大人が読む児童書「カイウスはばかだ」 3 読了 日本でもこの面白さを参考に、「戦国武将の小姓ミステリ」を希望!
今日、ご紹介するのは児童書です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
古代ローマの小さな学校に通う、七人のやんちゃな少年たち。ある日の授業中に、いたずらで書いた「カイウスはばかだ」という落書きが、思わぬ事件に発展して……。無実の罪でつかまった友だちを助けるため、少年たちは一生けんめい、なぞにいどみます。ユーモアたっぷり、元気いっぱいの、ドイツ児童文学の名作。
大人が読む児童書「カイウスはばかだ」 1 積ん読ナンバーワンを決めろ
2 力作の導入サポート。「カイウスはばかだ」の運用マニュアル
これまでの話の展開、またルーフスのキャラからして、ねたんだり、さかうらみをして書いたりするはずがない、というイメージです。
自分は退学になったのに、カイウスは書き取りですんだ!とか、そんな感じではぜんぜんないです。
しかも、皇帝の神殿に……?
先生が襲われた事件と重なって、何とも不気味な予感がします。
みな、とりあえず落書きを見て、カイウスのもとへ行きましたが、ここでカイウスの妹、クラウディアが出てきました。
可愛い。
美少女かどうかは書いてないからわかりませんけど、みんなこの子が好きだし、感じがよくてすてきな少女です。
へーカイウスの妹がねえ……。
あんぽんたんの妹は、あんぽんたんではなかった!
クラウディアの口から、カイウスのうちにはすでに落書きのことが知れ渡っていること。
カイウスが、「あれを書いたのはルーフスのしわざです」とお父さんに云い付けたことが語られます。
みんな、怒り出しました。
最悪です。
やっぱりカイウスは嫌われもの、ルーフスは人気者っぽい雰囲気です。
みんな、ルーフスの方が好きで、そっちの肩ばかり持って心配しています。
でも、人気、不人気と、そこまではっきりと書いていません。
実際の教室の中ではよくあることですが、人気不人気は、はっきり分けて言えるほど別れていないものです。
それが別れるような事態になったときには、ちょっとこれは大変な事態だと考えてもいいでしょう。
うっすらと傾向の色のようなものがあるだけで、境界線は曖昧で、どちらにしてもずっと一緒にいた仲間であり、友達であることは間違いない。
それが本来の生徒たちの姿ではないでしょうか。
◇
ルーフスの危機です。
カイウスは、こんなとんでもない不思議なことが起きてる(先生が襲れたり、「カイウスはばかだ」と書いた書字板がなくなっていたり)というのを知らなかったとはいえ、ここで友達の名前を安易に出したのは最悪でした。
神聖な神殿に落書きという、罪に問われるかもしれないようなことなのに。
しかも、絶対そんなことするタイプじゃないと、わかっていそうなものなのに!
◇
カイウス、あまり頭よくなく、単純なタイプのようです。
でもお父さんはカイウスにはきびしいんですって。
カイウス君には、親の期待が負担なのだろうか。ストレスなのかな。
政治家の息子なんて、楽じゃないだろうな。
それも、それほどキレるタイプでもなく、基本があんぽんたんならなおさらです。
クラウディアも、どうやらお兄さんのカイウスの所業に怒っていて、ルーフスの肩をもっているようです。
ムキウスたちに、あれこれと家の中のことや、起きたことをすべて細かく教えてくれました。
頼りになるし、かわいい。
いったい、神殿の落書きで罪に問われたらどうなるのか。
何しろ古代ローマの時代ですから、子供だって罪に問われたら処刑されることもある。
まさか、そんなことが……。
不安げなクラウディアに、これまたおしゃべりのアントニウスが、ぺらぺらとしゃべってしまいました。
子どもだって処刑されることあるよ!見たことがあるよ。それはこうでこうで、こんな感じで……。
クラウディア、顔色が変わってしまいました。
ん?
これは……?
私の思いこみ?それともフラグ?
泣き出して逃げていってしまったクラウディア。
いくら本当でも、女の子にあんな話はするもんじゃない、なんてたしなめられていますが…。
これって?
クラウディア、ルーフスのこと……?
◇
みな、そろってルーフスの所に行きました。
ルーフスのおかあさん、すごくすてきな人です。
美しい奴隷、ロンプスも少女です。
気のせいかもしれませんが、読んでいてこの子もなんとなく、ルーフスが好きっぽいです。
モテやがるな、ルーフス!たぶんイケメンなんだろうな!(妄想)
ルーフスは、家にいましたが様子が変です。
絶対に自分じゃない!!と言い張っていますし、嘘をついている様子もないです。
※追加情報:
・皇帝は、ルーフスのお父さんの将軍の人気を妬んでいる。
・ルーフスは、先生が襲われた日の夜、何かお金を集めてこっそり出て行き、そしてびしょ濡れで帰ってきた。
・ルーフスが逮捕された(!)。
・告訴したのはカイウスでもカイウスのお父さんでもないらしい(!!?????)
謎は、深まるばかりです!
これは、ミステリなので、これ以上説明するとまったく面白くなくなっちゃうし、やめられなくて温泉も早く上がってしまったほどなので、ぜひぜひ、読んでみてもらいたいです!
◇
しかし、古代ローマの子供達のミステリーを書くって、その発想じたいが凄いなと思いました。
やはりヨーロッパでは、歴史を学ぶ上で古代ローマは自分たちのルーツでもあるわけですし、割と身近なものなのかもしれません。
ユーチューブのTED-edでも、やたらと古代ローマが多いです。エジプトやギリシャもありますが。
これを読んだ新進気鋭の誰かが、
「江戸時代の寺子屋ミステリ」
とか、
「平安時代の稚児ミステリ」
「戦国武将の小姓ミステリ」
とか書いてもらえないものだろうか。
(特に最後の奴、激しく希望!)
漫画とかではありそうな気がするんですがそこをあえて児童文学で。
ああ、でも…古田足日さんが、書いてた気がするな。さすがだな。
忍者ネタであった気がします。
すっごく面白くて夢中になって読んだっけ。
確か太田道灌が悪役だったような……。
よし、探してみよう!
そういうの、現代の子どもたちにもぜひ!
新しいのをplease!
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第二次大戦直後のイギリスで、戦争ごっこにあけくれる少年たちの物語。ある日、みんなでかせいだお金が消えてしまいます。犯人を見つけ、お金をとりもどそうとするうちに、いつのまにか、悪党一味の大犯罪があきらかに…。小学5・6年以上。
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おばあちゃんをたずねる途中の列車で,大切なお金を盗られてしまったエーミール.ベルリンの街を舞台に,少年たちが知恵をあわせて犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます.
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お金持ちの両親の目を盗んで夜おそく街角でマッチ売りをするおちゃめな点子ちゃんと、貧しいアントン少年―つぎつぎと思いがけない展開で、ケストナーがすべての人たちをあたたかく描きながらユーモラスに人生を語る物語。
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おたがいを知らずに別々の町で育った、ふたごの姉妹ルイーゼとロッテ。ある夏、スイスの林間学校で、ふたりは偶然に出会います。ふたりは、大胆な計画をたてるのですが…。
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どろぼうを追跡してみごとにつかまえた,少年たちの大活躍から2年.お母さんの再婚という大きな悩みをかかえたエーミールは,ちょうど〈教授〉の誘いもあってふたたびベルリンのおばあさんのもとへ.そこで仲間たちといっしょに巻きこまれることになった今度の事件とは? 「エーミールと探偵たち」の続編
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ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。
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星からきた少女
ヘンリー・ウィンターフェルト (著), レギーネ・オフルス=アッカーマン (イラスト), 関 楠生 (翻訳)
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