~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「こうさぎのクリスマス」 相手に見せない思いやり。うさぎの兄妹のクリスマスにふさわしいお話

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

こうさぎのクリスマス
松野正子 (著), 荻 太郎 (イラスト)

両親がキツネに追われたまま帰ってこないので、兄ウサギのラビーと妹ウサギのルビーは、二人だけで暮らしていました。森で薪をひろいながら、他の家にはどこもクリスマスツリーが飾ってあるのを見て、ラビーはルビーに「うちにはサンタクロースなんかこないよ」といいます。でも二人はそっとお互いのためにクリスマスの贈り物を……。心にしみいるお話が柔らかなタッチで描かれます。(福音館書店サイト

 

クリスマス前にかわいいお話を紹介しようと思って、「こうさぎのクリスマス」を引っ張り出して来たら、残念ながら今は古本でしか出回っていないようです。


こどものとものうさぎが出てきてクリスマスが出るというこの3点をクリアするなら、思い出すのは、佐々木たづさんの「子うさぎましろのお話」です。

 

いちど記事に書きました。

whichbook.hatenablog.com

 


こうさぎましろ」の方は若干、宗教色が強いですが、こちらの「こうさぎのクリスマス」に関しては、これは、お兄ちゃんうさぎと妹うさぎの、それはそれは可愛らしい兄妹愛のお話です。


そして若干、「賢者の贈り物」っぽい感じのお話でもあります。

 

つまりお互いに内緒でプレゼントを贈り合います。

 

絵本(というか本全般)には、
「先にそれを言っちゃったら面白くない」
という本と、
「たとえそれを知ったからといって、たのしみが減じるわけではない」
という本と、二種類あると思っていますが、この本は後者です。

 

 

お兄ちゃんうさぎの名前はラビー。
妹うさぎはルビーです。

 

もうすぐクリスマスが来るという時期に、2ひきは森に薪を取りに行きました。

 

ご近所(くま、りす、のねずみなどです)のおうちには、どこにもすでにクリスマスツリーが飾られていて、ごちそうを作るいい匂いが漂っています。

 

実はこの兄妹、子どもどうし、たった2匹で暮らしています。
お父さんとお母さんがきつねに追いかけられて、行方不明になってしまっているのです。

 

いわば、みなしごの二人……。

 

 

それでもルビーは、無邪気にサンタクロースの贈り物の話をします。

しかし現実的になっているお兄ちゃん、冷たいです。

「うちにはサンタクロースなんて来ない。お母さんもお父さんも帰ってこない。うちにはクリスマスツリーだって飾ってないし、サンタクロースだって気づかない」

頭ごなしに否定します。

 

このお兄ちゃんと妹のやり取りがいかにもありそうで、しっかりしなきゃと思い、気を張っている頑張り屋のお兄ちゃんと、まだまだ子供で無邪気な妹の対比がとても良いです。

 

 

妹ちゃん、夜にベッドの中で、一生懸命考えます。

 

(割と大きな一軒家のおうちで、子うさぎたちはそれぞれ自分の部屋を持ってますので、あこがれてました)

 

自分はいい子にしてるし、サンタクロースはいい子のところに来るんだから絶対に来る!

でもその後にちょっと思いつきました。

兄さんは、サンタが来ないなんて言ったから、サンタも怒って兄さんの所には来てくれないかもしれない。それはかわいそうだなあ。

 

お兄ちゃんも、ベッドの中で一生懸命考えます。
冷たい言い方をしてしまったことを後悔しています。

あんなに楽しみにしてるのに、クリスマスに贈り物がなかったら、いもうとがかわいそうだなあ。

 

2匹とも「そうだ!そうしよう。そうすればいい。」

何かいいことを思いついて、2匹とも眠りにつきます。

 

お兄ちゃんはサンタを…(もにょもにょ…自粛により削除…)…なのですが、妹は自分の所には必ずくる!と信じてるのがとてもかわいいです。

 

 

2匹は森で薪を拾うとき、お互いがお互いに知られないように、何かをこっそりとポケットに入れています。

 

ここを読んだおかげで私、どんぐりや松かさはともかく、やたらと「かわいたコケとくさ」などを家に持って帰るようになってしまって、よく怒られました。

 

 

いもうとのルビーが作ったのは、乾いたコケと草を詰めたクッション。
ハンカチを二枚、縫い合わせてつくるのです。
針で指をさしながらも、知られないように静かに頑張ります。

 

お兄ちゃんのラビーが作ったのは、どんぐりと松かさで作ったお人形。
とんかちで指をたたきながらも、知られないように頑張ります。

 

 

ずいぶん夜が更けてからお互いがお互いのお部屋のドアに何かをそっとぶら下げます。
この時、自分のドアは開いているので、何かがぶら下がっているのは見えません。

うまい!

 

この絵本全体が、クレヨン書きのような(ような、というかクレヨン?)絵で、とても優しい色合いです。

 

うさぎの顔も結構うさぎっぽくて、ピーターラビットほどリアルではなく、服を着て可愛い兄妹です。

お互いを思いやる気持ちが暖かいです。

 

 

クリスマスの日、二匹ともびっくりしながら喜ぶのですが、このとき、サンタは来ないと信じてるお兄ちゃんがいったい何をどう解釈するのか……なんて考える暇もなく、ドアが開いて、お父さんとお母さんが帰ってきました!

 

絶妙のタイミング。

お兄ちゃんだって、これはお父さんとお母さんだったんだと思えば思えるし、いもうとはサンタがくれたんだと思えば思えるし、このいい子たちへ、お父さんとお母さんこそ、サンタのプレゼント!と考えることもできるし、最高です。

 

抱きつくこうさぎたちの、顔の可愛らしいこと。

 

最後のページでお母さんのお膝の上で甘えながらお人形で遊ぶ妹と、お父さんといっしょに薪をくべながらクッションに座っているお兄ちゃん。

 

最後のページも見開きで、真っ白なクリスマスの美しい情景です。

 

 

「子うさぎましろのお話」も大事にしている本なのですが、宗教色がなくても、クリスマスの喜びと、相手に知られないように行う思いやりの尊さを、さりげなく描いていて、大好きな作品です。

 

 

せっかくなので賢者のおくりもの英語テキストと音声ファイル無料で読んだり聞いたりすることができますので、ご紹介しておきます。
(いずれも、グーテンベルクのリンクです)


O・ヘンリー「賢者の贈り物」原文

O・ヘンリー「賢者の贈り物」 音声ファイル

 

 

「プロジェクト・グーテンベルク」
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492

 

プロジェクト・グーテンベルクについて
Wikiの説明ページ

プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館

 

 

 

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子うさぎましろのお話
佐々木 たづ (著), 三好 碩也 (イラスト)

サンタクロースからもらったおかしを食べてしまった子うさぎのましろは、またほしくなってもらいにいくのですが……。

 

 

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賢者の贈り物(新装版) (講談社青い鳥文庫)
オー・ヘンリー (著), そらめ (著), 飯島 淳秀 (翻訳)

いちばん賢くないかたちでプレゼントを選んでしまった2人の幸せを描く「賢者の贈り物」。ツタの最後の一葉が落ちたら、自分は死ぬんだと信じてしまった若い女性に起こった奇跡の物語、「最後の一葉」……。100年もの間、世界中で読まれてきたO・ヘンリーの作品から、えりすぐりの10編を収録。くすっと笑って本を閉じ、また読み返したくなる、そんな宝物のような短編集です。

 

 

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新訳 賢者の贈り物・最後のひと葉 (角川つばさ文庫)
オー・ヘンリー (原著), 越前 敏弥 (翻訳), 武富 博子 (翻訳), 田中 亜希子 (翻訳), 宮坂 宏美 (翻訳), 吉澤 康子 (翻訳), 椎名 優 (イラスト)

小学生のうちに読みたい、短編の名手、O・ヘンリーの傑作集!100年もの間世界中で読みつがれてきた、短編の名手O・ヘンリーの名作集。国語の教科書にも採用された「賢者の贈りもの」「最後の一葉」を表題とし、「警官と聖歌」など、よりすぐりの10編を収録。

 

 

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オー・ヘンリー傑作集 1 賢者の贈り物
オー・ヘンリー (著), 越前 敏弥 (翻訳)

1900年代初頭のニューヨークに生きる人々の姿を描いた、珠玉の短編集!1ドル87セント。クリスマスを翌日に控え、若妻デラが夫へのプレゼントに費やせるのは、たったそれだけだった。しかし、愛する夫にどうしても世界一の贈り物をしたい。デラは唯一の自慢である髪を売る決心をするが……(「賢者の贈り物」より)。世界中でもっとも愛読されているこの一編をはじめ、「警官と讃美歌」「金のかかる恋人」「春の献立表」など、短編の名手オー・ヘンリーが、1900年代初頭のニューヨークに暮らす庶民の姿を独特のユーモアとペーソスを交えて描きだした短編16話を収録。

 

 

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1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編
O・ヘンリー (著), 芹澤 恵 (翻訳)

めまぐるしいオフィス風景をユーモラスに描く「多忙な株式仲買人のロマンス」、若く貧しい芸術家たちの姿を描いた「最後の一葉」、表題作の「1ドルの価値」。O・ヘンリーはアメリカの原風景とも呼べるかつての南部から、開拓期の荒々しさが残る西部、大都会ニューヨークなど、さまざまに舞台を移しながら多彩な作品を生み出した。世界各国で読み継がれる代表作のほか、知られざる作品も新訳で登場。心に染み入る珠玉の23編。

 

 

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The Gift of the Magi (English Edition)
英語版 O. Henry (著)

The classic holiday tale of love, devotion, and the art of giving—written by one of the world's best-known short-story authors—will delight those both new to and familiar with this timeless narrative.

 

 

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