~珠玉の児童書~

~珠玉の児童書の世界~

学校で塾で、読解力を身に付けるには本を読め、と言われる。ではいったい、どの本を読めばいいのか?日本が、世界が誇る珠玉の児童書の数々をご紹介。

閑話 「クラバート」と「千と千尋の神隠し」 わたしの心の闇と葛藤について

閑話です。

 

>力をこめた紹介記事☆超絶☆名作

>今日の一冊 軽くご紹介

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今日の一冊

 

クラバート
オトフリート=プロイスラー (著),
ヘルベルト=ホルツィング (イラスト), 中村 浩三 (翻訳)

ヴェンド人の少年3人組で村から村への浮浪生活をしていたクラバートは、ある時から奇妙な夢を見るようになる。「シュヴァルツコルムの水車場に来い。お前の損にはならぬだろう!」という声と止まり木に止まった11羽のカラスの夢。 その声に従って水車場の見習となったクラバートは、昼は水車場の職人として働き、金曜の夜には12羽目のカラスとなって、親方から魔法を習うことになる。(小山由絵)

 

 

カオナシレベルで背負ってしまった悶々のお話です。

 

金曜ロードショーで「千と千尋の神隠し」があるのは知っていました。
昔はあれば必ず見ていたけど、最近は……。

 

わたし「妹子、今日は千と千尋だよ~~。あなた見るのはじめてでしょ。もう見ていいよ~」

 

と呼ぶだけ呼んで、新しく始まった仕事に疲れてその日はぐっすりと寝てしまっていました。

 

もう見ていい、とは?

 

 

次の日の朝。

 

妹子「お母さんお母さん見たよ!言ってたこと、わかったわ。ひどかった」
わたし「ぱっちり」

 

わたし「わかってくれた!?」

 

妹子「ありゃひどい。だってクラバートは、ふわっとした毛のかわいいカラスと、うつくしい女の子のきれいな話でしょ?なのに、めちゃめちゃきたならしい豚で、よだれたらしててほんとにきもちわるかった。お母さんが怒ってたのもよくわかったわ」

 

わたし「………」

 

妹子の言い方、パンチがきいてるな……。

さすがのわたしもそこまで辛辣ではなかったわ。

 

 

あまり大きな声では言えない話なんですが、妹子さんは母が許可するまで、ずっと千と千尋を見るのを禁じられていました。

 

何故かというと、この千と千尋、ラストシーンが「クラバート」という児童書と酷似しているんです。
そして、そのことは宮崎駿監督も、公言しています。

 

それで、

どうしても、「クラバート」を先に読んでみて欲しい。
それまで「千と千尋」は見ないでくれ。

……というお願いをしていたのでした。

 

 

「クラバート」は、若干、薄気味悪いホラー感がある箇所もあります。

最初、こわがりの妹子は恐ろしがってなかなか進まなかったのですが、読み進めるうちにやっぱりどんどん引き込まれて、ついに読み終わってくれました。

 

妹子「よかったわ!すてきだった。感動した!」

 

というわけで、めでたく今度は「千と千尋」を見ようとしてたのですが、こんな時に限って録画もどこに行ったか分からない!

Amazonプライムにも出ていない!

 

いいよ、いつか必ずテレビでやるよ、とそのままになっていたのでした。

 

 

見ていい、といったとき、妹子は疑いの目で
妹子「お母さん、センチヒ嫌いなんじゃなかったの?」
なんて言ってました。

 

わたし「そんなことはないです。公開された当時、10回ぐらい映画館まで見に行ったし、基本ものすごく好きなんだよ。ただ終わり方が……。あのラストシーンさえなければ……(ギリギリギリ)」

 

 

というわけで、やっと金ローで見ることができた妹子、そのラストシーンについての母の葛藤を、「わかったよ!」と言ってくれたのでした。

 

妹子「まあ、ちょっといやだなって思っただけで、お母さんみたいに『ぶち殺す!』とまでは思わなかったけど」
わたし「ちょっとちょっとやめて。お母さんだって『ぶち殺す!』とは思ってないから」
妹子「だってクラバートを読まないとセンチヒを見ちゃだめって言うんだから、相当怒ってるでしょ!」

 

わたし「いやそうじゃないんだよー!!ただ、初めて見る人が、クラバート読んだときに、これあの豚のやりとりの流れと同じだな、っていうイメージが横から入ってくるっていうのがちょっとイヤだったんだよ。なんか「クラバート」って、本当に最高に美しい清らかな愛と友情の恋物語じゃん。パーフェクトじゃん!オマージュにするにしても、なんで豚にすんのっていうね……それにあの豚、汚いじゃん……すごく大事な物語だったのよ……」

 

と思ってたら、何とジブリ公式がクラバート本体をおすすめしていて、ものすごく複雑な気持ちになってしまい、いつもなら速攻リツイートするのに、これだけはできませんでした。

 

 

もう千と千尋が公開されてからずいぶん時間が経ちます。
二十年間!

こんなにも長い年月、ずっと悶々としていて、一生懸命自分の中で噛み砕こうとして二十年。

 

 

クラバートの世界感が美しすぎ、自分にとって大事すぎたので、千と千尋のラストシーンだけはどうしても、いまだに自分の中で納得できていません。

 

ラストシーンに使っているというのが、また嫌でした。

 

読み手として、終わり方というのはすごく大事だと思っているので、大事なラストシーンだからこそ!
こんなにすばらしいお話だからこそ!
ラストシーン、そこだけは、宮崎監督が自分で考えればよかったのに!

 

その大事な部分を、この名作に豚で寄せないでほしかった!

 

豚じゃなかったら、ぜんぜん違ってたと思います。

……センチヒの豚って、なんか悪意がある書き方なんですよね。
ポルコとぜんぜん違います。

 

「クラバート」
本当に特別な物語なので……。

 

 

でも、こうやって公式がおすすめしてくれるところが、また名作として名前を広めるためには一役かっているんですよね~!!!
それは認めないといけない。

 

たぶん、自分の思い入れが強すぎるからよくないんですよね。
わかっているんですけど、なかなか受け入れられない。

 

あと、千と千尋が基本、最高に素敵でいい映画だから、余計なんですよねー!!

 

夕暮れになって明かりがついていく世界、
湯屋の表現、神さまたちが船から降りてくるところ。

ハクとの絆も、かまじいも、泥にまみれていた川の神様も、カオナシも。
どれも最高です。

 

あまりにも良かった。

 

ここで自分のカオナシレベルの闇を大暴露してしまったので、呪いを昇華させたいです。
二十年も根に持ってたらもう十分じゃないかな。

 

そんな気持ちをきれいさっぱり捨てて、純粋な気持ちで、ぜったいに、いつか「クラバート」を紹介したいと思います。

 

 

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