~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「くまのパディントン」 2 伝播するネトネト、それはまるでゾンビウィルスのように

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

くまのパディントン
マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), 松岡 享子 (翻訳)

一度読み始めたらやめられない、おかしなおかしなクマのパディントンのお話の第1冊目。ブラウン夫妻がパディントン駅で見つけた子ぐまが、夫妻にひきとられ縦横無尽に活躍します。

 

大人が読む児童書「くまのパディントン」 1 このかわいさは俺の嫁(大文字で)

 

 

パディントンの愛らしさにひとめで魅入られてしまった奧さん。

 

旦那さんの方は若干、保守的で臆病です。

 

密航者を匿うことが法律的に問題があるのではないかと心配していますが、本人もパディントンのかわいさには逆らえず、ここからあれよあれよという間に 家に連れて帰る話になります。

 

 

読んでいるほうとしても、何しろ目に見えない文字のクマです。
(上目づかいはかわいいですけど)

 

なので、いくら愛らしいとしても、いきなり強引な展開に ちょっとびっくりするのですが、しかしその強引な展開を どうでもよくさせてしまうほど、次から次に巻き起こる、このくまちゃんのしっちゃかめっちゃかの騒動です。

このクマがパディントンと名付けられたのもここのシーンでのことでした 。

 

生きた子どもみたいなものだし、いきなり連れて帰るのはなあ…。

 

しかし今読むと、このパディントン
「遺失物取扱所」で拾っています。

 

これはやっぱり、引き取り手のないテディベアを拾って帰り、それがあまりにかわいいので生きて動き出したように空想する…という風に取れなくもありません。

 

しかしこういうのは邪推です!
おとなならではの、つまらない想像です。

 

パディントンはほんとうに生きたクマで、パディントン駅に座っていて、連れて帰ることになったのです。

 

 

こんなことをグダグダ言っているのも、この後のとんでもない大騒ぎをよく知っているからです。

 

何度読んでも、目を覆いたい…。

 

そもそも、この時から怪しかったのです。
ミセス・ブラウンが、「毎朝朝ごはんにママレードをあげる・日曜日にはちみつ」と言った時の、くまくんの過剰反応。

 

パディントンはお腹が空いてたのです。

 

奥さんは娘さんを引き取りに出かけ、その間旦那さんが面倒をみることになりました。
食堂に行って何か食べさせてやるように頼みます。

 

まぁ流行りのエッセイコミックでもそうですけど、こういうシチュエーションで子供を預けられた旦那さんのどうしようもなさを、絵に描いたような展開です。

 

ブラウンさん、パディントンに「お皿に山盛りの菓子パン」を 持ってきてあげたのですが、この菓子パン、クリームとジャム付きです。

 

パディントンは、前足をのばして、菓子パンののったお皿を、自分の方へ引き寄せました。
「テーブルの上に立って食べてもかまわないかしら?」
ブラウンさんがいいいとも悪いともいわないさきに、パディントンは、もうテーブルの上にのぼって、右の前足で、あの菓子パンを、がっちりつかんでいました。

 

後悔先に立たず。

 

この後が、やっぱりパディントンは面白い!と感じる一番最初の部分です。
何となく、これまで醸し出されてきていた「いやな予感」が一気に放出されます。

 

パディントンは、とび上がりました。帽子をとって、おじぎをしようと思ったのです。ところが、あわてたものですから、テーブルの上にあったイチゴジャムのかたまり──どういうわけでそんなところにあったのかわかりませんけれども──の上で、ツルッと足をすべらせてしまったのです。
一瞬、何もかも、だれもかれもさかさまになったような気がして、くらくら目まいがしました。
そこで、めちゃくちゃに手足をふりまわしましたが、だれもつかまえていてくれません。あれよあれよというまに、くるっと一回転して、パシャーンと、お茶のはいった受け皿の中へ、しりもちをついてしまいました。が、しりもちをつくが早いか、またとび上がりました。お茶が、まだとても熱かったからです。そして、立ち上がりざまブラウンさんのコップの中に足をつっこみました。

 

これを見て、娘さんのジュディは涙が出るほど笑いますが、読んでる私も妹子も涙が出るほど笑いました。

 

たしかにこれは、実写であれアニメであれ、映像化すればコミカルなシーンになるのは間違いなしです。
映像化したいと思えるほど
「文字で笑える」
というのは、すごいことだなと思います。

 

 

ウェイトレスさんがものすごい目でにらんでいます。
ご夫婦はこそこそと逃げるようにその場を去っていきますが、パディントンはネトネトのままです。

 

なので、タクシーに乗る時もまたひと騒動でした。

 

タクシーの運転手さんとのやりとりがまた笑えます。

 

この運転手さん、とてもきれい好きというか、タクシーの中を綺麗にみがいたばかりのようです。

 

ネトネトのクマが乗ってくるのにしぶい顔をするのですが、これまで何となく、海外の人というのは、日本人よりもそこまで清潔さに気を配ることはない、という感覚がありました。
しかし、この運転手さんの反応は、まんまイメージの日本人です!
イギリス人との親和性?
海外の人にもいろいろあるから?

 

パディントンが気さくに運転手さんの肩をポンポンと叩くと、運転手さん、びっくりしてにらみつけます。

 

運転手は、パディントンの声にびっくりしてとび上がり、もう少しで車をバスにぶっつけるところでした。それから、自分の肩を見て、ギョロッと目を光らせ、「クリーム!」と、いまいましそうにいいました。「あっしの新しいコートの上によ!」

 

ネトネトがどんどん伝播していくッ!
止まらない!新手のスタンドか!

 

しかもこれだけでは終わりません。

 

「これは失礼いたしました。」
パディントンは、身を乗りだして、もう一方の前足で、運転手のコートについたよごれをこすりとろうとしました。ところが、どういうものか、パンくずやジャムまでがコートにくっつきはじめたのです。運転手は、ものすごい目をして、じーっとパディントンをにらみつけました。パディントンは、ひょいと帽子に手をやりました。運転手は、仕切り窓をピシャッとしめました。

 

こう、やることすべてが裏目裏目に出る感覚…。

 

これはもう、まさに、子どもそのものだなあ!と思います。

 

かつて、自分は涙が出るほど笑いましたけど、この本をお友達に読んでもらったとき、一定数はあまり好まないように見えたのを覚えています。

 

こういう、汚すのって本当にいや、と言っていたような気がします。

 

まあまあ、それも理解できる反応で、自分が子どもの汚す&汚す&汚す、にてんてこまいしている時に、このパディントンを読んでいたら、ちょっとしんどかったかもしれません。
でも、「汚す子供」を見ているとき、何となくその姿の上に、パディントンがかぶって見えるときがあります。

 

自分が子どものときにこれを読んで、涙が出るほど笑った記憶が、どこかで、叱る叱らない、しつけとはまったく別の次元で、何となくゆかいな、楽しい記憶と結びついている。

 

それが、滅入ってしまう自分の心に少しだけ寄り添って、慰めて明るい気持ちにしてくれるような気がする。

 

そんな風に感じる時があるので、わたしにとってこのパディントンの無茶苦茶なやらかしは、とてもたいせつな記憶になっています。

 

 

……。

 

なんてしおらしいこと書いてますけど、パディントンのやらかしはこんなものでは終わりませんからね~!!!

 

 

 

 

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パディントン(Amazonプライム字幕版)

 

 

 

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クマのパディントン (日本語) 大型本 - 2012/9/18 マイケル ボンド (著), R.W. アリー (イラスト), Michael Bond (原著), R.W. Alley (原著), 木坂 涼 (翻訳)

 

 

 

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パディントンのクリスマス―パディントンの本〈2〉 (福音館文庫 物語) 文庫 – 2002/11/20 マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), Michael Bond (原著), Peggy Fortnum (原著), 松岡 享子 (翻訳)

パディントンは内緒で部屋の改装をはじめ、ドアの上にも壁紙を貼りつけて部屋から出られなくなり、騒動をまきおこします。

 

 

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パディントンの一周年記念―パディントンの本〈3〉 (福音館文庫 物語) 文庫 – 2003/4/15 マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), Michael Bond (原著), Peggy Fortnum (原著), 松岡 享子 (翻訳)

パディントンが好奇心満点の鼻面をつっこむと必ず巻き起こる大騒動。映画を見に行っても、高級レストランに行っても、高級ムードは見事に粉砕されますが…。シリーズ第3作。

 

 

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パディントンフランスへ―パディントンの本〈4〉 (福音館文庫 物語) 文庫 – 2003/6/20 マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), Michael Bond (原著), Peggy Fortnum (原著), 松岡 享子 (翻訳)

バカンスをフランスで過ごすことになったパディントンは、そこでも、おかしな事件をひきおこします。けれども、そのおかしさこそ、人間が忘れてはいけないものにちがいありません。

 

 

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パディントンとテレビ―パディントンの本〈5〉 (福音館文庫 物語) 文庫 – 2004/3/20 マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), Michael Bond (原著), Peggy Fortnum (原著), 松岡 享子 (翻訳)

思いこみが激しくて融通のきかない、しかし愛すべきくまが、またまた大騒動を巻き起こします。今回はテレビのクイズ番組に出演しアナウンサーと珍問答をしたあげく…。

 

 

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パディントンの煙突掃除―パディントンの本〈6〉 (福音館文庫 物語) 文庫 – 2004/8/20 マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), Michael Bond (原著), Peggy Fortnum (原著), 松岡 享子 (翻訳)

煙突掃除にバス旅行にクリケットの対抗試合に、またまた大活躍のパディントンは、ペルーのおばさんの百歳のお祝いに出かけることになりました。そのお別れパーティーで……

 

 

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パディントン妙技公開―パディントンの本〈7〉 (福音館文庫 物語) 文庫 – 2004/10/15 マイケル ボンド (著), ペギー フォートナム (イラスト), Michael Bond (原著), Peggy Fortnum (原著), 松岡 享子 (翻訳)

ペルーからの帰国の船旅にはじまり、なつかしいブラウン一家のもとにもどったパディントンが、前にもましての大活躍。株でご難にあったり床屋になったりバレーまで踊ってしまいます。シリーズ第7弾。

 

 

 

 

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