大人が読む児童書「モグラ原っぱのなかまたち」1 ふんわりとした優しい空気の中で、いきなりクレーマー案件。
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
ちびのあきらと、でぶっちょのなおゆき、背の高いかずおと、くりくりっとした目のひろ子、2年生の4人は、大の仲よし。電気掃除機で虫をつかまえたり、池にいかだをうかべたり、いつも元気であばれまわるモグラ原っぱに、ある日、ダンプカーが土を運んできて……。大人社会の利害に無関係ではいられない子供たちの生活を鋭く見つめる、古田足日の意欲的童話。
次は「飛ぶ教室」にしようと思っていたのですが、これはレビューするにも、なかなか力がいる作品です。
図書館に行くと……
「モグラ原っぱのなかまたち」が平積みで置いてある~!
思わず手に取ったのですが、今日は図書館の様子が少し違います。
小学校の見学のようでした。
じゃあ、この平積みを取ってしまうと、子どもたちが見られなくなります。
やっぱり、題名だけでも
「ふーんそんなのあるんだ」
と思って欲しい心があります。
そしてわたしは知っているんだなぁ。
古田足日全集のある場所を~(どやぁ)
一冊、抜かれています。
誰かが借りたのかな。
ありました。
モグラ原っぱのなかまたち
この素朴なお話が、いまも通用するものなのか。
正直、古田足日の天下一の名作
「おしいれのぼうけん」
「ロボット・カミイ」や
「大きい1年生と 小さな2年生」
などに比べると、影が薄いのは否めません。
クセがなくて、ストーリー運びも素朴です。
(そんな気がします)
さて、では妹子に読ませてみよう。
まだ読んでいなかったのです。
◇
妹子に読ませる前に、自分が一読です。
シンプルなので、あまり古さは感じませんでした。
シンプルつよい。
シンプルイズベスト
非常にふんわりとして優しく、一般的な優しい物語です。
間違いなく子供はとっつきやすいでしょう。
ちがうのは、遊びです。
ゲームがありません。
(たとえば「大きい1年生と 小さな2年生」などには、まんがに夢中になって勉強しない姿などが描かれていてリアルです)
体と頭をいっぱいに使って、外遊びです。
これは、おとなにとっての理想かもしれません。
杉でっぽうなどの遊びが、昭和の人間にとっては身近なものですが、今の子供達にとってはどうかなあ。
熱心な保育園、幼稚園、児童館で、おじいちゃんおばあちゃんを呼んで教えてもらってやっと遊ぶ程度のものではないでしょうか。
◇
お友達と遊びに遊んで遊び疲れている妹子を無理矢理、呼んできました。
にしまきかやこさんの絵にすぐ気がつきました。
「あれっ、この絵、『ミュウのいるいえ』だ!」
あまんきみこさんの名作です。
教科書に入っている、「えっちゃんのぼうし」が入っている短編集なのですがすごいです。
中古で29980円の値段がついています。
ずっと、ああ、絶版だなあと思いながら思いながら何度も見ていましたが、どんどん値段が吊り上がっている気がします。
だから再版してくれればいいのに~~!
教科書にも入っている話なんですから、こういうハードカバー本から子どもは本に入って行くのに…。
出版社さん、頼みます。
◇
にしまきかやこさんの優しい絵が、モグラ原っぱの仲間たちの雰囲気にぴったりです。
妹子はいつも声に出してあれこれ言いながら読み進めます。
これ、うちだからいいけど、外だとうるさいだろうな。
妹子「でぶっちょ、ちび、せのたかい、めのくりくり」
なおゆき、あきら、かずお、ひろ子です。
わたしより正確にすぐ覚えていました。
妹子「てか女の子ひとりだけ?」
わたし「そこおかあさんも気になった。ヒロイン枠だね」
妹子「これ、ドラえもんじゃない?」
お、おお~!
「せのたかい」だけはちがうけど、並べて見た目、確かにドラえもんだ!
この子どもたち四名が、畑のカボチャにいたずら書きをして怒られる所からはじまります。
いきなりがこれなので、実はちょっとまずいなと思ってました。
実際、売り物にならなくなったと言って困っているという話です。
いよいよまずい。
妹子「畑のカボチャぜんぶ書くってすごいな」
わたし「へのへのもへじってわかるの?」
妹子「わかるわ!あれ考えたひと天才だし。てかこれ、逆に売れるでしょ」
わたし「どういうこと?」
妹子「SNSで宣伝すれ。『畑のカボチャ小学生にへのへのもへじ書かれたぴえん』て書いて拡散すれば、あっという間に売れるよ」
は、は、発想が現代っ子だ~!!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
お昼寝前に、ミニカーのとりっこでけんかをしたさとしとあきらは、先生に叱られておしいれに入れられてしまいます。そこで出会ったのは、地下の世界に住む恐ろしいねずみばあさんでした。 ふたりをやっつけようと、追いかけてくるねずみばあさん。でも、さとしとあきらは決してあきらめません。手をつないで走りつづけます―。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
からだは大きいのに泣き虫の1年生のまさやと、からだは小さくてもしっかりしている2年生のあきよ。ふたりの友情と自立の物語。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カミイは紙のロボット。いたずらでわがままで泣き虫ですが力もち、幼稚園に入って大さわぎをおこします。集団生活での子どもの心理を巧みにとらえた作品。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
タケシたち6人は、お金をもらってかわりに宿題をやってあげる“宿題ひきうけ株式会社”をつくりました。やがてみんなは考えだします。何のために勉強するのか…。リニューアルにあたって、イラストも新しくなりました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【e-hon】 ─ ネットで予約、本屋さんで受け取れる e-hon サービスで本屋さんを応援しよう📚️
子どもの本だな【広告】
小さいおばけ | 小公子 | クルミわりとネズミの王さま |
おんがくねずみジェラルディン―はじめておんがくをきいたねずみのはなし | ママはかいぞく | ドリトル先生アフリカゆき |
げんきなマドレーヌ | 名探偵カッレとスパイ団 | ジム・ボタンと13人の海賊 |
児童文学ランキング |