大人が読む児童書「カイウスはばかだ」 1 積ん読ナンバーワンを決めろ!読むまでがながい
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
古代ローマの小さな学校に通う、七人のやんちゃな少年たち。ある日の授業中に、いたずらで書いた「カイウスはばかだ」という落書きが、思わぬ事件に発展して……。無実の罪でつかまった友だちを助けるため、少年たちは一生けんめい、なぞにいどみます。ユーモアたっぷり、元気いっぱいの、ドイツ児童文学の名作。
昨日の「そらいろのたね」のような悪役の存在はだいじです。
あのきつねのような、ずるくて、自分に利のあるように動こうとするスレスレの悪さをする傾向は、だれの中にも、どんな子ども(とおとな)の中にもあると思います。
(まったくない、おっとりさんももちろんいるのですが)
自分のことだ!とは誰も思いはしないものなので、第三者目線から「自分じゃないイヤな人」という風に読むはずですが、気付きのようなものはやはりあるはずです。
文字にされ、映像化されたイヤな行動、ずるさ、を目の前に見せられると、やっぱりどこかで、「いけないな」と、そのような行動を自重、また忌避する気持ちが生まれるのではないでしょうか。
なので、悪役というのは、とても児童書や絵本にとって主人公以上に、たいせつで貴重な存在だと思います。
◇
……と、昨日書き忘れたので書いてみましたが、今日は先日読み終えた「カイウスはばかだ」にすることにしました。
このお話も、悪役はもちろん、子どもたちの行動も絶妙におもしろいので、紹介したいと思います。
だが、しかし。
ずーっと、ずーっと、積読になっていた二冊の本。
ずーっと、ずーっと、読みたい、読まなければ、読もう、と思い続けて本棚の中にそのままになっていた本。
この二冊が、その筆頭です。
どうしても読まねばなるまいと心に決めて、1ページも読まないうちから図書館で借りてみもせず購入です。
決めては三点。
①こいつは面白そうだぞと思った
②読んだことがない本
③復刊されている
こんなやり方で、読んでないのにめくりもせずに購入する本というのは、それほど多くはありません。
◇
さてどちらにしよう。
なぜか、二冊あると思うと、「どちらにしよう」という葛藤も加わって手が止まってしまう不思議。
これで積読ナンバーワンが決まる。
妹子にくじをひいてもらいました。
「カイウスはばかだ」だ!
栄えある積読トップは、「オタバリの少年探偵たち」になってしまった~。
でも、こういうときに片方をクリアしたら、次はなぜか楽々クリアできるはず☆
よ、よし。いくぞ……。
◇
表紙の絵で、古代ローマの子どもたちの話であるというのは分かっていました。
説明文からミステリ仕立てのようだというのを推測しました。
これ、すごいと思います。
古代ローマの子どもたちのミステリって、すごくないですか?
よく思いつくな。
何だか頭に入ってこないー!
導入が難しいです。
お話が難しいのではなく、面白いです。
でも難しい。
これは名前が原因です。
ローマ人(あと、ロシア人)の名前は鬼門です!
覚えられません。
しかもミステリ。
人間関係とキャラをしっかり頭に入れていなければならないです。
やはり、そのあたり岩波文庫もきっちり配慮がしてあって、顔つきの人物紹介が書いてあります。
生徒たちの顔を眺めてみました。
さっぱり区別がつきません。
カイウス、ルーフス、ムキウス、アントニウス。
「ス」が付きすぎなんだよおおお。しかも四文字多ッ!
◇
これはもう、アレをやるしかない。アレを。
ここまでするのは、読んでないけど絶対に面白いという、絶大な信頼あってのことです。
これが児童書のすごい所で、「名作」と名前を冠された本、また復刊された本で子どもの本は、好き嫌いが出てくる余地がほとんどありません。
ほんとうに、万人におもしろいです。
合う合わないは、それなりにはあるのですが、「面白い」「すごい」「感動した」をクリアするハードルがすごく低いです。
なので絶対信頼してます。
絶対面白いはず。
やるぞ、アレを!
最初に作ったのがこれです。
いつもはもっと、雑なメモです。
今回は、ブログ用のためと、この本を読んでみたいと思う人のために頑張りました。
(WindowsのWhiteboardを使ってます)
どこまでやるかは、読み進めながら、状況次第です。
面白い本や名作と折り紙付きの本は、これをずっと頭から最後までやる必要はなく、大体序盤が終わる頃に、キャラもつかめてスッと頭に入るようになります。
◇
岩波文庫が親切に描いてくれている人物紹介、顔と名前しか書いてないので、属性までわかりません。自分なりに特徴を書きくわえながら作ってみます。
効果はてきめんでした。
「カイウスはばかだ」のもくじは、22章まであるのですが(けっこうガッツリとしたミステリーです。
1章と、2章の半分ぐらいまでで、もう作るのをやめました。
それからは、面白くてめくる手がとまりません。
ちょうどだんなが「おんせん!おんせんに行きたい!おんせんに行こうよ!」とわめき散らかしていたので、温泉のおともに連れて行きました。
マナー的にどうなのかはわかりませんが、箱根の温泉に行ったとき、金髪の欧米人っぽい人が入っていて、おもいっきり露天風呂のおやすみどころ(上がってから休む場所ではなく、おふろ本体の横に置いてあるのぼせを冷ます場所)で寝ころんで文庫本を読んでたのを見たことがあります。
あれは衝撃だった。
(でもイヤな気持ちにはなりませんでした☜読書家にはとことん甘い)
さすがにそんな場所で読んだりはしませんが、上がってから待ち合わせ場所で読もうと思って持って行きました。
酔ってしまうのに車の中でページをめくる手が止まらな~い!!
妹子「おもしろい?」
わたし「めっちゃおもしろい」
かなり車に酔うタイプなので、本当に無理なんですが、ちょっと少しはマシな方法を編み出しました。
ちょうどガラスの所まで本を持ち上げて、景色を背景にして同化させて読みます。
わたし「最初が入りにくいからこれまで敬遠してたけど、すっ…ごい面白い。これだから本を読むのって、やめられないんだよね~~!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
第二次大戦直後のイギリスで、戦争ごっこにあけくれる少年たちの物語。ある日、みんなでかせいだお金が消えてしまいます。犯人を見つけ、お金をとりもどそうとするうちに、いつのまにか、悪党一味の大犯罪があきらかに…。小学5・6年以上。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
おばあちゃんをたずねる途中の列車で,大切なお金を盗られてしまったエーミール.ベルリンの街を舞台に,少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます.
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
お金持ちの両親の目を盗んで夜おそく街角でマッチ売りをするおちゃめな点子ちゃんと、貧しいアントン少年―つぎつぎと思いがけない展開で、ケストナーがすべての人たちをあたたかく描きながらユーモラスに人生を語る物語。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
おたがいを知らずに別々の町で育った、ふたごの姉妹ルイーゼとロッテ。ある夏、スイスの林間学校で、ふたりは偶然に出会います。ふたりは、大胆な計画をたてるのですが…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
どろぼうを追跡してみごとにつかまえた,少年たちの大活躍から2年.お母さんの再婚という大きな悩みをかかえたエーミールは,ちょうど〈教授〉の誘いもあってふたたびベルリンのおばあさんのもとへ.そこで仲間たちといっしょに巻きこまれることになった今度の事件とは? 「エーミールと探偵たち」の続編
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ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。
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星からきた少女
ヘンリー・ウィンターフェルト (著), レギーネ・オフルス=アッカーマン (イラスト), 関 楠生 (翻訳)
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