閑話 絶版特集 「銀色ラッコのなみだ」「ミュウのいるいえ」「カチーナの石」「ぬすまれた町」など
閑話です。
あらかじめ書いておきますが、今日はおねだんの話ばかりしています。
◇
まだ古田足日全集の余韻があるので、つい本棚の中から、手に取ってしまった「ぬすまれた町」です。
N県ホージョー市で起きた、奇妙な小学生の失踪誘拐事件は、ユタカたちを、次々に不可解な事件にさそい、市長選挙にまきこんだ。選挙は市に、カンヅメ工場設立とドリーム=ランドの建設をもたらしたが、それは人間の心をうばい、市全体をうばおうとする、見えない魔手だった……。シュールリアリズムと映像的な方法で描いた、意欲的な少年小説の力作。
常々、「絶版になってしまったけど絶対残すべき名作集」みたいなものをやりたいなと思ったことがあるのですが、ふと検索してみると…。
前に見たときには、出ていなかったので、ここ数年のことだと思います。
これは一度、別記事をちゃんと書きたいです。
確かわたしは、十年前ぐらいに、200円で古本で購入したと思います。
いまAmazon古書で1800円ぐらいのお値段ですが(おかねのはなしばっかですいませんが)、こんなすごいお値段してなかったです。
引用した説明、改めて見ると思いますが、「ドリーム=ランド」ってアレですよね。
アレ。
幻想的で、夢の中にいるような不思議な世界です。
いつか、ぜったい別記事で書きたいです。
◇
こちらのサイトを見つけて、文化財としての位置づけか!と思いながら見ていました。
100選と言わず、1000選でも2000選でもしていただきたいですね。
…って、思いながら見ていたら、見つけました。
「銀色ラッコのなみだ」だ~!!
どうしてこの本を忘れていたんだろう。
わたしも、自分の記事をリスト化してちゃんと出さないといけないな。出したい。
リストを見ることで、思い出した~!とか、見たい!と思う人、子どもに読ませたい!と思う人もいてくれるかもしれません。
というわけで、Amazonであるかどうかぽちっとな。
いちまんえん。
いやぁ~……。
いい本はやっぱりいい本なんですね。
お値段がすべてではないですが。
これだけのお金を出しても手に入れたいという人がいるんです。
こういう本こそ電子書籍の出番ではないですか。
出版社さーん!!!
それに、常々思っていることですが、少部数で、受注印刷して販売してくれればいいのに…。
受注印刷で、多少お高くなってもこちらは買います。
ぜったい、そういう需要あると思います。
値段にとりみだして内容の説明を忘れていましたが、エスキモーの少年とラッコの物語です。
エスキモーで、イヌイットではありません。
昔のお話の方が、こういった少数民族が生きていた時代に近いぶん、リアルで生きている描写をできていたような気がします。
◇
以前も話題にした「ミュウのいるいえ」です。
ほんとうにいい本です。
29980円。
(まだ言ってる)
それぐらい、この値段は衝撃でした。
だがしかし、これは3万円払っても買いたい。
それだけの価値がある本です。
今は児童書よりも絵本の方が売れる時代なので、分けて絵本化して出版されていたときもあるようです。
「ちいさいモモちゃん」など、そうでした。
(あれはとてもいい絵本でしたが…)
そうじゃなくて、読みやすく内容もすばらしい短編を本型で出版していることに意味がある、と思います。
そんな中での最高の中の一冊です。
子どもは何度も何度も何度も本棚から出して読みます。
またそれ!?というほどです。
教科書に入っている、「えっちゃんのぼうし」も、この一篇だけではなくて、人魚、きのこ、雨の日の不思議な出来事、すべてがまじりあってえっちゃんの世界が広がっているので、本そのものが想像力の世界へのとびら、という感じです。
このハードカバーの本の中に、広大な別世界が広がっている、そういう体験を得て欲しいです。
◇
以前記事にしました。
「カチーナの石」です。
3800円。
買ったとき、300円ぐらいだったよ!?
十倍のお値段!?どうしちゃったの!?
好きな本で絶版になっているものが、軒並み高騰しています。
市場に出回ってしまい、在庫がなくなってきてしまっているのでしょうか。
スタディサプリ
妹子が見つけてきた本です。
スタサプをしていて、「これ読みたい!これ買って!」というので買いました。
教科書で教材になっている「ミュウのいるいえ」にしろ、スタサプで教材になっている「カチーナの石」にしろ、教材の影響力はとても大きいのですねえ。
(それが理由なのかどうか、はっきり判断できませんが)
やっぱり、塾の先生や、学校の先生、また教科書を作る人たち(また親たち)の責任は大きいな、と思います。
そういう人にこそ、たくさんの名作児童書を読んで欲しいですし、日本語の美しさにも注目してもらいたいものです。
そして、おとなの目で選別してしまわない…ということも、肝に銘じていただきたいものです。
(意味もなく上から目線)
◇
そんな中で、「ぬすまれた町」が電子書籍化されているのは本当にうれしいことでした。
講談社さん、ありがとう。
おねだんが高騰してしまうと、子どもたちの目に触れることが難しくなってしまいますし、出版社の利益にもならないと思うので、どんどん出してもらいたいなあと思います。
岩波少年文庫が、いま、ガンガンkindle化しているのはとてもありがたいことです。
いちど読めばきっと、
「紙の本で欲しい」
「電子書籍とダブルで買ってもかまわない」
「それだけの価値がある本だ」
と思うはず。
再版に超、超、超期待です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
N県ホージョー市で起きた、奇妙な小学生の失踪誘拐事件は、ユタカたちを、次々に不可解な事件にさそい、市長選挙にまきこんだ。選挙は市に、カンヅメ工場設立とドリーム=ランドの建設をもたらしたが、それは人間の心をうばい、市全体をうばおうとする、見えない魔手だった……。シュールリアリズムと映像的な方法で描いた、意欲的な少年小説の力作。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
北の海では夏と冬がかわるがわるやってきます。氷がわれて流れだす夏のある日、エスキモーの少年ピラーラは、ふしぎな動物―銀色ラッコにであいます。とうさんに話すと、このあたりにはいないはずと聞かされます。なぜ、ラッコはこんな北の海までやってきたのでしようか。ピラーラは胸を高鳴らせて、カヤックで沖にむかいます。産経児童出版文化賞・NHK児童文学奨励賞・第一回動物愛護協会賞受賞。
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夏休み。アメリカ・ロスアンゼルスへやってきたサトルは、初対面のおじいちゃんとふたりきりでのこされてしまう。おじいちゃんがおんぼろ車でつれていってくれたのは、千八百キロも離れた、インディアンの村だった。小学上級から。(「BOOK」データベースより)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
元気でかわいくて、おしゃまな女の子モモちゃんには、子ねこのプーやコウちゃんという友だちがいます。モモちゃんは、夢の中でライオンと遊んだり、電車に乗って空を飛んだり、水ぼうそうになったりして、ママを心配させたりします。誕生から3歳になるまでのモモちゃんの日常生活を軽妙にスケッチした成長童話の名作シリーズ第1作。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鈴木ジュンは、キューポラのある街、埼玉県川口市の中学3年生。一家は貧乏な鋳物職人の父・辰五郎、いつも生活費の工面でイライラしている母・トミと、ひねくれ者の弟・タカユキ。そんな生活の中で自我に目ざめ、進学か就職かに悩むジュンの姿を、心とからだの両面から鮮烈に描いた、異色大河小説の第1巻。吉永小百合の主演で映画化もされた、日本児童文学者協会賞受賞、不朽の名作。<全5巻>
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
モモちゃんは、このごろとってもいじわるモモちゃんになりました。
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名作童話「ちいさいモモちゃん」の絵本版。モモちゃんがおじぞうさんと、とこやさんごっこをするお話。子どもたちの大好きな「ごっこ遊び」の楽しさがいきいきと描かれている、心あたたまる絵本です。
「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492
◆プロジェクト・グーテンベルクについて
☞Wikiの説明ページ
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。
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