の中に入っていくようなところの境目があいまいです。
おばあちゃんの家に雪かきをしにお父さんが出かけました。
お土産のケーキを忘れていったので、キッコちゃんはお父さんを追いかけて、雪の中の林を抜けて追いかけていきます。
雪国のお話です。
しんと静かな林をサクサク足跡つけながら歩いて行くキッコちゃん。
途中で転んでケーキが潰れてしまいました。
これはショック…。
しかも、お父さんの足跡だと思ってついていき、やっと追いついた人影は、おばあちゃんの家ではなくて、見知らぬ洋館に入ってきます。
何だか不思議な大きな洋館です。
林を抜けていくあたりから、ふっと夢に入っていくようなのですが、この洋館の窓をのぞいたとき、非日常に入り込んでしまったことがはっきりとわかります。
窓からのぞいてみると、人影は、何とお父さんではありませんでした。
クマ!
それも、洋服を着たクマです。
◇
ひつじのこに招かれて、家の中に入っていたキッコちゃん。
この時、見開いた時のページが、恐ろしいほど怖いです。
モノクロ基調に目だけが大きく開いてこちらを見つめるたくさんの動物たち。
見知らぬ他人、それもたくさんの他人に注目を浴びて、一斉に見つめられた時の違和感をこの見開きのページで見事に表現しています。
妹子「ビビって顔が少しひきつっちゃってるよ」
※客観的に見て、別にキッコちゃんが怖がっているような風は絵からは見えませんけど、こどもの心情としてそんな風に受け取っているのでしょうね。
(本人に言えないのでここに書いてみました)
ページをめくり直してみますと、このお話の中で色が付いているのはキッコちゃんだけなのです。
髪と服と帽子、そして手袋だけに鮮やかな色がついています。
他はモノクロ。
雪に覆われた白黒の世界の中で、その色だけが鮮やかです。
そして、夢の中に迷い込んだような不思議さが、いっそう際立ちます。
◇
しかしこの動物たち、とくに怖いことをするわけでもなんでもなく、それどころかキッコちゃんをお茶会に招いてくれました。
大きな洋館、大きなテーブル、所せましと置かれたポットやお皿、たくさんのお菓子、果物……。
モノクロなのですが、そのテーブルの上に並ぶお茶会のテーブルがすごく豪華です。
洋風の、あこがれの景色です。
きっこちゃんはどうぶつたちにケーキの箱が潰れてしまったことも話します。
動物たちがケーキを分けてくれました。
この次の見開きのところで、とても美味しそうなタルトやケーキやパイにさっと色がつきます。
このページの「美しさ=美味しそう」は抜群です。
夢の中を抜けるようにして、キッコちゃんはおばあちゃんとお父さんの所にたどりつくことができました。
◇
不思議な絵本です。
読みきかせの人に教えてもらいました。
やはり印象に残っていたのでもう一度借りてみました。
途中の強さもあって、ちょっと一度読むと忘れられないです。
少し怖いところがあった方が、記憶に残るのではないかと思いました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
雪が凍って大理石よりも堅くなった日、四郎とかん子は野原できつねの子に出会い、幻燈会の切符をもらいます。美しい文章と絵がこだまする空想物語の傑作。
キック、キック、キック、トントン
のリズムが美しい、宮沢賢治の物語です。
雪の日に、非日常に迷いこむ所も、同じです。
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映画「ティファニーで朝食を」で一躍有名になった、ニューヨークのティファニー宝石店が作ったテーブルマナーの本。
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華麗なティーテーブルデザインを、女性の憧れ「プリンセス」テーマで表現。美しい実例写真を見せながら、英国王室とも交流のある著者が、本格的なマナーも指南する。スイーツレシピつき。
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