~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

今日の一冊「オノモロンボンガ」 カメの見た美しい夢

今日、ご紹介するのは絵本です。

 

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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

オノモロンボンガ
アルベナ・イヴァノヴィッチ=レア (著),
ニコラ・トレーヴ (イラスト), さくま ゆみこ (翻訳)

ずっと昔、まだ世界が若かったころ、まほうの木を目指し、1匹のカメが旅立ちました。木の名を言えたら、果物が食べられるのです。長い道のりを経て木にたどり着き、ややこしい名を言えるかな? ゆかいなアフリカ南部の昔話。

 

 

「うさぎとカメ」の話の、うさぎだけではない、さまざまなどうぶつも出てくるバージョンといったところでしょうか?

 

アフリカ南部のむかしばなしとのことですが、説明を見てみると再話したのはブルガリアのアルベナ・イヴァノヴィッチ=レア。
素敵な絵を書いたのはフランスのニコラ・トレーヴさんとのことです。

 

これは本当にアフリカ南部の昔話全くそのままなのかな?
再話されていくうちに、次第に形を変えてしまうこともありますし。

 

 

とてもとても不思議な、美しいお話です。

 

まだこの世界がわかかったころ、雨が全く降らず、大地がひび割れ、みんなが食べ物に困ってしまう
そんなことが起きました。

 

そんな時ある晩、カメが不思議な夢を見ます。

 

「ふしぎな ゆめ」
「おおきな うつくしい 木」

 

という風に、ひらがなで書いてあるのが、絵本や児童書の耳を見た感じのとても好きです!

 

この「目で見た語感」を大切にしてくれている本は、嬉しくなります。

 

その木には、たくさんの見たこともない美味しそうな実がなっています。

 

カメは、シャーマンの女性に、どういうことなのか聞きに行きました。

 

「なんでも しっている おばあさん」
です。

 

するとおばあさんは、そのまほうの木は本当に存在する、正しい名前を言って挨拶すれば実をもらうことができる、ということを、カメに教えてくれました。

 

その名前が、この本の題名なのですが、教えられるのは一回だけとのことです。

 

さてカメは、忘れないようにその名前を口の中で何度もつぶやきながら歩いて行きました。

 

 

行く途中で様々な動物たちに会いますが、
最初はライオン。
次はぞう。
次はガゼル、

 

みんな、お前みたいなのろいやつ、といってカメをばかにします。
そして、自分の方が強かったり速いのだから、自分が行ってやる!と、カメに教えてもらって行こうとするのですが……。

 

ことごとく、失敗します。

 

アリ塚に頭をぶつけてしまったり、すべってころんでしまったり。
その失敗もユーモラスですが、名前を忘れてしまったときに、あれだったかな?これだったかな?と思い出そうとしてつぶやく

 

似てるけどソレジャナイ感。
とにかく、それでだけはない感。
が、笑えます。

 

「一度しか教えることができない」という不思議さです。
口伝のようなものでしょうか?
昔は大切なこともすべて口伝、暗記で、師匠の前ですべてそらでうまく言えるようになったら免許皆伝だったらしいですが。

 

この、一人だけで終わってしまう伝言ゲーム。
カメは、冷静に見ていて、こりゃだめだと、首をふり、マイペースに旅を続けます。

 

しっかりと着実に、ゆっくりと歩をすすめるうちに、ついに木にたどりつきました。
木の前では、噂を聞いた動物たちがみんな揃って待っていました。

 

ラソンの走者を迎える群衆のように、沿道の皆に迎えられます。

 

世界にさまざまなくだものが、満ちることになった由来譚です。

 

 

アフリカ南部の昔話の再話なので、イメージとしては「キリクと魔女」
絵が鮮やかで美しいですが、アフリカの原色よりも少しパステル調になっていて目に優しく、スタイリッシュです。

 

動物たちの顔も表情があって、とてもユーモラスです。

 

 

 

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キリクと魔女(字幕版)
Amazonプライム

アフリカのある村で、一人の赤ん坊キリクが自分の意志で生まれる。村は魔女カラバの魔力によって泉は涸れ、男たちはむさぼり食われ、困窮しているという。キリクは赤ん坊ながら、その超人的な働きで、魔女の手から村人を救い、魔女に立ち向かってゆく。母に助けられ、幾多の冒険の末に「お山の賢者」から知恵を授けられたキリクは、魔女に決戦を挑むが、その行く手には思いもかけない運命が待ち受けていた……。 © 1998 / LES ARMATEURS - FRANCE 3 CINEMA

 

 

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おによりつよいおれまーい(サトワヌ島民話)
(「こどものとも」人気作家のかくれた名作10選)
土方 久功 (著, イラスト)

サトワヌ島は南太平洋のミクロネシア諸島の中の小さい島です。おれまーいは島の男の子。ものすごく強い子で、誰もかないません。あんまり乱暴なので、こらしめに他の島へやってしまいますが……。

 

 

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鹿よ おれの兄弟よ
神沢 利子 (著), G.D. パヴリーシン (イラスト、原著)

小舟をこぐ猟師は、川をのぼって鹿猟に出かける。鴨が飛び立ち、魚が跳ねる。猟師は、牝鹿に耳を舐められていた幼い頃の甘い思い出にひたる。父さんも祖父さんもここで鹿を獲った。母さんも祖母さんも焚火を囲んで笑っていた。だがいまは、あちらとこちらの別の世で暮らしている……。児童文学者の神沢さんが北方民族への深い思いをこめた作品を、シベリア在住の「ロシア人民芸術家」である画家パヴリーシンさんが渾身の力で表現した。

 

 

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たまごからうま
織茂 恭子 (イラスト), 酒井 公子

ある日、男が市場へうまを買いにいきました。ところが、お金が足りなくてかわりに馬のたまごを買いました。さて、そのたまごから、かえったのは…? 次から次へと動物たちが登場する、奇想天外なベンガル地方の民話。

 

 

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とうもろこしおばあさん―アメリカ・インディアン民話
秋野 和子 秋野 亥左牟

むかし、アメリカに住むインディアンは、男たちは、野牛をとり、女たちは、いもを掘って暮らしていました。あるとき、小さな村に、ひとりのおばあさんがやってきて、「ここに ひとばん とめてくださらんか」とたのみました。インディアンの若者は、こころよくおばあさんを泊めてあげました。つぎの日、大人たちが、狩りやいも掘りに出かけてしまうと、おばあさんはテントの中で、なにやらおいしそうなものを作りました。それは、今まで見たこともないパンでした。みんなで食べてみると、とてもおいしいのです。「やぎゅうでも、いもでもない。なんだろう、このおいしいものは」と聞くと、「それは、とうもろこしというもんだよ」とおばあさんは、答えてくれました。でも、どこで手に入れたかは、どうしても教えてくれませんでした。ふしぎに思った若者は、ある日、狩りに出かけたふりをして、戻ってくると、こっそりテントの中をのぞいてみました。すると、中ではおばあさんが……。 とうもろこしは、どのようにして、インディアンに伝わったのでしょうか? アメリカ・インディアンに伝わる不思議なお話を、お楽しみ下さい。

 

 

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ウェン王子とトラ
チェン ジャンホン (著), 平岡 敦 (翻訳)

昔、猟師に子どもを殺された母トラが、憎しみのあまり、夜ごと村をおそうようになった。困りはてた王に、国の占い師が予言する。王子をトラにさしだせば、国に平穏がおとずれると。王は、幼い王子ウェンを森の奥におきざりにするが・・・?2005年ドイツ児童図書賞受賞。

 

 

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