今日の一冊「ごろごろにゃーん」 と、長新太さんの「#名前のない日本一の猫」
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
くじらのような、イルカのような大きな飛行機が海に浮かんでいます。大勢の猫たちがそれに乗り込み、「ごろごろにゃーん」と出発です。「ごろごろにゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。魚を釣りながら「ごろごろにゃーん」。くじらにあっても「ごろごろにゃーん」。山を越え、街をながめ、飛行機はにぎやかに「ごろごろにゃーんごろごろにゃーん」と猫たちをのせて飛んでいきます。長新太の真骨頂! 斬新で愉快な絵本です。
「ごろごろにゃーん」は、読み聞かせするのがめちゃくちゃ難しい絵本です。
見た瞬間、プレッシャーを感じます。
なにしろ、読むべき文字がほぼ「ごろごろにゃーん ごろごろにゃーん」の繰り返しです。
ごろごろにゃーん
ごろごろにゃーん
ねこたちはとんでいきます
ひたすら、このフレーズが延々と続きます。
ごろごろにゃーん
ごろごろにゃーん
どうしてこの単純なリズムが、こんなにも子どもたちを惹き付けるのか…。
不思議です。
◇
じーーーっと見ている子どもたちの目の前で、「ごろごろにゃーん ごろごろにゃーん」と繰り返していると、
これ、だ…大丈夫なんだろうか?
と思って、だんだん汗が出てきます。
そんな本なのに、子どもたちには、低学年、高学年問わず大人気です。
これがまた不思議です!
特に笑ったり、反応したりするわけではないのですが、不思議な魅力です。
◇
繰り返しのフレーズに乗って、ねこたちはさかな型の飛行機に乗って、あちこちを旅します。
ページをめくるたびに、夢の中の世界のように幻想的な、スケールの大きな絵が眼前に広がります。
長新太さんの絵は、子供の世界と直結する、パワーと魅力を持っています。
たくさんのねこたちが、ゴムボートに乗って、トビウオ型の飛行機に乗り込みます。
窓からのぞく、あの長新太さんのねこの特徴的な顔、顔、顔…。
釣りをして、食べて、巨大なマッコウクジラに出会って……。
そのあいだの台詞は全部
「ごろごろ にゃーん ごろごろ にゃーん と、ひこうきは とんでいきます」
のみです。
◇
飛行機は、場所によって、大きくなったり、小さくなったり変幻自在です。
山を越え海を越え、宇宙船を見たり、巨大なヘビ、ビルがどこまでも続く都会。
いぬの群れもいますが、手が届きません。
峡谷を抜け、人間たちの飛行機(たぶんボーイング)とすれ違い、どこまでも続く森林の上を行き…。
人間の手のひらが現れるのは、空とぶさかな飛行船を見上げているのかな?
そして、着陸。
ごろごろにゃーん
ただいま~
不思議な旅も、きちんと着地、帰るべき場所に落ち着いてほっと安心する。
おとなになっても記憶から消えない、忘れられない絵本です。
◇
長新太さんのねこ、と言えばこのビジュアルです。
(顔だけしか見えませんが💦)
たいてい、二本足で立っていて、まるで人間のようです。
あれこれ探してみましたが、どれも少しずつ違っているのですが、目が特徴的です。
でも、こちらのねこ!
長新太さんが描かれたたった一つしかない、特別なねこ!
何度かニュースにもなって、いつかご紹介したいと思っていたのですが…。
#名前のない日本一の猫#ブックカバー #書皮#猫のいる暮らし #京都 #本屋
— オフィスFTIヤマモト (@fti_ymmt) 2021年11月6日
【文祥堂書店】
陽当たり抜群の本屋さん。秋から冬にかけての日だまりが気持ちいいです。
書籍購入して、希少ブックカバーを手にいれよう! https://t.co/GhJZrOJpRv pic.twitter.com/MFb19SafAC
これ!
このねこです。
長新太さんといえば、あの(ごろごろにゃーんのような)ねこなのですが、これはちょっと違います。
丸まっていて、目がくりっとしていて、本物のねこらしく、すごくカワイイです!!
文祥堂書店(京都市中京区姉小路通寺町通東入ル)さんの、ここだけにしかない、たったひとつのブックカバーのねこです。
以前、さらっとご紹介しましたが、「ごろごろにゃーん」に合わせてどうしてもまた紹介したかったねこです。
こちらのまいどなニュースにくわしいです。
こんな風に、記事になったのを見たかたがぽつぽつ、訪れて来られるそうです。
2019年の記事のときに、創業87年と書かれているので…今や創業89年~!!
すごい!!
このブックカバー誕生に、今江祥智さんも一役かっている所が、児童書ずきとしては、胸熱です。
40年ほど前、今江さんが長さん(05年死去)を伴って、ふらっと店を訪れた。当時、店で飼っていた雄の猫がいた。「名前はなかったと思います」と藤野さん。たまたま店頭のいすの上でうずくまっていたその猫を見た今江さんが、長さんに店で使うブックカバーの絵を描くように勧めたという。それまで、店では文庫を出している東京の出版社から送られてくるブックカバーを使っていた。「冗談だと思っていた」
ところが、3日もたたず、東京から数千枚のブックカバーが印刷された状態で送られてきた。「うちで飼っていたのは黒っぽい猫で、どことなく似ています」。それが、今も使われているカバーだ。
全国ブックカバー愛好家の会「書皮友好協会」
(そんなのがあるなんて知りませんでした)
の記述もすてきです。
会員たちは結成の1984年から毎年1泊2日で集まり、全国のブックカバーから大賞を選んでいた。その記念すべき20回目が京都で開かれ、会員14人が「知られざるブックカバー」を求めて河原町通沿いの書店を巡回したところ、この「猫」を捕まえた。
この「猫」を捕まえた。
かわいい!かわいい!
(机バンバン)
◇
このねこは、
#名前のない日本一のねこ
のタグでみることができます。
私も、一度でいいから行ってみて本物のブックカバーを手に入れたいな!と思っています。
今年こそ、何とかして訪問したい。
この目でこのねこちゃんを見たいです。
そして、「#名前のない日本一のねこ」でツイートしたいです。
有限会社文祥堂書店さんはこちらです。
追記:京都御所にも二条城にも近い、最高の立地ですね。前に京都に行ったとき、知らなかったのを呪いたい…。
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スヤスヤこねこはかあさんにおんぶ。おや、木におんぶ。タコにも船にもビルにもおんぶ。かあさんは困った困った。つぎは何におんぶかな?
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チューチューこいぬがおっぱいをのんでるよ。あれ、ママじゃない!チューチュー鳥、魚、人形、月…。みんな、おっぱいが出るのかな?
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ねこが大きな魚を釣ったんだけど、重くて大変なの。ねずみがびっくりして見ているよ。ねずみは魚にかんたんに食べられてしまった。うさぎも、いぬも、たぬきも、みんなやってきては食べられて…。1977年銀河社刊の再刊。
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・初出から約50年の時を経て待望の単行本化・ナンセンスの神様、長新太の絵を愛するすべての人に・長新太を知る2人、土井章史×N田N昌スペシャル対談掲載
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りっちゃんはお母さんが病気になってしまったので、なにかいいことをしてあげたいと考えます。そこで、美味しいサラダを作ることにしました。きゅうり、きゃべつ、とまと、をお皿に乗せたところで、ねこ、いぬ、すずめ、あり、うまが次々とやってきて、サラダ作りのアドバイス。
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