今日の一冊「ぐん太」「おんみょうじ」 夢枕獏さんの迫力満点の絵本
今日、ご紹介するのは絵本です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日の一冊
夜なき石。それはかつて誰も持ち上げることができない石だった。少年ぐん太はその石を持ち上げることに挑み、誰よりも修行し誰よりも強くなる。しかし、それでも石は持ち上げられなかった。石を持ち上げるのに必要なのは、負けを知り、悔しさを覚え、人を許し、好きになる心で持ち上げるのだとわかったその時、ぐん太は初めての体感を得る!
以前、読みきかせの集会に参加したとき、珍しく男性の方が参加されてました。
その時に読んでいられたのがこの作品です。
夢枕獏さん、絵本も書いていたんだ!とびっくりしました。
力強い物語です。
男性の声の読み聞かせにとても向いていました。
不吉な気配を振りまく「夜泣き石」
誰も持ち上げることができない石でした。
ぐん太のお父さんも、持ち上げようとして、下敷きになってしまいました。
夜泣き石は、どことなく「殺生石」を思わせる存在です。
ぐん太は、いつか必ず強くなって、あの石を持ち上げてやると誓います。
強く、大きくなるぐん太ですが、どうしても夜泣き石を持ち上げるまでには到りません。
夢にお父さんが出てきて語ります。
いったい、何が足りないのかを……。
そのうち、ぐん太も年を取りました。
たくさんの経験をしました。
ぐん太という名前、繰り返しの擬音を多用した、力強いことば。
人の一生を通じて大切なことを問いながら、夢のような、神話のような、不可思議な世界をが広がっていました。
とてもすばらしかったです。
◇
いやー、夢枕獏の絵本…びっくりだよ。
絵本を書いていたなんて!
しかも、すごかった!
……と思って家に帰って、数日前に先日借りた絵本を見直していたら、その中に入ってる一冊は夢枕獏!
すごい偶然だ~!
おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー
2015/4/17 夢枕 獏 (著), 大島 妙子 (著)
そらには ほそい
ねこの めのような
つき
というところが好きでした。
ちゃんと、子ども用に単語と単語の間に空間をあけていて、改行するタイミングも好きです。
そばかす(もしくはにきび)のある、安倍晴明というのも珍しいです。
これは確か、とても有名な安倍晴明の逸話をもとにしていると思います。
百鬼夜行に行き合わせた、師匠の鴨野忠行と幼い安倍晴明。
師匠が居眠りをしているので、安倍晴明は呪文を唱えて姿を消します。
大島妙子さんのすごい絵の妖怪が、それこそ百鬼夜行で、ぞろぞろと出てくるのが大変な迫力です。
うまく切り抜けられそうになった時、牛が大声で鳴いてしまいました。
牛は食べられてしまいました。
ええ~……。
陰陽師お約束の式神を放ったり、安倍晴明が人間的だったり、でも神話にふさわしい超人さもあり、こわく楽しい絵本です。
最後の開設で、夢枕獏本人が、陰陽師についてアツく語るというおまけつきです!
この絵本二冊、これは、とても嬉しい発見でした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
舞台は平安京――羅城門へ向かう牛車の前を歩くのは、まだ子どもの陰陽師・安倍晴明。そこへなにやらあやしい雲が近づいてくる。雲のなかからやってきたのは鬼のむれ、百鬼夜行だった。「ひとは おらぬか おっぺけぽー。いたら くっちゃえ くっぺけぽー」。どうしよう、このままではみんな鬼に食われてしまう。「しっ」。晴明は呪(しゅ)を唱えて結界をはり……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
いやなやつ、いるよね。なんでもできる、きれいなあのこ。きらいなあいつ。いじめっこ。これをかぶると、ひとをのろうことができる。なんでもできる、このおめん。すごいぞ、すごいぞ。夢枕獏と辻川奈美が、だれにもひそむ心の闇を描き出す。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせ、この世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。映画、舞台、漫画にもなった超人気シリーズの記念すべき第一作。
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はじまりは、ちいさな ちいさな ちいさな芽。ちいさな芽がぐんぐんのびて、おおきな おおきな木となり…。生命が生まれ育まれる誇らかさ、また、世界が育ち広がっていく豊かさ、膨らんでいく欲望が互いをほろぼすむなしさなど、壮大な物語を、リズミカルな語りと細密なイラストで描かれます。
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料理の数だけ、物語がある。舌と脳天を直撃する、究極の五十食を堪能あれ!作家が本当に美味しいと思った食べものとの出会いを、下品に、はしたなく、エロティックに書き下ろす。
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