~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

大人が読む児童書「飛ぶ教室」 4 どこを読んでも萌えしか見当たらないギムナジウムの男子高校生たち。

今日、ご紹介するのは児童書です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

新訳 飛ぶ教室 (角川つばさ文庫)
エーリヒ・ケストナー (著), patty (イラスト), 那須田 淳 (翻訳), 木本 栄 (翻訳)

なやみをうちあけられる人はいますか?絵60点、世界中がわらい泣いた名作。子どもの涙がおとなの涙より小さいなんてことはない。寄宿学校でくらす優等生マーティン、すて子のジョニー、けんかの強いマチアス、弱虫ウリー、皮肉なセバスチャンらの友情をえがく、クリスマスの名作。

 

「飛ぶ教室」 1 「花の24年組」ギムナジウムについて熱く語る。そして「ほんとうの物語」について

2 突然のすとぷりで妹子(およびその友達)を釣ろうと画策する

3 CP…じゃなくて親友同士を軸としたメンバー紹介

 

 

いま、読み返していると、高橋健二さんの訳、日本語としてとても美しいのですが、やはり古さも感じます。
つばさ文庫がとてもいいです!
何より、絵がいいです。



この表紙、最初はどれが誰なのかな~と、じーーーっと凝視してしまいました。

 

マルチン→マーティン
ヨーニー→ジョニー
になってますが、この変更はよいと思います。
マルチンとマチアス、マで始まる4文字で、区別がつけにくいのです。

 

ゼバスチアン→セバスチャンはこれは仕方ない…。

 

前回、さらっと流したのですが、一匹狼のかっこいい「ゼバスチアン」
セバスチャンのドイツ語読みらしいのですよね。

 

妹子「『ゼバスチアン あたまはよくはたらくが、こどくなかわりもの』。これ、ゼバスチアンだからよかったよ。セバスチャンだったらしぬほどいじられる」

 

あの『執事=セバスチャン』ていうテンプレは何とかならないものなのでしょうか。
全世界のセバスチャンさん、日本でこんな扱いになって当惑してるでしょう。

 

しかし、マーティン(マルチン)が、スゲーかっこいいな…。
この絵だけで好きになってしまいそうです。
(手紙を持ち、絵具箱を持っているのがマーティンです)

貧乏、成績トップ、絵が上手い、短気、正義感が強い………に、黒髪のイケメンという属性まで付けくわえられて、つばさ文庫版は……もう、もうどうしたらいいのかわからな~い!

 

 

お話は、寄宿舎の食堂で食事が終わったところからはじまります。

 

マチアスの大ぐらいにウリーが対処しつつ(お金を貸してる)、体育館に向かいます。
ギムナジウムの中で、生徒たちがどんな風に過ごしているか、緻密な描写がされています。

 

この冒頭の流れから、会話のひとつひとつ、人間関係や周囲を彩るおとなたちなど、どこからどう読んでも、知っている人なら
こいつは、萩尾望都の世界だ!
と思い、萩尾望都の絵で脳内で再生されることでしょう。

 

このお話がなぜ「飛ぶ教室」という題名なのか。
この5人が、この題名でクリスマス劇をしようということになっているからです。

 

文学が好きなヨーニーが作った劇です。
(劇を作っちゃうヨーニー萌え)
その練習をしに、5人で体育館にかけつける所からはじまります。

 

いきなり会話の中でまで、「さあ、マッツ!でもつかまらないようにしたまえ。美少年のテオドルが校庭で見はりをしているぜ」

 

美少年のテオドル

 

本当に、すべてのテオドルには「美少年」がついてるのです。
このつばさ文庫のイケメン黒髪マーティン(マルチン)や、可愛い系ジョニー(ヨーニー)を越える美少年てどんな美少年だよ。

 

美少年とイケメンだらけの世界!!
このすばらしきギムナジウムの高校一年生たち!!

 

これおねえさまからようじょに到るまで、間違いなく日本人女性が大好きなやつ。
間違いない。

 

わたし「だからすとぷりって言ったんだよ」
妹子「マルチンてななもりとじぇるくんを足して二で割ったみたいだね」
わたし「………………」

 

 

5人は体育館に駆けていきますが、そこは最上級生、つまり高校三年生たちが、皆でダンスを踊っていました。
女性役をしてる男子たちは、気取ってご婦人の真似までしています。
婦人帽まで頭に乗せて。

 

BLずきのみなさん、出番ですよ。

 

主人公マルチン、最初は丁寧に頼みます。
おしばいの稽古をしなければならないので、やめていただけませんかと。

 

「美少年のテオドル」は、相手にしてくれません。

 

最上級生たちはおどり始めました。
高等科一年の首席を占めるマルチン・ターラーは、だれ知らぬもののない名物の、かんしゃく玉を破裂させて「たのむ、どうかやめてくれ!」と大声でどなりました。

 

弱虫で争いが嫌いなウリーは、こっそり逃げ出そうとしますが、マチアスが捕まえてしまいます。
しかもいつでも戦闘態勢にかかれるよう、アップをはじめてもいます。(ボクサー志望なので)

 

最上級生たちは小さいターラーをぐるりととりかこんで食いつかんばかりのけはいを見せました。美少年のテオドルはまたタンゴをひき始めました。すると、マルチンは自分をとりかこんでいるものをおしのけ、ピアノのそばに歩みより、ふたをぱたんととじました。上級生たちは驚いて口もきけませんでした。

 

マルチンはきっぱりと
①先生に許可を得ていること
②決まりは守らなければならないこと
…を告げます。

 

「君たちがぼくらよりたまたま二つ三つ年うえだってことで、思いあがらないでもらいたい。」

 

三年生の先輩たちに面と向かってここまで言うのはすごいです。


高校一年生の人(そんな人ここを読んでるかどうかわかりませんが)、おとなの方は高校一年生だったとき、先輩たちに向かってここまできっぱりと言うことが出来たかどうか、考えてみてもらいたいものです。
(しかも美少年相手に)

 

マルチン・ターラーかっこよ…♡

 

 

ここまでのまとめ、

 

高校一年生の
黒髪イケメンのマルチンと、茶髪で可愛い系のヨーニー(親友ペア)
ボクサー志望大食いのマチアスと、金髪の弱虫ウリー(親友ペア)
皮肉な一匹狼ゼバスチアン

 

この五人組、クリスマス劇の練習をしようとして体育館へ行く。

 

男×男のダンスを踊っている先輩の高校三年生たちに突撃。
リーダー格の美少年、テオドルに抗議して撃退する。

 

これは、一言で言うならば。
萌えしか見つからない。

 

あっ、念のため付け加えておきますが、金髪の弱虫くんウリーは、クリスマス劇の中で、少女役をすることになってます。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

飛ぶ教室
エーリヒ ケストナー (著), ヴァルター・トリアー (イラスト), 池田 香代子 (翻訳)

ボクサー志望のマッツ、貧しくも秀才のマルティン、おくびょうなウーリ、詩人ジョニー、クールなゼバスティアーン。個性ゆたかな少年たちそれぞれの悩み、悲しみ、そしてあこがれ。寄宿学校に涙と笑いのクリスマスがやってきます。(「BOOK」データベースより)

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

トーマの心臓 (小学館文庫) 萩尾望都 (著)

冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

11月のギムナジウム (小学館文庫) 萩尾望都 (著)

ヒュールリン・ギムナジウムの転入生エーリク。そこで彼は自分の分身トーマに出会った。2人を結ぶ罪と愛の秘密とは…。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

風と木の詩 (1) 竹宮惠子 (著)

――ぼくを満たしてくれるものは、あのあつい肌と肌とのふれあい――。妖しい魅力を纏った少年、ジルベールコクトーは抱かれることでしか心満たされず、威厳あるラコンブラード学院においても退廃的な生活を送っていた。

 

 

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車輪の下(新潮文庫) Kindle版 ヘルマン・ヘッセ (著), 高橋 健二 (翻訳)

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする……。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

エーミールと探偵たち
エーリヒ・ケストナー (著), ヴァルター・トリアー (イラスト), 池田 香代子 (翻訳)

おばあちゃんをたずねる途中の列車で,大切なお金を盗られてしまったエーミール.ベルリンの街を舞台に,少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます.

 

 

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点子ちゃんとアントン
エーリヒ ケストナー (著), 池田 香代子 (翻訳)

お金持ちの両親の目を盗んで夜おそく街角でマッチ売りをするおちゃめな点子ちゃんと、貧しいアントン少年―つぎつぎと思いがけない展開で、ケストナーがすべての人たちをあたたかく描きながらユーモラスに人生を語る物語。

 

 

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ふたりのロッテ
エーリヒ ケストナー (著), ヴァルター・トリアー (イラスト), 池田 香代子 (翻訳)

おたがいを知らずに別々の町で育った、ふたごの姉妹ルイーゼとロッテ。ある夏、スイスの林間学校で、ふたりは偶然に出会います。ふたりは、大胆な計画をたてるのですが…。

 

 

 

 

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